【国内旅行業務取扱管理者試験】令和元年度第1問「旅行業法及びこれに基づく命令」
第1問は,過去問と類似の問題がほとんどですから,5年分(最悪直近2年分)程度回しておけば合格ラインには乗るように思います。
第1問,第2問はさらっと済ませて,第3問に時間を割きたいところです。
(注)略称は次の通り
法:旅行業法
施行規則:旅行業法施行規則
施行令:旅行業法施行令
契約規則:旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
以下の各設問について,該当する答を,選択肢の中からそれぞれ1つ選びなさい。
(1)次の記述のうち,法第1条「目的」に定められているものはどれか。
ア.旅行業等を営む者の業務の適正な運営の確保
イ.旅行業等を営む者を通じた訪日外国人旅行者の誘致と観光立国の促進
ウ.旅行業等を営む者を通じた地方創生と国民経済の発展
エ.旅行業等を営む者が組織する団体の活性化による国際親善の促進
正解:ア(配点:4)
解説:法1条は下記のとおり定めています。アは法1条に規定されていますが,イないしエは法1条に規定されていません。したがって,正解はアです。
(目的)
第一条 この法律は,旅行業等を営む者について登録制度を実施し,あわせて旅行業等を営む者の業務の適正な運営を確保するとともに,その組織する団体の適正な活動を促進することにより,旅行業務に関する取引の公正の維持,旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図ることを目的とする。
(2)報酬を得て,次の行為を事業として行う場合,旅行業の登録を受けなければならないものはどれか。
ア.町内会が,徒歩での日帰り紅葉ハイキングを実施し,昼食のためにレストランを手配する行為
イ.観光案内所が,旅行者からの依頼を受け,他人の経営する貸切バスを手配する行為
ウ.イベント事業者が,外国の法令に準拠して外国において旅行業を営む者からの依頼を受け,他人の経営する旅館を手配する行為
エ.人材派遣会社が,旅行業者からの依頼を受け,全国通訳案内士又は地域通訳案内士を派遣する行為
正解:イ(配点:4)
解説:アについて,レストランの手配をする行為は「運送等関連サービス」にあたるところ,運送等関連サービスを行うについて旅行業の登録が必要なのは,①企画旅行中の運送等サービスを提供する者との間で契約を締結するのに付随する場合(法2条1項2号),②運送等サービスの利用に付随して旅行者のために代理・媒介・取次をする場合(同項6号),③運送等サービスの利用に付随して運送等サービスを提供する者のために代理・媒介をする場合(同項7号)の3つの場合です。しかし,本問の主たるサービスである運送等サービスが存在しないため,上記3つの場合のいずれにも該当しません。したがって,アは,旅行業の登録が不要であり,誤りです。
イは,法2条1項5号に該当するため,旅行業の登録が必要です。したがって,イは,正しいです。
ウ及びエについては,法2条1項各号のいずれにも該当しないため,旅行業の登録は不要です。したがって,ウ及びエは,誤りです。
(定義)
第二条 この法律で「旅行業」とは,報酬を得て,次に掲げる行為を行う事業(専ら運送サービスを提供する者のため,旅行者に対する運送サービスの提供について,代理して契約を締結する行為を行うものを除く。)をいう。
一 旅行の目的地及び日程,旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊のサービス(以下「運送等サービス」という。)の内容並びに旅行者が支払うべき対価に関する事項を定めた旅行に関する計画を,旅行者の募集のためにあらかじめ,又は旅行者からの依頼により作成するとともに,当該計画に定める運送等サービスを旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等サービスの提供に係る契約を,自己の計算において,運送等サービスを提供する者との間で締結する行為
二 前号に掲げる行為に付随して,運送及び宿泊のサービス以外の旅行に関するサービス(以下「運送等関連サービス」という。)を旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等関連サービスの提供に係る契約を,自己の計算において,運送等関連サービスを提供する者との間で締結する行為
三 旅行者のため,運送等サービスの提供を受けることについて,代理して契約を締結し,媒介をし,又は取次ぎをする行為
四 運送等サービスを提供する者のため,旅行者に対する運送等サービスの提供について,代理して契約を締結し,又は媒介をする行為
五 他人の経営する運送機関又は宿泊施設を利用して,旅行者に対して運送等サービスを提供する行為
六 前三号に掲げる行為に付随して,旅行者のため,運送等関連サービスの提供を受けることについて,代理して契約を締結し,媒介をし,又は取次ぎをする行為
七 第三号から第五号までに掲げる行為に付随して,運送等関連サービスを提供する者のため,旅行者に対する運送等関連サービスの提供について,代理して契約を締結し,又は媒介をする行為
八 第一号及び第三号から第五号までに掲げる行為に付随して,旅行者の案内,旅券の受給のための行政庁等に対する手続の代行その他旅行者の便宜となるサービスを提供する行為
九 旅行に関する相談に応ずる行為
2~7 略
(3)旅行業又は旅行業者代理業の登録に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
ア.第2種旅行業の有効期間の更新の登録がなされたときは,その登録の有効期間は,従前の登録の有効期間の満了の日から起算する。
イ.地域限定旅行業の更新登録の申請をしようとする者は,その主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に有効期間の満了の日の2月前までに更新登録申請書を提出しなければならない。
ウ.旅行業者代理業の新規登録の申請をしようとする者は,所属旅行業者を第1種旅行業者とする場合であっても,当該登録の申請をしようとする者の主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に新規登録申請書を提出しなければならない。
エ.旅行業者代理業については,登録の有効期間は定められていない。
正解:ア(配点:4)
解説:アについて,法6条の3第4項は,有効期間の更新の登録がなされたときは,その登録の有効期間は,従前の登録有効期間の満了の日の翌日から起算する旨規定しています。したがって,アは,これを従前の登録の有効期間満了日から起算するとしている点で誤りです。
(有効期間の更新の登録)
第六条の三 略
2,3 略
4 前項の場合において,有効期間の更新の登録がなされたときは,その登録の有効期間は,従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
イは,施行規則1条の2第2号の通りですから,正しいです。
(新規登録及び更新登録の申請手続)
第一条の二 法第三条の規定による旅行業又は旅行業者代理業の登録(以下この節において「新規登録」という。)又は法第六条の三第一項の規定による有効期間の更新の登録(以下「更新登録」という。)の申請をしようとする者は,次の区分により,当該各号に掲げる行政庁に,第一号様式による新規登録(更新登録)申請書を提出しなければならない。この場合において,更新登録の申請については,有効期間の満了の日の二月前までに提出するものとする。
一 略
二 業務の範囲が次条に規定する第二種旅行業務,第三種旅行業務又は地域限定旅行業務である旅行業の新規登録又は更新登録の申請をしようとする者 主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事
三 略
ウは,施行規則1条の2第3号の通りですから,正しいです。
(新規登録及び更新登録の申請手続)
第一条の二 法第三条の規定による旅行業又は旅行業者代理業の登録(以下この節において「新規登録」という。)又は法第六条の三第一項の規定による有効期間の更新の登録(以下「更新登録」という。)の申請をしようとする者は,次の区分により,当該各号に掲げる行政庁に,第一号様式による新規登録(更新登録)申請書を提出しなければならない。この場合において,更新登録の申請については,有効期間の満了の日の二月前までに提出するものとする。
一,二 略
三 旅行業者代理業の新規登録の申請をしようとする者 主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事
エについて,法6条の2は,「旅行業」についてはその登録の有効期間を5年と規定していますが,「旅行業者代理業」についてはその登録の有効期間を定めていません。また,法及び関係法令に,「旅行業者代理業」の登録の有効期間を定める規定はありません。したがって,エは,正しいです。
(登録の有効期間)
第六条の二 旅行業の登録の有効期間は,登録の日から起算して五年とする。
(4)登録業務範囲に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか(いずれも総合旅行業務取扱管理者を選任しているものとする。)。
ア.第1種旅行業者は,法第14条の2第1項の規定により,地域限定旅行業者が実施する本邦内の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものであって,一の企画旅行ごとに一の拠点区域内において実施されるものに限る。)について,当該地域限定旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる。
イ.第2種旅行業者は,本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)以外の全ての旅行業務を取り扱うことができる。
ウ.第3種旅行業者は,訪日外国人旅行者を対象とした本邦内の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものであって,一の企画旅行ごとに一の拠点区域内において実施されるものに限る。)を実施することができる。
エ.地域限定旅行業者は,本邦外の旅行に関する相談に応ずることはできない。
正解:エ(配点:4)
解説:アは,施行規則1条の3第1号の通りですから,正しいです。
(業務の範囲)
第一条の三 法第四条第一項第三号の国土交通省令で定める業務の範囲(以下「登録業務範囲」という。)の別は,次のとおりとする。
一 第一種旅行業務(法第二条第一項各号に掲げる行為(法第十四条の二第一項の規定により他の旅行業者を代理して企画旅行契約を締結する行為を含む。以下この条において同じ。))
二~四 略
イは,施行規則1条の3第2号の通りですから,正しいです。
(業務の範囲)
第一条の三 法第四条第一項第三号の国土交通省令で定める業務の範囲(以下「登録業務範囲」という。)の別は,次のとおりとする。
一 略
二 第二種旅行業務(法第二条第一項各号に掲げる行為のうち本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。次号において同じ。)の実施に係るもの以外のもの)
三,四 略
ウは,施行規則1条の3第3号の通りですから,正しいです。
(業務の範囲)
第一条の三 法第四条第一項第三号の国土交通省令で定める業務の範囲(以下「登録業務範囲」という。)の別は,次のとおりとする。
一,ニ 略
三 第三種旅行業務(法第二条第一項各号に掲げる行為のうち企画旅行(一の企画旅行ごとに一の自らの営業所の存する市町村(特別区を含む。以下同じ。)の区域,これに隣接する市町村の区域及び観光庁長官の定める区域(次号及び第十条の五において「拠点区域」という。)内において実施されるものを除く。)の実施に係るもの以外のもの)
