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2019-03-17(Sun)

【事例演習刑事訴訟法】第10講「逮捕に伴う捜索・差押え⑵」

ここの最初の一言コーナーですが,

……別にそんなコーナーはないんですが,

毎日何も変わらない生活を繰り返していると,

そろそろ書くこともなくなってくるわけでして,

こういう意味もないことをダラダラと書くことになってしまうわけです。

どうしましょうか。

とりあえず,今日私が食べた夕飯とか紹介すればいいのかな?

S__14344198.jpg

突然の思いつきにより始まりました,【今日の一品】

初回を飾るこちらは,『蒙古タンメン中本 立川』の,

今月の限定(といっても割と毎月やっているようなイメージがありますが)である,

つ  け  樺  太

でございます。

中本といえば,麻婆豆腐がかかった味噌ラーメンの「蒙古タンメン」が有名ですが,

その麻婆よりも粘度が高い,特製の樺太麻婆を使用したつけ麺です。

辛さはたしか10です(蒙古タンメンは5です。)。

辛さに慣れてきた人には,一度はお試しいただきたい一品です。

普通の麻婆よりも,こっちのねちっこい麻婆の方が私は好きです。

あと,これは完全に好みですが,

麺は硬めにした方がおいしいと思います。

中本の麺は,それ自体単体でおいしいので,

よりしっかり噛むようになる硬めをセレクトし,

麺の味とスープ,つけタレの味との融合を楽しむことができます。

麺の硬さは,

「かため」,「超かた(超かため)」,「スぺ超(スペシャル超かため)」

から選ぶことができます。

冷やし麺でスぺ超を注文すると,本当にに針金のような硬さの麺が出されます。

もちろん,逆にやわらかめを注文することもできます。

自分の好みにあった麺の硬さを選びましょう。

気になった方は是非中本立川店まで足を運んでみてください。

ところで今日は,古江の第10講です。

≪問題≫

【設 問】
 ⑴ 警察官Kは,被疑者Gに対する覚せい剤取締法違反罪による逮捕状の発付を得て,Gの所在を探していたところ,Nホテルの411号室に宿泊していることが判明したので,直ちに同ホテルに赴き,411号室において,Gを通常逮捕し,逮捕に伴う捜索として,同室内の捜索を開始した。同室には,Gの友人Xも同宿していたが,Gを逮捕し,室内を捜索する間,Xは,右手をズボンのポケットに差し入れたまま出そうとしななったことから,Kは,XがGの被疑事実に関連する証拠を所持しているものと考え,Xの抵抗を排除して,Xのズボンのポケットに手を入れるなどしてその身体を捜索したところ,ズボンの右ポケットから大麻草が発見されたので,Kは,Xを大麻所持の現行犯人として逮捕し,上記大麻草を差し押さえた。Xの身体に対する本件捜索および大麻草の差押えは適法か。
 ⑵ 警察官Lは,公道上において,窃盗罪による逮捕状によりYを通常逮捕したが,その場では捜索することなく,約1キロメートル離れた最寄りの警察署にYを連行したうえ,同警察署において,逮捕に伴う捜索として,Yの身体および所持品を捜索し,逮捕事実に係る盗品の一部を発見し,これを差し押さえた。Yの身体および所持品に対する本件捜索および盗品の差押えは適法か。


