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2019-01-18(Fri)

【新司】倒産法平成28年第2問

前の記事で遊びたいとか書きましたけど,

よくよく考えたら,年始の1月1日から北海道に思いっきり旅行に行っていました。

今回は撮りではなく乗り中心でしたが,

3月末で廃止になる夕張支線や,

来年度で廃止が発表されたばかりの札沼線の北海道医療大学以北なんかも乗れましたので,

なかなか充実していました。

また暇があれば記事にします。



ところで,選択科目なんですが,他の科目と異なる点は,

試験時間が3時間

問題が2問

鬼のような小問の数

といったところ。

3つ目は,他の科目の問題まで見ていないので,あくまで倒産法での話なんですが。

しかし,いや,どうしたのって感じです。

なんで選択科目なんかあるんですかね。

ただでさえ基本7科目だけで手いっぱいなのに。

無理です。

≪問題≫
〔第2問〕(配点:50)
 次の事例について,以下の設問に答えなさい。
 【事 例】
 X社は,平成9年に摂理つされた建設資材の輸入・販売を業とする株式会社である。Aは,X社の代表取締役であり,同社に自己資金を貸し付け,これを運転資金に充てていた。Y社は,X社の発行済株式の70パーセントを有するいわゆる支配株主であり,同社に運転資金も融通していた。Bは,Y社の代表取締役であり,同社の発行済株式の全てを有している。Z社は,同じくBが代表取締役を務める建設会社であり,X社の得意先である。X社とZ社との取引は,Bの主導によって開始されたものであり,X社のZ社に対する平成25年3月末期の売上は,X社の総売上高の30パーセント余りを占めていた。
 X社は,平成25年末頃から始まった円安の影響を受けて業績不振に陥っていたところ,平成26年3月に入ると,Z社がBの放漫経営により破綻したため,同社に対する売掛金の回収ができなくなった。その結果,X社は,同月末日の資金繰りに窮することとなった。
 X社は,以上のような経緯から,破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあるとして,平成26年3月20日に再生手続開始の申立てをした。同日,X社について監督命令が発せられ,弁護士Kが監督委員に選任された。
 平成26年3月28日,X社について再生手続開始の決定がされた。

〔設 問〕
1.X社は,Z社に代わる新たな得意先を獲得する見込みの下で事業計画を作成し,この事業計画が実現可能であり,計画弁済の履行が可能であると見込まれたことから,平成26年7月7日,裁判所に対し,再生債権者の権利の変更に関する定めとして下記の条項のある再生計画案(以下「本件再生計画案」という。)を提出した。
     記

1 確定再生債権額
 元本並びに再生手続開始決定日の前日までの利息及び遅延損害金
     合計2億0121万7591円
 再生手続開始決定日以降の利息及び遅延損害金
     合計32万6055円及び額未定
 なお,未確定の再生債権及び不足額が確定していない別除権付債権はない。
2 権利変更の一般的基準
 ① 全ての確定再生債権につき,再生手続開始決定日以降の利息及び遅延損害金は,再生計画の認可の決定が確定した時(以下「認可決定確定時」という。)に全額の免除を受ける。
 ② 確定再生債権の元本並びに再生手続開始決定日の前日までの利息及び遅延損害金の合計額は,次の③及び④の確定再生債権を除き,10万円までの部分は免除を受けず,10万円を超える部分は認可決定確定時にその80パーセントの免除を受ける。
 ③ Aの確定再生債権のうち,元本並びに再生手続開始決定日の前日までの利息及び遅延損害金の合計額は,認可決定確定時にその全額の免除を受ける。
 ④ Y社の確定再生債権のうち,元本並びに再生手続開始決定日の前日までの利息及び遅延損害金の合計額は,10万円までの部分は免除を受けず,10万円を超える部分は認可決定確定時にその85パーセントの免除を受ける。
3 弁済方法
 権利変更後の金額のうち,10万円までの部分は,再生計画の認可の決定が確定した日から1か月を経過した日の属する月の末日までに支払い,その余の部分は,10回に均等分割して平成27年から平成36年まで毎年4月末日限り支払う。
4 個別条項
  (略)


