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2019-04-11(Thu)

【事例から民法を考える】事例⑲「財布はひとつ?」

さて,久しぶりですが,

【今日の一品】のコーナーです。

今日紹介する商品はこちら。

S__14909442.jpg

蒙古タンメン中本新宿店の今月の限定,

「五目蓋飯」です。

その名の通り,麺ではなくご飯ものです(麺もセットで付いてきますが。)。

甘辛く炒めた具沢山の野菜にごまと刻んだ紫蘇がかかったものです。

辛さは抑えめ(おそらく中本基準で3くらい)ですし,

味付けも独特なので,中本らしさは薄いかもしれませんが,

野菜をおいしくたくさん食べれるという中本の良さは変わりません。

セットで付いてくる麺は冷やし麺で,

五目味噌タンメンのスープがベースとなっているようですが,

酸っぱさが足されており,今までにない新しい味付けとなっています。

ちなみにこのスープ,バターとの相性は悪くはありませんがよくもありません。

ご飯の方にはもしかしたらバターが合うかもしれません。

試してみればよかったですね。

気になった方は是非中本新宿店へ。

今月15日までの限定発売です。

ところで,今回は,じれかん民法の事例⑲です。

これで家族法が終わります。

≪問題≫

●事例
 A男とB女は1990年5月3日,婚姻した。AとBは,婚姻と同時に,Aの勤め先である株式会社Cの社宅で共同生活を始め,Bは1991年7月13日Dを出産した。AとBは,時々,Dの教育について話し合いをしたが,幼児期から密度の高い教育機会を与えることが良いか否かについて意見が対立し,結論が出ないことが多かった。
 1996年12月28日,A・Bの自宅に,幼児向けの英語教材を販売する業者Eの販売員が訪問した。販売員2人は午後8時頃に訪問し,Bが対応したが,午後11時前後になって,BはDのために買ってやりたい気持ちの中で,契約を締結するにいたった。この間,Aは留守であった。
 同時に,Bは,割賦購入あっせんを業とする会社Fとの間で,①Fに対し,英語教材セットの購入代金を,加盟店であるEへ立替払することを委託すること,②BがFに対し,立替金59万7490円に手数料12万8510円を加算した合計額72万6000円を,合計60回に分割して,1997年2月から2002年1月まで支払うこと,③Bが②に定める支払を怠り,Fから書面により支払を催告されたにもかかわらず,その支払を履行しないときは,Bは,期限の利益を失うこと,④遅延損害金は,年6分の割合とすることを内容とする立替払委託契約(以下「本件立替払契約」という)を締結した。当該教材は,テキストブック,テキスト用DVDなどからなる幼児用の教材セットであった。BはAに反対されると思い,Aには購入を告げていなかった。また,BはDにこの教材で英語を教えようと試みたが,Dは全く興味を示さず,結局,教材セットは使用されなかった。
 Fは,1997年1月20日,Eに対し,本件立替払契約に基づき,立替払をした。Bは,1998年8月までFに対し約定の分割金を支払ったが,9月は支払をせず,Fから未払金の支払を催告されたが,その履行をしなかった。
 他方で,1998年6月,Bは消費者金融業者Gから50万円を借り入れた。借入れの目的は,Dが私立小学校に入学して出費が嵩んだことにより不足した生活費を補填するためであった。BはGに対して,1999年2月までは毎月,約定の額の借入金の返済を行ったが,それ以降は返済が滞り,期限の利益を失った。
 Aは,1998年6月当時,月収約30万円,年収は約560万円であった。一方,Bも,生命保険相互会社の外交員として勤務しており,年間約120万円の収入があった。
 この場合について,以下の設問に答えなさい(設問はそれぞれ独立の問いである)。

