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2019-04-01(Mon)

【基礎演習民事訴訟法】問題19「固有必要的共同訴訟」

「令和」の発表会見は,

リアルタイムで家で見ていたんですが,

ガースーのドヤ顔というかニヤケ顔がすごかったですね。

どういう気持ちだったんでしょうか。

その気持ちを探るべく,

そして,

あのドヤ顔を追体験できるように,

オリジナル「令和」を作成しました。

S__14696450.jpg

研究室にちゃんと飾ってあります。

ところで,今回は,基礎演習の19問目です。

≪問題≫

 土地甲について,A村落の住民全員(50名)が共有の性質を有する入会権(以下,単に「入会権」という)を有するのか,それとも,A村落とは無関係のYの単独所有に属するのかについて,A村落の住民とYの間で争われている。そこで,A村落の住民は,Yを相手取って,土地甲についての入会権の確認を求める訴えを提起することを検討することにした。その結果,X1~47の47名が訴えの提起に賛成したが,Z1~3の3名はこれに反対した。しかし,X1~47は,Yを被告として,X1~47とZ1~3が土地甲について入会権を有することの確認を求める訴えを提起した。
〔設問〕
 このX1~47の訴えは適法か。仮に適法でないとする場合,X1~47はどのようにすれば適法な訴えを提起できるか。


固有必要的共同訴訟です。

今までは,どうせみんな出来ないだろみたいな感じで,

適当な論証でごまかしていましたが,

やっぱり論パに頼らずに,ちゃんと勉強しておかないといけないですよね。

まぁでも,そもそも論パ使ってないんですけどね。

≪答案≫
1 X1~47は,X1~47及びZ1~3が土地甲について入会権を有していることの確認の訴え(以下「本件訴訟」という。)を,Z1~3を除いて提起している。本件訴訟が固有必要的共同訴訟であれば,入会権を有するとされるZ1~3が訴訟に関与しないことは許されず不適法となるため,固有必要的共同訴訟にあたるかどうかについて検討する。
2 固有必要的共同訴訟とは,当事者適格にもとづく訴訟追行権が共同でのみ行使される以上,共同訴訟人がなす訴訟行為の間に相互に矛盾を生じさせることが許されず,その結果として判決の合一性が確保される訴訟形態である。そして,当事者適格は,特定の訴訟物について,誰が当事者として訴訟を追行し,また,誰に対して本案訴訟をするのが紛争の解決のために必要で有意義であるかという観点から決せられるところ,当事者適格の基礎となる管理処分権や法律上の利益が多数人に共同で帰属し,その帰属の態様から判決内容の合一性が要請される場合には,その全員が当事者として追行し本案判決を受けなければ紛争は解決しないから,この場合には当事者適格にもとづく訴訟追行権が共同でのみ行使されるため,固有必要的共同訴訟となる(※1)(※2)
 これを本件についてみると,入会権は入会集団の構成員に総有的に帰属するものであるから,ある土地上に入会権が成立することの確認を求めるときには,原告適格の基礎となる入会権についての管理処分権は,入会権者全員に共同で帰属しているため,固有必要的共同訴訟である(※3)(※4)。したがって,土地甲に入会権を有する構成員全員で共同して訴訟を提起する必要があるため,その構成員であるZ1~3を当事者として加えずに土地甲の入会権の確認を求める訴えを提起することは,不適法である。
3 そうすると,X1~47としては,Z1~3を本件訴訟に当事者として加えなければならないが,Z1~3がこれに同調しない以上,原告として加えることはできない。そこで,Z1~3を被告として当事者に加えることにより,訴訟共同の要請を満たすことはできないか。
 入会集団の構成員のうちに入会権の確認を求める訴えを提起することに同調しないものがいる場合であっても,入会権の存否について争いがあるときは,民事訴訟を通じてこれを確定する必要があるため,入会権の存在を主張する構成員の訴権は保護されなければならない。そして,固有必要的共同訴訟においては,判決内容の合一確定が要請されるため,全員の関与が必要であるとされているところ,原告であるか被告であるかにかかわらず,当事者である以上当該判決の効力を受けることとなるから(民訴法115条1項1号),被告として加えることによっても固有必要的共同訴訟の目的は達成される。また,構成員全員が訴訟の当事者として関与しているのであれば,判決の効力を構成員全員に及ぼしても,構成員の利益が害されることはない。したがって,入会集団のうちに入会権確認の訴えを提起することに同調しないものがいる場合には,入会権の存在を主張する構成員が原告となり,同訴えを提起することに同調しない者を被告に加えて,同訴えを提起することも許される(※5)
 本件でも,X1~47が土地甲の入会権の確認を求める訴えを提起するには,これに同調しないZ1~3を被告として加えて,同訴えを提起することができる。

