2017-06-06(Tue)

最決平成19年10月19日家月60巻3号36頁

こんばんは。管理人です。

ロースクールが始まって2箇月が経ちました。

中間試験もひと段落つき(まだ残っていますが。),

若干の心のゆとりを取り戻しています。

ロースクールの授業は,とにかく進度が早いですね。

基礎的な理解がある前提だからなんでしょうけど,

パッパラパーの管理人にはとてもつらいものがあります。

予習段階でも,すごい量の知識が求められます。

知らない判例(それも百選に載っていないレベルのもの)を平気で聞いてくるので,

もう大変です。

そこで,このブログを当分の間,私の予習のためにちょいちょい活用していこうと思います。

といっても,上記の判例を調べて,

すぐに見れるようにしておくぐらいの意味しかないですけれども。

※以下,下線は管理人による。

【最決平成19年10月19日家月60巻3号36頁】

       主   文

 本件抗告を棄却する。
 抗告費用は抗告人の負担とする。

       理   由

 性同一性障害者につき性別の取扱いの変更の審判が認められるための要件として「現に子がいないこと」を求める性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項3号の規定は,現に子のある者について性別の取扱いの変更を認めた場合,家族秩序に混乱を生じさせ,子の福祉の観点からも問題を生じかねない等の配慮に基づくものとして,合理性を欠くものとはいえないから,国会の裁量権の範囲を逸脱するものということはできず,憲法13条,14条1項に違反するものとはいえない。このことは,当裁判所の判例(最高裁昭和28年(オ)第389号同30年7月20日大法廷判決・民集9巻9号1122頁,最高裁昭和37年(オ)第1472号同39年5月27日大法廷判決・民集18巻4号676頁)の趣旨に徴して明らかである。論旨は理由がない。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 田原睦夫 裁判官 藤田宙靖 堀籠幸男 那須弘平 近藤崇晴)

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【最大判昭和30年7月20日民集9巻9号1122頁】

       主   文

 本件上告を棄却する。
 上告費用は上告人の負担とする。

       理   由

 論旨第一点及び第二点は単なる法令違反の主張であり(民法七八七条但書の解釈に関する原判示は正当である。なお、民法一六一条は時効の停止に関する規定で、これを本件のごとき除斥期間に類推適用することはできない。また、所論「認知の訴の特例に関する法律」は、父又は母の死亡の時期が容易に判明しない同法所定のごとき場合に民法七八七条但書の規定を適用することは妥当を欠くものと認めて、特別の規定を設けたのであつて、本件のごとく父の死亡の時期は明らかで、ただ、訴訟代理人の死亡に伴い出訴期間を経過した場合にまでこれを類推適用することはできない。)、「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号ないし三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。
 同第三点中憲法一三条違反を主張する点は、認知の訴提起の要件をいかに定めるかは立法の範囲に属する事項であつて、法律が認知の訴の提起につき、父又は母の死亡の日から、三年を経過した場合はこれをなし得ないこととする規定を設けたことは、身分関係に伴う法的安定を保持する上から相当と認められ、何ら憲法一三条に違反するものではない。また、憲法一四条違反を主張する点は、民法七八七条但書の規定は、認知の訴の提起に関し、すべての権利者につき一律平等にその権利の存続期間を制限したのであつて、その間何ら差別を加えたものとは認められないから、所論は前提を欠き、上告理由としては不適法である。
 よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
  最高裁判所大法廷
   裁判長裁判官 田中耕太郎
       裁判官 栗山茂
       裁判官 真野毅
       裁判官 小谷勝重
       裁判官 島保
       裁判官 斎藤悠輔
       裁判官 藤田八郎
       裁判官 岩松三郎
       裁判官 河村又介
       裁判官 谷村唯一郎
       裁判官 小林俊三
       裁判官 本村善太郎
       裁判官 入江俊郎
       裁判官 池田克
       裁判官 垂水克己

