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2019-03-17(Sun)

【事例演習刑事訴訟法】第12講「接見交通」

さてさて,【今日の一品】のコーナーですが,

本日は自宅で自炊をキメたため,

早くも2日目にしてお休みです。

ちなみに,豚肉をただただ焼いて,豚丼のタレをかけて食べただけです。

とても質素ですね。

ちなみに,こちらの豚肉はSEIYUで389円で売っていた,

「国産豚ロース(生姜焼き用)」というものでしたが,

果たして生姜焼き以外の用途に使ってもよかったのでしょうか。

SEIYUの精肉担当の方がせっかく「生姜焼き用」というのを明示してくれたのに,

これに逆らうことは許されるのか。

反規範的人格態度と評されるのではないか。

もしかしてこれは犯罪なのでは……!?

司法試験を直前に控えた受験生の精神は異常です。

夕飯を食べる時ですら道義的非難を浴びせられるおそれに震える。

心休まるときはありません。

早く試験を終えて人権を取り戻したいです。

ところで今日は古江の第12講です。

≪問題≫

【設 問】
 甲は,収賄事件の被疑者乙の妻から被疑者の弁護人に選任され,勾留2日目に,勾留場所のA警察署留置場に赴き,乙との初めての接見を申し出たが,乙がB地方検察庁において検察官Pの取調べを受けていることが判明したため,Pに対して乙との接見の申出をした。Pは,乙を現に取調べ中であったことから,甲にその旨説明し,接見の日時等について協議しようとしたが,甲は協議に応じようとしなかった。そこで,Pは,甲と協議することなく,接見日時を「翌日午前10時から12時までの間」などとする指定をした。乙には甲のほかに弁護人は選任されていなかった。Pの上記接見指定は適法か。


接見交通は,判例が詳しくいろいろ述べてくれているので,

一見書きやすいような気はしますが,

解説にもあるように,捜査の必要性と接見交通の利益とのバランスの落としどころが,

難しい場面が意外とあるように思います。

なので,規範の導出まではスラスラといくと思いますが,

その後に時間を費やさないといけないですね。

最悪,落としどころがよく分からなくても,

上の2つのバランスを頑張って調整してみました!!

けどやっぱよく分かんねえや!!

学者さんの問題意識ぱねえっす!!!!!!

