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2019-03-15(Fri)

【事例演習刑事訴訟法】第4講「身柄拘束の諸問題⑴」

花粉症が辛いです。

花粉の分際で人様の体内に断りなく侵入してくるのは到底許し難き事態であるといえます。

スギなのかなんなのか知りませんけど,

花粉症の原因となる木々は早く伐採して一掃されるべきだと思います。

っていうか,何年以内にスギか何かの花粉を飛ばすタイプのやつを,

全部失くすよみたいな宣言してませんでしたっけ?

つべこべ言わずに今日明日にでも全部切り倒してほしいところですね。

≪問題≫

【設 問】
 ⑴ 司法警察員Kは,深夜2時ころコンビニエンスストアA店において強盗事件が発生したため,同店店員Vから事情を聴取したところ,犯人にナイフを突き付けられて,レジから5万円(1万円札5枚)を奪われたこと,犯人は,50歳くらいの男で,身長は170センチメートルくらい,小太り,高級スーパーマーケットZのエコバッグを持っていたことなどの事実が判明した。そこで,Kは,直ちに司法巡査Lとともにパトカーで付近を捜索していたところ,事件の約2時間後に,同コンビニエンスストアから約8キロメートル離れた道路上を歩行中の,犯人の人相風体に似た,高級スーパーマーケットZのエコバッグを持った男Xを発見し,上記事件について質問をしたが,Xは犯行を否認した。まもなく駆けつけたVが「Xが犯人に間違いない」旨供述し,Xの同意を得てXのズボンの右ポケットを確認したところ,1万円札5枚が発見された。Xは,この5万円について,自分が稼いだ金で,コンビニ強盗して得たものではない旨弁解した。しかし,Kは,Xが上記強盗事件の犯人であることは明白であると考え,Xを強盗罪により現行犯逮捕し,所定の時間内に検察官に送致し,検察官は,Xの勾留を請求した。
 令状裁判官は,いかなる裁判をすべきか。
 ⑵ また,検察官は,逮捕手続に違法があったとして,Xの勾留を請求することなくXを釈放した場合において,同一の被疑事実によりXを逮捕することは許されるか。


現行犯逮捕は私が慶應ローの入試を受けた時に出題されました。

全然書けなかったことを今でも覚えています。

そしてそれ以来全く勉強していないので,

全く書ける気がしません。

学部の時からの成長が感じられない。

後半は再逮捕再勾留です。

まあよく分かりません(適当)