以 上


(※1)「法は,必要的共同訴訟の成立要件として『訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合』と規定する(40Ⅰ)。ここでいわれる合一確定の必要は,訴訟物たる権利関係に関する判決の内容を矛盾なく統一すべき必要といいかえられるが,その内容は以下のように分析される。」「第1は,当事者適格の基礎となる管理処分権や法律上の利益が,多数人に共同で帰属し,その帰属の態様から判決内容の合一性が要請される場合である当事者適格にもとづく訴訟追行権が共同でのみ行使される以上,共同訴訟人がなす訴訟行為の間に相互に矛盾を生じることは許されず,その結果として判決内容の合一性が確保される。この類型が固有必要的共同訴訟と呼ばれるものであり,判決内容の合一性を確保するために共同訴訟人独立の原則が排除されるだけでなく,共同訴訟人たるべきものの一部を欠く訴えは不適法とされる。」「固有必要的共同訴訟の成否をめぐって判例・学説上もっとも議論が対立するのが,共同所有をめぐる紛争である。固有必要的共同訴訟の成立が認められるとすれば,共同訴訟人たるべき者の一部を脱落させた訴えは不適法なものとなる。特に共同原告側については,一部の者が共同提訴を拒絶すると,残りの者の訴権行使が不可能になるという問題をどのように解決すべきかが検討の対象となる。固有必要的共同訴訟の成否に関する一般的基準を考えれば,この場合においても,訴訟物たる権利関係についての当事者適格を基礎づける管理処分権や法律上の利益が共同訴訟人に共同で帰属するときに,固有必要的共同訴訟の成立が認められる。」伊藤眞『民事訴訟法〔第4版補訂版〕』623頁
(※2)ここの論証を作成する上ではこちらのサイトをとても参考にさせていただきました→
(※3)「入会権の法律上の性質としては,総有,すなわち共同所有者としての持分が存在せず,各共同所有者は,物の利用権を有するのみであるといわれる。そこで,入会権者が第三者を被告として,ある土地上に入会権が成立することの確認を求めるときには,原告適格の基礎となる入会権についての管理処分権は,入会権者全員に共同で帰属するから,固有必要的共同訴訟の成立が認められる。これに対して,同じく入会権にかかわる訴訟であっても,入会団体の構成員がその使用収益権の確認や,使用収益権にもとづく妨害排除請求をなす場合には,それらの権利についての当事者適格は,当該構成員自身に認められるものであるから,他の構成員を共同原告とする必要はない。」前掲伊藤627頁
(※4)「3 原審は,次のとおり判示して,本件訴えを却下すべきものとした。」「(1) 入会権は権利者である入会集団の構成員に総有的に帰属するものであるから,入会権の確認を求める訴えは,権利者全員が共同してのみ提起し得る固有必要的共同訴訟であるというベきである。」「特定の土地が入会地であることの確認を求める訴えは,原審の上記3(1)の説示のとおり,入会集団の構成員全員が当事者として関与し,その間で合一にのみ確定することを要する固有必要的共同訴訟である。」最判平成20年7月17日民集62巻7号1994頁
(※5)「入会集団の構成員のうちに入会権の確認を求める訴えを提起することに同調しない者がいる場合であっても,入会権の存否について争いのあるときは,民事訴訟を通じてこれを確定する必要があることは否定することができず,入会権の存在を主張する構成員の訴権は保護されなければならない。そこで,入会集団の構成員のうちに入会権確認の訴えを提起することに同調しない者がいる場合には,入会権の存在を主張する構成員が原告となり,同訴えを提起することに同調しない者を被告に加えて,同訴えを提起することも許されるものと解するのが相当である。このような訴えの提起を認めて,判決の効力を入会集団の構成員全員に及ぼしても,構成員全員が訴訟の当事者として関与するのであるから,構成員の利益が害されることはないというべきである。」前掲最判平成20年7月17日



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