四 略
エについて,施行規則1条の3第4号は,地域限定旅行業務の範囲を,企画旅行の実施に係るもの以外のものとしています。ここで,企画旅行の実施に係る業務とは,法2条1項1号,2号及び8号に掲げる旅行業務を指しますが(法2条4項参照),旅行に関する相談はこれにあたりませんから(法2条1項9号),地域限定旅行業務の範囲に含まれます。したがって,エは,これを行うことができないとしている点で誤りです。
○旅行業法
(定義)
第二条 この法律で「旅行業」とは,報酬を得て,次に掲げる行為を行う事業(専ら運送サービスを提供する者のため,旅行者に対する運送サービスの提供について,代理して契約を締結する行為を行うものを除く。)をいう。
一 旅行の目的地及び日程,旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊のサービス(以下「運送等サービス」という。)の内容並びに旅行者が支払うべき対価に関する事項を定めた旅行に関する計画を,旅行者の募集のためにあらかじめ,又は旅行者からの依頼により作成するとともに,当該計画に定める運送等サービスを旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等サービスの提供に係る契約を,自己の計算において,運送等サービスを提供する者との間で締結する行為
二 前号に掲げる行為に付随して,運送及び宿泊のサービス以外の旅行に関するサービス(以下「運送等関連サービス」という。)を旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等関連サービスの提供に係る契約を,自己の計算において,運送等関連サービスを提供する者との間で締結する行為
三~七 略
八 第一号及び第三号から第五号までに掲げる行為に付随して,旅行者の案内,旅券の受給のための行政庁等に対する手続の代行その他旅行者の便宜となるサービスを提供する行為
九 旅行に関する相談に応ずる行為
2,3 略
4 この法律で「企画旅行契約」とは,第一項第一号、第二号及び第八号(同項第一号に係る部分に限る。)に掲げる旅行業務の取扱いに関し,旅行業を営む者が旅行者と締結する契約をいう。
5~7 略
○旅行業法施行規則
(業務の範囲)
第一条の三 法第四条第一項第三号の国土交通省令で定める業務の範囲(以下「登録業務範囲」という。)の別は,次のとおりとする。
一~三 略
四 地域限定旅行業務(法第二条第一項各号に掲げる行為のうち企画旅行(一の企画旅行ごとに一の拠点区域内において実施されるものを除く。)の実施に係るもの及び同項第三号から第五号までに掲げる行為(一の行為ごとに一の拠点区域内における運送等サービスの提供に係るものを除く。)に係るもの以外のもの)
(5)次の記述のうち,旅行業又は旅行業者代理業の登録の拒否事由に該当するもののみをすべて選んでいるものはどれか。
a.申請前5年以内に旅行業務に関し不正な行為をした者
b.第2種旅行業を営もうとする者であって,その基準資産額が300万円であるもの
c.刑法の規定に違反して罰金の刑に処せられ,その執行を終わった日から5年を経過していない者
d.暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
ア.a,c イ.a,b,d ウ.b,c,d エ.a,b,c,d
正解:イ(配点:4)
解説:登録の拒否事由は法6条1項各号に掲げられており,このうちの一つにでも該当する場合には,登録が拒否されます。
aは法6条1項4号に該当するため,登録拒否事由にあたります。
bについて,法6条1項10号は,業務範囲ごとに財産的基礎の基準を設けており,同基準を満たさない場合には登録拒否事由になる旨規定しています。そして,第2種旅行業の基準資産額は700万円以上とされています(施行規則3条2号)。したがって,資産基準額が300万円であるにもかかわらず第2種旅行業を営もうとすることは,同号に該当するため,登録拒否事由にあたります。
cについて,法6条1項2号は,①何かしらの犯罪について禁錮以上の刑に処せられた場合,又は②旅行業法の規定に違反して罰金刑に処せられた場合のいずれかで,5年を経過していないものについて登録拒否事由になる旨規定しています。本問では,刑法の規定に違反している場合であるため,②にはあたりません。また,本問では罰金刑となっていますが,罰金は禁錮よりも軽い刑ですから(刑法10条1項,9条),①にもあたりません。したがって,cは,同号に該当せず,登録拒否事由となりません。
dは法6条1項3号に該当するため,登録拒否事由にあたります。
以上から,a,b及びdが登録拒否事由に該当し,cは登録拒否事由となりませんから,正解は,イです。
○旅行業法
(登録の拒否)
第六条 観光庁長官は,登録の申請者が次の各号のいずれかに該当する場合には,その登録を拒否しなければならない。
一 第十九条の規定により旅行業若しくは旅行業者代理業の登録を取り消され,又は第三十七条の規定により旅行サービス手配業の登録を取り消され,その取消しの日から五年を経過していない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては,当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前六十日以内に当該法人の役員であつた者で,当該取消しの日から五年を経過していないものを含む。)
二 禁錮以上の刑に処せられ,又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ,その執行を終わり,又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過していない者
三 暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者をいう。第八号において同じ。)
四 申請前五年以内に旅行業務又は旅行サービス手配業務に関し不正な行為をした者
五 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号又は第七号のいずれかに該当するもの
六 心身の故障により旅行業若しくは旅行業者代理業を適正に遂行することができない者として国土交通省令で定めるもの又は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
七 法人であつて,その役員のうちに第一号から第四号まで又は前号のいずれかに該当する者があるもの
八 暴力団員等がその事業活動を支配する者
九 営業所ごとに第十一条の二の規定による旅行業務取扱管理者を確実に選任すると認められない者
十 旅行業を営もうとする者であつて,当該事業を遂行するために必要と認められる第四条第一項第三号の業務の範囲の別ごとに国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有しないもの
十一 旅行業者代理業を営もうとする者であつて,その代理する旅行業を営む者が二以上であるもの
2 略
○旅行業法施行規則
(財産的基礎)
第三条 法第六条第一項第十号の国土交通省令で定める基準は,次条に定めるところにより算定した資産額(以下「基準資産額」という。)が,次の各号に掲げる区分に従い,当該各号に定める額以上であることとする。
一 略
二 登録業務範囲が第二種旅行業務である旅行業(以下「第二種旅行業」という。)を営もうとする者 七百万円
三,四 略
○刑法
(刑の種類)
第九条 死刑,懲役,禁錮,罰金,拘留及び科料を主刑とし,没収を付加刑とする。
(刑の軽重)
第十条 主刑の軽重は,前条に規定する順序による。ただし,無期の禁錮と有期の懲役とでは禁錮を重い刑とし,有期の禁錮の長期が有期の懲役の長期の二倍を超えるときも,禁錮を重い刑とする。
2,3 略
(6)変更登録等に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
ア.第1種旅行業者は,法人の場合であって,その代表者の氏名について変更があったときは,観光庁長官に変更登録申請書を提出しなければならない。
イ.第2種旅行業者は,主たる営業所の名称及び都道府県の区域を異にする所在地の変更があったときは,その日から30日以内に変更後の主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に変更登録申請書を提出しなければならない。
ウ.第3種旅行業者は,第1種旅行業への変更登録の申請をしようとするときは,観光庁長官に変更登録申請書を提出しなければならない。
エ.旅行業者代理業者は,地域限定旅行業への変更登録の申請をしようとするときは,当該旅行業者代理業者の主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に変更登録申請書を提出しなければならない。
正解:ウ(配点:4)
解説:アについて,法6条の4第3項は,法4条1項1号,2号又は4号に掲げる事項にについて変更があった場合には,その旨を観光庁長官に届け出る旨規定しています。本問にある,法人の代表者の氏名は,法4条1項1号に掲げる事項に該当するため,これを変更する場合には,法6条の4第3項に従い,観光庁長官に届け出る必要があります。この届出の方法について,施行規則5条1項は,「登録行政庁」に「登録事項変更届出書」を提出するものとしています。したがって,本問でも,第1種旅行業者の登録行政庁である観光庁長官に対して「登録事項変更届出書」を提出する必要があります。よって,アは,「変更登録申請書」を提出しなければならないとしている点で誤りです。
イについて,主たる営業所の名称及び所在地の変更は,法4条1項2号に掲げる事項ですから,法6条の4第3項に従い,観光庁長官に届け出る必要があります。そして,この場合の届出の方法について,施行規則5条1項はただし書は,第1種旅行業者以外の旅行業者・旅行業代理業者が都道府県の区域を異にする所在地の変更を行う場合には,変更後の営業所の所在地を管轄する都道府県知事に「登録事項変更届出書」を提出する旨規定しています。したがって,イは,「変更登録申請書」を提出するとしている点で誤りです。
ウについて,法6条の4第1項は,旅行業務範囲の変更を行う場合には,観光庁長官の行う変更登録を受ける旨規定しています。そして,この変更登録の方法について,施行規則4条の2第1項は,第1種旅行業への変更登録を申請する場合には「観光庁長官」に対して,それ以外の旅行業への変更登録を申請する場合には「主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事」に対して,それぞれ「変更登録申請書」を提出する旨規定しています。本問では,第3種から第1種への変更ですから,「観光庁長官」に対して「変更登録申請書」を提出することとなります。したがって,ウは,正しいです。
エについて,法6条の4第1項の変更登録が必要となるのは,「旅行業の登録を受けた者」が業務範囲の変更を行う場合ですから,旅行業の登録を受けていない「旅行業者代理業者」が旅行業務を取り扱うにあたっては,変更登録は行いません。このときは,新規登録(法3条,4条)が必要です。したがって,エは,変更登録を行うとしている点で誤りです。
○旅行業法
(登録の申請)
第四条 前条の登録を受けようとする者は,次に掲げる事項を記載した申請書を観光庁長官に提出しなければならない。
一 氏名又は商号若しくは名称及び住所並びに法人にあつては,その代表者の氏名
二 主たる営業所及びその他の営業所の名称及び所在地
