FC2ブログ
2018-12-30(Sun)

【事例研究行政法】第1部問題6

いやー年末ですねー。

もう2018年も終わりですねーー。

1年経つの早いですねーーー。

そういえば,先日期末試験が終わり,同時にロー生活が終了しました。

なんかあっという間でしたね。

このあいだ入学したばっかりだと思っていたんですがね。

なんか,ローでは全体的にだらだらしていた気がします。

もう少しいろいろ学ぶ姿勢をもって過ごせばよかったですね。

入学前よりも劣化したんじゃないかと思うくらいです。

その劣化の埋め合わせに行政法の答案を書きます。

今回ので事例研究行政の第1部は全部書いたことになります。

頑張った頑張った。

≪問題≫
 A社は,化工でん粉の製造販売等を目的とする株式会社である。A社は,2008年5月23日から2015年3月9日の間,甲農政事務所から事故米殻約236t(玄米重量)を購入した。事故米殻とは,WTO協定に基づく輸入米のうち輸入後の国内残留農薬基準の見直しによって基準値を超えることが判明した米殻等,および,倉庫に保管中に水濡れ等の被害を受けたりカビが生えたりした米殻をいう。本件で問題となった米殻は,メタミドホス等の農薬やアフラトキシンのようなカビ毒に汚染されたものではなく,一般のカビ,袋破れ等によって事故米殻とされたものであった。A社は,この事故米殻のうち,2008年5月23日から2012年8月10日に購入した約233t(以下「本件事故米殻」という)について,2008年5月25日から2012年8月20日の間に,加工用米殻(食用)と区分管理することなく米でん粉に加工し,当該米でん粉(以下「本件米でん粉」という)を食用と非食用の区別をせずに販売した。
 2013年8月下旬頃,大手食品会社であるC社が自己米殻を食用に販売している旨の内部告発を受けて,農林水産省が同社に立ち入り調査を実施し,その事実を確認して公表したことにより,事故米殻の食用としての不正流通が大きな社会問題となった。このような中で,農林水産省は,事故米殻の流通に関する全国一斉点検を実施することとし,同年9月8日,一斉点検の対象となる業者名を公表したが,その中にA社も含まれていた。これに対し,A社は,同日付けで,A社の取引先に対し,「弊社で製造しております食品向け製品の原料には,食品用の米のみを使用しております。カビ米,基準を超える農薬が検出された米等,非食用の事故米殻は使用しておりません。過去に購入した事故米殻およびその製品は個別に管理しており,その製品は食品産業以外のお客様に限定して販売しております」との内容を記載した文書を送付した。しかしながら,A社に対して甲県乙地方保健所が実施した調査の結果,A社も本件事故米殻を使用して本件米でん粉を製造していたことが判明した。そこでA社は,甲県乙地方保健所長に立会いの下に,「A社は,この事故米殻のうち,2008年5月23日から2012年8月10日に購入した約233tについて,2008年5月25日から2012年8月20日の間に,加工用米殻(食用)と区分管理することなく米でん粉に加工し,当該米でん粉を食用と非食用の区別をせずに販売した」との事実を確認した旨の確認書に記名押印し,保健所長に提出した。このときA社の代表は,保健所長に対して,「このたびは違反を犯して申し訳ありません。深く反省し,いかなる処分も甘んじて受けます」と伝えていた。
 甲県乙地方保健所長(同保健所長は,甲県事務委任規則により,食品衛生法54条の規定に基づく知事の権限に属する事務の委任を受けている)は,2013年9月17日付けで,A社に対し,「食品衛生法第6条に違反したので,同法第54条の規定により下記のとおり処置することを命じます」として,下記「違反の内容」について,下記「処置事項」を命じる処分をした(以下「本件処分」という)。なお,A社が違反事実を認めていたので,保健所長は,A社に改めて意見を聞くまでもないと判断し,処分に先立っての事前手続はとっていなかった。

「1 違反の内容」
 貴社は,カビの発生等による非食用の事故米殻を原料として米でん粉を製造し,食用と非食用の区別をせずに販売した。製造期間:2008年5月25日から2012年8月20日まで。
「2 処置事項」
⑴ 販売済みの上記1の米でん粉を回収すること。
 (販売先で非食用として使用されることが確実なものは除く。)
⑵ 回収方法及び回収品の処分方法についての計画書を提出すること。
⑶ 回収後,回収結果を速やかに報告すること。

 A社は,甲農政事務所から本件事故米殻を購入するに際して,食用には用いないとの約束をしており,本件事故米殻を使用して本件米でん粉を製造販売したことは,たしかにこの約束に違反する行為であった。しかしA社としては,農政事務所との約束違反が直ちに食品衛生法違反になるとは考えていなかった。というのは,A社の理解によれば,食品衛生法6条は,「人の健康を損なうおそれのあるもの」の販売を禁止しているが,A社が製造販売した本件米でん粉は安全性が確認されているものであるからである。そこで,A社は,本件処分の違法性を訴訟で争おうと考えて,2013年11月1日に,知り合いの弁護士Pが勤務している弁護士事務所を訪問した(その時の会話の一部については,【資料1】を参照せよ)。

