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2019-04-04(Thu)

【基礎演習民事訴訟法】問題27「再審」

さて久しぶりとなりましたが,

【今日の一品】のコーナーです。

今日ご紹介する商品はこちら(通販的なノリ)

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またムタヒロですが,

月が替わって,今月の限定も新しく「サンマ―つけ麺」に替わりました。

サンマーメンというのは聞いたことがありますが,

それのつけ麺バージョンですかね。

たっぷりの野菜を餡で絡めたつけ汁は,

甘みがあって一風変わった風味が楽しめます。

野菜不足になりがちの下宿勢にはいいかもしれません。

角煮のトッピングがついていますが,

つけ汁によく合うと思います。

ただ,つけ汁がもっと熱々だったら良かったなとも思いました。

少しでも気になった方は是非国立へ。

ところで,今回は,基礎演習の27問目です。

≪問題≫

【ケース1】
 Xの妻AはX名義のクレジットカードを無断で用いてブランド物の鞄や靴を購入した。代金を立替払いしたカード会社Yは,Xを被告として立替金30万円の支払請求訴訟を提起し,その訴状および第1回期日の呼出状がX宅において実施された際,X,A共に不在であり,7才になるその娘Bが留守番をしていたので,郵便局員はBに訴状等を交付した。Bはこの訴状等を両親に渡さないでオモチャ箱にしまい込んでしまい,そのため第1回口頭弁論期日にXが欠席したままY勝訴の判決が言い渡された。この第1審判決の送達の際にはX宅にAがいたので,それがAに交付されたが,カード無断使用の事実を知られたくないAはこれを隠匿し,そのまま2週間が経過した。Yがこの確定判決に基づきXの賃金債権を差し押さえたことにより,初めてXは自分が第1審で敗訴していた事実を知った。
〔設問〕
 Bへの訴状等の補充送達の効力,無効である場合のXの救済方法のあり方を検討しなさい。
 Aへの第1審判決正本の補充送達の効力,有効または無効の場合のXの救済方法のあり方を検討しなさい。

【ケース2】
 妻AによるX名義のクレジットカードの無断使用をめぐる事案において,訴えの提起に先立ち,XとYの担当者Cとの間でやりとりがあり,その際,今後自分は勤務先の〇県△市の本店から東京支店に長期出張するので,自分宛の連絡は東京支店宛にしてほしいと伝えていた。Yが提起した立替金支払請求訴訟の訴状送達がX宅において試みられた際,Xのみならず,A,Bも上京中であったので,裁判所書記官はYに対しXの就業場所を照会したところ,上記のやり取りがあったにもかかわらず,Cは「Xの就業場所は不明」と回答したため,訴状等の郵便に付する送達が実施された。書留郵便の発送により送達の効果が生じ(107条3項),書留郵便は保管期間の満了により裁判所に返戻された。第1回期日にX欠席のままY勝訴の判決が言い渡され,その正本はX宅においてAに補充送達されたが,Aはこれを隠匿したまま2週間が経過した。Yがこの判決に基づきXの賃金債権を差し押さえたため,Xは30万円を任意弁済して差押申立てを取り下げさせた。Xは,本件確定判決はYの使用人Cが債務名義を騙取する意図で裁判所に対してした欺もう行為により成立したものであり,この行為と差押えを取り下げさせるためにXがした金30万円の支払との間には相当因果関係があると主張して,Yに対し金30万円の損害賠償の支払を求める訴えを提起した。
〔設問〕
 郵便に付する送達の効力とXの救済方法のあり方を検討しなさい。
 再審を経由しないで不法行為による救済を求めることの当否を検討しなさい。


