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2019-03-03(Sun)

【事例研究行政法】第2部問題9

ついに模試が明後日に迫っております。

もうお分かりの通り,模試までに事例研究の第2部を終わらせることは達成できません。

まぁまだ明日1日あるから分かんないですけどね。

もしかしたらものすごい勢いで残りの8問を

終わらすことができるかもしれなできません

現実から目を背けるな


司法試験までになんとかします。

ところで今回は第2部問題9です。

≪問題≫

 次の文章を読んで,資料を参照しながら,以下の設問に答えなさい。

Ⅰ 法科大学院生S1は,その子S2について乙市立A保育所での保育を認められてきたところ,修了の近い2011年1月,下記の通知の理由と同趣旨の説明を乙市の担当者から受けたうえ,児童福祉法33条の4に基づいて意見を聴取された。その際,S1は,法科大学院生の修了生に特有の事情,すなわち,司法試験合格のためには修了後も在学時に劣らず日々長時間の勉学を続ける必要があることを,十分に主張したつもりであった。しかし,乙市の担当者は,同市の保育所入所基準要綱が,「乙市保育の実施に関する条例」2条7号に関し,「保護者が現に求職活動または起業準備を行っている場合や,学校教育法にいう学校または職業訓練校等に在籍し常に通学している場合には本号に該当する」と定めていることを重視し,同年2月末に至り,「あなたは,来月末に法科大学院を修了されますので,以後は通学し出席すべき学校がなく,乙市保育の実施に関する条例2条7号に該当しなくなります」という理由を付した書面により,3月末日をもって保育の実施を解除する,とS1に通知した。しかし,S1は,司法試験のために,修了後も引き続き大学院のキャレルと図書館等を在学時と同様に使用できる研修生となる予定であり,4歳児のS2に関し,4月以降もA保育所における保育を必要としている。

〔設問1〕
1.S1は,保育の実施の解除について訴えを提起する場合,誰を被告として,どのような訴訟を提起すべきか。なお,仮の救済について触れる必要はない。
2.S1は,上記の訴訟において,どのような違法事由を主張すべきか。

Ⅱ 乙市は,保育所に入所する児童数の増加とコストダウンの要請に応えるため,2012年9月3日,乙市保育所条例2条1項に基づき,社会福祉法人Bを乙市立A保育所の指定管理者として指定した(以下,この指定を「本件指定」という。指定管理者の精度については,自治244条の2第3項以下を参照)。BによりA保育所が管理される指定期間は,Bの職員が乙市職員による保育の実施に参加する研修を含む,2012年度末3ヶ月間の引継ぎ作業を経た後の,2013年4月1日から向こう5年間とされている。しかし,A保育所で子どもの保育の実施を受けてきた保護者P1~P10(以下「Pら」という)は,慣れ親しんだ市職員の保育士らに代わり,比較的経験の浅いBの保育士らが引き継ぐこと,近隣の市でBが指定管理者となった保育所における子どもの傷害事故の報道があったこと等の事情から,保育環境の悪化が起こることを強く懸念している。Pらは,2012年9月中旬の時点において,行政事件訴訟を提起して,本件指定の違法性を主張・立証したいと考えている。
 なお,Pらは,児童福祉法24条2項によりA保育所を希望する申込書を提出し,保育所入所承諾通知書を受領していた。その通知書の「保育の実施期間」の欄には,その子らが小学校に入学する前日まで(2015年3月末日まで)の期間が記載されている。

〔設問2〕
 Pらは,2013年4月1日からのBによるA保育所運営をやめさせ,従前どおり乙市に直接運営させるためには,誰を被告として,どのような素子用を提起すべきか。あなたがPらの依頼を受けた弁護士であるとして,Pらがその訴訟に関し原告適格を有する理由を付して答えなさい。なお,本案や仮の救済の問題について触れる必要はない。

【資料】略


もう難しい問題は嫌だ!!!!!!!!!!!!

