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2019-03-16(Sat)

【事例演習刑事訴訟法】第7講「令状による捜索・差押え⑴」

今日,ラーメン二郎でラーメンを食べてきたわけですが,

それ以降,腹がパンパンで,全然集中できないんですよね。

やっぱりアレ人が食うもんじゃないよ!!!

食べてるときはいいけど,食べ終わった後の

「あぁ……またこんなもん食っちゃったよ……」

という何とも言えない感情は,

耐えがたきものがあります。

S__14327810.jpg

平成31年3月15日金曜日、ラーメン二郎野猿街道2店、小ラーメン+豚+たまねぎたまご 1000YEN
麺、ムチとした食感、味染みててウンメ~ッ!
ブタ、脂身甘くてウンメ~ッ!
完飲
(完飲したとは言っていない)



ところで,皆さんお忘れかもしれませんが,

この記事は,古江設問7を解くものです。

≪問題≫

【設 問】
 警察官Kは,連続して発生した組織的な強盗殺人・強盗致死事件の捜査において,犯罪を遂行したと思われるA国人グループの常時出入りするX事務所を捜索しようと考えたが,犯人やそこに所在する者の氏名を特定することができなかったことから,裁判官に対して,「捜索すべき場所,身体及び物」を「東京都文京区甲町1丁目2番3号X事務所並びに同所に所在する者の身体及び所持品」とし,「差し押さえるべき物」を「本件に関連する……メモ類など一切の物件」とする捜索差押許可状の発付を請求したところ,裁判官は,その旨の捜索差押許可状を発付した。そこで,警察官Kは,この捜索差押許可状により,X事務所を捜索したところ,本件に関連する記載のあるメモ類を発見したので,これを令状により差し押さえた。併せて,X事務所に在所していたYおよびZの身体および所持品を捜索したところ,令状に記載された物は発見できなかったが,Zのポケットから覚せい剤が発見されたので,Zを覚せい剤所持の現行犯人として逮捕し,当該覚せい剤を差し押さえた。本件令状による捜索・差押えは適法か。


捜索差押えですね。

先日のTKC模試でも出題されましたよ。

模試前にやっておくべきでしたね。

そしたら刑訴で爆死することなんかなかったでしょう。

しかし,この問題は,やけに事情が少ないですね。

あてはめさせる気はあるんでしょうか?