 本件再生計画案の提出を受けた裁判所は,これを決議に付する旨の決定をすることができるか。本件再生計画案2①から④までの各条項について,民事再生法上の問題点を踏まえて,論じなさい。
 なお,各条項はいずれも民事再生法第174条第2項第4号には該当しないこと,Aは2③の免除に同意していること,Y社は2④の免除には同意していないことを前提とする。
2.本件再生計画案は,平成26年7月14日,決議に付する旨の決定がされ,同年9月3日に開催された債権者集会において可決された(以下,可決された本件再生計画案を「本件再生計画」という。)。同日,本件再生計画について認可決定がされ,同月29日に確定した。
 X社は,本件再生計画の認可決定が確定した後も,事業計画で見込んでいたZ社に代わる新たな得意先の獲得ができなかったことなどから,事業計画どおりには業績を上げることができなかった。そのため,X社は,平成27年4月末日までの本件再生計画に基づく弁済は何とか行ったものもの(総額520万4000円),平成28年1月末日原座い,同年4月末日の弁済の見込みは立たなかった。とりわけ,最も大口の債権を有するG銀行(確定再生債権額8000万円)に対する弁済資金の確保は困難であることが判明した。
 ⑴ 再生計画認可後の再生手続においてX社及びKが果たすべき役割について述べた上で,X社として採り得る方策を論じなさい。
 ⑵ G銀行は,本件再生計画に基づき,平成27年4月末日までに合計169万8000円の弁済を受けたものの,結局,平成28年4月末日に支払われるべき159万8000円の弁済は受けられなかった,この場合にG銀行として採り得る方策を論じなさい。