≪答案≫
第1 設問1
 1 小問1
  ⑴ S1は,乙市福祉事務所長が行った保育の実施の解除(以下「本件解除」という。)について,取消訴訟(行訴法3条2項)を提起することが考えられる。
  ⑵ア 「処分」とは,公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。
 本件解除の法的性質が契約の解除にすぎない場合には,対等当事者間における一方的な意思表示となるから,公権力性が欠けることとなり,「処分」にはあたらなくなる。しかし,本件解除は児童福祉法(以下「法」という。)33条の4に基づいてされるものであるところ,法33条の5は,保育の実施の解除について行手法第3章の規定を適用しないこととしている。当該解除の法的性質が契約の解除であれば,そもそも行手法の適用はないことからすると,あえて本規定を置いていることは,当該解除が「不利益処分」(行手法2条4号本文)であることを前提としているものと考えられる。また,法56条10項は,保育費用の強制徴収について規定しており,単なる契約の債務不履行責任の追及にとどまらず,強制的な徴収をすることができるとする点で,行政庁の優越的地位を肯定しているものと考えられる。また,実施規則第4号様式には,備考欄に,解除決定については行審法による審査請求の教示(同法82条1項参照)が記載されているから,当該解除が処分であることを前提としている。これらの規定からすれば,本件解除にあたっては,乙市福祉事務所長は,対等当事者にとどまらず優越的地位に立って一方的に意思表示をするものであるから,公権力の主体たる公共団体が行う行為であって,法律上認められているものである。
 また,本件解除がされると,S1は,保育の実施を受けることができなくなり,その権利を剝奪される効果を受けることとなる。したがって,本件解除は,直接国民の権利義務を形成するものである。
 したがって,本件解除は「処分」にあたる。
   イ S1は,本件解除の名あて人であるから,「法律上の利益を有する者」(行訴法9条1項)にあたり,原告適格を有する。
   ウ 本件解除を行ったのは,乙市に属する乙市福祉事務局長であるから,その被告適格は乙市が有する(同法11条1項1号)。
   エ 本件では,出訴期間は徒過していないものと考えられる(同法14条)。
   オ したがって,S1の提起する本件解除の取消訴訟の訴訟要件を満たす。
  ⑶ よって,S1は本件解除の取消訴訟を提起すべきである。
 2 小問2
  ⑴ S1は,本件解除は,解除事由がないにもかかわらずされたものであって,違法であるとの主張を行う。
  ⑵ 保育の実施の解除について定める法33条の4は,その文言上,解除事由が掲げられていない。そこで,法がどのような場合に当該解除を許容することを想定しているかについて検討すると,法24条1項及び39条1項は,「保育に欠ける」に乳幼児の保育を保育所において日々継続することを予定している。そうすると,法は,当該乳幼児が「保育に欠ける」状態ではなくなったときには,保育の実施を解除することができることを想定しているものと考えられる。
 次に,「保育に欠ける」の意義について検討すると,乙市保育の実施に関する条例(以下「実施条例」という。)2条は「保育に欠ける」の類型を列挙している。その上で,乙市保育の実施に関する条例施行規則(以下「実施規則」という。)4条は,実施条例2条列挙事由に該当しなくなったときには保育の実施を解除するものとしている。
 以上からすると,本件解除の解除事由の存否は,S1について実施条例2条列挙事由が存在するか否かによって判断される。
  ⑶ そこで,この点について検討すると,S1は同条1号ないし6号の事由には該当しないから,同条7号の該当性を主張することとなる。ここで同条1号にいう「常態」の意義が明らかではなく問題となるが,法24条及び39条が乳幼児を対象としており,乳幼児とは小学校就学の始期に達するまでの者をいうところ(4条1号,2号),これらの者はその生活上特に大人による保育を必要とすることから,その代替的な手当てを与える趣旨であると考えられる。したがって,それを踏まえた実施条例2条1号にいう「常態」とは,乳幼児が必要とする最低限の保育すら与えられない程度に労働をする場合をいうと考えられ,少なくとも,定職に就きフルタイムで働いている場合には,これにあたる。
 法科大学院生は,司法試験の合格を一つの目的としており,その目的の達成のためには,フルタイムの労働者の平均的労働時間を超えてでも勉学時間を確保しなければならない。そうすると,法科大学院生は,定職に就きフルタイムで働いている者に匹敵する程度に勉学に集中しなければならないため,それと同等に乳幼児に対する保育を与えることができない。そして,このことは,法科大学院を修了し,研修生となった後であっても,司法試験合格までは状況が変わらないのであるから,法科大学院修了後にも同様に妥当するものである。法科大学院生は,実施条例2条1号に「類する状態にある」ということができる。
