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2018-01-28(Sun)

【旧司】刑事訴訟法昭和53年度第2問


証拠法シリーズ第2弾。

≪問題≫
 殺人被告事件において,目撃者である証人甲は,公判期日に,検察官の主尋問に対し「ピストルを撃った犯人は被告人に間違いない」と述べた。弁護人は,甲の検察官に対する供述調書中では被告人が犯人である点については明確な供述がないと考えていたので,反対尋問の準備のためその延期を申し出て,反対尋問は次回期日に行われることとなった。ところが,甲は,次回期日前に急死してしまった。裁判所は,甲の右証言を被告人の有罪の証拠とすることが許されるか。この場合,右証言が被告人と犯行を結びつける唯一の証拠であるか否かによって差異を生ずるか。

伝聞です。

形式説と実質説で分かれるところです。

多くの人が形式説を採ると思いますが,その場合,この問題はどう処理すればいいのでしょうか。

普通に書いたらめちゃくちゃ短い答案が出来上がると思うのですが……。

≪答案≫
第1.設問前段
 1.裁判所は,甲の証言(以下「本件証言」という。)を証拠とすることができるか。甲は,公判期日において検察官の主尋問を受けているが,被告人側からの反対尋問を受けていない。そこで,このような証拠は伝聞証拠として証拠能力が認められないのではないか(320条1項)。(※1)
 2.320条1項の趣旨は,供述証拠は人の知覚,記憶,表現,叙述という過程を経るため,その各過程で誤りを生じるおそれが高いにもかかわらず,反対尋問,偽証罪による制裁,裁判所による観察という真実性の担保に欠けるため,証拠能力を否定する点にある。そこで,伝聞証拠とは,①公判廷外の供述を内容とする証拠で,②要証事実との関係で原供述の内容の真実性が問題となるものをいう。
 これを本件についてみると,本件証言は①甲が公判期日において直接供述したものであるから,公判廷外の供述を内容とするものではない。したがって,本件証言は伝聞証拠にはあたらない。(※2)
 よって,本件証言は証拠能力を否定されないから,裁判所は本件証言を証拠とすることが許される。
 3.なお,320条1項の趣旨について反対尋問の機会を重視し,伝聞証拠とは,事実認定をする裁判所の前での反対尋問を経ていない供述証拠をいうとする見解もある。この見解によれば,本件供述は,被告人側からの反対尋問を経る前に甲が死亡したことによって,反対尋問を経ることができなくなっているから,裁判所の前での反対尋問を経ていない供述証拠にあたり,伝聞証拠となる。
 しかし,被告人の公判廷供述を伝聞証拠とするのは320条1項の文言と整合せず,伝聞法則を反対尋問だけで説明することは無理があるというべきである。したがって,この見解は採用することができない。(※3)
第2.設問後段
 上記のように,本件証言はそもそも伝聞証拠にあたらず,証拠能力が認められるので,本件証言が被告人と犯行を結びつける唯一の証拠であるか否かによって差異を生じない。(※4)
以 上


(※1)問題提起の段階で,「公判期日における供述に代えて書面を証拠とし」,または,「公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とする」にあたるかどうか,という形を示したいところではあります(新司の出題趣旨でも,たとえば「(立証趣旨から想定される要証事実は,いずれもWが知覚・記憶してノートに記載した事実の真実性を前提とするものであるから,これが「伝聞証拠」,すなわち刑事訴訟法第320条第1項の定める「公判期日における供述に代えて書面を証拠と」する場合であることは明瞭である。)」(平成20年新司法試験論文式試験問題出題趣旨7頁)というような書き方がされており,320条1項の文言に引き付けて検討されています。)。しかし,本問のような場合には,文言にあたらないことが明らかなので,文言にひきつけての問題提起をしにくいような気がします。そこで,今回の答案では,あえて文言には言及しないという形を採りました。
(※2)本当に①要件だけで切れてしまう気がするので,あてはめもクソもないです。こんなに短くていいのか不安になりますが,かといって他に書くべきことはないように思います。こんな書き方でいいのか,後日改めて検討してみたいところです。
(※3)まさに,ここの見解の採否によって,結論が変わってくるので,一応反対説に言及すべきなのかと思います。ただ,新司でこんなことを書いている時間は多分ないです。
(※4)形式説で伝聞証拠にあたらないという結論を採った以上はこうならざるを得ないと思いますが,果たしてこれでいいのか再度検討してみたいところです。
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