またこれは面倒な論点を,しかも2問もぶち込んできたなあと……。

ここらへんの問題を解いていて思いますが,

やっぱり刑訴ってどの科目よりも理論面が重要なんじゃないかという気がします。

刑訴含め刑事系はあてはめ勝負だとよく聞きますけど,

理論面をクリアしない限りはあてはめをどんなに頑張っても

しょうがないんじゃないかと,

そういうようなことを司法試験に受かったわけでもないのに思うわけです。

≪答案≫
第1 設問⑴
 1 警察官Kは,Gを通常逮捕するとともに,その場において捜索を行っている。この捜索は,Gの逮捕に伴う捜索(刑訴法220条1項2号)としてされたものであると考えられる。Kは,この捜索に際して,被逮捕者ではないXのポケットについても捜索を行った上(以下,この捜索を「本件捜索①」という。),そこから発見された大麻草を差し押さえている(以下,この差押えを「本件差押え①」という。)が,これらは適法か。逮捕に伴う捜索・差押えを,被逮捕者以外の第三者に対しても行うことができるかどうかが問題となるので,この点について検討する。
 2⑴ 通常の捜索・差押えでは令状裁判官が「正当な理由」(憲法35条1項)として特定の犯罪の嫌疑の存在及び当該犯罪と関連性を有する証拠が捜索場所に存在する蓋然性について審査する必要があるところ,適法な逮捕がされている場合には,「正当な理由」の要素である被疑事実の存在する蓋然性は認められる上,その現場には被疑事実に関連する証拠物が存在する一般的な蓋然性が認められるため,逮捕に伴う捜索・差押えは,無令状で行うことができる。
 しかし,単に逮捕現場に在所したにすぎない被逮捕者以外の第三者の身体については,一般的類型的に被疑事実に関連する証拠が存在する蓋然性が認められない。そうすると,前記の趣旨が妥当しないのであるから,逮捕に伴う捜索・差押えを被逮捕者以外の第三者の身体について行うことはできない。
 そうすると,本件捜索①及び本件差押え①は,被逮捕者ではないXに対してされているから,これが刑訴法220条1項2号によって直接的に許容されるものではない。
  ⑵ もっとも,刑訴法が捜査機関に強制処分である捜索・差押えの権限を与えていることからすれば,捜索・差押えの目的を達成するために合理的に見て必要かつ相当な措置を取ることも,捜索・差押えの権限に含まれると考えるべきであり,刑訴法111条1項はこれを確認しているものであると考えられる。そこで,捜索場所に居合わせた者が,捜索中または捜索の開始直前に,捜索場所にあった捜索の対象物あるいは差押目的物を身体・携帯物に隠匿した疑いが十分にあるときは,捜索・差押えの「必要な処分」(刑訴法222条1項,111条1項)として妨害行為を排除して現状に回復するために合理的にみて必要かつ相当な処分を行うことができる。
 これを本件についてみると,Xは,本件捜索①が開始された当初から,本件捜索①が行われている間にわたって,右手をズボンのポケットに差し入れたまま出そうとしないといった態度に出ているが,比較的長時間にわたる捜索の間,右手をポケットに入れっぱなしにすることは,その間のX自身の行動を自ら制約する面を有するなど,不自然な感が拭えないというべきである。そうすると,右手を入れたポケットの中に,警察官に見せたくない何かしらのものが入っているとの疑いを持つことも不合理ではない。そして,本件の被疑事実が,覚せい剤取締法違反であることからすると,覚せい剤をポケット内に隠し入れることも容易に行うことができるから,ポケットの中に入っているものが覚せい剤であるとの疑いも生じうるところである。
 しかしながら,G及びXがNホテル411号室という他から隔離された密室において覚せい剤を取り扱っていたところ,Kが予告なく同所に赴いてGの逮捕に及んだという経過からすれば,Xにおいて覚せい剤をポケット内に隠匿する時間的余裕があったといえるかについては疑いを容れる余地があるというべきである。そうすると,Xは,捜索中または捜索の開始直前に,捜索場所にあった差押目的物を身体に隠匿した疑いが十分にあるとまではいえないから,「必要な処分」としてXのズボンのポケットの中にある物を取り出すことはできない。
 3 よって,本件捜査①及びこれに引き続く本件差押え①は違法である。
第2 設問⑵