破産法はまだ何とかなりそうな気がするんですが,

民再法については問題となる条文を見つける段階,

つまり問題の所在がどこなのかを発見する段階から躓くことがあるので,

ちゃんと勉強しないといけないなあと思いながらも,

本番まであと4か月くらいしかありません。

間に合うのかなあ……。

≪答案≫
第1 設問1
 裁判所が再生計画案を決議に付する旨の決定をするためには,民再法169条1項各号に該当する事由がないことが必要である。このうち,同項3号は,同法174条2項各号の要件のいずれかに該当するものと認められるときを掲げているところ,同法174条2項1号は,再生計画が法律の規定に違反しているときを掲げている。したがって,本件再生計画案が,民再法の規定に違反する場合には,裁判所は本件再生計画案を決議に付する旨の決定をすることができない。
 本件再生計画案2の各条項は,いずれも権利変更を行うものであるから,その内容は再生債権者の間で平等であることが求められる(民再法155条1項本文)。
 そこで,各条項について検討すると,①は,全ての確定再生債権の,再生手続開始決定日以降の利息及び遅延損害金を一律に免除するというものであるから,全額を免除するものとしていない他の債権との間で区別を設けるものである。もっとも,利息部分は「再生手続開始後の利息の請求権」(同法84条2項1号),遅延損害金部分は「再生手続開始後の不履行による損害賠償……請求権」(同項2号)であるから,「第八十四条第二項に掲げる請求権について別段の定め」をするものであって,許される(同法155条1項ただし書)。
 ②は,10万円までの部分は免除を受けず,10万円を超える部分は80パーセントを免除するという形で,免除をする割合について区別を設けるものである。もっとも,再生債権の全体額が2億円を超えていることからすれば,その0.5パーセントにすぎない10万円の債権は「少額の再生債権」にあたるので,このような区別を設けることは許される(同法155条1項ただし書)。
 ③は,Aの確定再生債権のみを全額免除とし,全額免除を受けない他の債権との間で区別を設けるものである。もっとも,Aは③条項の免除に同意しているから,「不利益を受ける再生債権者の同意がある場合」にあたり,このような区別を設けることは許される(同法155条1項ただし書)。
 ④は,Y社の確定再生債権のうち,10万円を超える部分について85パーセントの免除を受けるという形で,その他の債権と免除率に区別を設けるものである。それでは,このような区別を設けることが「衡平を害しない場合」にあたるか。民再法155条1項ただし書が,平等原則の例外を設けたのは,事業の継続を前提とした再生手続においては,再生債権者間で形式的平等を貫徹するのは妥当ではなく,再生債権の性格に応じた柔軟な対応が必要であることから,一定の区別を設けることを許容した点にある。そうすると,「衡平を害しない場合」とは,区別を設ける再生債権の性質に照らし,当該区別を設ける必要性がある場合をいうと考える。これを本件についてみると,Y社がX社に対して有する債権は,X社の運転資金の融通として貸し付けられたものが含まれている。Y社がX社の支配株主であることからすると,上記運転資金の融通と併せてY社がX社の運営に大きく関与していたものと考えられ,X社の内部の者と類似する地位にあるということができる。ここで,Y社の代表取締役はBであり,BがY社の発行済株式の全てを有しているから,経営面においても利益帰属の面においてもBとY社とは一体のものとして捉えることができる。そして,Bは,自身が代表取締役を務めるZ社において,放漫経営を行ったことを原因として,Z社を経営破綻に陥らせている。Z社の経営破綻により,X社はZ社に対する売掛金を回収することができなくなり,再生手続に至っているが,X社とZ社との取引は,Bの主導によるものである。つまり,Bは,自己の主導のもと形成した取引関係を自己の放漫経営によって破綻させ,X社の再生手続開始に追い込んでいる。そのようなBと一体として評価されるY社についても,X社における再生手続上一定程度不利益に扱われることも甘受すべき地位にあるといえる。したがって,Y社の確定再生債権の性質に照らし,他の債権と免除率を区別する必要性がある。よって,「衡平を害しない場合」にあたるから,このような区別を設けることは許される。
第2 設問2
 1 小問⑴
 X社は,再生債務者として,業務遂行権及び財産管理処分権を有する(民再法38条1項)一方で,債権者に対し,公平誠実にこれらの権利を行使し,再生手続を追行する義務を負っている(同条2項)。したがって,再生債務者は,自らの責任において,再生計画を遂行しなければならない(同法186条1項)。Kは,監督委員として,X社が再生計画の遂行を適正に行うことについて善管注意義務を有しており(同法60条1項),X社の再生計画の遂行について監督を行うものとされている(同法186条2項)。
 X社は,G銀行に対する弁済資金の確保が困難であると考えているから,再生計画の変更を申し立てることが考えられる(同法187条1項)。同項の趣旨は,再生計画が一度決定された以上はそれに従って計画を遂行することが再生債権者の利益に資するところ,その後に生じた事由によってはむしろ計画による拘束から解放した方が再生債権者の利益の観点から妥当であることがあるため,例外的に再生計画の変更の機会を与えた点にある。したがって,「やむを得ない事由」とは,当初の再生計画の認可時にそのような事情が予想されていれば計画の内容が異なっていたであろうと認められるような客観的事由をいう。本件再生計画は,大口の取引先であったZ社に代わる新たな得意先の獲得が前提とされていたが,これはX社の経営の安定の観点からそのように取り決められていたものと考えられるから,新たな得意先の獲得ができないことは,X社の経営の安定化が実現できないことを意味する。したがって,当初の再生計画の認可時に新たな得意先が獲得できないことが予想されていれば,計画の内容が異なっていたであろうと認められる客観的事由であるといえ,「やむを得ない事由」があるということができる。そして,X社は平成28年4月末日の弁済の見込みが立たなかったのであるから,「変更する必要が生じたとき」にあたる。よって,X社は,変更の申立てをすることができる。この場合には,再生債権者に不利な影響を及ぼすものと考えられるから,改めて再生計画の可決を経ることが必要である(同条2項)。
 2 小問⑵
 G銀行としては,X社が再生計画の履行を怠ったとして,再生計画の取消しの申立てをすることが考えられる(民再法189条1項2号)。X社は,平成28年4月末日のG銀行に対する弁済を怠っているから,「再生債務者等が再生計画の履行を怠ったこと」に該当する。そして,再生債権の全体額が約2億円であるところ,G銀行の有する債権額は8000万円であるから,G銀行は「再生計画の定めによって認められた権利の全部……について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる権利を有する再生債権者」である。そして,G銀行は,平成28年4月末日に履行期限が到来した債権について履行を受けていない。したがって,G銀行は,再生計画の取消しの申立てをすることができる。
 そして,G銀行としては,再生債権者表の記載を債務名義とした強制執行を申し立てることもできる(同法180条2項,3項)。

以 上


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