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2019-01-17(Thu)

【新司】倒産法平成28年第1問

あけましておめでとうございます!!!

もう1月も半分以上過ぎてしまいましたがね!!!

今年はついに司法試験を受験する年となりました。

1月からもう緊張してきますね。

早く受験を終えて遊びたいです。

夏には最長片道切符の旅なんかできたらいいなと考えています。

はい。

とりあえず今は勉強ですよね。

年が明けてから気づいたんですが,

選択科目の勉強をほとんどしていなかったことが判明しました。

これね,まずいですね。

とりあえず新司解くかあ,と思いまして,

新年1発目の答案は,倒産法になりました。

≪問題≫
〔第1問〕(配点:50)
 次の事例について,以下の設問に答えなさい。
 【事 例】
 A商事株式会社(以下「A社」という。)は,長年,食品製造機械メーカーであるB社及びC社から機械を仕入れ,得意先の食品製造会社であるD社やE社らに販売していた。
 A社は,市場の縮小傾向により,徐々に経営が苦しくなり,,ここ数年は赤字決算を繰り返していたが,平成28年3月末日の資金繰りに窮し,同月25日,取締役会において破産手続開始の申立てを行う旨決議し,支払を停止した。その後,A社は,同年4月1日,破産手続開始の申立てを行い,同月5日,破産手続開始の決定を受け,破産管財人Xが選任された。

〔設 問〕 以下の1及び2については,それぞれ独立したものとして解答しなさい。
1.A社は,平成27年12月10日,B社から機会αを代金1000万円で購入し,同日,その引渡しを受けたが,代金の支払期日は平成28年3月末日とされていた。A社は,この機会αの売却先を探していたところ,同月15日,D社との間で,機械αを1500万円で売却する売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結することができた。なお,機械αの引渡し及び代金の支払期日は,D社の買取り資金の調達の都合により,いずれも1か月後の同年4月15日とされ,所有権の移転時期も同日とされていた。
 A社の破産手続開始時において,本件売買契約に基づくA社及びD社の各債務は,双方とも履行されておらず,機械αはA社の自社倉庫内に保管されていた。破産管財人Xは,選任された直後,B社からは,機械αの代金1000万円を支払うか,それができないとすれば機械αを返還するよう求められ,D社からは,本件売買契約に従い機会αを引き渡すよう求められた。
 ⑴ B社は,機械αの代金1000万円を回収したいと考えている。この債権の回収につき,考えられる法的根拠及び権利行使の方法を論じなさい。なお,B社は,本件売買契約の存在を知らないこととする。
 ⑵ Xは,機械αの代金1500万円をD社から回収し,破産財団を増殖したいと考えている。Xがこの代金を回収する場合に,破産手続上必要とされる手続及び効果について,その制度の趣旨を踏まえて,論じなさい。
 ⑶ Xは,⑵の手続を経て,D社から機会αの代金1500万円を回収した。その後,この事実を知ったB社は,破産財団から優先的に機械αの代金相当額である1000万円の弁済を受けたいと考えた。B社は,破産財団から優先的に弁済を受けることができるか。予想されるXからの反論を踏まえて,論じなさい。
2.A社は,かねてからC社に運転資金の融通を求めていたところ,C社は,これに応じ,平成27年9月25日,A社に対し,弁済期を平成28年9月末日として,2500万円を貸し付けた(以下,この貸付に係る債権を「本件貸付債権」という。)。
 A社は,平成28年1月20日,C社から機械βを代金2000万円で購入し,同日,その引渡しを受けたが,代金の支払期日は同年3月末日とされていた。そこで,A社は,C社の要請に応え,この売買契約の締結と同時に,C社との間で,C社のA社に対する売買代金債権2000万円を担保するため,機械βにつき譲渡担保権を設定する内容の譲渡担保契約(以下「本件譲渡担保契約」という。)を締結した。本件譲渡担保契約には,A社が支払を停止したときは当然に期限の利益を喪失し,C社は譲渡担保権の実行として,自ら機械βを売却し,清算をするとの約定があった。
 A社の支払停止時,機械βはA社の自社倉庫内に保管されていたが,A社の支払停止を知ったC社は,本件譲渡担保契約に基づき,直ちにA社の同意を得て機械βを引き揚げた(なお,この引き揚げは適法なものとする。)。
 A社の破産手続開始後,得意先であったE社は,C社が機械βを引き揚げたとの情報を得,C社に対し,是非購入したいと申し入れた。そこで,C社は,E社に機械βを売却することとしたが,一旦商品として出荷された機械の価値は中古市場においては半減することが通常であるため,その売却価格は,A社の通常販売価格である3000万円の半額程度とされてもやむを得ないと考えていた。ところが,交渉の結果,E社への売却価格は,通常販売価格の8割に相当する2400万円となり,これによって,C社は,A社に対する売買代金債権2000万円を全額回収できた上,期待していなかった余剰金400万円が生じた。本件譲渡担保契約は,前記の約定のとおりいわゆる処分清算型とされており,C社はこの余剰金400万円をA社に返還する債務を負うこととなった。
 そこで,C社としては,A社のC社に対する余剰金返還債権400万円と本件貸付債権2500万円との相殺をしたいと考えている。C社の相殺は認められるか。破産法の条文の構造と予想されるXの反論を踏まえて,論じなさい。