みたいなことは答案に残したいですね。

殴られそうですね。

≪答案≫
1 検察官Pは,甲の乙との接見の申出に対して,これを翌日に指定する旨の接見指定(以下「本件接見指定」という。)をしているが,これは刑訴法39条3項の要件を満たすか。
2⑴ 本件接見指定が「捜査のため必要があるとき」としてされたといえるか。「捜査のため必要があるとき」の意義が明らかでないので,これを検討する。
 ⑵ 憲法34条前段は,単に被疑者が弁護人を選任することを官憲が妨害してはならないというにとどまるものではなく,被疑者に対し,弁護人を選任した上で,弁護人に相談し,その助言を受けるなど弁護人から援助を受ける機会を持つことを実質的に保障したものである。そして,刑訴法39条1項は,憲法34条の前記の趣旨にのっとり,身体の拘束を受けている被疑者が弁護士等と相談し,その助言を受けるなど弁護人等から援助を受ける機会を確保することを目的としており,その意味で,憲法の保証に由来するものであるということができる(※1)
 もっとも,憲法は,刑罰権の発動ないし刑罰権発動のための捜査権の行使が国家の権能であることを当然の前提としているから,被疑者と弁護人等との接見交通権は刑罰権ないし捜査権に絶対的に優先するような性質のものとはいえないが,被疑者が弁護人から援助を受ける機会の重要性に照らすときは,これに対する制限は限定的に行われる必要がある(※2)。そこで,刑訴法39条3項の規定は,刑訴法が定めた厳格な身柄拘束期間の制限があることに鑑み,1つしかない被疑者の身柄を対象とした取調べ等の捜査の必要と接見交通権の行使との調整を図る趣旨に出たものである(※3)
 したがって,「捜査のため必要があるとき」とは,弁護人から申出のあった被疑者との接見を認めると取調べの中断等により捜査に顕著な支障を生ずる場合をいう(※4)
 ⑶ これを本件についてみると,甲がPに対して乙との接見を申し出たときには,乙は,現に取調べを受けているのであるから,これを認めるにあたっては取調べを中断させることが必要である。本件の事実関係からは明らかではないが,ここで取調べを中断させることによって,捜査に顕著な支障を生ずる場合であれば,「捜査のため必要があるとき」にあたる。
3⑴ それでは,甲と乙との初回の接見となるものであるが,それにもかかわらず接見を翌日に指定した本件接見指定は,「被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなもの」にはあたらないか。「被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなもの」の意義が明らかでないため,これを検討する。
 ⑵ 刑訴法39条3項ただし書は,弁護人等の申出に沿った接見を認めたのでは捜査に顕著な支障を生ずるときであっても,被疑者の弁護人との接見交通権の重要性に鑑みて,不当な接見指定を行うことを禁止する趣旨であるから,捜査機関は,弁護人等と協議してできる限り速やかな接見のための日時等を指定し,被疑者が弁護人等と防禦の準備をすることができるような措置を採らなければならない(※5)
 とりわけ,被疑者の逮捕直後の初回の接見は,被疑者にとっては,弁護人の選任を目的とし,かつ,今後捜査機関の取調べを受けるに当たっての助言を得るための最初の機会であって,前記の憲法の保障の出発点を成すものであるから,これを速やかに行うことが被告人の防御に準備のために特に重要である。したがって,捜査機関は,接見指定の要件が具備されたときであっても,その指定にあたっては,弁護人となろうとする者と協議して,即時又は近接した時点での接見を認めても接見の時間を指定すれば捜査に顕著な支障が生じるのを避けることが可能かどうかを検討し,これが可能なときは,留置施設の管理運営上支障があるなど特段の事情のない限り,所要の手続を終えた後において,たとえ比較的短時間であっても,時間を指定した上で即時又は近接した時点での接見を認めるようにすべきである(※6)。この理は,被疑者と弁護人との接見が,被疑者の逮捕直後にされるものでなくとも,初回の接見である限り妥当するものである(※7)
 ⑶ これを本件についてみると,甲と乙との接見は,乙が逮捕されてから初めてされるものである。そこで,Pとしては,捜査に顕著な支障が生じるのを避けて即時又は近接した時点での接見を認めることが可能かどうかを甲と協議することが求められるところ,Pはこれをしていない。もっとも,Pと甲との間で協議がもたれなかったのは,Pが協議をしようとしたにもかかわらず,甲がこれに応じなかったためであるから,Pが甲と協議をもたなかったこと自体からは,本件接見指定の違法性は導かれないというべきである。
 甲と乙との接見が初回であることからすれば,接見指定は少なくとも近接した日時でされなければならないところ,乙に対する捜査が行われるにしても,途中で休憩がもたれたときに接見を行わせることなども可能であるから,なるべくこのような時を指定するべきである。しかし,本件接見指定は,そのような配慮をせずに,翌日の接見日時を指定したものであるから,即時又は近接した時点での接見を認めたものではないというべきである。
 したがって,本件接見指定は,A警察署留置場における接見が管理運営上支障があるなどの特段の事情がない限り,「被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなもの」であるといわざるを得ない。
4 よって,本件接見指定は,前記の特段の事情がない限り,違法である。