三~五 略
2 略
(変更登録等)
第六条の四 旅行業の登録を受けた者(以下「旅行業者」という。)は,第四条第一項第三号の業務の範囲について変更をしようとするときは,国土交通省令で定めるところにより,観光庁長官の行う変更登録を受けなければならない。
2 略
3 旅行業者又は旅行業者代理業者(旅行業者代理業の登録を受けた者をいう。以下同じ。)は,第四条第一項第一号,第二号又は第四号(旅行業者代理業者にあつては,同項第一号又は第二号)に掲げる事項について変更があつたときは,その日から三十日以内に,国土交通省令で定める書類を添付して,その旨を観光庁長官に届け出なければならない。
4 略
○旅行業法施行規則
(変更登録)
第四条の二 法第六条の四第一項の規定による変更登録(以下「変更登録」という。)の申請をしようとする旅行業者は,次の各号の区分に従い,当該各号に掲げる行政庁に,第一号様式による変更登録申請書を提出しなければならない。
一 第一種旅行業への変更登録の申請をしようとする旅行業者 観光庁長官
二 第二種旅行業,第三種旅行業又は地域限定旅行業への変更登録の申請をしようとする旅行業者 主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事
2~5 略
(登録事項の変更の届出)
第五条 旅行業者又は旅行業者代理業者(以下「旅行業者等」という。)は,法第六条の四第三項の規定により登録事項の変更の届出をしようとするときは,登録行政庁(旅行業者等が現に登録を受けている行政庁をいう。第十条の四,第三十八条,第三十九条及び第四十条において同じ。)に,第四号様式による登録事項変更届出書を提出しなければならない。ただし,第二種旅行業者,第三種旅行業者,地域限定旅行業者又は旅行業者代理業者が法第四条第一項第二号に規定する主たる営業所の所在地の変更(都道府県の区域を異にする所在地の変更に限る。)の届出をしようとするときは,変更後の主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に届出書を提出しなければならない。
2,3 略
(7)営業保証金に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
ア.旅行業者は,営業保証金の供託をしたときは,供託物受入れの記載のある供託書の写しを添付して,その旨を登録行政庁に届け出た後でなければ,その事業を開始してはならない。
イ.第3種旅行業の新規登録を受けた者が供託すべき営業保証金の額は,登録の申請時に添付した書類に記載した旅行業務に関する旅行者との年間取引見込額が2億円未満である場合にあっては,300万円である。
ウ.登録行政庁は,旅行業の登録をした場合において,登録の通知を受けた日から14日以内に旅行業者が法第7条第2項の届出をしないときは,その定める7日以上の期間内にその届出をすべき旨の催告をしなければならない。
エ.営業保証金は,現金以外では国債証券に限り,当該証券の額面金額をもって,これに充てることができる。
正解:エ(配点:4)
解説:アは,法7条2項,3項の通りですから,正しいです。
(営業保証金の供託)
第七条 略
2 旅行業者は,営業保証金の供託をしたときは,供託物受入れの記載のある供託書の写しを添付して,その旨を観光庁長官に届け出なければならない。
3 旅行業者は,前項の届出をした後でなければ,その事業を開始してはならない。
4,5 略
イは,施行規則7条,別表第1の通りですから,正しいです。
(営業保証金の額)
第七条 法第八条第一項に規定する営業保証金の額は,別表第一の額(旅行業者の登録業務範囲が第一種旅行業務である場合にあつては,別表第一の額に別表第二の額を加えた額)とする。

ウは,法7条4項の通りですから,正しいです。なお,法7条2項の届出とは,供託をした旨の届出です。
(営業保証金の供託)
第七条 略
2 旅行業者は,営業保証金の供託をしたときは,供託物受入れの記載のある供託書の写しを添付して,その旨を観光庁長官に届け出なければならない。
3 略
4 観光庁長官は,旅行業の登録をした場合において,登録の通知を受けた日から十四日以内に旅行業者が第二項の届出をしないときは,その定める七日以上の期間内にその届出をすべき旨の催告をしなければならない。
5 略
エについて,法8条6項,施行規則8条は,国債証券のほかに,地方債証券,一定の有価証券をもって,営業保証金に充てることができる旨を規定しています。したがって,エは,これを国債証券に限っている点で誤りです。
○旅行業法
(営業保証金の額等)
第八条 略
2~5 略
6 営業保証金は,国土交通省令で定めるところにより,国債証券,地方債証券その他の国土交通省令で定める有価証券(社債,株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二百七十八条第一項に規定する振替債を含む。)をもつて,これに充てることができる。
7 略
○旅行業法施行規則
(営業保証金又は弁済業務保証金に充てることができる有価証券)
第八条 法第八条第六項(法第四十七条第三項及び第四十八条第四項において準用する場合を含む。)の国土交通省令で定める有価証券は,次に掲げるものとする。
一 国債証券
二 地方債証券
三 特別の法律により法人が発行する債券
四 前三号に掲げるもののほか,担保附社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)による担保附社債券及び法令により優先弁済を受ける権利を保証されている社債券(自己の社債券及び会社法(平成十七年法律第八十六号)による特別清算開始の命令を受け,特別清算終結の決定の確定がない会社,破産法(平成十六年法律第七十五号)による破産手続開始の決定を受け,破産手続終結の決定若しくは破産手続廃止の決定の確定がない会社,民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)による再生手続開始の決定を受け,再生手続終結の決定若しくは再生手続廃止の決定の確定がない会社又は会社更生法(昭和二十七年法律第百七十二号)による更生手続開始の決定を受け,更生手続終結の決定若しくは更生手続廃止の決定の確定がない会社が発行した社債券を除く。)
(8)旅行業務取扱管理者の選任に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
ア.旅行業者等は,その営業所の旅行業務取扱管理者として選任した者の全てが欠けるに至ったときは,新たに旅行業務取扱管理者を選任するまでの間は,その営業所において旅行業務に関する契約を締結してはならない。
イ.旅行業者等は,旅行業務取扱管理者について,5年ごとに旅行業務に関する法令,旅程管理その他の旅行業務取扱管理者の職務に関し必要な知識及び能力の向上を図るため,旅行業協会が実施する研修を受けさせなければならない。
ウ.旅行業者等は,営業所で旅行業務を取り扱う者が1人である場合には,当該営業所については,旅行業務取扱管理者を選任しなくてもよい。
エ.地域限定旅行業者は,本邦内の旅行のうち営業所の所在する市町村の区域その他の国土交通省令で定める地域内のもののみについて旅行業務を取り扱う営業所にあっては,地域限定旅行業務取扱管理者試験(当該営業所の所在する地域に係るものに限る。)に合格した者を旅行業務取扱管理者として選任することで足りる。
正解:ウ(配点:4)
解説:アは,法11条の2第2項の通りですから,正しいです。
(旅行業務取扱管理者の選任)
第十一条の二 略
2 旅行業者等は,その営業所の旅行業務取扱管理者として選任した者の全てが第六条第一項第一号から第六号までのいずれかに該当し,又は選任した者の全てが欠けるに至つたときは,新たに旅行業務取扱管理者を選任するまでの間は,その営業所において旅行業務に関する契約を締結してはならない。
3~10 略
イは,法11条の2第7項,施行規則10条の6の通りですから,正しいです。
○旅行業法
(旅行業務取扱管理者の選任)
第十一条の二 略
2~6 略
7 旅行業者等は,旅行業務取扱管理者について,三年以上五年以内において国土交通省令で定める期間ごとに,旅行業務に関する法令,旅程管理その他の旅行業務取扱管理者の職務に関し必要な知識及び能力の向上を図るため,第四十一条第二項に規定する旅行業協会が実施する研修を受けさせなければならない。
8~10 略
○旅行業法施行規則
(法第十一条の二第七項の国土交通省令で定める期間)
第十条の六 法第十一条の二第七項の国土交通省令で定める期間は,五年とする。
ウについて,法11条の2第3項は,旅行業務を取り扱う者が一人である営業所についても,旅行業務取扱管理者を選任する必要がある旨規定しています。したがって,ウは,これを選任しなくてよいとしている点で誤りです。
(旅行業務取扱管理者の選任)
第十一条の二 旅行業者又は旅行業者代理業者(以下「旅行業者等」という。)は,営業所ごとに,一人以上の第六項の規定に適合する旅行業務取扱管理者を選任して,当該営業所における旅行業務に関し,その取引に係る取引条件の明確性,旅行に関するサービス(運送等サービス及び運送等関連サービスをいう。以下同じ。)の提供の確実性その他取引の公正,旅行の安全及び旅行者の利便を確保するため必要な国土交通省令で定める事項についての管理及び監督に関する事務を行わせなければならない。
2 略
3 第一項の規定は,旅行業務を取り扱う者が一人である営業所についても適用があるものとする。
4~10 略
エは,法11条の2第6項1号の通りですから,正しいです。
(旅行業務取扱管理者の選任)
第十一条の二 略
2~5 略
6 旅行業務取扱管理者は,第六条第一項第一号から第六号までのいずれにも該当しない者で,次に掲げるものでなければならない。
一 本邦内の旅行のうち営業所の所在する市町村の区域その他の国土交通省令で定める地域内のもののみについて旅行業務を取り扱う営業所にあつては,次条の規定による総合旅行業務取扱管理者試験,国内旅行業務取扱管理者試験又は地域限定旅行業務取扱管理者試験(当該営業所の所在する地域に係るものに限る。)に合格した者
二,三 略
7~10 略
(9)次の記述のうち,旅行業務取扱管理者の職務として,定められているもののみをすべて選んでいるものはどれか。
a.旅行に関する計画の作成に関する事項
b.法第12条の5の規定による書面の交付に関する事項
c.法第12条の10の規定による企画旅行の円滑な実施のための措置に関する事項
d.法第7条の規定による営業保証金の供託に関する事項
ア.a,d イ.a,b,c ウ.b,c,d エ.a,b,c,d
正解:イ(配点:4)
解説:旅行業務取扱管理者の職務は施行規則10条に掲げられています。aは同条1号,bは同条5号,cは同条7号にそれぞれ規定されているため,正しいです。一方で,dは,同条各号に掲げられていないため,誤りです。
(旅行業務取扱管理者の職務)
第十条 法第十一条の二第一項の国土交通省令で定める事項は,次のとおりとする。
一 旅行に関する計画の作成に関する事項
二 法第十二条の規定による料金の掲示に関する事項
三 法第十二条の二第三項の規定による旅行業約款の掲示及び備置きに関する事項
四 法第十二条の四の規定による取引条件の説明に関する事項
五 法第十二条の五の規定による書面の交付に関する事項
六 法第十二条の七及び法第十二条の八の規定による広告に関する事項
七 法第十二条の十の規定による企画旅行の円滑な実施のための措置に関する事項
八 旅行に関する苦情の処理に関する事項
九 契約締結の年月日,契約の相手方その他の旅行者又は旅行に関するサービスを提供する者と締結した契約の内容に係る重要な事項についての明確な記録又は関係書類の保管に関する事項