相殺嫌い

こんなん分からなくないですか。

いいじゃんどんどん相殺させてあげれば。

みんな相殺の担保的機能に対する期待持ってるよ。

≪答案≫
第1 設問1
 1 小問⑴
 B社は,A社に対し,機械αの売買契約に基づく代金支払請求権として1000万円の債権を有している。この売買契約は,A社の破産手続開始前に締結されたものであるから,「破産債権」(破産法2条5項)である。そうすると,B社は,A社の破産手続によらなければ,上記債権を行使することができない(同法100条1項)。したがって,B社が上記債権の行使として1000万円の回収を図ろうとするのであれば,上記債権を届け出て(同法111条1項),債権調査及び確定を経て(同法115条以下),配当を受けることとなる(同法193条以下)。しかし,この方法では,上記債権の全額の満足を受けることは期待されない。
 ここで,上記債権は,機械αという動産の売買の対価として生じたものであるから,B社は機械αに対し,動産売買の先取特権(民法311条5号,321条)を有している。これは,「特別の先取特権」であるから,B社の動産売買の先取特権は,別除権として扱われる(破産法2条9項)。したがって,B社は,この別除権を破産手続によらずに行使することができる(同法65条1項)。
 別除権行使の方法は,破産管財人がその目的である財産の換価をする方法による(同法184条2項)。機械αは,A社の自社倉庫内に存在するから,執行裁判所の動産競売開始許可を得て,動産競売を行うこととなる(民執法190条1項3号,2項)
 そして,機械αの動産競売による換価を受けてもなお上記債権の満足を受けることができない場合は,弁済を受けることができない部分についてのみ破産債権者として上記債権をもって破産手続に参加することができる(破産法108条1項本文)。
 2 小問⑵
 A社は,D社との間で,機械αを代金1500万円で売却する本件売買契約を締結しているが,双務契約の双方の債務が未履行の状態である。したがって,破産管財人であるXは,本件売買契約について,履行か解除かを選択することができるが(破産法53条1項),XはD社から代金1500万円を回収したいと考えているので,履行を選択することとなる。
 ここで,平常時にA社がD社に対して履行請求をしても,D社はA社に対し機械αの引渡請求権を有していることから,同時履行の抗弁権(民法533条)が存在し,A社は単に履行請求をするのみでは代金1500万円を回収することができない。そして,当時履行の抗弁権によるD社の保護は,A社の倒産の局面においても考慮される必要がある。そこで,同法53条の趣旨は,双務契約上の当事者間の対価関係が倒産という一方的事情によって崩され,相手方はその債務につき完全な履行を強制されるのに対し,その債権については割合的な満足しか受けられないのは当事者間の衡平を欠くため,相手方の地位を保障しようとした点にあると考える。
 このような制度趣旨から,まず手続としては,破産管財人が履行請求をするにあたっては,裁判所の許可が必要である(同法78条2項9号)。これは,破産管財人の履行請求により,当事者間の衡平が害されないかを,裁判所により判断させるためである。次に,効果としては,D社の機会αの引渡請求権の完全な履行まで確保されて,はじめて当事者間の衡平が保たれるといえるから,これが財団債権として扱われることとなる(同法148条1項7号)
 3 小問⑶
 Xが機械αをD社に売却したことは「払渡し」にあたるため,この売却の前に機械αについて差押え等を行っていないB社は,小問⑴のように別除権を行使し,あるいは別除権者として物上代位権を行使することができない(民法304条1項ただし書)。そこで,別除権による優先的な債権の回収ができなくなったB社が,A社の破産財団からなお優先的に弁済を受けることができるか,すなわち,B社のA社に対する1000万円の債権を財団債権として扱うことができるかが問題となる。