〔設問〕
1.本件処分の違法性を争う訴訟として,誰を被告として,いかにる訴訟を提起すべきか。あなたが,A社の依頼を受けて本件を担当する弁護士Qであるとして答えよ。ただし,仮の救済については検討しなくても良い。訴訟要件などで問題となる点があれば,その点についても説明せよ。
2.設問1で検討した訴訟において,本件処分の違法性として,いかなる主張をすべきか。あなたが,弁護士Qであるとして答えよ。被告による反論も想定しつつ,できるだけ詳しく述べよ。

【資料】略

設問1は提起する訴訟類型についてですね。

訴訟要件について問題になるところは何もないような気がしますが。

解説にも問題ないって書いてありますし。

じゃあ聞くなよっていう感じですね。

こういうフェイントをかけてくる姿勢を見ても,

公法系の先生って性格悪いなと思いますね。(19日ぶり2回目)

設問2は,うん,まぁ,特に……。

≪答案≫
第1 設問1
 1 A社としては,本件処分の取消訴訟(行訴法3条2項)を提起する。
 2⑴ 本件処分は,「行政庁」たる甲県乙地方保健所長が,A社を「名あて人として」,本件米でん粉を回収する「義務を課」すものであるから,「不利益処分」にあたり(行手法2条4号本文),「処分」である。
  ⑵ 「法律上の利益を有する者」(行訴法9条1項)とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう。A社は本件処分の相手方であって,これにより本件米でん粉を販売する権利を侵害されるから,「法律上の利益を有する者」にあたり,原告適格を満たす。
  ⑶ 保健所長は,甲県に所属する行政庁であるから,甲県に被告適格がある(行訴法11条1項1号)。
  ⑷ 管轄に関しては,甲県の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所に属する(行訴法12条1項)。
  ⑸ 本件処分がされたのは2013年9月17日であり,A社が弁護士事務所を訪問したのは同年11月1日であるから,未だ「処分……があつたことを知つた日から六箇月を経過」していおらず,出訴期間内である(行訴法14条)。
  ⑹ また,本件処分に関して,審査請求を前置すべきとする規定はない。
 3 以上から,A社は,適法に本件処分の取消訴訟を提起することができる。
第2 設問2
 1 手続的瑕疵
  ⑴ 本件処分は,上記のように「不利益処分」であり,行手法13条1項1号に掲げる事由は存しないから,「弁明の機会の付与」が必要となる(同項2号)。しかし,本件処分にあたり,保健所長は,処分に先立つ事前手続きをとっていないから,「弁明の機会が付与」がされていない。したがって,本件処分は,行手法13条1項2号に違反する瑕疵がある。
 これに対して,甲県側からは,保健所長が弁明の機会の付与を行わなかったのは,A社が当初から違反事実を認めていたため,改めて弁明の機会を付与する必要がないと判断したためであると反論する。しかし,弁明手続は,行政庁が行うことを予定している不利益処分の内容等の提示を受けた上で(行手法30条),これに対する弁明を行わせるものである。そうすると,たとえ処分の相手方が違反事実を認めていても,処分の内容等を提示して,相手方に処分の内容等について吟味し争う機会を与えなければならない。したがって,A社が違反事実を従前認めていたことをもって弁明手続きを省略することは許されないから,本件処分には,行手法13条1項2号違反の瑕疵がある。
  ⑵ また,「不利益処分」を行うには,その「理由を示さなければならない」(行手法14条1項本文)。行手法14条1項本文が,不利益処分をする場合に同時にその理由を名あて人に示さなければならないとしているのは,名あて人に直接に義務を課し又はその権利を制限するという不利益処分の性質に鑑み,行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに,処分の理由を名あて人に知らせて不服の申立ての便宜を与える趣旨に出たものである。そして,同項本文に基づいて,どの程度の理由を提示すべきかは,上記のような同項本文の趣旨に照らし,当該処分の根拠法令の規定内容,当該処分に係る処分基準の存否及び内容並びに公表の有無,当該処分の性質及び内容,当該処分の原因となる事実関係の内容等を総合考慮してこれを決定すべきである。(※1)
 甲県側としては,「違反の内容」から,A社が本件事故米殻から本件米でん粉を製造したことに対する処分であることが分かるから,理由の提示として十分であると主張することが予想される。しかし,食品衛生法(以下「法」という。)6条は,「販売」する行為と,「販売の用に供するために,採取」する等の行為を別に禁止し,また禁止される食品等について各号に掲げている。そうすると,法54条に基づく「必要な措置をとることを命ずる」に際して同時に示されるべき理由としては,処分の根拠法条として法6条のうちどの文言を適用したかを明らかにしなければ,いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用したのかを知ることは困難であるのが通例であると考えられる。(※2)そこで,これを本件処分についてみると,「違反の内容」に示された事実からでは,処分の対象となる事実並びに対象となる食品等が何であり,それが法6条各号のいずれに該当するかが法6条の規定に沿って示されたとはいえず,A社において,いかなる理由に基づいていかなる食品当を対象として本件処分がなされたかを知ることはできないものといわざるを得ない。したがって,このような本件の事情の下においては,行手法14条1項本文の趣旨に照らし,同項本文の要求する理由提示としては十分でないといわなければならず,本件処分はこれに違反する瑕疵がある。
  ⑶ そして,行手法は,適正手続によってのみ処分を受けるという意味での手続的権利を保障するものであるから,これに違反する処分は,国民の権利侵害であって,当然に違法となる。
 2 実体的瑕疵
  ⑴ 法6条前段について
 法6条前段は,各号に掲げる食品等について「人の健康を損なうおそれ」があるものに限定して,その販売を禁止している。しかし,本件米でん粉は,その製造過程に照らしても,実際の現地調査に照らしても,安全性が確認されており,人の健康を損なうおそれがない。したがって,本件米でん粉を販売したことは,法6条前段に抵触せず,この点で本件処分は法6条前段の解釈適用を誤った違法がある。
  ⑵ 法6条後段について
   ア 法6条後段は,前段と同様の食品等について,販売目的で採取等をすることを禁止している。A社としては,本件事故米殻は,メタミドホス等の農薬やアフラトキシンのようなカビ毒に汚染されたものではなく,一般のカビ,袋破れ等によって事故米殻とされたものであるから,人の健康を損なうおそれのあるものではないとの主張をすることが考えられる。
 しかし,甲県としては,法が国民の健康の保護を図ることを目的としている見地からすると(法1条),法6条各号に掲げる「人の健康を損なうおそれ」があるか否かは厳格に解釈すべきであり,一般のカビであっても,それによって人の健康を損なうおそれが抽象的にでも存在することをもって,同要件を満たすと反論する。
   イ そこで,A社としては,本件処分は比例原則に反し違法であると主張する。本件米でん粉は,化工する際に汚れ等も取り除いて製品として安全なものを製造販売しているので,当該製品を回収する必要性は高くない。また,本件米でん粉による実害が明らかとなっていないにもかかわらず,販売済みの本件米でん粉を回収させるとすると,A社に多大な損害を被らせることとなる。したがって,本件処分は,その必要性に比してA社の受ける権利侵害の程度が過大であって違法である。
 これに対して,甲県としては,法6条後段の趣旨は,実害発生の危険が切迫していない段階での準備行為をも禁止することにあり,本件処分をする必要性を検討する余地はないと反論することが想定される。しかし,行政行為としての処分である以上,一般原則としての比例原則から適用が除外されることはないから,この反論は認められない。
   ウ 以上から,本件処分は,法6条前段の解釈適用を誤っている点及び法6条後段の適用に際して比例原則に違反している点で瑕疵がある。
以 上