十 前各号に掲げるもののほか,取引の公正,旅行の安全及び旅行者の利便を確保するため必要な事項として観光庁長官が定める事項
(10)旅行業約款に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
ア.旅行業者代理業者は,所属旅行業者の旅行業約款,法第14条の2第1項又は第2項の規定により他の旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる者にあっては当該他の旅行業者の旅行業約款をその営業所において,旅行者に見やすいように掲示し,又は旅行者が閲覧することができるように備え置かなければならない。
イ.旅行業者が,観光庁長官及び消費者庁長官が定めて公示した標準旅行業約款と同一の旅行業約款を定めたときは,その旅行業約款については,登録行政庁による認可を受けたものとみなす。
ウ.保証社員でない旅行業者の旅行業約款にあっては,営業保証金を供託している供託所の名称又は所在地に変更があったときは,登録行政庁の認可を受けなければならない。
エ.旅行業者の責任に関する事項が明確に(企画旅行を実施する旅行業者にあっては,企画旅行契約と手配旅行契約その他の企画旅行契約以外の契約との別に応じ,明確に)定められているものであることは,旅行業約款の認可基準の一つである。
正解:ウ(配点:4)
解説:アは,法12条の2第3項かっこ書きの通りですから,正しいです。
(旅行業約款)
第十二条の二 略
2 略
3 旅行業者等は,旅行業約款(旅行業者代理業者にあつては所属旅行業者の旅行業約款,第十四条の二第一項又は第二項の規定により他の旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる者にあつては当該他の旅行業者の旅行業約款)をその営業所において,旅行者に見やすいように掲示し,又は旅行者が閲覧することができるように備え置かなければならない。
イは,法12条の3の通りですから,正しいです。
(標準旅行業約款)
第十二条の三 観光庁長官及び消費者庁長官が標準旅行業約款を定めて公示した場合(これを変更して公示した場合を含む。)において,旅行業者が,標準旅行業約款と同一の旅行業約款を定め,又は現に定めている旅行業約款を標準旅行業約款と同一のものに変更したときは,その旅行業約款については,前条第一項の規定による認可を受けたものとみなす。
ウについて,法12条の2第1項後段は,旅行業約款の定めを変更しようとするときは,観光庁長官の認可が必要である旨規定しています。本問にある,供託所の名称又は所在地は,施行規則23条7号に定められている事項ですから,これを変更するには,観光庁長官の認可が必要となるように思われます。もっとも,法12条の2第1項後段は,「軽微な変更」にあたる場合には,観光庁長官の認可ほ経ずとも,旅行業約款の変更をすることができます。そして,本問にある,供託所の名称又は所在地は,契約規則2条2号に定めのある「軽微な変更」にあたります。したがって,供託所の名称又は所在地について旅行業約款を変更するには,観光庁長官の認可は不要ですから,ウは,誤りです。
○旅行業法
(旅行業約款)
第十二条の二 旅行業者は,旅行者と締結する旅行業務の取扱いに関する契約に関し,旅行業約款を定め,観光庁長官の認可を受けなければならない。国土交通省令・内閣府令で定める軽微な変更をしようとする場合を除き,これを変更しようとするときも,同様とする。
2,3 略
○旅行業法施行規則
(旅行業約款の記載事項)
第二十三条 旅行業約款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一~六 略
七 保証社員でない旅行業者にあつては,営業保証金を供託している供託所の名称及び所在地並びに旅行業務に関し取引をした者は,その取引によつて生じた債権に関し当該営業保証金から弁済を受けることができること。
八 略
○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(軽微な変更)
第二条 法第十二条の二第一項の国土交通省令・内閣府令で定める軽微な変更は,次のとおりとする。
一 略
二 保証社員でない旅行業者の旅行業約款にあっては,営業保証金を供託している供託所の名称又は所在地の変更
三,四 略
エは,法12条の2第3項の通りですから,正しいです。
(旅行業約款)
第十二条の二 略
2 観光庁長官は,前項の認可をしようとするときは,次の基準によつてしなければならない。
一 略
二 少なくとも旅行業務の取扱いの料金その他の旅行者との取引に係る金銭の収受及び払戻しに関する事項並びに旅行業者の責任に関する事項が明確に(企画旅行を実施する旅行業者にあつては,企画旅行契約と手配旅行契約その他の企画旅行契約以外の契約との別に応じ,明確に)定められているものであること。
3 略。
(11)旅行業者等が旅行業務に関し旅行者と契約を締結しようとするときの取引条件の説明及び取引条件の説明をするときに交付する書面に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
ア.旅行業者等は,旅行者と手配旅行契約を締結しようとするときに,国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面を交付する場合は,旅行者に対し取引条件の説明をすることを要しない。
イ.旅行業者等は,対価と引換えに法第12条の5に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付する場合においては,旅行者に対し,取引条件の説明にあたって,国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面の交付を要しない。
ウ.旅行業者等は,旅行者に対し,取引条件の説明をするときに交付する書面に代えて,当該書面に記載すべき事項を情報通信の技術を利用する方法で提供するときは,当該旅行者の承諾を要しない。
エ.旅行業者は,旅行に関する相談に応ずる行為に係る旅行業務について,旅行者と契約を締結しようとするときは,取引条件の説明をすることを要しない。
正解:イ(配点:4)
解説:アについて,法12条の4第1項は,手配旅行契約の締結にあたっても,取引条件について説明が必要である旨規定しています。また,同条2項は,必要事項を記載した書面を交付を,説明と併せて行う旨規定しており,書面交付が取引条件の説明を解除するものとはしていません。したがって,アは,書面交付をすれば取引条件の説明をしなくてよいとしている点で誤りです。
(取引条件の説明)
第十二条の四 旅行業者等は,旅行者と企画旅行契約,手配旅行契約その他旅行業務に関し契約を締結しようとするときは,旅行者が依頼しようとする旅行業務の内容を確認した上,国土交通省令・内閣府令で定めるところにより,その取引の条件について旅行者に説明しなければならない。
2 旅行業者等は,前項の規定による説明をするときは,国土交通省令・内閣府令で定める場合を除き,旅行者に対し,旅行者が提供を受けることができる旅行に関するサービスの内容,旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項,旅行業務取扱管理者の氏名,通訳案内士法(昭和二十四年法律第二百十号)第二条第一項に規定する全国通訳案内士(以下単に「全国通訳案内士」という。)又は同条第二項に規定する地域通訳案内士(以下単に「地域通訳案内士」という。)の同行の有無その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない。
3 略
イは,法12条の4第2項,施行規則4条の通りですから,正しいです。
○旅行業法
(取引条件の説明)
第十二条の四 略
2 旅行業者等は,前項の規定による説明をするときは,国土交通省令・内閣府令で定める場合を除き,旅行者に対し,旅行者が提供を受けることができる旅行に関するサービスの内容,旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項,旅行業務取扱管理者の氏名,通訳案内士法(昭和二十四年法律第二百十号)第二条第一項に規定する全国通訳案内士(以下単に「全国通訳案内士」という。)又は同条第二項に規定する地域通訳案内士(以下単に「地域通訳案内士」という。)の同行の有無その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない。
3 略
○旅行業法施行規則
(書面の交付を要しない場合)
第四条 法第十二条の四第二項の国土交通省令・内閣府令で定める場合は,旅行業者等が対価と引換えに法第十二条の五に規定するサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付する場合とする。
ウについて,法12条の4第3項は,取引条件記載書面の交付に代えて情報通信技術を利用する方法により提供する場合には,旅行者の承諾が必要である旨規定しています。したがって,ウは,旅行者の承諾が不要としている点で誤りです。
(取引条件の説明)
第十二条の四 略
2 略
3 旅行業者等は,前項の規定による書面の交付に代えて,政令で定めるところにより,旅行者の承諾を得て,当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものにより提供することができる。この場合において,当該旅行業者等は,当該書面を交付したものとみなす。
エについて,法12条の4第1項は,「旅行業務」に関し契約を締結するときに,取引条件の説明が必要である旨規定しています。ここで,「旅行業務」には,旅行に関する相談に応ずる行為も含まれています(法2条3項)。したがって,旅行相談に応ずる場合であっても取引条件の説明が必要ですから,エは,誤りです。
(定義)
第二条 この法律で「旅行業」とは,報酬を得て,次に掲げる行為を行う事業(専ら運送サービスを提供する者のため,旅行者に対する運送サービスの提供について,代理して契約を締結する行為を行うものを除く。)をいう。
一~八 略
九 旅行に関する相談に応ずる行為
2 略
3 この法律で「旅行業務」とは,旅行業を営む者が取り扱う第一項各号に掲げる行為(第十四条の二第一項の規定により他の旅行業者を代理して企画旅行契約を締結する行為及び第三十四条第一項の規定により行う第六項に規定する行為を含む。)又は旅行業者代理業を営む者が取り扱う前項に規定する代理して契約を締結する行為をいう。
4~7 略
(取引条件の説明)
第十二条の四 旅行業者等は,旅行者と企画旅行契約,手配旅行契約その他旅行業務に関し契約を締結しようとするときは,旅行者が依頼しようとする旅行業務の内容を確認した上,国土交通省令・内閣府令で定めるところにより,その取引の条件について旅行者に説明しなければならない。
2,3 略
(12)次の記述のうち,旅行業者等が旅行者と企画旅行契約を締結したときに交付する書面の記載事項として,定められているもののみをすべて選んでいるものはどれか。
a.旅行に参加する資格を定める場合にあっては,その旨及び当該資格
b.契約の申込方法及び契約の成立に関する事項
c.旅行者が旅行業者等に支払うべき対価及びその収受の方法
d.旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に含まれていない旅行に関する経費であって旅行者が通常必要とするもの
ア.a,b イ.c,d ウ.a,c,d エ.a,b,c,d
正解:ウ(配点:4)