 B社としては,上記債権が破産法148条1項4号に基づいて財団債権として扱われると主張する。B者側からは,上記債権は,本来B社がA社から優先的に回収し得た売買契約に基づく1000万円の代金支払請求権が,XがD社に機械αを売却したことにより行使し得なくなったのであるから,不法行為に基づく損害賠償請求権(民法709条)に転化し,「破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権」にあたるとの主張が考えられる。これによれば,上記債権は,A社の破産手続において財団債権として扱われるから,優先的に弁済を受けることができる。
 これに対して,Xからは,XがD社に機械αを売却したことは,不法行為を構成しないとの反論が考えられる。そこでこの点について検討すると,破産管財人は破産財団に属する動産を配当の原資とすべく換価する地位にあるから,D社への機会αの売却もXの破産管財人としての権限に基づくものである。そして,物上代位権を行使するためには,代金回収前に差押えが必要であることからすると(民法304条1項ただし書),法はもともと同一の動産に対して競合する場面を想定した上で,その優劣を定めているのであるから,XがD社に機械αを売却しても,それが直ちにB社の権利を侵害したものとは評価されない。したがって,Xが機械αをD社に売却した行為は,B社との関係で不法行為を構成しない。
 よって,B社は,A社の破産財団から優先的に弁済を受けることができない。
第2 設問2
 C社が相殺しようとしている債権のうち,A社のC社に対する剰余金返還債権は,譲渡担保権を実行して被担保債権を満足させてもなお剰余金が発生することを停止条件とする債権であると考えられる。本件では,A社の破産手続開始後にC社がE社に機械βを売却したことにより,C社のA社に対する2000万円の債権の満足を受けた上で剰余金400万円が生じているため,破産手続開始後に停止条件が成就した場合の相殺の可否が問題となる。
 まず,両債権が相殺適状にあるかについて検討すると,自働債権である本件貸付金債権は,破産手続開始決定により現在化するため(破産法103条3項),弁済期が到来している。一方で,受働債権である剰余金返還債権については,破産法67条2項後段が,条件付債務についても相殺を可能としているから,停止条件付債務について,破産手続開始後に停止条件が成就した場合でも相殺は可能であるとも考えられる。
 これに対して,Xは,同法71条1項1号は破産手続開始後の債務負担について相殺禁止としているところ,破産手続開始後に停止条件が成就した場合には,破産手続開始後の債務負担とも考えられるため,同号によって相殺が禁止されると反論する。
 そこで,破産手続開始後に受働債権の停止条件が成就した場合の相殺の可否について検討すると,法67条2項後段の趣旨は,停止条件付債務に対応する債権を受働債権とし,破産債権を自働債権とする相殺の担保的機能に対して有する期待を保護しようとする点にあり,相殺権の行使に何らの限定も加えていない。そして,破産手続においては,破産債権者による相殺権の行使時期について制限が設けられていない。したがって,破産債権者は,破産手続開始後に停止条件が成就したときであっても,相殺権の濫用にあたるなどの特段の事情のない限り,相殺することが可能である
 これを本件についてみると,剰余金400万円の発生はCにとっては期待していなかったものであって,その分相殺の担保的機能に対する期待は減少しているとも考えられる。しかし,譲渡担保権に基づく清算が行われた場合に剰余金が生じたときにはこれを返還しなければならない関係にあることは予め当事者において理解されているところである。また,動産の売却代金は,不動産の場合と異なり,客観的な価格基準を設けることが困難である場合が多いことから,交渉力によっては高額での売却が可能となることも十分に想定し得るところである。したがって,剰余金400万円が発生し,停止条件が成就することも,当事者の期待には外れても,法の想定する域を出ないと考えられるから,これを受働債権として相殺をすることが相殺権の濫用にあたることはない。
 よって,C社は,剰余金返還債権と本件貸付金債権とを相殺することができる。

以 上



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