以 上


(※1)「憲法34条前段は、『何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。』と定める。この弁護人に依頼する権利は、身体の拘束を受けている被疑者が、拘束の原因となっている嫌疑を晴らしたり、人身の自由を回復するための手段を講じたりするなど自己の自由と権利を守るため弁護人から援助を受けられるようにすることを目的とするものである。したがって、右規定は、単に被疑者が弁護人を選任することを官憲が妨害してはならないというにとどまるものではなく、被疑者に対し、弁護人を選任した上で、弁護人に相談し、その助言を受けるなど弁護人から援助を受ける機会を持つことを実質的に保障しているものと解すべきである。」「刑訴法39条1項が、『身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第31条第2項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。』として、被疑者と弁護人等との接見交通権を規定しているのは、憲法34条の右の趣旨にのっとり、身体の拘束を受けている被疑者が弁護人等と相談し、その助言を受けるなど弁護人等から援助を受ける機会を確保する目的で設けられたものであり、その意味で、刑訴法の右規定は、憲法の保障に由来するものであるということができる」最判平成11年3月24日民集53巻3号514頁
(※2)憲法は、刑罰権の発動ないし刑罰権発動のための捜査権の行使が国家の権能であることを当然の前提とするものであるから、被疑者と弁護人等との接見交通権が憲法の保障に由来するからといって、これが刑罰権ないし捜査権に絶対的に優先するような性質のものということはできない。そして、捜査権を行使するためには、身体を拘束して被疑者を取り調べる必要が生ずることもあるが、憲法はこのような取調べを否定するものではないから、接見交通権の行使と捜査権の行使との間に合理的な調整を図らなければならない。憲法三四条は、身体の拘束を受けている被疑者に対して弁護人から援助を受ける機会を持つことを保障するという趣旨が実質的に損なわれない限りにおいて、法律に右の調整の規定を設けることを否定するものではないというべきである。」前掲最判平成11年3月24日
(※3)「ところで、刑訴法39条は、前記のように1項において接見交通権を規定する一方、3項本文において、『検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第1項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。』と規定し、接見交通権の行使につき捜査機関が制限を加えることを認めている。この規定は、刑訴法において身体の拘束を受けている被疑者を取り調べることが認められていること(198条1項)、被疑者の身体の拘束については刑訴法上最大でも23日間(内乱罪等に当たる事件については28日間)という厳格な時間的制約があること(203条から205条まで、208条、208条の2参照)などにかんがみ被疑者の取調べ等の捜査の必要と接見交通権の行使との調整を図る趣旨で置かれたものである。そして、刑訴法39条3項ただし書は、『但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。』と規定し、捜査機関のする右の接見等の日時等の指定は飽くまで必要やむを得ない例外的措置であって、被疑者が防御の準備をする権利を不当に制限することは許されない旨を明らかにしている。」前掲最判平成11年3月24日
(※4)「このような刑訴法39条の立法趣旨、内容に照らすと、捜査機関は、弁護人等から被疑者との接見等の申出があったときは、原則としていつでも接見等の機会を与えなければならないのであり、同条3項本文にいう『捜査のため必要があるとき』とは、右接見等を認めると取調べの中断等により捜査に顕著な支障が生ずる場合に限られ、右要件が具備され、接見等の日時等の指定をする場合には、捜査機関は、弁護人等と協議してできる限り速やかな接見等のための日時等を指定し、被疑者が弁護人等と防御の準備をすることができるような措置を採らなければならないものと解すべきである。そして、弁護人等から接見等の申出を受けた時に、捜査機関が現に被疑者を取調べ中である場合や実況見分、検証等に立ち会わせている場合、また、間近い時に右取調べ等をする確実な予定があって、弁護人等の申出に沿った接見等を認めたのでは、右取調べ等が予定どおり開始できなくなるおそれがある場合などは、原則として右にいう取調べの中断等により捜査に顕著な支障が生ずる場合に当たると解すべきである」前掲最判平成11年3月24日
(※5)「弁護人等の申出に沿った接見等を認めたのでは捜査に顕著な支障が生じるときは、捜査機関は、弁護人等と協議の上、接見指定をすることができるのであるが、その場合でも、その指定は、被疑者が防御の準備をする権利を不当に制限するようなものであってはならないのであって(刑訴法39条3項ただし書)、捜査機関は、弁護人等と協議してできる限り速やかな接見等のための日時等を指定し、被疑者が弁護人等と防御の準備をすることができるような措置を採らなければならないものと解すべきである。」最判平成12年6月13日民集54巻5号1635頁
(※6)「とりわけ、弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者と被疑者との逮捕直後の初回の接見は、身体を拘束された被疑者にとっては、弁護人の選任を目的とし、かつ、今後捜査機関の取調べを受けるに当たっての助言を得るための最初の機会であって、直ちに弁護人に依頼する権利を与えられなければ抑留又は拘禁されないとする憲法上の保障の出発点を成すものであるから、これを速やかに行うことが被疑者の防御の準備のために特に重要である。したがって、右のような接見の申出を受けた捜査機関としては、前記の接見指定の要件が具備された場合でも、その指定に当たっては、弁護人となろうとする者と協議して、即時又は近接した時点での接見を認めても接見の時間を指定すれば捜査に顕著な支障が生じるのを避けることが可能かどうかを検討し、これが可能なときは、留置施設の管理運営上支障があるなど特段の事情のない限り、犯罪事実の要旨の告知等被疑者の引致後直ちに行うべきものとされている手続及びそれに引き続く指紋採取、写真撮影等所要の手続を終えた後において、たとい比較的短時間であっても、時間を指定した上で即時又は近接した時点での接見を認めるようにすべきであり、このような場合に、被疑者の取調べを理由として右時点での接見を拒否するような指定をし、被疑者と弁護人となろうとする者との初回の接見の機会を遅らせることは、被疑者が防御の準備をする権利を不当に制限するものといわなければならない。」前掲最判平成12年6月13日
(※7)解説166頁