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【最大判昭和39年5月27日民集18巻4号676頁】

       主   文

 本上告論旨は理由がない。

       理   由

 上告代理人吉井晃、同奥田実、同原田策司の上告理由第二点について。
 所論の要旨は、上告人が高令であることを理由に被上告人がした本件待命処分は、社会的身分により差別をしたものであつて、憲法一四条一項及び地方公務員法一三条に違反するとの上告人の主張に対し、原審が、高令であることは社会的身分に当らないとして上告人の右主張を排斥したのは、(一)右各法条にいう社会的身分の解釈を誤つたものであり、また、(二)仮りに右解釈に誤りがないとしても、右各法条は、それに列挙された事由以外の事由による差別をも禁止しているものであるから、高令であることを理由とする本件待命処分を肯認した原判決には、右各法条の解釈を誤つた違法があるというにある。
 思うに、憲法一四条一項及び地方公務員法一三条にいう社会的身分とは、人が社会において占める継続的な地位をいうものと解されるから、高令であるということは右の社会的身分に当らないとの原審の判断は相当と思われるが、右各法条は、国民に対し、法の下の平等を保障したものであり、右各法条に列挙された事由は例示的なものであつて、必ずしもそれに限るものではないと解するのが相当であるから、原判決が、高令であることは社会的身分に当らないとの一事により、たやすく上告人の前示主張を排斥したのは、必ずしも十分に意を尽したものとはいえない。しかし、右各法条は、国民に対し絶対的な平等を保障したものではなく、差別すべき合理的な理由なくして差別することを禁止している趣旨と解すべきであるから、事柄の性質に即応して合理的と認められる差別的取扱をすることは、なんら右各法条の否定するところではない
 本件につき原審が確定した事実を要約すれば、被上告人a町長は、地方公務員法に基づき制定されたa町待命条例により与えられた権限、すなわち職員にその意に反して臨時待命を命じ又は職員の申出に基づいて臨時待命を承認することができる旨の権限に基づき、a町職員定員条例による定員を超過する職員の整理を企図し、合併前の旧町村の町村長、助役、収入役であつた者で年令五五歳以上のものについては、後進に道を開く意味でその退職を望み、右待命条例に基づく臨時待命の対象者として右の者らを主として考慮し、右に該当する職員約一〇名位(当時建設課長であつた上告人を含む)に退職を勧告した後、上告人も右に該当する者であり、かつ勤務成績が良好でない等の事情を考慮した上、上告人に対し本件待命処分を行つたというのであるから、本件待命処分は、上告人が年令五五歳以上であることを一の基準としてなされたものであることは、所論のとおりである。
 ところで、昭和二九年法律第一九二号地方公務員法の一部を改正する法律附則三項は、地方公共団体は、条例で定める定員をこえることとなる員数の職員については、昭和二九年度及び昭和三〇年度において、国家公務員の例に準じて条例の定めるところによつて、職員にその意に反し臨時待命を命ずることができることにしており、国家公務員については、昭和二九年法律第一八六号及び同年政令第一四四号によつて、過員となる職員で配置転換が困難な事情にあるものについては、その意に反して臨時待命を命ずることができることにしているのであり、前示a町待命条例ならびに被上告人a町長が行つた本件待命処分は、右各法令に根拠するものであることは前示のとおりである。しかして、一般に国家公務員につきその過員を整理する場合において、職員のうちいずれを免職するかは、任命権者が、勤務成績、勤務年数その他の事実に基づき、公正に判断して定めるべきものとされていること(昭和二七年人事院規則一一―四、七条四項参照)にかんがみても、前示待命条例により地方公務員に臨時待命を命ずる場合においても、何人に待命を命ずるかは、任命権者が諸般の事実に基づき公正に判断して決定すべきもの、すなわち、任命権者の適正な裁量に任せられているものと解するのが相当である。これを本件についてみても、原判示のごとき事情の下において、任命権者たる被上告人が、五五歳以上の高令であることを待命処分の一応の基準とした上、上告人はそれに該当し(本件記録によれば、上告人は当時六六歳であつたことが明らかである)、しかも、その勤務成績が良好でないこと等の事情をも考慮の上、上告人に対し本件待命処分に出たことは、任命権者に任せられた裁量権の範囲を逸脱したものとは認められず、高令である上告人に対し他の職員に比し不合理な差別をしたものとも認められないから、憲法一四条一項及び地方公務員法一三条に違反するものではない。されば、本件待命処分は右各法条に違反するものではないとの原審の判断は、結局正当であり、原判決には所論のごとき違法はなく、論旨は採用のかぎりでない。
 よつて、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
  最高裁判所大法廷
   裁判長裁判官 横田喜三郎
       裁判官 入江俊郎
       裁判官 奥野健一
       裁判官 石坂修一
       裁判官 山田作之助
       裁判官 五鬼上堅磐
       裁判官 横田正俊
       裁判官 斎藤朔郎
       裁判官 長部謹吾
       裁判官 城戸芳彦
       裁判官 石田和外
       裁判官 柏原語六
       裁判官 田中二郎
       裁判官 松田二郎