うーん書くことたくさんな予感。

再審にまつわる論点を全部ぶち込んだ感じですね。

何時間かかるんだろうか……。

≪答案≫
【ケース1】
第1 Bへの訴状等の送達について
 1 YのXに対する立替金支払請求訴訟に係る訴状等が,被告たるXの子Bに対して送達されているが,この送達は有効か。
  ⑴ 送達は,原則として,送達を受けるべき者に送達書類を交付して行う(民訴法101条)。訴状は,被告に送達するものとされているから(同法138条1項),送達を受けるべき者は,被告たるXである。しかし,郵便局員が訴状等を,Xの就業場所以外であるX宅において実施した際に,Xは不在であったため,これを交付することができていない。
  ⑵ そうすると,「就業場所以外の送達をすべき場所において送達を受けるべき者に出会わないとき」であるとして,郵便局員が,Xの「同居者」であるBに訴状等を交付したことが,補充送達(同法106条前段)として有効とならないか。
 「書類の受領について相当のわきまえのあるもの」とは,送達の趣旨を理解して交付を受けた書類を受送達者に交付することが期待することができる程度の能力を有する者をいう(※1)。Bは当時7才であって,送達の趣旨を理解して交付を受けた書類を受送達者に交付することが期待することはできない。したがって,「相当のわきまえのあるもの」に対する交付があったとは認められない。
 よって,郵便局員がBに対してした訴状等の交付は,補充送達にもあたらない。
  ⑶ 以上から,本件では,被告たるXに有効な訴状の送達があったとは認められない。
 2 しかしながら,前記訴訟は,Xが欠席のままYの請求認容判決が出されているため,Xの救済方法を検討する。
  ⑴ まず,前記のように,Xに対する有効な訴状の送達がない以上,訴訟係属が存在せず,これを看過してされた判決は,訴訟行為における信義誠実の原則(同法2条)に照らし,無効である(※2)。そうすると,単に当該判決の無効確認を求める訴えを提起することはできないが,当該判決が無効であることを前提としてXがYに対して立替金債務の不存在確認を求める訴えを提起することはできる(※3)
  ⑵ 次に,Xは,再審の訴えを提起することにより,前記判決を争うことが考えられる。
   ア この点,補充送達が無効であることは,民訴法338条1項各号所定の再審事由には直接的には該当しない。しかし,同項3号が定める無権代理は,当事者本人の授権に基づかない自称代理人が追行した訴訟において成立した確定判決の不利な既判力に本人を拘束し続けることが,本人から裁判を受ける権利を実質的に奪うこととなるがゆえに,再審事由とされている。そうすると,当事者に保障されるべき手続関与の機会が与えられていない場合には,同号を類推適用すべきである。
 これを本件についてみると,Xは前記訴訟の当事者であるにもかかわらず,その訴状等が送達されないまま,訴え提起があったことすら知らずに,判決が確定している。そうすると,Xには訴訟に関与する機会が与えられないまま判決がされたものであるから,同法338条1項3号の類推適用により再審事由を構成することとなる(※4)
   イ もっとも,下記のように,前記判決の判決正本がAに対して補充送達が有効にされ,Xは再審事由の存在を知ったことになる。そして,控訴期間を徒過したとしても,Xが控訴をすることができなかったのは,「その責に帰することができない事由」によるものであるから,控訴の追完をすることができる(同法97条1項)。そうすると,再審の訴えは,同法338条1項ただし書により認められないのではないかが問題となる。
 しかし,同項ただし書の趣旨は,再審の訴えが上訴をすることができなくなった後の非常の不服申し立て方法であることから,上訴が可能であったにもかかわらずそれをしなかった者について再審の訴えによる不服申立てを否定するものである。したがって,再審事由を現実に了知することができなかった場合は同項ただし書に当たらない(※5)
 これを本件についてみると,Xは,前記訴訟の訴状が有効に送達されず,その故に前記訴訟に関与する機会すら与えられなかったとの前記再審事由を現実に了知することができなかったのであるから,前記判決に対して控訴しなかったことをもって,同項ただし書に規定する場合に当たるということはできない。
   ウ よって,Xは最新の訴えを提起することができる。
第2 Aへの第1審判決正本の送達について
 1 前記訴訟に係る判決正本が,被告たるXの妻Aに送達されているが,この送達は有効か。
  ⑴ 第1の1⑴と同様に,Xは,不在であったため,交付送達をすることはできない。
  ⑵ そこで,Aに前記判決正本を交付したことが,補充送達として有効とならないか。
 前記訴訟は,AがXのカードを無断で使用したことにより,カード会社から立替金の支払を請求されているものである。そうすると,AとXとの間には,立替金の支払をめぐって利害関係の対立がある。そうすると,このような者に交付した書類を受送達者に交付することが期待できるとはいえないようにも思える。しかし,Aは前記訴訟におけるXの相手方当事者であるわけではなく,前記訴訟に関してXとの間に事実上の利害関係の対立があるにすぎないのである。そうすると,Aはなお交付した書類を受送達者に交付することが期待できる程度の能力を有する者であるということができる。したがって,Aは「相当のわきまえのあるもの」である(※6)
 したがって,Aに前記判決正本を交付したことをもって,有効な補充送達があったと認められる。
  ⑶ 以上から,Aには有効な送達がある。
 2 しかしながら,前記判決正本は,控訴期間内にXに了知されていないため,Xの救済方法を検討する。