(※1)最判平成23年6月7日の判示をほぼそのまま引用しただけなので,答案上は短縮して記載すべき。「行手法14条1項本文の趣旨は,行政庁の恣意的判断を抑制するとともに被処分者の不服申し立ての便宜を図ることにあるから,理由提示の程度は,当該処分の根拠法令の規定内容,当該処分に係る処分基準の存否及び内容並びに公表の有無,当該処分の性質及び内容,当該処分の原因となる事実関係の内容等を総合考慮してこれを決定すべき。」くらいか。これでも長い気がする。もっといい書き方があったら教えてください。
(※2)最判平成23年6月7日の判示に沿って書くと,一旦当該処分の根拠法令等から処分に際して提示すべき理由の程度に関する基準を立て,そのあとで本件処分はその基準を満たしているかという当てはめの仕方になると思われる。だから,いわゆる答案としての「あてはめ」の中にさらに具体的な法令における規範的なものとしての基準とさらにそれへのあてはめの2つが入り込む形になるのか。ただ,これをいちいち答案に書いていると長くなりすぎる気がする。


【事例研究行政法の他の問題・答案は下記のリンクから】
第1部 
問題1問題2問題3問題4問題5問題6問題7問題8
第2部
問題1問題2問題3問題4問題5問題6問題7問題8問題9問題10
問題11問題12問題13問題14問題15問題16問題17
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

||中央特快||高尾||

Author:||中央特快||高尾||
お疲れ様です。

最新記事
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
訪問者数
カレンダー
07 | 2019/08 | 09
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード