FC2ブログ
--------(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2018-07-02(Mon)

【事例研究刑事法Ⅱ】第3部問題4

すげぇ遊びてぇ

という気持ちを抑えつつ(抑えきれているとは言っていない)

今日は,捜索差押です。

≪問題≫
 A警察署刑事課は,覚せい剤取締法違反で逮捕した甲から,同署管内に居住する乙が自宅で覚せい剤を恒常的に密売しており,自分も乙から覚せい剤を購入したとの供述を得た。そこで,乙の自宅を捜索して証拠品を押収しようと考え,乙に対する覚せい剤取締法違反(営利目的所持・譲渡)容疑で,乙宅を捜索すべき場所,「覚せい剤,覚せい剤計量器具類,覚せい剤分包紙袋類,覚せい剤取引関係文書,手帳,メモ類,パーソナルコンピュータ及びその付属機器類,電磁的記録媒体,被疑者使用の携帯電話及び付属の充電器等」 を差し押さえるべき物とする捜索差押許可状の発付を受けた上,同課所属のB・Cら計6名の警察官をその捜索等のために乙宅に赴かせた。
 Bらは,乙宅の玄関先で,応対に出た乙に対し,インターフォン越しに,自らの身分を名乗り,覚せい剤取締法違反の容疑で捜索に赴いた旨を伝えたところ,乙は「今,寝起きなので,服を着るのに数分間だけ待ってくれ」と言ったのみで,特段抵抗することなく,それから2~3分後に玄関ドアを開けた。そこで,Bらが室内に入ったところ,乙と同居している乙の内妻丙が,髪の毛はボサボサでノーメイクのまま,ブランド物のショルダーバッグを肩から提げて外出しようとしていた。 Bは,女性である丙が容姿も整えずにブランド物のバッグだけを持って外出しようとする不自然さのほか,その外出のタイミングから,丙が乙の指示を受けて覚せい剤等の証拠品を持ち出そうとしている疑いが極めて濃厚だと考え,丙に対し,そのショルダーバッグの中を見せるように求めたところ,丙はそのショルダーバッグを抱え込んだまま廊下にしゃがみ込み,その中を見せることを頑なに拒否した。
 また,Bが丙にショルダーバッグの中を見せるように説得を始めたところ,宅配業者が乙宛ての荷物を届けに来たことから,Bは乙にそれを受け取らせた上,その中を見せるように乙に求めたが,乙もその荷物を抱え込んで,中を見せるのを頑なに拒否した。
 そこで,BおよびCは,室内の捜索は他の警察官に任せ,Bは丙に対し,Cは乙に対し,それぞれショルダーバッグ,宅配荷物の中を見せるように説得を重ねたが,乙・丙の両名は説得には一切耳を貸さず,その要請を頑なに拒否し続けたことから,B・Cの両名は,これ以上の説得は時間の無駄であり,前記捜索差押許可状に基づき,乙・丙の抵抗を排除してでもこれらの中を捜索するしかないと考え,室内を捜索していた他の警察官の応援を得て,ショルダーバッグを抱えている丙の手,宅配荷物を抱えている
乙の手をつかんでそれぞれショルダーバッグ・宅配荷物から外し,それらを開被して内容物を確認した。
 その結果,丙が持っていたショルダーバッグの中からは覚せい剤様の白色結晶粉末数百g入りのポリ袋2袋,CD-R1枚および乙の高校卒業時のクラス名簿1冊(数名について氏名の脇に丸印が付されているもの)の計4点が,乙が受け取った宅配荷物からはクッション材に包まれた覚せい剤様の白色結晶粉末数百g入りのポリ袋10袋がそれぞれ発見されたことから,Bは,いずれも被疑事実である乙の前記覚せい剤取締法違反罪に関係する証拠物であるとして,直ちにこれらを差し押さえた。なお,CD-Rについては,乙宅室内にあったパソコンが故障して再生できなかったため,差押えの時点ではその内容を硫認していない。
 その後,Bは,白色結晶粉末等を発見されたことで観念した乙・丙の承諾を得て,ショルダーバッグおよび宅配荷物にそれぞれ入っていたポリ袋のうち各1袋を開封し,それらに入っていた白色結晶について覚せい剤の簡易試験をしたところ,いずれも覚せい剤の反応を示したことから,乙・丙の両名を覚せい剤取締法違反(営利目的所持)の現行犯人として逮捕した。後日,A警察署刑事課において,押収したCD-Rおよびクラス名簿に関して捜査を遂げたところ,CD-Rには,今回の情報提供者である甲を含め,これまで乙が覚せい剤を販売した者の携帯電話番号の一覧表,乙の覚せい剤仕入先である暴力団事務所の名称と住所,取引を担当している構成員の氏名と携帯電話番号などがそれぞれ記録されていたほか,クラス名簿については,氏名に丸印が付されている者が継続的に乙が覚せい剤を販売している相手であることが判明した。

