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2019-04-14(Sun)

【事例から民法を考える】事例⑪「強けりゃいい,ってもんじゃない」

昨日の夕飯にしゃぶしゃぶを食べたんですが,

あり得んくらい食いまくったせいで,

未だに腹の底に肉や野菜が沈殿しているのが分かります。

胃は空で腹が減っている間はする一方で,

下腹からの圧迫があるので,

あんまりものを食えません。

大変ですね。

ところで,今回は,じれかん民法の事例⑪です。

≪問題≫
省略


代理受領……

初めて聞く手法です。

手法自体は至ってシンプルですが,

そこから生じる法律効果にはさまざまな議論があるようです。

この問題を通してそこらへんを学ぶことにします。

≪答案≫
1 Cは,Bに対して,Bが本件代理受領の承認をしたことの効果として,本件相殺は許されないと主張することが考えられる。この主張の当否は,代理受領の承認の効果として,第三債務者は債権者に対して当該債権に係る弁済をしなければならないという債務を負担しているかどうかにかかるので,この点について検討する。
 第三債務者の債権者に弁済する債務を認めることは,第三債務者は債権者に弁済しなければ債務を免れないとするものであり,その点で,債務者の第三債務者に対する債権が債権者に譲渡された場合と同様の結果を認めることを意味する。しかし,代理受領の承認は,通常,第三債務者に具体的な利益をもたらすものではない。そうすると,第三債務者が譲渡禁止特約によって確保した利益を手放すことになる効力を認めることは,第三債務者の合理的意思に反する。また,代理受領の承認にこのような強い効力を認めると,証人義務を負わない第三債務者が代理受領を承認することはなくなり,取引社会における代理受領の有用性が失われる。したがって,代理受領には債権譲渡と同様の効果を認めることは適当ではなく,そうすると,代理受領の効果として第三債務者の債権者に弁済する債務を認めることはできないというべきである。
 本件代理受領についても,これをBが承認したとしても,BはCに本件代金債権を弁済しなければならない債務を負うものではないから,本件代理受領の効果から直ちに本件相殺が許されないとされるものではない。
2 そこで,Cは,Bに対して,本件相殺によって本件代理受領の担保的利益が失われたことを理由として不法行為に基づく損害賠償請求をすることが考えられる。
 担保目的であることを知って第三債務者が債務者の自己に対する債権についての代理受領を承認した場合には,その承認は,代理受領によって債務者に対する債権の満足を得られるという債権者の利益を承認し,正当な理由がなく当該利益を侵害しないという趣旨をも当然に包含するものであるから,代理受領の承認後に第三債務者が債務者に対して弁済をしたときには,それによって当該債権は消滅するが,第三債務者は,その弁済をするにつき正当な理由がない限り不法行為責任を負う(※1)。しかしながら,第三債務者が債務者に対して債権を有している場合には,当該債権と債務者の第三債務者に対する債権とを相殺することにより回収を図るという実質的利益が認められる。そうすると,単なる弁済の場合と異なり,代理受領を承認した第三債務者が相殺により当該債権を消滅させることについては,第三債務者が債権者に対して相殺による利益よりも代理受領による利益を優先させることまで承認していたと認められる特段の事情がない限り,正当な理由が認められ,不法行為を構成することはないというべきである。
 これを本件についてみると,本件代理受領は,AがBとの間で締結した本件建設契約の履行の上で,Cとの間で本件装置設置契約を締結する必要があったところ,その前提として本件代理受領が承認されることが要求されている関係にある。そうすると,Cは,Bが本件代理受領の利益を認めたと信じたのでなければ,Aとの本件装置設置契約における自己の債務を履行しなかったであろうし,Cがその履行をしなければ,Bは本件建設契約の履行を得られず,本件相殺もされるには至らなかったであろうと考えられる。そうすると,本件相殺は,Cが本件代理受領の利益のBによる尊重を信じたからこそされるにいたったと評価されるものである。そして,本件違約金債権は,Bが本件代理受領を承認する以前に発生していた以上,Bは証人の時までに自己の利益とCの利益との関係について知れていたのであるから,Bは,Cの利益の確保を認めなければ本件建設契約の履行を得られないと知りつつ承認を与えていたこととなり,本件代理受領の野江気が本件建設契約の履行によりBが得る利益に優先することを認めていたということができる。そして,本件相殺は,本件建設契約の履行によってBが得る利益の1つである。したがって,本件の事情の下では,BがCに対して相殺による利益よりも代理受領による利益を優先させることまで承認していたと認められる特段の事情があるといえるから,本件相殺は不法行為を構成する。
 そして,ここでの責任の内容は,不法行為によりCに担保権を失わせるものであることから,担保されていた債権額に相当する金額の支払ということとなるため,CはBに対して,本件代理受領により担保されていた債権額600万円を損害賠償として支払うよう請求することができる。

以 上


(※1)「原判決において、原審が挙示の証拠により適法に確定したところによれば、本件請負代金債権は、被上告人の東海航空測量に対する本件手形金債権の担保となつており、函館開発建設部は、本件代理受領の委任状が提出された当時右担保の事実を知つて右代理受領を承認したというのである。そして右事実関係のもとにおいては、被上告人は、Aが同建設部から右請負代金を受領すれば、右手形金債権の満足が得られるという利益を有すると解されるが、また、右承認は、単に代理受領を承認するというにとどまらず、代理受領によつて得られる被上告人の右利益を承認し、正当の理由がなく右利益を侵害しないという趣旨をも当然包含するものと解すべきであり、したがつて、同建設部としては、右承認の趣旨に反し、被上告人の右利益を害することのないようにすべき義務があると解するのが相当である。しかるに、原判決によれば、同建設部長Bは、右義務に違背し、原判示の過失により、右請負代金を東海航空測量に支払い、Aがその支払を受けることができないようにしたというのであるから、右Bの行為は違法なものというべく、したがつて、原審が結局上告人に不法行為責任を認めた判断は正当である。そして函館開発建設部の東海航空測量に対する支払が有効であるとしても、原審が、右支払のされたことのみによつて直ちに原判示の過失を認めたものでないことは、原判文により明らかであるから、原判決に所論の矛盾は存在しない。」最判昭和44年3月4日民集23巻3号561頁



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