≪答案≫
1⑴ まず,本件令状による捜索は適法か。
 ⑵ 捜索許可状の発付のための要件は,①捜索について「正当の理由」(憲法35条)があること,すなわち,特定の犯罪の嫌疑が存在する場合において,捜索の対象となる場所にその犯罪と関連性を有する物がそこに存在する蓋然性があること(※1),②捜索の必要性があること(刑訴法218条1項前段)(※2),③捜索の対象が特定されていることである。
 ⑶ア これを本件についてみると,③本件令状は,捜索場所を「X事務所……に在所する者の身体及び所持品」としているが,この程度の記載をもって捜索の対象が特定されているといえるか。
  イ 捜索対象の特定性が要求されるのは,令状審査にあたり,裁判官が「正当な理由」の存在について判断し実質的認定を確保すること,及び捜索の実施にあたり捜査機関の意のままにあらゆる場所が無差別的に捜索される一般的捜索を防止するためである。そこで,捜索対象の特定の程度は,裁判官が「正当な理由」,すなわち,特定の犯罪の嫌疑が存在する場合において捜索の対象となる場所にその犯罪と関連性を有する物がそこに存在する蓋然性の有無について判断し得る程度である必要がある。
 この点,捜索対象者が特定されていないままの令状請求がされた場合には,令状裁判官は,捜査機関の請求した捜索対象者が誰であるかを判断することができず,その者が差押の目的物を有している蓋然性の有無について判断することができない。したがって,捜索対象者を特定していない令状は,その特定性に欠けるものとして違法である。
 もっとも,捜索対象者を個別に特定することができなくとも,その場所に所在する人すべてについて捜索の「正当な理由」を認め得る特段の事情がある場合には,令状裁判官は,それらの者全般について前記の蓋然性を判断することができるから,令状の特定性に欠けるところはない(※3)
  ウ これを本件令状についてみると,「X事務所……に在所する者の身体及び所持品」という記載は,個別に捜索対象者を特定するものではないため,令状裁判官はこの記載のみをもって捜査機関が捜索を行う対象となる者が,差押の目的物を有している蓋然性について判断することができない。
 また,本件における強盗殺人・強盗致死事件の犯人とされるA国人のグループがX事務所に常時出入りしているが,この事実のみをもってしては,X事務所内にA国人グループ以外の者が在所する可能性を否定することができないため,X事務所に在所する人すべてについて捜索の「正当な理由」が認められるということはできない。したがって,例えば,X事務所に立ち入るにあたっては,A国人グループの者以外のものは容易に立ち入れない状況があったなどの事情がない限り,X事務所に在所する人すべてについて捜索の「正当な理由」があるということはできない。
 ⑷ よって,本件令状は,前記のような事情がない限り違法であり,これに基づいてされた捜索は違法である。
2⑴ 次に,本件令状による差押えは適法か。
 ⑵ 差押許可状の発付のための要件は,①差押えについて「正当な理由」があること,すなわち,特定の犯罪の嫌疑が存在する場合において,差押の目的物がその犯罪と関連性を有すること,②差押えの必要性があること,③差押えの対象が特定されていることである。
 ⑶ア これを本件についてみると,③本件令状は,「本件に関連する……メモ類など一切の物件」というような概括的な記載となっているが,この程度の記載をもって差押えの対象が特定されているといえるか。
  イ 差押え対象の特定性が要求されるのは,令状審査にあたり,裁判官が「正当な理由」の存在について判断し実質的認定を確保すること,及び差押えの実施にあたり捜査機関の意のままにあらゆる物が無差別的に差し押さえられる一般的差押えを防止するためである。
 もっとも,捜索すべき対象自体は事前に明らかになっている捜索とは異なり,差押えについては,令状を発付する段階ではその目的物が必ずしも明らかになっていないことから,厳密な差押え目的物の特定は不可能であり,ある程度概括的な記載にならざるを得ない。そこで,裁判官が,特定の物の類型について「正当な理由」の有無を判断することができ,かつ捜査機関が当該令状の記載自体から差押えの目的物を判断可能な程度に記載されていれば足りる。
 そして,令状の概括的記載が具体的な目的物の例示に付加されたものであって,令状に記載された被疑事実に関係があると捜査機関が判断できる場合には,前記の程度に記載されているといえるから,特定性に欠けるものではない
  ウ これを本件令状についてみると,「一切の物件」との記載は,「……メモ類」といった例示に付加されて記載されている。そして,本件における被疑事実が,組織的な強盗殺人・強盗致死罪であるから,これを罰条において具体的に記載するなどして,捜査機関において判断可能な程度の体裁であるならば,特定性に欠けるものではない。
 したがって,このような記載がある限りにおいて,本件令状は適法である。
 ⑷ ①上記のような記載がある限りにおいては,嫌疑にかかる犯罪と差押えの目的物が関連性を有しているといえる。
 そして,②本件の被疑事実が組織的な強盗殺人・強盗致死事件であることから,事案としては重大を極めるものである上,組織的犯行であることからも,証拠物品をいち早く隠滅されるおそれがある。そうすると,差押えによって被疑者が被る不利益に鑑みても,差押えを行うべき必要性が認められる。
 ⑸ よって,本件令状は,前記の記載がある限りで適法であり,それに基づく限りで本件の差押えは適法である。