  ⑴ 送達が有効である以上,第1の2⑴の方法をとることはできない。
  ⑵ そこで,この場合にも再審の訴えを提起することができないか。
 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等と受送達者との間に,その訴訟に関して事実上の利害関係の対立があるため,同居者等から受送達者に対して訴訟関係書類が速やかに交付されることを期待することができない場合において,実際にもその交付がされなかったときは,受送達者は,その訴訟手続に関与する機会を与えられたことにならないというべきである。そうすると,上記の場合において,当該同居者等から受送達者に対して訴訟関係書類が実際に交付されず,そのため,受送達者が訴訟が提起されていることを知らないまま判決がされたときには,同法338条1項3号の再審事由がある(※7)
 これを本件についてみると,AとXの間には前記のような事実上の利害関係の対立があり,AからXに対して訴訟関係書類が速やかに交付されることを期待することはできず,実際にも送達のときから2週間以上前記判決正本はXに交付されていない。そのため,Xは,訴訟が提起されていることを知らないまま判決がされているのであるから,同法338条1項3号の再審事由がある。
 したがって,Xは最新の訴えを提起することができる。
【ケース2】
1 YのXに対する立替金支払請求訴訟に係る訴状が,郵便に付する送達によってXに送達されているが,これは有効か。
 前記訴状の送達は,X宅において試みられているが,Xは不在であり,交付送達ができない。また,他の同居人も不在であるため,補充送達もすることができない。そこで,裁判所書記官はYに対しXの就業場所を照会しているが,Yがこれを不明との回答をしているため,就業場所における補充送達(同法106条2項)もすることができない。したがって,「前条の規定により送達をすることができない場合」にあたる。
 しかし,Yの前記回答は虚偽のものであるにもかかわらず,裁判所書記官はこれを看過して,付郵便送達を実施している。そこで,このような虚偽の回答に基づいてされた不郵便送達が無効とならないか問題となる。しかし,民事訴訟関係書類の送達事務は,受訴裁判所の裁判所書記官の固有の職務権限に属し,裁判所書記官は,原則として,その担当事件における送達事務を民訴法の規定に従い独立して行う権限を有するものである。受送達者の就業場所の認定に必要な資料の収集については,短答裁判所書記官の裁量に委ねられているのであって,短答裁判所書記官としては,相当と認められる方法により収集した認定資料に基づいて,就業場所の存否につき判断すれば足りる。担当裁判所書記官が,受送達者の就業場所が不明であると判断して付郵便送達を実施した場合には,受送達者の就業場所の存在が事後に判明したときであっても,その認定資料の収集につき裁量権の範囲を逸脱し,あるいはこれに基づく判断が合理性を欠くなどの事情がない限り,当該付郵便送達は適法である(※8)
 これを本件についてみると,裁判所書記官は,Xの住所における送達ができなかったため,原告であるYに対してXの就業場所につき照会しており,それにもかかわらずYから就業場所についての回答が得られず,これについて格別疑念を抱かせるものは認められないから,認定資料の収集につき裁量権の範囲を逸脱し,あるいはこれに基づく判断が合理性を欠くものとはいえない。したがって,裁判所書記官がXに対してした付郵便送達は適法であり,有効である。
2⑴ しかしながら,Xは,前記訴訟に係る訴状を現実に受領していないため,訴訟追行の機会を得られていないのであるから,同法338条1項3号の再審事由が認められ,再審の訴えを提起することができるように思える。
 しかし,付郵便送達は,それが有効にされた場合であっても,被告が訴訟提起を知り得ない事態が存在することを当初から予定した制度である。そうすると,被告が訴訟提起の事実を知り得なかったことを再審事由とすることは,制度の自己否定と言わざるを得ない。したがって,被告が訴状の送達を受けられず,訴訟追行の機会が得られなかったとしても,再審事由とはならない。
 そうすると,本件でも,Xが訴訟追行の機会を得られなかったことは,再審事由を構成しないから,これを理由として最新の訴えを提起することはできない。
 ⑵ もっとも,Yが裁判所書記官からの照会に対して虚偽の回答をしたことが,刑事上罰すべき行為であるのであれば,同法338条1項5号によって,再審の訴えを提起することが可能である。
 ⑶ これと別に,XがYに対して,虚偽の回答をしたことを理由とする不法行為に基づく損害賠償請求をすることができるかどうかについて検討する。
 この点,確定判決の既判力は再審の訴えにより取り消されるまでは有効に存在するところ,判決成立過程における不法行為を理由として損害賠償を求めることは,確定判決が当然に無効であり既判力が存在しないことを前提とするものであるから,再審の訴えを潜脱するものであって,認められないとの見解もありうる。しかし,損害賠償請求における不法行為該当事実の主張,立証は,再審の訴えにおける5号再審事由の主張,立証と同様であり,行為と損害との間の因果関係の主張,立証は,再審の本案についての主張,立証と重なり合うから,ここでの損害賠償請求は,実質的には再審の訴えと同様の機能を果たすものである。したがって,前記の損害賠償請求を認めても,再審の訴えを潜脱することにはならない。したがって,不法行為に基づく損害賠償請求をすることができる(※9)
 本件でも,XはYに対し不法行為に基づく損害賠償請求をすることができる。