 1 警察官Lは,Yを通常逮捕した後,その場で捜索することなく,最寄りの警察署(以下「本件警察署」という。)に連行した上で捜索を行い(以下,この捜索を「本件捜索②」という。),これにより発見された盗品の一部を差し押さえている(以下,この差押えを「本件差押え②」という。)。これらの捜索・差押えは,Yの逮捕に伴う捜索・差押えとしてされているものと考えられるので,これが適法であるかについて検討する。
 2⑴ 「逮捕する場合において」(同法220条1項柱書)とは,単なる時点よりも幅のある逮捕する際をいい,逮捕との時間的接着を要する。本件捜索②及び本件差押え②は,LがYを通常逮捕した後,本件警察署に移動している間の時間的間隔はあるものの,短時間の移動にすぎないものと考えられるのであって,なお時間的接着性が認められる。したがって,本件捜索②及び本件差押え②は,「逮捕する場合において」されたものてあると認められる。
  ⑵ア Lは,本件捜索②及び本件差押え②を本件警察署で行っているが,本件警察署は「逮捕の現場」(同法220条1項2号)に含まれるか。「逮捕の現場」の範囲が明らかではないので,この点を検討する。
   イ 通常の捜索・差押えでは令状裁判官が「正当な理由」(憲法35条1項)として特定の犯罪の嫌疑の存在及び当該犯罪と関連性を有する証拠が捜索場所に存在する蓋然性について審査する必要があるところ,適法な逮捕がされている場合には,「正当な理由」の要素である被疑事実の存在する蓋然性は認められる上,その現場には被疑事実に関連する証拠物が存在する一般的な蓋然性が認められる(※2)。したがって,「逮捕の現場」とは,証拠が存在する蓋然性が認められる範囲である。
 もっとも,証拠の存在する蓋然性は不明確な概念であり,捜査機関の権限が不合理に広がることは防止すべきであるから,逮捕に伴う捜索・差押えにおいても,令状主義の原則との関係で,その範囲を限定する必要がある。そこで,逮捕の場所と同一の管理権の及ぶ範囲及びそこにある物については,「逮捕の現場」として,無令状での捜索・差押えをすることができる。
   ウ これを本件についてみると,LがYを逮捕した場所は公道上であって,本件警察署とはその管理権が異なる場所である。そうすると,本件警察署は,逮捕の場所である公道上と同一の管理権が及ぶ範囲から逸脱しているから,「逮捕の現場」には含まれない。
  ⑶ア もっとも,前記の通り,無令状で捜索・差押えを行うことができるのは,証拠存在の蓋然性が認められるからであるところ,被逮捕者の身体に対する捜索を行う場合には,逮捕場所から移動しても証拠存在の蓋然性に変化はないため,前記の書士に反しない。また,刑訴法は,捜査機関に強制処分を行うことを認めるにあたり,これに付随する措置を講ずることも認めていると考えられるから,同法220条1項2号も「逮捕の現場」における無令状での捜索・差押えを実施するために必要な附随的措置を実施した上,そこで捜索等を行うことも許容していると考えられる。
 そこで,被逮捕者の身体又は所持品に対する捜索・差押えである場合においては,逮捕現場付近の状況に照らし,その場で直ちに捜索・差押えを実施することが適当でないときには,速やかに被疑者を捜索・差押えの実施に適する最寄りの場所まで連行した上,前記捜索・差押えを実施することも,「逮捕の現場」における捜索・差押えと同視することができ,適法な処分になると考える(※1)
   イ これを本件についてみると,LはYを逮捕して,これの身体及び所持品に対する捜索・差押えを行う場合にあたる。本件の事実からは明らかではないが,LがYを逮捕した場所は,公道上であることから,車両が通る危険性があり,又は野次馬が集合してYの名誉が害されるなどの事情が認められるのであれば,逮捕現場付近の状況に照らし,その場で直ちに捜索・差押えを実施することが適当でないと認められる。そして,本件警察署には,Yに対する捜索・差押えを行う上で妨害となるべき事情はなく,実施に適する場所であるといえ,Yの逮捕現場から約1キロメートル程度しか離れておらず,その間に証拠が散逸する危険性は低いといえるから,最寄りの場所であると認められる(※2)
 したがって,本件警察署は,Yの「逮捕の現場」と同視し得る場所であるということができるのであるから,本件捜索②及び本件差押え②は,「逮捕の現場」で実施されたのと同視し得る。
  ⑷ また,本件捜索②及び本件差押え②については,それぞれの必要性が認められないような事情はない。
 3 よって,本件捜索②及び本件差押え②は,その要件を満たすため,適法である。