以 上


(※1)「令状主義の基本趣意から,裁判官の審査判断の内容となる『正当な理由』(憲法35条1項)とは,基本権侵害処分の性質・内容から次のように理解することができる。」「第二,差押えの目的物が捜索する場所に存在する蓋然性。裁判官が捜査機関の処分対象と範囲をあらかじめ画定して恣意的権限行使を抑制するため,令状にこれを具体的に明示記載する前提として,特定の被疑事実に関連する証拠物等が特定の捜索場所に存在する一定程度の蓋然性判断が可能でなければならない。捜査機関は,このような裁判官による蓋然性判断が可能である程度に,審査判断の素材となる疎明資料を提供しなければならず,被疑事実の存在とこれに関連する証拠物等の存在をの蓋然性を明らかにすることができなければ,令状請求は斥けられ,強制処分の発動は事前抑制されることになる。」酒巻匡『刑事訴訟法』106頁
(※2)差押の必要性要件の要否について,最決昭和44年3月18日刑集23巻3号153頁は,「刑訴法218条1項によると、検察官もしくは検察事務官または司法警察職員は『犯罪の捜査をするについて必要があるとき』に差押をすることができるのであるから、検察官等のした差押に関する処分に対して、同法430条の規定により不服の申立を受けた裁判所は、差押の必要性の有無についても審査することができるものと解するのが相当である。そして、差押は『証拠物または没収すべき物と思料するもの』について行なわれることは、刑訴法222条1項により準用される同法99条1項に規定するところであり、差押物が証拠物または没収すべき物と思料されるものである場合においては、差押の必要性が認められることが多いであろう。しかし、差押物が右のようなものである場合であつても、犯罪の態様、軽重、差押物の証拠としての価値、重要性、差押物が隠滅毀損されるおそれの有無、差押によつて受ける被差押者の不利益の程度その他諸般の事情に照らし明らかに差押の必要がないと認められるときにまで、差押を是認しなければならない理由はない。」としています。同判例が,刑訴法218条1項の文言から,差押の必要性を要件化していることからすれば,同じ条文に規定される「捜索」についても,その必要性が要件とされることになると思われます。
(※3)このような記載の令状を適法とした東京地決平成2年4月10日判タ725号243頁は,「申立人らは、本件各令状には、捜索の対象として『前進社第一ないし第二ビル並びに同社内に在所する者の身体及び所持品』と記載されていることをもって、捜索差押の対象の特定を欠いた違法な令状であり、これに基づいて行われた本件差押処分も違法であると主張する。しかし、前記のとおり、本件被疑事件は、いわゆる中核派所属の多数の者による組織的、計画的かつ密行的犯行であるところ、一件記録によれば、本件捜索の場所である前進社第一ビル及び同第二ビルは、いずれも全体として中核派の活動拠点となっているものであり、しかも、右各ビル内への出入りに際しては、監視役の厳重なチェックが必要であって、中核派に所属しない者が容易に入ることのできない状況にあったことが認められ、右事実よりすれば、右各ビル内の全域並びにそのビル内に居合わせた者全員の身体及び所持品に本件被疑事件に関係する証拠品が隠匿所持されている蓋然性が高い状況にあったと認められる。このような本件の特殊な状況に鑑みると、捜索の対象を前記のごとく定めた本件各令状は、その場所及び対象の特定において欠けるところはないというべきである」としています。ここにも表れているように,その建物が活動拠点となっているとだけでは,事件に関係のない人が同建物内に存在する可能性が拭えないので,それに加えて,事件に関係のない人が同建物に立ち入れない状況まで要求して,はじめてその場所に在所するすべての人について捜索の「正当な理由」があると認められるのだと考えられます。


【事例演習刑事訴訟法の他の問題・答案は下記のリンクから】
・ 第1講(任意捜査と強制捜査)
・ 第2講(職務質問・所持品検査)
・ 第3講(任意取調べの限界)
・ 第4講(身柄拘束の諸問題⑴-現行犯逮捕の適法性,違法逮捕後の勾留,違法逮捕と再逮捕の可否)
・ 第5講(身柄拘束の諸問題⑵-重複逮捕・勾留,同時処理による例外)
・ 第6講(身柄拘束の諸問題⑶-別件逮捕・勾留)
・ 第7講(令状による捜索・差押え⑴-捜索すべき場所の特定性,差押え目的物の特定性)
・ 第8講(令状による捜索・差押え⑵-場所に対する令状による身体に対する捜索の可否,「必要な処分」としての原状回復,電磁的記録の内容を確認せずにする差押えの可否)
・ 第9講(逮捕に伴う無令状捜索・差押え⑴-逮捕の現場,差押えの関連性)
・ 第10講(逮捕に伴う無令状捜索・差押え⑵-逮捕現場の第三者に対する捜索の可否,最寄りの場所における被逮捕者の捜索・差押えの可否)
・ 第11講(おとり捜査)
・ 第12講(接見交通)
・ 第13講(一罪の一部起訴)
・ 第14講(訴因の特定)
・ 第15講(訴因変更の要否,縮小認定)
・ 第16講(訴因変更の可否)
・ 第17講(科学的証拠)
・ 第18講(法律上の推定)
・ 第19講(類似事実証拠排除法則)
・ 第20講(自白の証拠能力⑴-約束による自白)
・ 第21講(自白の証拠能力⑵-派生証拠,反復自白)
・ 第22講(補強法則)
・ 第23講(伝聞法則⑴-総論)
・ 第24講(伝聞証拠⑵-領収書の証拠能力,犯行メモの証拠能力)
・ 第25講(伝聞証拠⑶-手続的公正を欠く場合)
・ 第26講(伝聞証拠⑷-再伝聞)
・ 第27講(伝聞法則⑸-弾劾証拠)
・ 第28講(違法収集証拠排除法則⑴-総論)
・ 第29講(違法収集証拠排除法則⑵-外国捜査機関の違法収集証拠)
・ 第30講(違法収集証拠排除法則⑶-違法性の承継,毒樹の果実)
・ 第31講(択一的認定)
・ 第32講(一事不再理効)
・ 第33講(攻防対象論-上訴審における職権調査の限界)
◎その他の答案リンク集はこちら→
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