≪答案≫
第1 設問⑴
 1⑴ 令状裁判官は,検察官がしたXの勾留請求について裁判をする(刑訴法207条,60条1項)にあたり,Xについてされた逮捕手続の適法性を検討する必要がある。そこで,司法警察員KがXを現行犯逮捕(刑訴法213条)した手続が適法かどうかを検討する。
 ここで,KがXを現行犯逮捕するためには,Xが「現行犯人」であることを要する。そこで,Xが,「現行犯人」について規定する同法212条の要件を満たすかについて検討する。
  ⑵ まず,Xは「現に罪を行い,又は現に罪を行い終わつた者」(同条1項)にあたるか。同要件の意義及び判断方法が,法文上明らかではないため,それぞれ問題となる。
 刑訴法213条が現行犯逮捕の場合に裁判官の発付する令状を不要としているのは,犯罪と犯人が逮捕者にとって明白であって誤認逮捕のおそれが低いためである。したがって,「現に罪を行い,又は現に罪を行い終わつた者」といえるためには,逮捕者にとって犯罪が行われていること又は行われたことが明白であって,かつ被逮捕者が犯人であることが明白であることが必要である。
 これを本件についてみると,逮捕者であるKは,何者かがVに対してナイフを突き付けてレジから5万円を奪った行為を現認していない。したがって,Kにとって,Xが犯人であることが明白であると一義的に断ずることはできない。
 また,客観的・外部的状況としては,Xのポケットに被害金額と同額の5万円があったことだけであり,ポケットに1万円札を5枚入れていることが特段不自然であるとまではいえない上,現金は流動性が高く,特定性も低いから,必ずしもXのポケットにあった5万円が被害物品である5万円と一致するものということはできず,Kにとって未だ犯罪と犯人が明白であるとは認められない。
 さらに,KがXを発見したのは,事件の発生から約2時間後,現場から約8キロメートル離れた場所であって,犯罪が行われたときから時間的場所的に密に近接しているとまでは評価することができないため,Kにとって犯罪と犯人が明白になるような事情とはならない。
 なお,Vが「Xが犯人で間違いない」旨供述しており,前記のように,犯罪と犯人の明白性を基礎付ける決定的な事実が存しない中では,被害者として犯人を目撃したVによる供述がXを犯人であると断定する決定的な資料とならざるを得ない。しかし,公判手続における慎重な事実認定における場面であれば格別,現行犯逮捕の緊迫した状況の下では,逮捕者が被害者の供述の信用性を瞬時的確に判断することは極めて困難である。したがって,被害者の供述が決定的であってそれがなければ犯罪と犯人の明白性が認められないような場合には,逮捕者にとって犯罪と犯人が明白であるということはできないというべきである。
 以上からすると,Kにとっては,未だ犯罪と犯人が明白であるとはいえないから,Xを「現に罪を行い,又は現に罪を行い終わつた者」と認定することはできない。
  ⑶ 次に,Xが準現行犯人であるかについて検討すると,Xについて刑訴法212条2項各号に掲げられた事由に該当するような事情はないのであるから,Xを準現行犯人と認定することはできない。
  ⑷ したがって,Xは「現行犯人」として認められないから,KがXを現行犯逮捕した手続は違法である。
 2⑴ 次に,先行する逮捕手続に違法がある場合に,これに引き続いて行われる勾留請求について,裁判官はいかなる裁判をすることとなるか。
  ⑵ 刑訴法は,逮捕手続について不服申立ての手続を規定していないことから,逮捕手続における違法をすべて勾留の段階で一括して事後の司法審査に服するものとしていると考えられる。また,先行手続に重大な違法がある場合には,これに引き続く勾留を却下しなければ,司法手続における無瑕性を害しかねない上に,将来における違法な逮捕手続の抑制の見地からして相当ではない。
 したがって,逮捕手続に重大な違法が認められる場合には,令状裁判官は,これに引き続く勾留の請求を却下すべきである。
  ⑶ これを本件についてみると,KがXに対してした現行犯逮捕は,その要件を充足していないにも関わらず行ったものであるから,現行犯逮捕について裁判官の発付する令状を不要とした刑訴法213条の趣旨に反するものであって,令状主義を没却する重大な違法が認められる。
 また,Xについては,緊急逮捕(同法210条1項)の要件を充足する程度の嫌疑が存していたため,逮捕の実態的要件は存在していたということができ,逮捕手続の種類の選択を誤ったにすぎないものと評価できなくもないが,緊急逮捕は直ちに逮捕状を請求し,令状なき身柄拘束について裁判官の令状審査を受けるからこそ,令状主義の合理的例外として許容されるのであるから,緊急逮捕上の請求がされなければ,なお令状主義を没却する違法が存するというべきである。Kは,Xについて現行犯逮捕を行った後に,緊急逮捕上の請求をしていないのであるから,緊急逮捕としても許容されるものではなく,令状主義を没却する重大な違法がある。
 したがって,KがXについて行った現行犯逮捕には,重大な違法があるというべきであるから,令状裁判官は,検察官がした勾留請求を却下すべきである。
第2 設問⑵
 1 検察官が,Xについて逮捕手続に違法があったとして釈放した後に,Xについて同一被疑事実により再逮捕を行うことはできるか。
 2 刑訴法199条3項は,同一の犯罪事実について再び逮捕状を請求することができるとしていることから,再逮捕を行うことができる場面を想定しているものと考えられる。この点,同項の趣旨は,逮捕と釈放の繰り返しによる不当な自由侵害が生じるのを防ぐ趣旨である。したがって,再逮捕が許容されるか否かは,逮捕と釈放の繰り返しによる自由侵害が不当であるかどうかから検討されるべきである。
 この点,先行する逮捕手続が違法であることを理由に釈放がされた場合には,先行する逮捕手続が適法である場合とは異なり,留置の必要性について実質的な判断がされているわけではないから,先行する逮捕手続から再逮捕の間に事情変更があろうがなかろうが不当性に影響するものではない。したがって,先行する逮捕から釈放した時点で逮捕の要件があり,かつ最初の身体拘束時点からの時間制限内に勾留請求がされることが見込まれるのであれば,不当な逮捕と釈放の繰り返しとはならないから,再逮捕が許容される(※1)
 もっとも,先行する逮捕手続に違法があることから,再逮捕の不当性の判断においてこれが考慮されるべきかについて検討すると,先行する逮捕手続に引き続く勾留請求が却下され又は検察官がこれを釈放した場合には,それによって司法の無瑕性の保持及び将来の違法逮捕の抑止は相当程度達成されるのであるから,先行する逮捕手続の違法の程度が極めて重大で,当該被疑者に対する身柄拘束処分の続行がおよそ相当でないと認められるような場合は格別,そうでない限りは,先行する逮捕手続の違法性を再逮捕の不当性において判断する必要はない。
 3 これを本件についてみると,KがXについてした逮捕手続には重大な違法があるものの,犯人とXとの特徴が一致しており,被害金額と同じ5万円を所持しており,被害者Vが「Xが犯人に間違いない」旨供述していること等からすれば,XがVに対する強盗事件の犯人である疑いが濃厚であり,緊急逮捕の要件も充足していたのであるから,違法の程度が極めて重大であるとまでいうことはできない。
 そして,本件の被疑事件は強盗事件であって犯罪の重大性が認められる上,Xが犯人性を否認していることからすれば罪証を隠滅し,あるいは逃亡するおそれがあり,事後の捜査が困難となる蓋然性が高いということができる。
 したがって,Xについて再逮捕を認めても,不当な逮捕と釈放の繰り返しであるとはいえないから,再逮捕は許容される。