最決平成19年10月19日家月60巻3号36頁下級審

【大阪高決平成19年6月6日】

       主   文

1 本件抗告を棄却する。
2 抗告費用は,抗告人の負担とする。

       理   由

第1 事案の概要等
1 事案の概要
(1)抗告人は,平成18年11月13日,「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」(以下「法」という。)3条1項に基づき,抗告人の性別の取扱いを男から女に変更することを求める審判申立てをした。
 なお,抗告人は,離婚した妻との間に女子(平成7年生,親権者母)をもうけている。
(2)原審は,平成19年3月30日,抗告人は,法にいう性同一性障害者と認めることができるが,抗告人には離婚した妻との間に子がいるから,法3条1項3号の要件を満たさないとして,抗告人の上記申立てを却下する旨の原審判をした。
(3)これに対して,抗告人が即時抗告したのが本件である。
2 抗告の趣旨及び理由
(1)抗告人は,原審判を取消し,本件を奈良家庭裁判所に差し戻す,との裁判を求めた。
(2)抗告理由は,要旨,次のとおりである。
 抗告人は,外形も精神的にも女性であるのに,戸籍等の性別欄が男性となっているため,社会生活上多大な支障を来している。戸籍の性別を記載された書類の提示を求められるような場合に,性同一性障害者であることを知られてしまうのが苦痛である。
 原審判は,法3条1項3号の「現に子がいないこと。」の要件に欠けるとして,抗告人の申立てを却下したが,同規定は,憲法13条及び14条1項に違反し無効であるから,抗告人の申立ては認容されるべきである。
 抗告人は,親権も放棄し,離婚後は子と会っていないので親子関係などの家族秩序に混乱が生じることや,あるいは子の福祉に影響を及ぼすことはない。
第2 当裁判所の判断
1 当裁判所も,原審判と同じく,本件申立てを却下すべきものと判断する。その理由は,原審判の理由説示と同じであるから,これを引用する。
2 抗告理由について
(1)抗告人は,法3条1項3号所定の「現に子がいないこと。」の要件(以下「3号要件」という。)は,憲法13条及び14条1項に違反し,無効であると主張する。
(2)しかし,この3号要件は,性同一性障害者の性別の取扱いの特例を認める本制度が親子関係などの家族秩序に混乱を生じさせ,あるいは子の福祉に影響を及ぼすことになりかねないことを懸念する議論に配慮して設けられたものであることが,その立法過程に照らし明らかである。すなわち,原審判も指摘するとおり,現に子がいる場合にも性別の取扱いの変更を認めると,「女である父」や「男である母」を生じることになり,これまで当然の前提とされてきた,父は男,母は女という,男女という性別と父母という属性との間に不一致を来し,これを社会的あるいは法的に許容できるかが問題となり,ひいては,家族秩序に混乱を生じるおそれがあること,あるいは,子に心理的な混乱や不安などをもたらしたり,親子関係に影響を及ぼしかねないことなどが,子の福祉の観点から,問題となり得ると指摘されたことから,我が国における性同一性障害に対する社会の理解の状況,家族に関する意識等も踏まえつつ,まずは,厳格な要件の下で,性同一性障害者の性別の取扱いの変更を認めることとすることもやむを得ないとの判断のもとに,3号要件が設けられたものである
 このような状況のもとにおいて,法が3号要件を設けたことについては,立法府としての合理的な根拠があるものというべきである。
 以上によると,性別が人格的生存あるいは人格的自律と関わるものであり,憲法13条が一般的に保障する範疇に含まれると解する余地があるとしても,性別の変更の取扱いについて,法が3号要件を設けたことが,それに合理的な根拠があると認められる以上,憲法13条の規定に反するということはできないものというべきである。また,同要件は,現に子のある性同一性障害者と,子のない性同一性障害者との取扱いを区別するものではあるが,上記のとおり,この区別には,合理的な理由があると認められるから,そのことの故に憲法14条1項に違反するものということもできない。
 なお,記録によれば,抗告人と離婚した妻との間の子は,妻が親権者となって養育しており,抗告人と子との面接等による交流はされていないことが認められるが,3号要件は,上記のとおり,個別的な親子関係のみならず,社会構成要素としての家族の秩序の混乱にも配慮して設けられた規定であるから,子の親権の有無や現に子を養育しているか等の個別の事由により,その適用が左右されるものではない。
 抗告人の主張は,採用することができない。
(3)なお,法の附則2項は,性別の取扱いの変更の審判の請求をすることができる性同一性障害者の範囲その他性別の取扱いの変更の審判の制度については,法の施行(平成16年7月16日)後3年を目途として,法の施行の状況,性同一性障害者等を取り巻く社会的環境の変化等を勘案して検討が加えられ,必要があると認めるときは,その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとする,と規定している。
 この規定は,法の立案・制定の過程において,本制度に係る審判を請求することができる性同一性障害者の範囲及び要件等について,各方面から様々な意見が出されたことに鑑み,立法府として,一定の期間における法の施行状況,性同一性障害者等を取り巻く社会的環境の変化等を踏まえ、必要と認められる改正措置等を講ずることを検討することを予定して置かれたものである。そして,この3号要件については,最も議論の対象となったものであることを思えば,この検討の過程において,性同一性障害者に対する社会の理解や受容の程度,制度の変更を更に認めた場合の社会生活に及ぼす影響の内容や程度,家族のあり方等についての認識を踏まえて,この要件をそのまま維持すべきか,一定の限定を加えるべきか,あるいは廃止すべきかの問題が具体的に議論されることが望まれるところである
3 以上の次第で,原審判は相当であり,本件抗告は,理由がないから棄却することとして,主文のとおり決定する。 
平成19年6月6日
大阪高等裁判所第10民事部
裁判長裁判官 田中壯太 裁判官 松本久 裁判官 久保井恵子