〔設問〕B・Cの捜索・差押えは適法か。

論点がいろいろあって面倒です。

そのような感想を抱きました。

あと問題文長すぎ。

≪答案≫
第1.捜索について
 1.乙に対する覚せい剤取締法違反容疑にかかる捜索差押許可状(以下「本件捜索差押許可状」という。)は,その「捜索すべき場所」を乙宅としているが,これをもって,丙という人が所持するショルダーバッグ(以下「本件ショルダーバッグ」という。)を捜索することができるか,すなわち,本件ショルダーバッグは「捜索すべき場所」である乙宅に含まれるか。
 捜索にあたり令状が必要とされている(憲法35条1項,刑訴法218条1項)趣旨は,捜索という対象者に対して重要な権利侵害を伴う処分については,令状裁判官による「正当な理由」についての事前審査を要求することで,国民の権利利益を保護した点にある。したがって,場所に対する捜索令状の効力が及ぶ範囲は,令状裁判官の事前審査が及んでいる範囲をいう。具体的には,当該捜索場所について認められる総体としての権利利益に包摂され,これと一体を成す関係にある場合には,令状の効力が及び,捜索をすることができる。
 これを本件についてみると,丙は,その捜索場所である乙宅に居住する乙の内縁の妻であって,その場所内の物を自由に移動・保管できる立場にある。また,捜索対象となったショルダーバッグは,丙か手に持っていたにすぎず,着衣等身体に密着させて所持していた物とは異なり,乙宅内に存在する物についてのプライバシーを離れた丙の身体という別個に保護されるべきプライバシーを侵害するものとまではいえない。そうすると,本件ショルダーバッグは,乙宅について認められる総体としての権利利益に包摂されているというべきである。
 したがって,本件ショルダーバッグは「捜索すべき場所」に含まれるから,本件捜索差押状をもって本件ショルダーバッグの捜索をすることができる。
 2.B・Cは,乙から宅配荷物(以下「本件宅配荷物」という。)を取り上げて,開扉し,内容物を確認している。しかし,本件宅配荷物は,本件捜索差押許可状発付時には,乙宅に存在しなかったものであるから,これについても令状の効力が及ぶか。
 令状発付時に裁判官が対象場所におけね具体的な物品の存否を把握することは困難であるうえ,対象場所の管理者は令状発付後も物品を自由に移動できる状況にある。それにもかかわらず,刑訴法は捜索差押許可状について有効期間を定め(同法219条1項),幅のある時間内の令状執行を許容していることに照らすと,裁判官は,有効期間内に捜索対象となる場所で行われる物品の移動をも考慮して捜索差押許可状を発付しているとみるべきである。そうすると,捜索差押許可状の効力は,有効期間内にある限り,令状発付後に搬入された物も含めて,当該強制処分の際に対象場所に存在するすべての対象物に対して及ぶと考える。
 これを本件についてみると,本件宅配荷物は,本件捜索差押許可状が執行されている途中で搬入されたものであるから,本件捜索差押許可状の有効期間内に乙宅に搬入されたものとみられる。そうすると,本件捜索差押許可状の執行の際に対象場所たる乙宅に存在したものであるということができるから,本件捜索差押許可状の効力は本件宅配荷物についても及ぶ。
第2.差押えについて
 1⑴ Bは,乙の高校卒業時のクラス名簿(以下「本件クラス名簿」という。)1冊を差し押さえているが,これと覚せい剤取締法違反の被疑事実との関連性は認められるか。
 被疑事実と差し押さえるべき物との関連性は,被疑事実の内容・態様,差し押さえようとする物の内容・性質等を考慮して個別具体的に判断する。
 これを本件についてみると,被疑事実となるのは覚せい剤の営利目的所持及び譲渡であって,その性質上行為の相手方を必要とするものである。そして,客観的には,本件クラス名簿は,覚せい剤を販売する相手方が記載された物とみることができるから上記被疑事実を裏付ける証拠ということができるから,関連性が認められる。また,覚せい剤の販売をする際に,自己の人間関係を利用してその譲渡先を探すことも十分あることや,上記被疑事実と無関係なクラス名簿であれば覚せい剤と思われる物と一緒に本件ショルダーバッグにしまわれていることは考えにくい。さらに,捜索がまさに始まろうとする段階で捜索場所に居住する人間が慌てて持ち出そうとした行為に照らせば,本件クラス名簿は,一部が覚せい剤の密売人の住所録代わりに使用されていたものとの疑いがあるということができる。以上に照らせば,捜査機関が判断できる程度に,本件クラス名簿と被疑事実との関連性は認められる。