解説:法12条の5第1項は,旅行業者等が,旅行者と企画旅行契約を締結したときは,国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない旨規定しています。ここで記載すべき事項については,契約規則9条1号が定めています。本問のaは9条1号ロ,3条1号ワの通り,cは9条1号ロ,3条1号ニの通り,dは9条1号ロ,3条1号トの通りですから,正しいです。一方,bは,3条1号リが9条1号ロで掲げられていないため,記載事項となりません(契約締結時に交付する書面に契約の申込方法・契約成立に関する事項を記載しても無意味であると考えられます。)。以上から,a,c及びdが正しく,bが誤りですから,正解は,ウです。
○旅行業法
(書面の交付)
第十二条の五 旅行業者等は,旅行者と企画旅行契約,手配旅行契約その他旅行業務に関し契約を締結したときは,国土交通省令・内閣府令で定める場合を除き,遅滞なく,旅行者に対し,当該提供すべき旅行に関するサービスの内容,旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項,旅行業務取扱管理者の氏名,全国通訳案内士若しくは地域通訳案内士の同行の有無その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面又は当該旅行に関するサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付しなければならない。
○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(取引条件の説明)
第三条 法第十二条の四第一項に規定する取引条件の説明は,次に掲げる事項について行わなければならない。
一 企画旅行契約を締結しようとする場合にあっては,次に掲げる事項
イ~ハ 略
ニ 旅行者が旅行業者等に支払うべき対価及びその収受の方法
ホ,ヘ 略
ト ニに掲げる対価に含まれていない旅行に関する経費であって旅行者が通常必要とするもの
チ 略
リ 契約の申込方法及び契約の成立に関する事項
ヌ~ヲ 略
ワ 旅行に参加する資格を定める場合にあっては,その旨及び当該資格
カ~タ 略
(書面の記載事項)
第九条 法第十二条の五第一項の国土交通省令・内閣府令で定める事項は,次のとおりとする。
一 企画旅行契約を締結した場合にあっては,次に掲げる事項
イ 企画者以外の者が企画者を代理して契約を締結した場合にあっては,その旨並びに当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
ロ 第三条第一号ハからチまで及びヌからタまで並びに第五条第一号イ,ハ及びニに掲げる事項
ハ 契約締結の年月日
ニ 旅程管理業務を行う者が同行しない場合にあっては,旅行地における企画者との連絡方法
二 略
(13)旅行業務取扱管理者の証明書の提示,外務員の証明書携帯等に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
ア.旅行業務取扱管理者は,旅行者から請求があったときは,国土交通省令で定める様式による旅行業務取扱管理者の証明書を提示しなければならない。
イ.旅行業者代理業者によって選任された旅行業務取扱管理者の証明書は,当該旅行業者代理業者の所属旅行業者が交付しなければならない。
ウ.外務員は,所属する旅行業者等の営業所以外の場所でその旅行業者等のために旅行業務を行なうときは,旅行者からの請求の有無にかかわらず,外務員の証明書を提示しなければならない。
エ.外務員は,旅行者が悪意であったときを除き,その所属する旅行業者等に代わって,旅行者との旅行業務に関する取引についての一切の裁判外の行為を行う権限を有するものとみなされる。
正解:イ(配点:4)
解説:アは,法12条の5の2の通りですから,正しいです。
(旅行業務取扱管理者の証明書の提示)
第十二条の五の二 旅行業務取扱管理者は,旅行者から請求があつたときは,国土交通省令で定める様式による証明書を提示しなければならない。
イについて,法12条の6第1項は,旅行業者等自身が外務員に対して証明書を携帯させるものとしています。したがって,イは,所属旅行業者が交付するとしている点で誤りです。
(外務員の証明書携帯等)
第十二条の六 旅行業者等は,勧誘員,販売員,外交員その他いかなる名称を有する者であるかを問わず,その役員又は使用人のうち,その営業所以外の場所でその旅行業者等のために旅行業務について取引を行う者(以下「外務員」という。)に,国土交通省令で定める様式による証明書を携帯させなければ,その者を外務員としての業務に従事させてはならない。
2,3 略
ウについて,法12条の6第2項は,法12条の5の2のような「旅行者からの請求があつたときは」という限定が付いていませんから,旅行者の請求の有無にかかわらず,証明書を提示しなければなりません。したがって,ウは,正しいです。
(旅行業務取扱管理者の証明書の提示)
第十二条の五の二 旅行業務取扱管理者は,旅行者から請求があつたときは,国土交通省令で定める様式による証明書を提示しなければならない。
(外務員の証明書携帯等)
第十二条の六 略
2 外務員は,その業務を行なうときは,前項の証明書を提示しなければならない。
3 略
エは,法12条の6第3項の通りですから,正しいです。
(外務員の証明書携帯等)
第十二条の六 略
2 略
3 外務員は,その所属する旅行業者等に代わつて,旅行者との旅行業務に関する取引についての一切の裁判外の行為を行う権限を有するものとみなす。ただし,旅行者が悪意であつたときは,この限りでない。
(14)企画旅行に参加する旅行者を募集するための広告に関する次の記述のうち,誤っているもののみをすべて選んでいるものはどれか。
a.広告には,企画旅行を実施する営業所の旅行業務取扱管理者の氏名を表示しなければならない。
b.広告には,旅程管理業務を行う者が同行しない場合の旅行地における企画者との連絡方法を表示しなければならない。
c.広告には,旅行中の損害の補償に関する事項を表示しなければならない。
d.広告をするときに,企画者以外の者の氏名又は名称を表示する場合にあっては,文字の大きさ等に留意して,企画者の氏名又は名称の明確性を確保しなければならない。
ア.a,b イ.b,c ウ.c,d エ.a,b,c
正解:エ(配点:4)
解説:広告に表示しなければならない事項は,法12条の7,契約規則13条に規定されています。a,b及びcは,いずれも,法12条の7,契約規則13条各号事由に該当しないため,広告に表示する必要がありません。
○旅行業法
(企画旅行の広告)
第十二条の七 旅行業者等は,企画旅行に参加する旅行者を募集するため広告をするときは,国土交通省令・内閣府令で定めるところにより,当該企画旅行を実施する旅行業者の氏名又は名称,旅行の目的地及び日程,旅行者が提供を受けることができる運送等サービスの内容,旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項,第十二条の十の国土交通省令で定める措置を講ずるために必要な業務を行う者の同行の有無その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項を表示してしなければならない。
○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(広告の表示事項)
第十三条 法第十二条の七の国土交通省令・内閣府令で定める事項は,次のとおりとする。
一 企画者の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
二 旅行の目的地及び日程に関する事項
三 旅行者が提供を受けることができる運送,宿泊又は食事のサービスの内容に関する事項
四 旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項
五 旅程管理業務を行う者の同行の有無
六 企画旅行の参加者数があらかじめ企画者が定める人員数を下回った場合に当該企画旅行を実施しないこととするときは,その旨及び当該人員数
七 第三号に掲げるサービスに専ら企画旅行の実施のために提供される運送サービスが含まれる場合にあっては,当該運送サービスの内容を勘案して,旅行者が取得することが望ましい輸送の安全に関する情報
八 法第十二条の四に規定する取引条件の説明を行う旨(第三条第一号に規定する事項を表示して広告する場合を除く。)
dは,契約規則12条1号の通りですから,正しいです。
(広告の表示方法)
第十二条 旅行業者等は,企画旅行に参加する旅行者を募集するため広告をするときは,次に定めるところにより行わなければならない。
一 企画者以外の者の氏名又は名称を表示する場合にあっては,文字の大きさ等に留意して,企画者の氏名又は名称の明確性を確保すること。
二 略
以上から,dは正しく,a,b及びcは誤りですから,正解はエです。
(15)次の記述から,旅行業者等が旅行業務について広告をするとき,誇大表示をしてはならない事項として,定められているもののみをすべて選んでいるものはどれか。
a.旅行地における旅行者の安全の確保に関する事項
b.感染症の発生の状況その他の旅行地における衛生に関する事項
c.旅行地の景観,環境その他の状況に関する事項
d.旅行業者等の業務の範囲,資力又は信用に関する事項
ア.a,c イ.a,b,d ウ.b,c,d エ.a,b,c,d
正解:エ(配点:4)
解説:法12条の8,契約規則14条は,広告において誇大表示してはならない事項を規定しています。aは契約規則14条2号,bは同条3号,cは同条4号,dは同条8号にそれぞれ該当しますから,誇大表示が禁止されます。したがって,正解は,エです。
○旅行業法
(誇大広告の禁止)
第十二条の八 旅行業者等は,旅行業務について広告をするときは,広告された旅行に関するサービスの内容その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項について,著しく事実に相違する表示をし,又は実際のものよりも著しく優良であり,若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(誇大表示をしてはならない事項)
第十四条 法第十二条の八の国土交通省令・内閣府令で定める事項は,次のとおりとする。
一 旅行に関するサービスの品質その他の内容に関する事項
二 旅行地における旅行者の安全の確保に関する事項
三 感染症の発生の状況その他の旅行地における衛生に関する事項
四 旅行地の景観、環境その他の状況に関する事項
五 旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項
六 旅行中の旅行者の負担に関する事項
七 旅行者に対する損害の補償に関する事項
八 旅行業者等の業務の範囲,資力又は信用に関する事項
(16)標識に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
ア.旅行業者等は,営業所において,国土交通省令で定める様式の標識を,旅行者に見やすいように備え置かなければならない。
イ.国土交通省令で定める様式の標識には,その営業所において選任されている旅行業務取扱管理者の氏名を記載しなければならない。
ウ.旅行業者代理業者は,国土交通省令で定める様式の標識に所属旅行業者の登録番号及び氏名又は名称を記載しなければならない。
エ.旅行業者等以外の者は,国土交通省令で定める様式の標識又はこれに類似する標識を掲示してはならない。
正解:ア(配点:4)
解説:アについて,法12条の9第1項は,標識の掲示は,「公衆に見やすいように」しなければならない旨規定しています。したがって,アは,「旅行者に見やすいように」としている点で誤りです。
(標識の掲示)