以 上


(※1)「刑訴二二〇条一項二号によれば、搜査官は被疑者を逮捕する場合において必要があるときは逮捕の現場で捜索、差押え等の処分をすることができるところ、右の処分が逮捕した被疑者の身体又は所持品に対する捜索、差押えである場合においては、逮捕現場付近の状況に照らし、被疑者の名誉等を害し、被疑者らの抵抗による混乱を生じ、又は現場付近の交通を妨げるおそれがあるといった事情のため、その場で直ちに捜索、差押えを実施することが適当でないときには、速やかに被疑者を捜索、差押えの実施に適する最寄りの場所まで連行した上、これらの処分を実施することも、同号にいう「逮捕の現場」における捜索、差押えと同視することができ、適法な処分と解するのが相当である。」最決平成8年1月29日刑集50巻1号1頁
(※2)「これを本件の場合についてみると、原判決の認定によれば、被告人Aが腕に装着していた籠手及び被告人B、同Cがそれぞれ持っていた所持品(バッグ等)は、いずれも逮捕の時に警察官らがその存在を現認したものの、逮捕後直ちには差し押さえられず、被告人Aの逮捕場所からは約五〇〇メートル、被告人B、同Cの逮捕場所からは約三キロメートルの直線距離がある警視庁町田警察署に各被告人を連行した後に差し押さえられているが、被告人Aが本件により準現行犯逮捕された場所は店舗裏搬入口付近であって、逮捕直後の興奮さめやらぬ同被告人の抵抗を抑えて籠手を取り上げるのに適当な場所でなく、逃走を防止するためにも至急同被告人を警察車両に乗せる必要があった上、警察官らは、逮捕後直ちに右車両で同所を出発した後も、車内において実力で籠手を差し押さえようとすると、同被告人が抵抗して更に混乱を生ずるおそれがあったため、そのまま同被告人を右警察署に連行し、約五分を掛けて同署に到着した後間もなくその差押えを実施したというのである。また、被告人B、同Cが本件により準現行犯逮捕された場所も、道幅の狭い道路上であり、車両が通る危険性等もあった上、警察官らは、右逮捕場所近くの駐在所でいったん同被告人らの前記所持品の差押えに着手し、これを取り上げようとしたが、同被告人らの抵抗を受け、更に実力で差押えを実施しようとすると不測の事態を来すなど、混乱を招くおそれがあるとして、やむなく中止し、その後手配によって来た警察車両に同被告人らを乗せて右警察署に連行し、その後間もなく、逮捕の時点からは約一時間後に、その差押えを実施したというのである。以上のような本件の事実関係の下では、被告人三名に対する各差押えの手続は、いずれも、逮捕の場で直ちにその実施をすることが適当でなかったため、できる限り速やかに各被告人をその差押えを実施するのに適当な最寄りの場所まで連行した上で行われたものということができ、刑訴法二二〇条一項二号にいう「逮捕の現場」における差押えと同視することができるから、右各差えの手続を適法と認めた原判断は、是認することができる。」前掲最決平成8年1月29日


【事例演習刑事訴訟法の他の問題・答案は下記のリンクから】
・ 第1講(任意捜査と強制捜査)
・ 第2講(職務質問・所持品検査)
・ 第3講(任意取調べの限界)
・ 第4講(身柄拘束の諸問題⑴-現行犯逮捕の適法性,違法逮捕後の勾留,違法逮捕と再逮捕の可否)
・ 第5講(身柄拘束の諸問題⑵-重複逮捕・勾留,同時処理による例外)
・ 第6講(身柄拘束の諸問題⑶-別件逮捕・勾留)
・ 第7講(令状による捜索・差押え⑴-捜索すべき場所の特定性,差押え目的物の特定性)
・ 第8講(令状による捜索・差押え⑵-場所に対する令状による身体に対する捜索の可否,「必要な処分」としての原状回復,電磁的記録の内容を確認せずにする差押えの可否)
・ 第9講(逮捕に伴う無令状捜索・差押え⑴-逮捕の現場,差押えの関連性)
・ 第10講(逮捕に伴う無令状捜索・差押え⑵-逮捕現場の第三者に対する捜索の可否,最寄りの場所における被逮捕者の捜索・差押えの可否)
・ 第11講(おとり捜査)
・ 第12講(接見交通)
・ 第13講(一罪の一部起訴)
・ 第14講(訴因の特定)
・ 第15講(訴因変更の要否,縮小認定)
・ 第16講(訴因変更の可否)
・ 第17講(科学的証拠)
・ 第18講(法律上の推定)
・ 第19講(類似事実証拠排除法則)
・ 第20講(自白の証拠能力⑴-約束による自白)
・ 第21講(自白の証拠能力⑵-派生証拠,反復自白)
・ 第22講(補強法則)
・ 第23講(伝聞法則⑴-総論)
・ 第24講(伝聞証拠⑵-領収書の証拠能力,犯行メモの証拠能力)
・ 第25講(伝聞証拠⑶-手続的公正を欠く場合)
・ 第26講(伝聞証拠⑷-再伝聞)
・ 第27講(伝聞法則⑸-弾劾証拠)
・ 第28講(違法収集証拠排除法則⑴-総論)
・ 第29講(違法収集証拠排除法則⑵-外国捜査機関の違法収集証拠)
・ 第30講(違法収集証拠排除法則⑶-違法性の承継,毒樹の果実)
・ 第31講(択一的認定)
・ 第32講(一事不再理効)
・ 第33講(攻防対象論-上訴審における職権調査の限界)
◎その他の答案リンク集はこちら→
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