以 上


(※1)「先行する第1字逮捕手続が適法である場合,同一被疑事実で被疑者を再逮捕するのが合理的と考えられるのは,逮捕後留置中に被疑者が逃亡した場合や,留置の必要がないとして釈放された被疑者について身体拘束の理由や必要性が新たに認められた場合のように特段の事情変更が認められる場合(例えば,釈放後に逃亡・罪証隠滅のおそれがあることが新たに判明した場合)であろう。このような釈放後の特段の事情変更による再逮捕まで一切許されないとすれば,法が予定した逮捕段階での捜査機関限りの判断による釈放(法203条1項・205条1項・204条1項)の運用が過度に厳格化することが見込まれ,適切とは思われないからである。」「これに対して,先行する逮捕手続に違法があるため,検察官がそのまま勾留請求せずに一度被疑者を釈放した場合についてはどうか。この場合,前記のような特段の事情変更がない上,適法な逮捕後の再逮捕でさえ例外的な場合に限られること殿関係で,先行する第1次逮捕手続に違法があるとかえって無条件に再逮捕が許されるとするのは適切でない。他方,被疑者の釈放により先行する手続の違法状態が解消されたと見れば,釈放時点で逮捕の要件があり,かつ最初の身体拘束時点からの時間制限内に勾留請求されることが見込まれるならば,法の時間制限の趣旨には反しないから再逮捕を許容できる場合もあり得よう(例えば,警察官が緊急逮捕すべきところ手続の選択を誤り準現行犯逮捕を行った場合に,検察官が一度被疑者を釈放した後,その時点で緊急逮捕の要件があり逮捕の必要性の認められる被疑者を再逮捕する場合)。ただし,先行する逮捕手続の違法が極めて重大である場合(例えば,およそ逮捕の要件が欠如しているのに実質的な身体拘束を行った場合等)には,再逮捕を認めるべきではない。」酒巻匡『刑事訴訟法』76頁


【事例演習刑事訴訟法の他の問題・答案は下記のリンクから】
・ 第1講(任意捜査と強制捜査)
・ 第2講(職務質問・所持品検査)
・ 第3講(任意取調べの限界)
・ 第4講(身柄拘束の諸問題⑴-現行犯逮捕の適法性,違法逮捕後の勾留,違法逮捕と再逮捕の可否)
・ 第5講(身柄拘束の諸問題⑵-重複逮捕・勾留,同時処理による例外)
・ 第6講(身柄拘束の諸問題⑶-別件逮捕・勾留)
・ 第7講(令状による捜索・差押え⑴-捜索すべき場所の特定性,差押え目的物の特定性)
・ 第8講(令状による捜索・差押え⑵-場所に対する令状による身体に対する捜索の可否,「必要な処分」としての原状回復,電磁的記録の内容を確認せずにする差押えの可否)
・ 第9講(逮捕に伴う無令状捜索・差押え⑴-逮捕の現場,差押えの関連性)
・ 第10講(逮捕に伴う無令状捜索・差押え⑵-逮捕現場の第三者に対する捜索の可否,最寄りの場所における被逮捕者の捜索・差押えの可否)
・ 第11講(おとり捜査)
・ 第12講(接見交通)
・ 第13講(一罪の一部起訴)
・ 第14講(訴因の特定)
・ 第15講(訴因変更の要否,縮小認定)
・ 第16講(訴因変更の可否)
・ 第17講(科学的証拠)
・ 第18講(法律上の推定)
・ 第19講(類似事実証拠排除法則)
・ 第20講(自白の証拠能力⑴-約束による自白)
・ 第21講(自白の証拠能力⑵-派生証拠,反復自白)
・ 第22講(補強法則)
・ 第23講(伝聞法則⑴-総論)
・ 第24講(伝聞証拠⑵-領収書の証拠能力,犯行メモの証拠能力)
・ 第25講(伝聞証拠⑶-手続的公正を欠く場合)
・ 第26講(伝聞証拠⑷-再伝聞)
・ 第27講(伝聞法則⑸-弾劾証拠)
・ 第28講(違法収集証拠排除法則⑴-総論)
・ 第29講(違法収集証拠排除法則⑵-外国捜査機関の違法収集証拠)
・ 第30講(違法収集証拠排除法則⑶-違法性の承継,毒樹の果実)
・ 第31講(択一的認定)
・ 第32講(一事不再理効)
・ 第33講(攻防対象論-上訴審における職権調査の限界)
◎その他の答案リンク集はこちら→
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