第十二条の九 旅行業者等は,営業所において,旅行業と旅行業者代理業との別及び第十一条の二第六項各号に規定する営業所の別に応じ国土交通省令で定める様式の標識を,公衆に見やすいように掲示しなければならない。
2 略
イについて,施行規則31条は,営業所の区分に応じて,標識の様式を定めていますが,いずれの標識についても,旅行業務取扱管理者の氏名を記載する必要があります。したがって,イは,正しいです。
(標識の様式)
第三十一条 法第十二条の九の国土交通省令で定める様式は,次の各号に掲げる営業所の区分に応じ,当該各号に定めるものとする。
一 旅行業者の営業所(次号に掲げるものを除く。) 第十二号様式
二 旅行業者の営業所であつて第十一条の二第六項第一号又は第二号に該当するもの 第十三号様式
三 旅行業者代理業者の営業所(次号に掲げるものを除く。) 第十四号様式
四 旅行業者代理業者の営業所であつて法第十一条の二第六項第一号又は第二号に該当するもの 第十五号様式




ウについて,施行規則31条3号,4号は,旅行業者代理業者の標識の様式について定めていますが,営業所の区分によらず,所属旅行業者の登録番号及び氏名又は名称を記載する必要があります。したがって,ウは,正しいです。
(標識の様式)
第三十一条 法第十二条の九の国土交通省令で定める様式は,次の各号に掲げる営業所の区分に応じ,当該各号に定めるものとする。
一,二 略
三 旅行業者代理業者の営業所(次号に掲げるものを除く。) 第十四号様式
四 旅行業者代理業者の営業所であつて法第十一条の二第六項第一号又は第二号に該当するもの 第十五号様式


エは,法12条の9第2項の通りですから,正しいです。
(標識の掲示)
第十二条の九 略
2 旅行業者等以外の者は,前項の標識又はこれに類似する標識を掲示してはならない。
(17)企画旅行の円滑な実施のための措置に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
ア.旅行業者は,旅行に関する計画に定めるサービスの旅行者への確実な提供を確保するために,旅行開始日の前日から起算してさかのぼって20日目に当たる日までに,必要な予約その他の措置を講じなければならない。
イ.旅行業者は,本邦外の旅行であって,旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合は,旅行地において旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置を講ずることを要しない。
ウ.旅行業者は,本邦内の旅行であって,契約の締結の前に旅行者に旅程管理のための措置を講じない旨を説明した場合は,2人以上の旅行者が同一の日程により行動することを要する区間における円滑な旅行の実施を確保するために必要な集合時刻,集合場所その他の事項に関する指示を行うことを要しない。
エ.旅行業者は,本邦外の旅行であって,旅行に関する計画に定めるサービスの内容の変更を必要とする事由が生じた場合は,代替サービスの手配及び当該サービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置を講じなければならない。
正解:エ(配点:4)
解説:法12条の10は,旅行業者に,企画旅行の円滑な実施を確保するための措置を講じなければならない旨を規定しています。ここで,旅行業者が具体的に行わなければならない措置については,施行規則32条が定めています。
アについて,施行規則32条1号は,旅行開始前に必要な予約その他の措置をしなければならない旨規定していますが,同措置を20日前までに行わなければならないといった期限の定めは設けていません。したがって,アは,誤りです。
イについて,施行規則32条2号は,旅行計画中のサービス提供を受けるために必要な手続をしなければならない旨規定していますが,同号かっこ書きは,①本邦内の旅行であり,②契約締結前に同措置を講じない旨説明し,③同サービス提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合には,同措置を講じなくてもよい旨規定しています。イは,本邦外の旅行であり,契約締結前の説明がされたか否かが不明であるため,①と②を満たしません。したがって,イでは,原則通り,必要な手続を講じる必要がありますから,誤りです。
ウについて,施行規則32条4号は,複数旅行者がいる場合に集合時刻,集合場所等の指示をしなければならない旨規定しています。そして,同号には,同条2号,3号のように,契約締結前に旅程管理を行わない旨の説明をした場合の旅程管理免除規定は設けられていません。したがって,ウでは,必要な指示を行う必要がありますから,誤りです。
エは,施行規則32条3号の通りですから,正しいです。
○旅行業法
(企画旅行の円滑な実施のための措置)
第十二条の十 旅行業者は,企画旅行を実施する場合においては,旅行者に対する運送等サービスの確実な提供,旅行に関する計画の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配その他の当該企画旅行の円滑な実施を確保するため国土交通省令で定める措置を講じなければならない。
○旅行業法施行規則
(旅程管理のための措置)
第三十二条 法第十二条の十の国土交通省令で定める措置は,次のとおりとする。
一 旅行に関する計画に定めるサービスの旅行者への確実な提供を確保するために旅行の開始前に必要な予約その他の措置
二 旅行地において旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置(本邦内の旅行であつて,契約の締結の前に旅行者にこれらの措置を講じない旨を説明し,かつ,当該旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合を除く。)
三 旅行に関する計画に定めるサービスの内容の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配及び当該サービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置(本邦内の旅行であつて,契約の締結の前に旅行者にこれらの措置を講じない旨を説明し,かつ,当該旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合を除く。)
四 旅行に関する計画における二人以上の旅行者が同一の日程により行動することを要する区間における円滑な旅行の実施を確保するために必要な集合時刻,集合場所その他の事項に関する指示
(18)旅程管理業務を行う者に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
ア.旅程管理業務を行う主任の者に必要な実務の経験は,登録研修機関が実施する旅程管理研修の課程を修了した日の前後1年以内に1回以上又は当該研修を修了した日から5年以内に3回以上の旅程管理業務に従事した経験とする。
イ.本邦外の企画旅行に参加する旅行者に同行して旅程管理業務を行う主任の者に選任されるために必要な実務の経験には,本邦内の企画旅行に同行して旅程管理業務に従事した経験も含まれる。
ウ.旅行業者は,禁錮以上の刑に処せられ,その執行を終わった日から5年を経過していない者を旅程管理業務を行う主任の者として選任することはできない。
エ.旅行業者は,登録研修機関が実施する旅程管理研修の課程を修了し,かつ,旅行の目的地を勘案して国土交通省令で定める旅程管理業務に関する実務の経験を有する者であれば,旅行業務に関し不正な行為をした者であっても,当該不正行為をした日から3年を経過していれば,旅程管理業務を行う主任の者として選任することができる。
正解:ウ(配点:4)
解説:アについて,施行規則33条1項は,研修課程を修了した日の前後1年以内に1回以上又は研修課程を修了した日から「3年以内に2回以上」の旅程管理業務に従事した経験を,法12条の11第1項に定める旅程管理業務に関する実務の経験としています。したがって,アは,誤りです。
(旅程管理業務に関する実務の経験)
第三十三条 法第十二条の十一第一項の国土交通省令で定める旅程管理業務に関する実務の経験は,同項に規定する研修の課程を修了した日の前後一年以内に一回以上又は当該研修の課程を修了した日から三年以内に二回以上の旅程管理業務(本邦外の企画旅行に参加する旅行者に同行する者にあつては,本邦外の旅行に関する旅程管理業務に限る。)に従事した経験(観光庁長官が,本邦外の企画旅行に係る旅程管理業務に関し特別の事情があると認めて,旅行の目的地の状況,言語その他の事項を勘案し旅行の目的地及び期間を限定して異なる経験を告示により指定した場合にあつては,当該指定による経験)とする。
2 略
イについて,施行規則33条1項かっこ書きは,本邦がの企画旅行に参加する旅行者に同行する主任の者は,本邦外の旅程管理業務に従事した経験がある必要がある旨規定しています。したがって,イは,誤りです。
(旅程管理業務に関する実務の経験)
第三十三条 法第十二条の十一第一項の国土交通省令で定める旅程管理業務に関する実務の経験は,同項に規定する研修の課程を修了した日の前後一年以内に一回以上又は当該研修の課程を修了した日から三年以内に二回以上の旅程管理業務(本邦外の企画旅行に参加する旅行者に同行する者にあつては,本邦外の旅行に関する旅程管理業務に限る。)に従事した経験(観光庁長官が,本邦外の企画旅行に係る旅程管理業務に関し特別の事情があると認めて,旅行の目的地の状況,言語その他の事項を勘案し旅行の目的地及び期間を限定して異なる経験を告示により指定した場合にあつては,当該指定による経験)とする。
2 略
ウは,法12条の11第1項,6条1項2号の通りですから,正しいです。
エについて,法12条の11第1項,6条1項4号は,旅行業務に関し不正行為を行ってから5年を経たない者は,主任として旅程管理業務を行う者には選任されない旨規定しています。したがって,エは,3年経過で足りるとしている点で誤りです。
(登録の拒否)
第六条 観光庁長官は、登録の申請者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を拒否しなければならない。
一 略
二 禁錮以上の刑に処せられ,又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ,その執行を終わり,又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過していない者
三 略
四 申請前五年以内に旅行業務又は旅行サービス手配業務に関し不正な行為をした者
五~十一 略
2 略
(旅程管理業務を行う者)
第十二条の十一 企画旅行に参加する旅行者に同行して,前条の国土交通省令で定める措置を講ずるために必要な業務(以下「旅程管理業務」という。)を行う者として旅行業者によつて選任される者のうち主任の者は,第六条第一項第一号から第六号までのいずれにも該当しない者であつて,次条から第十二条の十四までの規定により観光庁長官の登録を受けた者(以下この節において「登録研修機関」という。)が実施する旅程管理業務に関する研修(以下「旅程管理研修」という。)の課程を修了し,かつ,旅行の目的地を勘案して国土交通省令で定める旅程管理業務に関する実務の経験を有するものでなければならない。
2 略
(19)法第13条「禁止行為」に関する次の記述から,正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。
a.旅行業者等は,旅行者に対し,旅行地において施行されている法令に違反する行為を行うことに関し便宜を供与する行為をしてはならない。
b.旅行業者等は,その営業所において掲示した旅行業務の取扱いの料金を超えて料金を収受する行為をしてはならない。