以 上


(※1)「民訴法171条1項に規定する『事理ヲ弁識スルニ足ルヘキ知能ヲ具フル者』とは、送達の趣旨を理解して交付を受けた書類を受送達者に交付することを期待することができる程度の能力を有する者をいうものと解されるから、原審が、前記二1のとおり、当時7歳9月の女子であった上告人の四女は右能力を備える者とは認められないとしたことは正当というべきである。」最判平成4年9月10日民集46巻6号553頁
(※2)「甲が乙と通謀のうえ、第三者丙に対して金銭債権を有すると称して丙に対する債務名義を騙取しようと企て、甲は、その主張する債権に関し丙あてにその住所を真実に反し乙方丙として、支払命令ないし仮執行宣言付支払命令の申立等の訴訟行為をし、裁判所がこれに応じた訴訟行為等をし、乙があたかも丙本人のように装つて、その支払命令ないし仮執行宣言付支払命令の正本等の訴訟書類を受領して、なんらの不服申立をすることなく、その裁判を確定させた場合においては、たとえ甲が丙あての金銭債権についての債務名義を取得したような形式をとつたとしても、その債務名義の効力は、丙に対しては及ばず、同人に対する関係では無効であると解するのが相当である。けだし、右のような場合には、当事者たる甲および同人と意思を通じている乙は、故意に、債務名義の相手方当事者と表示されている丙に対し、その支払命令ないし仮執行宣言付支払命令等の存在を知らせないように工作することにより、丙をしてこれに対する訴訟行為をし、その防禦をする手段方法等を講ずる機会を奪つているのであるから、訴訟行為における信義誠実の原則に照らし、甲は、丙に対し相手方当事者たる地位にもとづきその裁判の効力を及ぼしうべきものではないと解するのが相当だからである。なるほど、このような場合には、乙方丙の記載により、一応丙名義の表示がされ、一見丙あての債務名義は成立しているようであるが、前記のように、丙自身は、右の事実を全く知りえない事情にあるのであつて、甲および乙の行為に対し、防禦の訴訟行為をする機会を完全に奪われているのであるから、このような訴訟の実態にかんがみれば、単に丙がたまたまなんらかの事由により事実上訴訟行為等に関与しえなかつたときとは異なるのであつて、丙に対し、到底その裁判の効力が及ぶと解することは許されないのである。」最判昭和43年2月27日民集22巻2号316頁
(※3)上告人の本訴請求は、要するに、所論各判決の無効であることの確認を求めるというにあるのであつて、所論各判決の無効であることを前提として現在の権利又は法律関係の存否の確認を求める趣旨のものでないことは、本件記録に徴して明白である。されば、本訴は不適法として却下を免れないとした原審の判断は相当であつて、原判決には何ら違法はない。」最判昭和40年2月26日民集19巻1号166頁
(※4)「有効に訴状の送達がされず、その故に被告とされた者が訴訟に関与する機会が与えられないまま判決がされた場合には、当事者の代理人として訴訟行為をした者に代理権の欠缺があった場合と別異に扱う理由はないから、民訴法420条1項3号の事由があるものと解するのが相当である。」前掲最判平成4年9月10日
(※5)「民訴法四二〇条一項ただし書は、再審事由を知って上訴をしなかった場合には再審の訴えを提起することが許されない旨規定するが、再審事由を現実に了知することができなかった場合は同項ただし書に当たらないものと解すべきである。けだし、同項ただし書の趣旨は、再審の訴えが上訴をすることができなくなった後の非常の不服申立方法であることから、上訴が可能であったにもかかわらずそれをしなかった者について再審の訴えによる不服申立てを否定するものであるからである。これを本件についてみるのに、前訴の判決は、その正本が有効に送達されて確定したものであるが、上告人は、前訴の訴状が有効に送達されず、その故に前訴に関与する機会を与えられなかったとの前記再審事由を現実に了知することができなかったのであるから、右判決に対して控訴しなかったことをもって、同項ただし書に規定する場合に当たるとすることはできないものというべきである。」