  ⑵ そうだとしても,本件クラス名簿は,本件捜索差押許可状に列記された差押対象物に含まれるか。
   ア.そもそも本件捜索差押許可状の「差し押さえるべき物」の記載は,これをもって特定しているといえるか。
 令状主義(憲法35条1項,刑訴法218条1項)の趣旨は,令状審査にあたり「正当な理由」(憲法35条)の存在についての令状裁判官による実質的認定を確保する点及び捜索の実施にあたり捜査機関の意のままにあらゆる場所が無差別的に捜索されることを防止する点にある。しかし,令状発付時に差押対象物は必ずしも明らかになっていないことから,厳密な差押物件の特定は不可能であり,ある程度概括的なものにならざるをえない。そこで,裁判官が特定の物の類型について「正当な理由」をはんだすることができ,捜査機関が令状の記載自体から何が令状に記載された差押対象物件なのか判断できる程度に記載されていれば足りる。
 これを本件についてみると,本件捜索差押許可状の差押対象物は「等」とされているが,これは「覚せい剤,覚せい剤計量器具類」などの具体的な物件の例示に付加されている物であって,このような例示からして捜査機関としても差押対象物件か否かの判断は可能であるといえる。したがって,本件捜索差押許可状の「差し押さえるべき物」は特定されている。
   イ.それでは,本件クラス名簿は,「等」に含まれるか。
 上記のように差押対象物の記載が概括的なもので足りることからすると,令状に例示されている物件と同程度の関連性を有する証拠品であれば,「等」に含まれる。
 これを本件についてみると,仮に本件クラス名簿の丸印の者が抜き書きされて別文書に一覧として記録されていた場合には,その文書は取引先関係者の一覧表であると強く疑わせるものとして,「覚せい剤取引関係文書」に該当すると考えられる。そうすると,加工前の原典についても,本来であれば「覚せい剤取引関係文書」に記載されるべきものの加工の手間が省かれているだけであるから,「覚せい剤取引関係文書」に準ずるものとして扱うことができる。したがって,本件クラス名簿は令状に例示されている物件と同程度の関連性を有する証拠品であるといえるから,「等」に含まれる。
 2.BはCD-R(以下「本件CD-R」という。)の内容を確認しないままこれを差し押さえているが,関連性を判断せずに証拠品を差し押さえることはできるか。
 令状主義の上記趣旨に照らすと,差し押さえるべき物と被疑事実との関連性については,捜査機関もこれを審査すべきであるから,これを審査しない包括的差押は原則として許されない。しかし,関連性の判断は,被処分者の利益と捜査の必要性との比較衡量に基づく規範的なものであるから,関連性の程度は,令状執行の際の具体的な状況により変動する。したがって,被疑事実と関連する蓋然性が認められ,包括的差押の必要性がある場合には,包括的差押も認められる。
 これを本件についてみると,本件CD-Rは,覚せい剤と思われる物や本件クラス名簿と一緒に,捜索現場の居住者である丙が,捜索開始後に慌てて持ち出そうとしていた本件ショルダーバッグの中に入っていたものである。そして,本件ショルダーバッグの中には,これらのもの以外には入っていなかったことも併せて考えると,丙が被疑事実である覚せい剤取締法違反の証拠品を持ち出してその押収を免れようとしていたとの疑いが濃厚である。したがって,本件CD-Rが被疑事実と関連する蓋然性は認められる。そして,本件CD-Rは,可視性・可読性がなく,その内容をそのまま確認することはできない。また,丙が上記のように本件CD-Rを乙宅から運び出そうとしていることからすると,証拠隠滅が行われる可能性が高く,その場で内容を確認している間にも隙を見て証拠隠滅が図られるおそれがある。そこで,本件CD-Rについて内容を確認しないまま差押えをする必要性は高い。以上から,本件CD-Rの内容を確認しないままこれを差し押さえた行為は適法である。
以 上



スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

||中央特快||高尾||

Author:||中央特快||高尾||
お疲れ様です。

最新記事
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。