c.旅行業者等は,宿泊サービスを提供する者(旅館業法第3条の2第1項に規定する営業者を除く。)と取引を行う際に,当該者が住宅宿泊事業法第3条第1項の届出をした者であるかどうかの確認を怠る行為をしてはならない。
d.旅行業者等は,旅行業務に関し取引をした者に対し,その取引によって生じた債務の履行をいかなる場合も遅延する行為をしてはならない。
ア.a,d イ.a,b,c ウ.b,c,d エ.a,b,c,d
正解:イ(配点:4)
解説:旅行業者等がしてはならない行為は,法13条,施行規則37条の9に掲げられています。
aは,法13条3項1号に該当するため,禁止されます。
bは,法13条1項1号に該当するため,禁止されます。
cは,法13条3項4号,施行規則37条の9第3号に該当するため,禁止されます。
dについて,法13条2項は,取引上生じた債務の履行を「不当に」遅延する行為を禁止しています。したがって,正当な事由があれば,債務の履行を遅延しても許されますから,dは,いかなる場合も禁止されるとしている点で誤りです。
○旅行業法
(禁止行為)
第十三条 旅行業者等は,次に掲げる行為をしてはならない。
一 第十二条第一項又は第三項の規定により掲示した料金を超えて料金を収受する行為
二 旅行業務に関し取引をする者に対し,その取引に関する重要な事項について,故意に事実を告げず,又は不実のことを告げる行為
2 旅行業者等は,旅行業務に関し取引をした者に対し,その取引によつて生じた債務の履行を不当に遅延する行為をしてはならない。
3 旅行業者等又はその代理人,使用人その他の従業者は,その取り扱う旅行業務に関連して次に掲げる行為を行つてはならない。
一 旅行者に対し,旅行地において施行されている法令に違反する行為を行うことをあつせんし,又はその行為を行うことに関し便宜を供与すること。
二 旅行者に対し,旅行地において施行されている法令に違反するサービスの提供を受けることをあつせんし,又はその提供を受けることに関し便宜を供与すること。
三 前二号のあつせん又は便宜の供与を行う旨の広告をし,又はこれに類する広告をすること。
四 前三号に掲げるもののほか,旅行者の保護に欠け,又は旅行業の信用を失墜させるものとして国土交通省令で定める行為
○旅行業法施行規則
(禁止行為)
第三十七条の九 法第十三条第三項第四号の国土交通省令で定める行為は,次に掲げるものとする。
一 運送サービス(専ら企画旅行の実施のために提供されるものに限る。)を提供する者に対し,輸送の安全の確保を不当に阻害する行為
二 旅行者に対し,旅行地において特定のサービスの提供を受けること又は特定の物品を購入することを強要する行為
三 宿泊のサービスを提供する者(旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第三条の二第一項に規定する営業者を除く。)と取引を行う際に,当該者が住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号)第三条第一項の届出をした者であるかどうかの確認を怠る行為
(20)旅行業者代理業者に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
ア.旅行業者代理業者は,旅行業務に関し取引をしようとするときは,所属旅行業者の登録番号を取引の相手方に明示しなければならない。
イ.所属旅行業者は,旅行業者代理業者が旅行業務につき旅行者に加えた損害をいかなる場合も賠償する責めに任ずる。
ウ.旅行業者の登録の有効期間が満了したことによりその登録が効力を失い,登録が抹消されたときは,当該旅行業者を所属旅行業者とする旅行業者代理業者の登録はその効力を失う。
エ.旅行業者代理業者は,所属旅行業者の承諾がある場合に限り,その行う営業が旅行業であるとの広告をすることができる。
正解:ウ(配点:4)
解説:アについて,法14条の3第2項は,旅行業者代理業者が取引の際に明示しなければならないのは,「所属旅行業者の氏名又は名称」と「旅行業者代理業者である旨」の2つのみです。したがって,登録番号まで明示する必要はありませんから,アは,誤りです。
(旅行業者代理業者の旅行業務等)
第十四条の三 略
2 旅行業者代理業者は,旅行業務に関し取引をしようとするときは,所属旅行業者の氏名又は名称及び旅行業者代理業者である旨を取引の相手方に明示しなければならない。
3~5 略
イについて,法14条の3第5項本文は,所属旅行業者は,旅行業者代理業者が業務上旅行者に加えた損害を賠償する責任を負う旨規定していますが,一方で,同項ただし書は,所属旅行業者が「委託につき相当の注意をし」,かつ,「旅行者に加えた損害の発生の防止に努めたとき」は,賠償責任を負わない旨規定しています。したがって,イは,いかなる場合も損害賠償責任を負うとしている点で誤りです。
(旅行業者代理業者の旅行業務等)
第十四条の三 略
2~4 略
5 所属旅行業者は,旅行業者代理業者が旅行業務につき旅行者に加えた損害を賠償する責めに任ずる。ただし,当該所属旅行業者がその旅行業者代理業者への委託につき相当の注意をし,かつ,その旅行業者代理業者の行う旅行業務につき旅行者に加えた損害の発生の防止に努めたときは、この限りでない。
ウは,法15条の2第2号,20条1項の通りですから,正しいです。
(旅行業者代理業の登録の失効)
第十五条の二 旅行業者代理業の登録は,次の各号の一に該当することとなつたときは,その効力を失う。
一 当該旅行業者代理業者が所属旅行業者のために旅行業務を取り扱うことを内容とする契約が効力を失つたとき。
二 所属旅行業者が第二十条第一項又は第二項の規定により旅行業の登録を抹消されたとき。
(登録の抹消等)
第二十条 観光庁長官は,登録の有効期間(第六条の三第三項に規定する場合にあつては,同項の規定によりなお効力を有することとされる期間を含む。)が満了したとき,第七条第五項(第八条第三項又は第九条第二項において準用する場合を含む。)若しくは前条第一項若しくは第二項の規定による登録の取消しをしたとき,第十五条の規定による届出があつたとき,又は第十五条の二若しくは第十八条第三項(第五十四条第四項又は第六十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定により登録が効力を失つたときは,当該旅行業又は旅行業者代理業の登録を抹消しなければならない。
2~4 略
エについて,法14条の3第3項は,旅行業者代理業者は,その行う営業が旅行業であると誤認させる広告をしてはならない旨規定しています。この規定は,広告を見た旅行者の信頼を裏切らないための規定ですから,旅行業者の承諾があったとしても,誤認広告をしてもいいことにはなりません。したがって,エは,誤りです。
(旅行業者代理業者の旅行業務等)
第十四条の三 略
2 略
3 旅行業者代理業者は,その行う営業が旅行業であると誤認させ,又は所属旅行業者を誤認させるような表示,広告その他の行為をしてはならない。
4,5 略
(21)法第18条の3「業務改善命令」に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
ア.登録行政庁は,旅行業者に対し,旅行業協会に加入することを命ずることができる。
イ.登録行政庁は,旅行業者に対し,旅行者に生じた損害を賠償するために必要な金額を担保することができる保険契約を締結することを命ずることができる。
ウ.登録行政庁は,旅行業者に対し,企画旅行に係る旅程管理のための措置を確実に実施することを命ずることができる。
エ.登録行政庁は,旅行業者に対し,旅行業務取扱管理者を解任することを命ずることができる。
正解:ア(配点:4)
解説:業務改善命令として命ずることができる措置は,法18条の3第1項に掲げられています。
アは,法18条の3第1項各号事由に該当しませんので,命じることができません。したがって,アは,誤りです。
イは,法18条の3第1項5号に該当しますから,命じることができます。したがって,イは,正しいです。
ウは,法18条の3第1項4号に該当しますから,命じることができます。したがって,ウは,正しいです。
エは,法18条の3第1項1号に該当しますから,命じることができます。したがって,エは,正しいです。
(業務改善命令)
第十八条の三 観光庁長官は,旅行業者等の業務の運営に関し,取引の公正,旅行の安全又は旅行者の利便を害する事実があると認めるときは,当該旅行業者等に対し,次に掲げる措置をとるべきことを命ずることができる。
一 旅行業務取扱管理者を解任すること。
二 旅行業務の取扱いの料金又は企画旅行に関し旅行者から収受する対価を変更すること。
三 旅行業約款を変更すること。
四 企画旅行に係る第十二条の十の国土交通省令で定める措置を確実に実施すること。
五 旅行者に生じた損害を賠償するために必要な金額を担保することができる保険契約を締結すること。
六 前各号に掲げるもののほか,業務の運営の改善に必要な措置をとること。
2~4 略
(22)法第19条「登録の取消し等」に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
ア.登録行政庁は,旅行業者等が登録を受けてから6月以内に事業を開始せず,又は引き続き6月以上事業を行っていないと認め,登録を取り消した場合においては,直ちに,理由を付して,その旨を当該旅行業者等に通知しなければならない。
イ.登録行政庁は,旅行業者等が旅行業法若しくは旅行業法に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは,6月以内の期間を定めて当該旅行業者等の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
ウ.登録行政庁は,登録当時,旅行業者等が営業所ごとに法第11条の2の規定による旅行業務取扱管理者を確実に選任すると認められない者に該当していたことが判明したときは,当該旅行業者等の登録を取り消すことができる。
エ.登録行政庁は,旅行業者が不正の手段により有効期間の更新の登録を受けたときは,当該旅行業者の登録を取り消すことができる。
正解:ア(配点:4)
解説:アについて,法19条2項は,登録から「1年以内」に事業を開始せず,又は引き続き「1年以上」事業を行っていないと認めるときに,登録を取り消すことができる旨規定しています。また,19条3項,6条2項は,取消しの通知は,「遅滞なく」理由を付して通知する旨規定しています。したがって,アは,「6月」としている点及び「直ちに」としている点で誤りです。
(登録の拒否)
第六条 略
2 観光庁長官は,前項の規定による登録の拒否をした場合においては,遅滞なく,理由を付して,その旨を申請者に通知しなければならない。
(登録の取消し等)
第十九条 略
2 観光庁長官は,旅行業者等が登録を受けてから一年以内に事業を開始せず,又は引き続き一年以上事業を行つていないと認めるときは,登録を取り消すことができる。
3 第六条第二項の規定は前二項の規定による処分について,前条第二項から第四項までの規定は第一項の規定による処分について,それぞれ準用する。
イは,法19条1項1号の通りですから,正しいです。
ウは,法19条1項2号後段,6条1項9号の通りですから,正しいです。
エは,法19条1項3号の通りですから,正しいです。
(登録の拒否)
第六条 観光庁長官は、登録の申請者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を拒否しなければならない。
一~八 略
九 営業所ごとに第十一条の二の規定による旅行業務取扱管理者を確実に選任すると認められない者
十,十一 略
2 略
(登録の取消し等)