(※6)「民訴法106条1項は,就業場所以外の送達をすべき場所において受送達者に出会わないときは,『使用人その他の従業者又は同居者であって,書類の受領について相当のわきまえのあるもの』(以下『同居者等』という。)に書類を交付すれば,受送達者に対する送達の効力が生ずるものとしており,その後,書類が同居者等から受送達者に交付されたか否か,同居者等が上記交付の事実を受送達者に告知したか否かは,送達の効力に影響を及ぼすものではない……。」「したがって,受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等が,その訴訟において受送達者の相手方当事者又はこれと同視し得る者に当たる場合は別として(民法108条参照),その訴訟に関して受送達者との間に事実上の利害関係の対立があるにすぎない場合には,当該同居者等に対して上記書類を交付することによって,受送達者に対する送達の効力が生ずるというべきである。」最決平成19年3月20日民集61巻2号586頁
(※7)「本件訴状等の送達が補充送達として有効であるからといって,直ちに民訴法338条1項3号の再審事由の存在が否定されることにはならない。同事由の存否は,当事者に保障されるべき手続関与の機会が与えられていたか否かの観点から改めて判断されなければならない。」「すなわち,受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等と受送達者との間に,その訴訟に関して事実上の利害関係の対立があるため,同居者等から受送達者に対して訴訟関係書類が速やかに交付されることを期待することができない場合において,実際にもその交付がされなかったときは,受送達者は,その訴訟手続に関与する機会を与えられたことにならないというべきである。そうすると,上記の場合において,当該同居者等から受送達者に対して訴訟関係書類が実際に交付されず,そのため,受送達者が訴訟が提起されていることを知らないまま判決がされたときには,当事者の代理人として訴訟行為をした者が代理権を欠いた場合と別異に扱う理由はないから,民訴法338条1項3号の再審事由があると解するのが相当である。」前掲最決平成19年3月20日
(※8)「民事訴訟関係書類の送達事務は、受訴裁判所の裁判所書記官の固有の職務権限に属し、裁判所書記官は、原則として、その担当事件における送達事務を民訴法の規定に従い独立して行う権限を有するものである。受送達者の就業場所の認定に必要な資料の収集については、担当裁判所書記官の裁量にゆだねられているのであって、担当裁判所書記官としては、相当と認められる方法により収集した認定資料に基づいて、就業場所の存否につき判断すれば足りる担当裁判所書記官が、受送達者の就業場所が不明であると判断して付郵便送達を実施した場合には、受送達者の就業場所の存在が事後に判明したときであっても、その認定資料の収集につき裁量権の範囲を逸脱し、あるいはこれに基づく判断が合理性を欠くなどの事情がない限り、右付郵便送達は適法であると解するのが相当である。」最判平成10年9月10日集民189号703頁
(※9)「判決が確定した場合には、その既判力によつて右判決の対象となつた請求権の存在することが確定し、その内容に従つた執行力の生ずることはいうをまたないが、その判決の成立過程において、訴訟当事者が、相手方の権利を害する意図のもとに、作為または不作為によつて相手方が訴訟手続に関与することを妨げ、あるいは虚偽の事実を主張して裁判所を欺罔する等の不正な行為を行ない、その結果本来ありうべからざる内容の確定判決を取得し、かつこれを執行した場合においては、右判決が確定したからといつて、そのような当事者の不正が直ちに問責しえなくなるいわれなく、これによつて損害を被つた相手方は、かりにそれが右確定判決に対する再審事由を構成し、別に再審の訴を提起しうる場合であつても、なお独立の訴によつて、右不法行為による損害の賠償を請求することを妨げられないものと解すべきである。」最判昭和44年7月8日民集23巻8号1407頁



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