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2018-05-28(Mon)

【事例研究行政法】第1部問題4

公法演習とかいう科目の期末試験が迫ってきています。

つらいです。

仕方ないので,行政法のお勉強をします。

憲法は知りません。

≪問題≫
株式会社であるAは,甲市内において地上15階建,戸数140戸,高さ約45mの分譲マンション(以下「本件マンション」という)を建設するため,都計法上の都市計画区域内にある面積6,300㎡の平坦な土地(以下「本件開発区域」という)につき,甲市長に,都計法29条1項に基づき,予定建築物の用途を「共同住宅(分譲)」とする開発行為(以下「本件開発行為」という)を受けた。なお,開発行為とは,主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更(都計4条12項)である。Bは,本件開発区域から約10m離れた場所に土地および同土地上に木造2階建ての建物を所有して居住しており,本件マンションは,本件開発区域内の,Bの土地・建物から約20m離れた場所に建設されることになっている。Bは,⑴本件開発区域は,市街地に残された貴重な緑地であり,これが開発によって破壊されると住環境が悪化すること,および,⑵本件開発区域外の周辺の地域は道路が狭隘な箇所が多く,そのような場所で大規模な開発を行い,本件マンションを建設した場合には,周辺地域での交通事故が多発するおそれがあるし,災害時に本件開発区域に緊急自動車が円滑に進入できない可能性が高く,無謀な開発であることを理由に,本件開発行為に反対している。

〔設問〕
Bに,本件開発許可の取消訴訟の原告適格が認められるか。

【資料】(略)



≪答案≫
1.Bは本件開発許可の相手方ではないが,Bにこの取消訴訟の原告適格が認められるためには,Bが「法律上の利益を有する者」(行訴法9条1項)にあたることが必要である。
 ここで,「法律上の利益を有する者」とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれがある者をいう。そして,当該処分を定めた根拠法規が,不特定多数者の具体的利益を,専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,これを個々人の個別的利益としても保護する趣旨であると認められる場合には,ここにいう利益も法律上保護された利益にあたる。このとき,行訴法9条2項の考慮要素を参照する。
2.Bが主張する利益としては,要するに,①緑地保存による良好な住環境の維持,②交通の安全及び③緊急車両の通行すなわち周辺住民の生命,身体であると考えられる。
 ⑴ ①について
 本件開発許可の根拠法規は,都計法(以下「法」という。)29条であって,当該許可の基準は法33条に定められている。法33条1項9号は,「政令で定める規模」すなわち「1ヘクタール」(法施行令(以下「令」という。)23条の3本文)「以上の開発行為」を行う場合に,「開発区域における植物の生育の確保上必要な樹木の保存」等の措置を要件としている。同号が適用される開発規模は,条例で「0.3ヘクタール」まで引き下げることができるから(令23条の3ただし書),本件開発区域の6,300㎡についても適用対象となる余地がある。そうすると,都計法は,①の利益を,不特定多数者の具体的利益として保護することとしていると考える余地はある。
 しかし,①の利益は,生命,身体又は財産等の具体的な利益とは性質が異なるうえ,不利益が及ぶ範囲も明確ではない。そうすると,このような利益は,あくまで公益として保護されるべきものであって,法律に特にこれを保護する規定がない限り,これを個々人の個別的利益として保護する趣旨を読み取ることはできない。
 したがって,①の利益を主張する場合には,Bの法律上保護された利益と認めることができず,Bは「法律上の利益を有する者」にあたらない。
 ⑵ ②について
 まず,法33条1項2号は,「通行上の安全」という文言を用いているが,ここにいう「通行上の安全」とはあくまで開発区域内の交通に関わるものであると考えられる。したがって,当該規定から直接的に開発区域外の交通の安全を保護する趣旨は読み取れない。
 次に,同号は,「開発区域内の主要な道路が,開発区域外の相当規模の道路に接続するように設計が定められていること」を要件としている。加えて令25条1号は「開発区域外の道路の機能を阻害すること」がないことを,また同条4号は「開発区域内の主要な道路は,開発区域外の幅員9メートル……以上の道路」と接続していることを,それぞれ要件としている。これらの規定からすれば,法は,開発許可をするにあたっては,開発区域外の道路についても配慮すべきことを規定しているものと考えられる。そうすると,法は,②の利益を,不特定多数者の具体的利益として保護しているものと考えられる。
 しかし,道路は不特定多数者によって自由に利用されるものであるうえ,交通事故等による被害は,開発許可によって直接生じるものではなく,第一次的には道路交通法等の規制によって対処されるべきものである。そうすると,法は,②の利益を,個々人の個別的利益としても保護する趣旨までは含んでいないものと考えられる。
 したがって,②の利益を主張する場合には,Bの法律上保護された利益と認めることができず,Bは「法律上の利益を有する者」にあたらない。
 ⑶ ③について
 法33条1項2号は,「開発区域の……周辺の状況」を「勘案して……災害の防止」に支障が出ないことを要件としており,加えて,上記のように,開発区域外の道路との接続等について規定している。そうすると,法は,緊急車両が通行が円滑に行われることを想定しているものと考えられる。そして,火災などの災害時には,予定建築物の倒壊や開発区域外への延焼により,開発区域外にも被害が拡大することが容易に想定される。そして,法が上記のように「周辺の状況」を考慮すべきものとしていることからも,法は単に緊急車両の通行だけにとどまらず,さらに周辺住民の生命,身体の安全についても保護対象としているものと考えられる。
 そして,災害時には,開発区域外の,開発区域に近接する地域に居住する住民に,直接的に生命,身体にかかる重大な被害が及ぶおそれがある。そうすると,法は,開発区域内における予定建築物の火災等の災害により直接的被害が及ぶことが予想される範囲の地域に居住する住民の利益を,個別的利益として保護する趣旨を含んていると考えられる。
 これを本件についてみると,Bは,高さ45mの予定建築物から約20mの場所に居住しており,予定建築物の倒壊や延焼により,Bの生命,身体等に直接被害が及ぶことが想定される。したがって,Bは,法が個別的利益として保護することを予定している範囲に含まれるものということができる。
 したがって,③の利益を主張する場合には,Bの法律上保護された利益と認めることができ,これを必然的に侵害されるおそれもあるから,Bは「法律上の利益を有する者」にあたる。
3.よって,Bは,本件開発許可の取消訴訟の原告適格が認められる。
以 上


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