第十九条 観光庁長官は,旅行業者等が次の各号のいずれかに該当するときは,六月以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ,又は登録を取り消すことができる。
一 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
二 第六条第一項第二号,第三号若しくは第五号から第八号までのいずれかに掲げる者に該当することとなつたとき,又は登録当時同項各号のいずれかに掲げる者に該当していたことが判明したとき。
三 不正の手段により第三条の登録,第六条の三第一項の有効期間の更新の登録又は第六条の四第一項の変更登録を受けたとき。
2,3 略
(23)旅行サービス手配業に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
ア.旅行サービス手配業の新規登録の申請をしようとする者は,主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に新規登録申請書を提出しなければならない。
イ.旅行サービス手配業者が,旅行サービス手配業務に関し取引をする者と旅行サービス手配業務に関し契約を締結したときに,当該取引をする者に対し交付する書面の記載事項の一つとして,旅行者に提供すべき旅行に関するサービスの内容に関する事項が規定されている。
ウ.旅行サービス手配業務取扱管理者を選任しなければならない営業所が複数ある場合において,当該複数の営業所が近接しているときとして,営業所間の距離の合計が40キロメートル以下であるときは,旅行サービス手配業務取扱管理者は,その複数の営業所を通じて1人で足りる。
エ.旅行サービス手配業者は,運送サービス(専ら企画旅行の実施のために提供されるものに限る。)を提供する者に対し,輸送の安全の確保を不当に阻害する行為を行ってはならない。
正解:ウ(配点:4)
解説:アは,施行規則42条の通りですから,正しいです。
(新規登録の申請手続)
第四十二条 法第二十三条の規定による旅行サービス手配業の登録(以下この節において「新規登録」という。)の申請をしようとする者は,主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に,第十七号様式による新規登録申請書を提出しなければならない。
イは,施行規則49条3号の通りですから,正しいです。
(書面の記載事項)
第四十九条 法第三十条第一項の国土交通省令で定める事項は,次のとおりとする。
一 旅行サービス手配業務に関し取引をする者の氏名又は商号若しくは名称及び住所(当該者が旅行業者等又は旅行サービス手配業者である場合においては,氏名又は商号若しくは名称及び住所並びに登録番号)
二 契約を締結する旅行サービス手配業者の氏名又は商号若しくは名称及び住所並びに登録番号
三 旅行者に提供すべき旅行に関するサービスの内容
四 旅行サービス手配業者が旅行サービス手配業務に関し取引をする者に支払う対価又は旅行サービス手配業務の取扱いの料金に関する事項
五 当該契約に係る旅行サービス手配業務を取り扱う営業所の名称及び所在地
六 当該契約に係る旅行サービス手配業務取扱管理者の氏名
七 契約締結の年月日
ウについて,法28条4項は,旅行サービス手配業務取扱管理者は,他の営業所の旅行サービス手配業務取扱管理者を兼任できない旨規定しており,距離が近接していることをもって兼任禁止を解除する規定はありません。したがって,ウは,誤りです。
(旅行サービス手配業務取扱管理者の選任)
第二十八条 略
2,3 略
4 旅行サービス手配業務取扱管理者は,他の営業所の旅行サービス手配業務取扱管理者となることができない。
5~9 略
エは,法31条3号,施行規則52条2号の通りですから,正しいです。
○旅行業法
(禁止行為)
第三十一条 旅行サービス手配業者は,旅行サービス手配業務に関し取引をする者に対し,その取引に関する重要な事項について,故意に事実を告げず,又は不実のことを告げる行為をしてはならない。
2 旅行サービス手配業者は,旅行サービス手配業務に関し取引をした者に対し,その取引によつて生じた債務の履行を不当に遅延する行為をしてはならない。
3 旅行サービス手配業者又はその代理人,使用人その他の従業者は,その取り扱う旅行サービス手配業務に関連して,旅行サービス手配業の信用を失墜させるものとして国土交通省令で定める行為を行つてはならない。
○旅行業法施行規則
(禁止行為)
第五十二条 法第三十一条第三項の国土交通省令で定める行為は,次に掲げるものとする。
一 旅行サービス手配業務に関し取引をする者に対し,法令に違反する行為を行うことをあつせんし,又はその行為を行うことに関し便宜を供与する行為
二 運送サービス(専ら企画旅行の実施のために提供されるものに限る。)を提供する者に対し,輸送の安全の確保を不当に阻害する行為
三 旅行サービス手配業務に関し取引をする者に対し,旅行者が特定のサービスの提供を受けること又は特定の物品を購入することを強要する行為を行うことをあつせんし,又はその行為を行うことに関し便宜を供与する行為
(24)次の記述のうち,旅行業協会が適正かつ確実に実施しなければならない業務として定められていないものはどれか。
ア.旅行業務又は旅行サービス手配業務に関する苦情の解決のため,旅行業者等又は旅行サービス手配業者の営業所への立入検査
イ.旅行業務又は旅行サービス手配業務の取扱いに従事する者に対する研修
ウ.旅行業務又は旅行サービス手配業務の適切な運営を確保するための旅行業者等又は旅行サービス手配業者に対する指導
エ.旅行業務及び旅行サービス手配業務に関する取引の公正の確保又は旅行業,旅行業者代理業及び旅行サービス手配業の健全な発達を図るための調査,研究及び広報
正解:ア(配点:4)
解説:旅行業協会が適正かつ確実に実施しなければならない業務は,法42条に定められています。
アについて,法42条1号は,旅行業務又は旅行サービス手配業務に対する苦情の解決を掲げていますが,それを進めて,営業所への立入検査までは定めていません。したがって,アは,誤りです。
イは,法42条2号の通りですから,正しいです。
ウは,法42条4号の通りですから,正しいです。
エは,法42条5号の通りですから,正しいです。
(業務)
第四十二条 旅行業協会は,次に掲げる業務をこの章に定めるところにより適正かつ確実に実施しなければならない。
一 旅行者及び旅行に関するサービスを提供する者からの旅行業者等又は旅行サービス手配業者の取り扱つた旅行業務又は旅行サービス手配業務に対する苦情の解決
二 旅行業務又は旅行サービス手配業務の取扱いに従事する者に対する研修
三 旅行業務に関し社員である旅行業者又は当該旅行業者を所属旅行業者とする旅行業者代理業者と取引をした旅行者に対しその取引によつて生じた債権に関し弁済をする業務(以下「弁済業務」という。)
四 旅行業務又は旅行サービス手配業務の適切な運営を確保するための旅行業者等又は旅行サービス手配業者に対する指導
五 旅行業務及び旅行サービス手配業務に関する取引の公正の確保又は旅行業,旅行業者代理業及び旅行サービス手配業の健全な発達を図るための調査,研究及び広報
(25)弁済業務保証金制度に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
ア.旅行業協会に加入しようとする旅行業者は,その加入しようとする日までに,所定の弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納付しなければならない。
イ.旅行業協会から還付充当金を納付するよう通知を受けた保証社員が,その通知を受けた日から7日以内に,その通知された額の還付充当金を旅行業協会に納付しないときは,当該保証社員は旅行業協会の社員の地位を失う。
ウ.旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を実行しようとする旅行者は,その債権について旅行業協会の認証を受けなければならない。
エ.弁済業務保証金制度により,保証社員と旅行業務に関し取引をした旅行者が,その取引によって生じた債権に関し,弁済を受けることができるのは,当該旅行業者が旅行業協会に納付している弁済業務保証金分担金の額の範囲内までである。
正解:エ(配点:4)
解説:アは,法49条1項1号の通りですから,正しいです。
(弁済業務保証金分担金の納付等)
第四十九条 次の各号に掲げる者は,当該各号に定める日までに,弁済業務保証金に充てるため,弁済業務規約で定める額の弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納付しなければならない。
一 旅行業協会に加入しようとする旅行業者 その加入しようとする日
二 略
2~4 略
イは,法50条の通りですから,正しいです。
(還付充当金の納付等)
第五十条 旅行業協会は,第四十八条第一項の規定により弁済業務保証金の還付があつたときは,当該還付に係る保証社員又は保証社員であつた者に対し,当該還付額に相当する額の還付充当金を旅行業協会に納付すべきことを通知しなければならない。
2 前項の通知を受けた保証社員又は保証社員であつた者は,その通知を受けた日から七日以内に,その通知された額の還付充当金を旅行業協会に納付しなければならない。
3 保証社員は,前項に規定する期日までに第一項の還付充当金を納付しないときは,旅行業協会の社員の地位を失う。
ウは,法48条2項の通りですから,正しいです。
(弁済業務保証金の還付)
第四十八条 保証社員(次条第一項の規定により弁済業務保証金分担金を納付した社員をいう。以下同じ。)又は当該保証社員を所属旅行業者とする旅行業者代理業者と旅行業務に関し取引をした旅行者は,観光庁長官の指定する弁済業務開始日以後,その取引によつて生じた債権に関し,当該保証社員について弁済業務規約で定める弁済限度額の範囲内(当該保証社員について既に次項の認証をした債権があるときはその額を控除し,第五十条第二項の規定により納付を受けた額があるときはその額を加えた額の範囲内)において,旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。
2 前項の権利を実行しようとする者は,その債権について旅行業協会の認証を受けなければならない。
3~6 略
エについて,法48条1項は,「弁済業務規約で定める弁済限度額の範囲内」で弁済を受ける権利を有する旨規定しています。したがって,エは,弁済業務保証金分担金の納付額を限度としている点で誤りです。
(弁済業務保証金の還付)
第四十八条 保証社員(次条第一項の規定により弁済業務保証金分担金を納付した社員をいう。以下同じ。)又は当該保証社員を所属旅行業者とする旅行業者代理業者と旅行業務に関し取引をした旅行者は,観光庁長官の指定する弁済業務開始日以後,その取引によつて生じた債権に関し,当該保証社員について弁済業務規約で定める弁済限度額の範囲内(当該保証社員について既に次項の認証をした債権があるときはその額を控除し,第五十条第二項の規定により納付を受けた額があるときはその額を加えた額の範囲内)において,旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。
2~6 略
●国内旅行業務取扱管理者試験解説集●
第1問……旅行業法及びこれに基づく命令
第2問……旅行業約款,運送約款及び宿泊約款
第3問……国内旅行実務
・ 令和元年度 第1問/第2問/第3問
・ 平成30年度 第1問/第2問/第3問
・ 平成29年度 第1問/第2問/第3問
・ 平成28年度 第1問/第2問/第3問
・ 平成27年度 第1問/第2問/第3問
・ 平成26年度 第1問/第2問/第3問