 したがって,法科大学院生であるS1は,その修了後も,研修生である間は実施条例2条7号に該当する者であるから,未だ「保育に欠ける」者であるということができる。
  ⑷ よって,本件解除は,解除事由がないにも関わらずされたものであって,違法である。
第2 設問2
 1 Pらは,本件指定について,取消訴訟を提起することが考えられる。
 2⑴ 本件指定は,地自法244条の2第3項及びこれを具体化した乙市保育所条例(以下「保育所条例」という。)3条に基づいてされたものであるところ,「法人その他の団体」に対して「公の施設の管理」を行う諸権限を与える行為であり,当該権限の中には住民等に対する行政処分である利用許可の権限が含まれているのであるから,単純な対等当事者間における契約としての権限委託とは性質を異にし,乙市市長の優越的地位に基づいて権限を委託したものであって,公権力の主体たる公共団体が行う行為であって,法律上認められるものである。
 本件指定により,Bは指定管理者としての地位を有し,住民等に対する行政処分である利用許可を行うことができるようになるから,直接国民の権利義務を形成するものである。
 したがって,本件指定は,取消訴訟の対象となる「処分」にあたる。
  ⑵ Pらは,本件指定の名あて人ではないため,「法律上の利益を有する者」に該当するか問題となる。
 「法律上の利益を有する者」とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう。そして,当該処分を定めた行政法規が,不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,これを個々人の個別的利益としても保護する趣旨であると考えられる場合には,このような利益も法律上保護された利益にあたる。
 これを本件指定についてみると,指定管理者の指定に関する一般的根拠規定である地自法244条の2第3項は,「公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるとき」との要件を定めており,地自法244条1項ないし3項にいう住民一般の利用機会を保護する目的を指すものと考えられる。次に前記要件を具体化した保育所条例3条2号には,「管理経費の縮減」が掲げられてはいるものの,その一方で「保育園の効用を最大限に発揮する」ことをも要請しており,前記地自法の利用者保護をさらに強調する趣旨であると考えられる。また,法24条2項及び3項は,入所する保育所の選択について保護者の希望を尊重する趣旨であると考えられ,実施規則2条1項にいう「第1号様式」の記入欄様式も同様の趣旨に出たものである。これらの規定に照らすと,本件指定の要件規定は,指定管理者による運営に関わり,保育所利用者一般の具体的利益を少なくとも公益的見地から保護する趣旨であるとみることができる。
 保育所利用者は,自らの選択に基づき継続的に安定した内容の保育を受ける利益を有するところ,指定管理者の指定により,園長その他の職員が総入れ替えになれば,保育所の根本的な変更が加えられ,保育所利用者が当初選択した保育所とは実質的には異なるものとなってしまうことから,保育所利用者の保護が図られないこととなる。そうすると,前記利益は,前記の指定の要件規定と関連する法令,条例,規則により,個別的にも保護されているというべきである。したがって,前記利益は法律上保護された利益であるということができるため,自らの選択に基づいて当該保育所を利用する者は,指定管理者の指定の取消訴訟を提起する「法律上の利益を有する者」にあたる。
 Pらは,自らの選択に基づいてA保育所を選択した者であるから,本件指定の取消訴訟について「法律上の利益を有する者」にあたり,原告適格を有する。
  ⑶ 本件指定を行ったのは乙市市長であるから,乙市が被告適格を有する。
  ⑷ 出訴期間は徒過していないものと考えられる。
  ⑸ Pらとその子どもは,他の市町村に転居するなどの事情が生じない限り,保育所入所承諾通知書に記載の保育実施期間が終わるまで,訴えの利益を有する。
  ⑹ したがって,本件指定の取消訴訟は,その訴訟要件を満たす。
 3 よって,Pらは,本件指定の取消訴訟を提起すべきである。

以 上


【事例研究行政法の他の問題・答案は下記のリンクから】
第1部 
問題1問題2問題3問題4問題5問題6問題7問題8
第2部
問題1問題2問題3問題4問題5問題6問題7問題8問題9問題10
問題11問題12問題13問題14問題15問題16問題17
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