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2018-01-29(Mon)

【旧司】刑事訴訟法平成22年第2問

証拠法の旧司を解き始めて3問目になりましたが,どれも難しいです。

学部時代にちゃんと勉強してないと痛い目にあうということが分かりました(遅い)。

このブログを見た学部生がもしいたら,学部の間にちゃんと7法まわしておきましょう。

≪問題≫
 警察官は,Aを被害者とする殺人被疑事件につき,捜索差押許可状を得て,被疑者甲の居宅を捜索したところ,「①Aにレンタカーを借りさせる,②Aに睡眠薬を飲ませる,③Aを絞め殺す,④車で死体を運び,X橋の下に穴を掘って埋める,⑤明日,決行」と記載された甲の手書きのメモを発見したので,これを差し押さえた。その後の捜査の結果,X橋の下の土中からAの絞殺死体が発見され,その死体から睡眠薬の成分が検出された。また,行方不明になる直前にAがレンタカーを借りたことも判明した。
 甲が殺人罪及び死体遺棄罪で起訴された場合,上記メモを証拠として用いることができるか。

メモの証拠能力ということですが。

非伝聞証拠になんとかしてもっていくということをやらないといけないらしいです。

知らねえ。

≪答案≫
1.甲の手書きのメモ(以下「本件メモ」という。)は,犯行計画と思われる事実が記載されているが,これが「公判期日における供述に代えて書面を証拠と」する場合であれば,伝聞証拠として原則証拠能力を有さないこととなる(320条1項)。そこで,本件メモは伝聞証拠にあたるか,伝聞証拠の意義が問題となる。
2.320条1項の趣旨は,供述証拠は人の知覚,記憶,表現,叙述という過程を経ており,その各過程で誤りを生ずるおそれが高いにもかかわらず,反対尋問,偽証罪による制裁,裁判所による観察という真実性の担保が欠けることから,その証拠能力を否定する点にある。そこで,伝聞証拠とは,①公判廷外の供述を内容とする証拠で,②要証事実との関係で原供述の内容の真実性が問題となるものをいう。
3⑴ これを本件についてみると,①本件メモは公判期日外で作成されたものであるから,公判廷外の供述を内容とする証拠である。
 ⑵ア.また,②公判においては,Aに対する殺人及び死体遺棄事件に関する甲の犯人性について,甲が否認し,問題になると考えられる。この場合,検察官は本件メモの存在を立証趣旨として,本件メモを提出する。これが認められれば,本件メモの内容の真実性が問題とならないから,伝聞証拠とはならない。
 しかし,本件メモのような犯行計画と思われる記載のあるメモの存在から,作成者がその後に計画通り犯行を遂行したことを推認することは,不確かな推認であり,許されない。
  イ.もっとも,本件では,以下のように本件メモの存在以外の犯人性に関する推認事情があり,これをもって合理的な推認ということができる。
 まず,本件メモは,甲の居宅から発見されており,かつ,甲の手書きで作成されたものであるから,甲が作成したものであるということが強く推認される。そうすると,以下のような推認が可能となる。
 本件メモ④にはX橋の下に穴を掘って埋めると記載されているが,これは本件メモ③でAを絞め殺すと記載されていることから,殺害したAを埋めるということを意味するものと考えられる。そして,実際に,AはX橋の下から絞殺死体として発見されている。特定の人物が絞殺状態で橋の下の土中に埋まっていることは一般的なことではないことからすると,この事実と同一の内容が本件メモに記載されていたことは,偶然一致しただけであるということは考えにくい。そうすると,本件メモに従って犯行が遂行されたことが強く推認される。
 そして,本件メモ①Aにレンタカーを借りさせる,②Aに睡眠薬を飲ませるという記載も,実際にAが行方不明になる直前にAがレンタカーを借りていることや,Aの死体から睡眠薬の成分が検出されたことから,客観的事実と合致している。たしかに,レンタカーを借りることや睡眠薬を服用することは,ごく一般的な出来事ではあるが,上記のように犯行が遂行されたことが強く推認されている状況においては,これらの事実との合致は,甲の犯行計画の一端が確かに遂行されていたことを十分に推認するものである。
 以上から,本件メモの存在から,実際に犯行が遂行されたことを推認することは,確かな根拠によって支えられたものであるといえ,不確かな推認ではない。
  ウ.したがって,本件の要証事実は本件メモの存在とすることができ,これとの関係で本件メモを提出することは,要証事実との関係で内容の真実性が問題とならない。
 ⑶ よって,本件メモは,伝聞証拠にはあたらない。
4.そこで,本件メモを証拠として用いることができる。
以 上

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