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2018-01-29(Mon)

【旧司】刑事訴訟法昭和43年度第2問

ひたすら証拠法ですが,古江本に続き,またも検面調書です。

予備校本などでは,ものによっては検面調書はCランク論点とされていたりしますが,

旧司では結構出ているみたいです。

旧司で出ていたなら新司でも出るんじゃないですか。

それとももう検面調書は流行りじゃなくなっていたり。

知らないですけど。

≪問題≫
 次の場合に,その者の検察官面前調書を証拠とすることができるか。
⑴ 証人が公判廷で供述を拒否したとき
⑵ 証人の公判廷での供述よりも,検察官面前調書中の供述が詳細であるとき


さすが,昭和時代の旧司というだけあって,5秒で読み終わる短さ。

何の具体的事情も落ちていない旧司の象徴のような問題です。

もう伝聞証拠にあたることを前提として話をしてしまっていいんですかね。

何から何まで書けばいいのか,相場観が全然わからないです。

≪答案≫
第1.設問⑴について
 1.証人の検察官面前調書(以下「本件調書」という。)は,公判期日外における取調べ等により作成されるため公判廷外の供述を内容とする証拠であり,要証事実との関係でその内容の真実性が問題となるため,「公判期日外における供述に代えて書面を証拠と」する場合にあたり,原則として証拠能力が否定される(320条1項)。
 2.それでは,本件調書について伝聞例外(321条以下)が適用され,例外的に証拠能力が認められないか。
  ⑴ まず,被告人が本件調書を「証拠とすることに同意した」場合には,「書面が作成され……たときの情況を考慮し相当と認めるときに限り」,本件調書を証拠とすることができる(326条1項)。
  ⑵ア.上記同意がない場合には,本件調書は「検察官の面前における供述を録取した書面」(321条1項2号)にあたるので,同号該当性を検討する。
   イ.同号前段は,供述者が供述不能である場合を要件とし,これに該当する事由を列挙している。しかし,これらの事由の中には,本件のように証人が公判廷で供述を拒否している場合が含まれていない。そこで,供述拒否の場合にも,供述不能の要件を充たすかが問題となる。
 同号前段は,証拠として採用する必要が高い場合を列挙したものであるから,これらの事由に匹敵するような事情であれば,供述不能の要件を充たす。ただし,これらの事由は,例外的に伝聞証拠を用いる必要性を基礎づけるものであるから,死亡以外の場合には,一時的な供述不能では足りず,その状態が相当程度継続して存続していることが必要である。
 証人が供述を拒否した場合には,公判廷において供述を得られない点及び被告人に反対尋問の機会を与えない点では,証人が死亡や行方不明となった場合等と異なるところがないから,同号前段列挙事由に匹敵する事情であるということができる。したがって,相当程度継続して証人が供述を拒否した場合には,供述不能の要件を充たす。相当程度継続しているといえるか否かについては,事案の内容,証人の重要性,審理計画に与える影響,証言拒絶の理由及び態度等を総合考慮して判断すべきである。(※1)
 本件でも,証人が一定程度継続して供述を拒否している場合には,供述不能の要件を充たす。
   ウ.そして,本件調書に証人の「署名若しくは押印」(321条1項柱書)があることが必要である。
   エ.以上の要件を充たしていれば,本件調書は321条1項2号前段により,例外的に証拠能力が認められる。
 3.以上のいずれかにあたる場合には,裁判所は,本件調書を証拠とすることができる。
第2.設問⑵について
 1.本件調書は,設問⑴と同様に伝聞証拠にあたる。
 2⑴ そこで,伝聞例外について検討すると,設問⑴と同様に326条1項の要件を充たす場合には,証拠能力が認められる。
  ⑵ それでは,321条1項2号の適用についてはどうか。
   ア.設問⑴と同様に,本件調書は「検察官の面前における供述を録取した書面」である。
   イ.検察官は,証人の公判廷における供述よりも詳細であるという理由で,本件調書の証拠調べ請求をしてきたものであると考えられるが,このことをもって「公判期日において前の供述と……実質的に異なつた供述をしたとき」(同号後段本文)にあたるか。
 同号後段本文が,同項1号書面の場合とは異なり,「実質的に異なつた」としている趣旨は,一方当事者である検察官の面前における供述は,公平中立な裁判官の面前での供述に比して信用性が劣るため,より高度な信用性を要求した点にある。そうすると,「実質的に異なつた供述」とは,要証事実との関係でその認定につき異なった結論を導く可能性のある供述をいう。
 これを本件についてみると,要証事実が争点となっていて厳密な認定が求められている場合には,その点を詳細に述べている供述により認定の可否が左右されるため,異なった結論を導く可能性があるといえ,「実質的に異なつた供述」にあたる。他方で,要証事実の認定がある程度概括的でもよい場合には,前の供述が詳細に述べられているからといって,認定に際して結論を左右しないから,「実質的に異なつた供述」にあたらない。
   ウ.同号後段本文に該当する場合には,「公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存する」こと(以下「特信情況」という。)が必要である(同号後段但書)。このとき,特信情況は,前の供述と比較し相対的に認められるか否かで判断する。そして,この判断にあたり,供述内容の信用性を考慮すると証明力を評価しなければならず,証拠評価に混乱を生じるおそれがあるから,当該供述のなされた際の外部的付随事情を基準として判断する。ただし,外部的付随事情を推知させる資料として,供述内容を考慮することはできる。
 本件調書についても特信情況が認められる必要がある。
   エ.また,本件調書についても,証人の「署名若しくは押印」があることが必要である。
   オ.以上の要件を充たしていれば,本件調書は321条1項2号後段により,例外的に証拠能力が認められる。
 3.以上のいずれかにあたる場合には,裁判所は,本件調書を証拠とすることができる。
以 上  


(※1)参照した答案によれば,「当該期日では証言を得ることが困難だが,期日を改めれば証言を得られる見込みがあるような場合に,常に供述不能事由に当たらないとすると,迅速な裁判の要請を害し妥当でない。そこで,証言拒絶が相当程度継続しているといえない場合であっても,事案の内容,証人の重要性,審理計画に与える影響,証言拒絶の理由及び態度等を総合考慮して,供述不能といえるかを判断すべき」としていましたが,この書き方ですと,証言拒絶の場合には一定程度継続していなくとも供述不能の要件を充たす場合があると捉えられてしまいます。総合考慮するという規範のようなものは,東京高判平成22年5月27日が示したもの使っているのだと思われますが,この判例では「同号前段の供述不能の要件は,証人尋問が不可能又は困難なため例外的に伝聞証拠を用いる必要性を基礎付けるものであるから,一時的な供述不能では足りず,その状態が相当程度継続して存続しなければならないと解される。証人が証言を拒絶した場合についてみると,その証言拒絶の決意が固く,期日を改めたり,尋問場所や方法を配慮したりしても,翻意して証言する見通しが少ないときに,供述不能の要件を満たすといえる。もちろん,期日を改め,期間を置けば証言が得られる見込みがあるとしても,他方で迅速な裁判の要請も考慮する必要があり,事案の内容,証人の重要性,審理計画に与える影響,証言拒絶の理由及び態度等を総合考慮して,供述不能といえるかを判断するべきである。」と判示されており,相当期間継続していることは必要であるとの前提に立っていると考えられます。したがって,総合考慮の部分は,あくまでどれくらいの継続をもって相当期間の継続といえるかを判断するための基準としているものであると考えた方が適切なような気がします。このような考えを反映させると,上のような答案になるのかなと思います。
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