【事例演習刑事訴訟法の他の問題・答案は下記のリンクから】
・ 第1講(任意捜査と強制捜査)
・ 第2講(職務質問・所持品検査)
・ 第3講(任意取調べの限界)
・ 第4講(身柄拘束の諸問題⑴-現行犯逮捕の適法性,違法逮捕後の勾留,違法逮捕と再逮捕の可否)
・ 第5講(身柄拘束の諸問題⑵-重複逮捕・勾留,同時処理による例外)
・ 第6講(身柄拘束の諸問題⑶-別件逮捕・勾留)
・ 第7講(令状による捜索・差押え⑴-捜索すべき場所の特定性,差押え目的物の特定性)
・ 第8講(令状による捜索・差押え⑵-場所に対する令状による身体に対する捜索の可否,「必要な処分」としての原状回復,電磁的記録の内容を確認せずにする差押えの可否)
・ 第9講(逮捕に伴う無令状捜索・差押え⑴-逮捕の現場,差押えの関連性)
・ 第10講(逮捕に伴う無令状捜索・差押え⑵-逮捕現場の第三者に対する捜索の可否,最寄りの場所における被逮捕者の捜索・差押えの可否)
・ 第11講(おとり捜査)
・ 第12講(接見交通)
・ 第13講(一罪の一部起訴)
・ 第14講(訴因の特定)
・ 第15講(訴因変更の要否,縮小認定)
・ 第16講(訴因変更の可否)
・ 第17講(科学的証拠)
・ 第18講(法律上の推定)
・ 第19講(類似事実証拠排除法則)
・ 第20講(自白の証拠能力⑴-約束による自白)
・ 第21講(自白の証拠能力⑵-派生証拠,反復自白)
・ 第22講(補強法則)
・ 第23講(伝聞法則⑴-総論)
・ 第24講(伝聞証拠⑵-領収書の証拠能力,犯行メモの証拠能力)
・ 第25講(伝聞証拠⑶-手続的公正を欠く場合)
・ 第26講(伝聞証拠⑷-再伝聞)
・ 第27講(伝聞法則⑸-弾劾証拠)
・ 第28講(違法収集証拠排除法則⑴-総論)
・ 第29講(違法収集証拠排除法則⑵-外国捜査機関の違法収集証拠)
・ 第30講(違法収集証拠排除法則⑶-違法性の承継,毒樹の果実)
・ 第31講(択一的認定)
・ 第32講(一事不再理効)
・ 第33講(攻防対象論-上訴審における職権調査の限界)
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