【設問1】 1998年12月,FはAに対して,本件立替払契約は日常家事に関する法律行為に属するとして,立替払の未払分の支払を請求した。この請求は認められるか。

【設問2】 2000年2月,GはAに対して,Bの負っている借入金の残債務は日常家事債務であるとして,その支払を請求した。この請求は認められるか。


日常家事債務ということですが,

親権者の利益相反の議論と少し混ざりそうです。

利益相反のときは専ら客観的に判断するような書き方をする記憶がありますが,

こちらでは主観面が考慮できるかどうかを一応検討しないといけないようですね。

あと110条の趣旨類推のところですが,

本問の事情からは判断できないような気がします。

もう110条類推は考えなくてもよいというメッセージでしょうか。

≪答案≫
第1 設問1
 1 FはAに対して,本件立替払契約が日常家事に関する法律行為(民法761条)に属すると主張しているので,この主張の当否について検討する。
 2⑴ 民法761条にいう日常の家事に関する行為とは,個々の夫婦がそれぞれの共同生活を営むうえにおいて通常必要な法律行為をいう。同条の趣旨は,夫婦の一方と取引関係に立つ第三者を保護するものであるから,日常の家事に関する法律行為に該当するかどうかは,客観的に,当該法律行為の種類,性質等を十分に考慮して判断すべきである(※1)(※2)。この点,夫婦は,同居・協力・扶助義務を負い(同法752条),共同生活を営むのであるから,社会一般的に共同生活に必要とされる標準的な事項については,仮に内部的な不一致や夫婦の一方の濫用的な振舞いの危険性があるとしても,基本的に共同責任を負うのが,共同生活の本質に即した婚姻の一般的な効果であると考えられるから,第三者の信頼は,夫婦であれば相互に許可をとることなく許されるだろうと定型的に期待される行為であるかどうかに向けられる。したがって,問題となる法律行為の種類,性質等を考慮する際にも,このような視点から検討すべきである。
 これを本件についてみると,教材本体だけで60万円近くの代金額に達するところ,通常の家庭で夫婦の一方が60万円近い取引をその他方に許可をとることなく許されるものとは考えにくい。そうすると,本件立替払契約は,その法律行為の性質からして,個々の夫婦がそれぞれの共同生活を営むうえにおいて通常必要な法律行為であるということはできない。
  ⑵ もっとも,民法761条は,夫婦の日常の家事に関する法律行為の効果について規定する前提として,夫婦は相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定していることから,この代理権を基礎として民法110条の適用により取引の第三者の保護を図ることも考えられる。しかし,当該代理権を基礎として民法110条所定の表見代理の成立を肯定することは,夫婦の財産的独立をそこなうおそれがあって相当ではない。そこで,第三者においてその行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときに限り,民法110条の趣旨を類推適用して,その第三者の保護を図るべきである(※1)
 本件では,Fにおいて本件立替払契約の締結が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由があるといえるような事情はないから,民法110条の趣旨を類推適用することはできない。
 3 したがって,本件立替払契約は,日常の家事に関する法律行為ではないから,FはAに対して本件立替払契約に基づく未払金の支払を請求することはできない。
第2 設問2
 GはAに対して,Bの負っている借入金の残債務が日常家事債務であると主張しているので,この主張の当否について検討すると,金銭の借入れは,月々の生活費をつなぐ程度の額であれば,使途目的にかかわらず,借入れが日常家事であるとされる可能性はある。しかし,本件では,50万円の借入れを行っているため,生活費をつなぐためにしては金額が大きすぎるといわざるを得ず,その性質上,通常の家庭で夫婦の一方が他方に許可をとることなく許されるものとは考えにくい。したがって,Bの負っている借入金の残債務は個々の夫婦がそれぞれの共同生活を営むうえにおいて通常必要な法律行為であるということはできない。
 また,Gにおいて借入金の借入れが当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由があると認められるような事情はない。
 よって,Bの負っている借入金の残債務は,日常の家事に関する法律行為ではないから,GはAに対して残債務の支払の請求をすることはできない。

以 上



(※1)「民法761条は、『夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによつて生じた債務について、連帯してその責に任ずる。』として、その明文上は、単に夫婦の日常の家事に関する法律行為の効果、とくにその責任のみについて規定しているにすぎないけれども、同条は、その実質においては、さらに、右のような効果の生じる前提として、夫婦は相互に日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限を有することをも規定しているものと解するのが相当である。」「そして、民法761条にいう日常の家事に関する法律行為とは、個々の夫婦がそれぞれの共同生活を営むうえにおいて通常必要な法律行為を指すものであるから、その具体的な範囲は、個々の夫婦の社会的地位、職業、資産、収入等によつて異なり、また、その夫婦の共同生活の存する地域社会の慣習によつても異なるというべきであるが、他方、問題になる具体的な法律行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属するか否かを決するにあたつては、同条が夫婦の一方と取引関係に立つ第三者の保護を目的とする規定であることに鑑み、単にその法律行為をした夫婦の共同生活の内部的な事情やその行為の個別的な目的のみを重視して判断すべきではなく、さらに客観的に、その法律行為の種類、性質等をも充分に考慮して判断すべきである。」「しかしながら、その反面、夫婦の一方が右のような日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権の存在を基礎として広く一般的に民法110条所定の表見代理の成立を肯定することは、夫婦の財産的独立をそこなうおそれがあつて、相当でないから、夫婦の一方が他の一方に対しその他の何らかの代理権を授与していない以上、当該越権行為の相手方である第三者においてその行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、民法110条の趣旨を類推適用して、その第三者の保護をはかれば足りるものと解するのが相当である。」最判昭和44年12月18日民集23巻12号2476頁
(※2)「法761条本文に規定する『日常の家事に関する法律行為』によって発生した債務とは,婚姻共同体において家庭生活を営むために通常必要とされる法律行為に基づく債務を意味すると考えられるところ,日常の家事に関する法律行為に該当するかどうかを決するに当たっては,同条が夫婦の一方と取引関係に立つ第三者の保護を目的とする規定であることにかんがみれば,客観的に,当該法律行為の種類,性質等を十分に考慮して判断すべきであると考えられ,夫婦間における内部的な事情やその行為の具体的な目的のみを重視して,判断すべきものではないと解される。」千葉地判平成22年10月28日判タ1344号200頁



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