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【奈良家審平成19年3月30日】

       主   文

本件申立てを却下する。

       理   由

1 申立人は,「申立人の性別の取扱いを男から女に変更する。」との審判を求め,申立ての実情として,申立人は性同一性障害者であり性別適合手術及び名の変更を済ませ外見上も女性として社会生活を営んでいるが,戸籍における性別が男となっているため様々な不便な思いをしている,と主張した。
2 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項は,性別の取扱いの変更の審判を請求することができる性同一性障害者の範囲について,〔1〕20歳以上であること,〔2〕現に婚姻をしていないこと,〔3〕現に子がいないこと,〔4〕生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること、〔5〕その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること,のいずれにも該当する者であることと規定しているところ,申立人について上記〔1〕,〔2〕,〔4〕及び〔5〕の各要件の充足は認められるものの,申立人には平成13年に協議離婚した妻との間に平成7年生の女子のあることが認められ,上記〔3〕の要件を欠いていることが明らかである。
3 申立人は,性別の取扱いの変更を求めるための要件として上記〔3〕を加えた現行法規(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項3号)は憲法13条,14条,25条に違反して無効であると主張するが,上記要件は,親子関係などの家族秩序に混乱を生じさせ,あるいは,子の福祉に影響を及ぼすことになりかねないことを懸念する議論に配慮して設けられたものであり,少なくとも,これが立法府の裁量権を逸脱し著しく不合理であることが明白であるとまではいえない。 
4 そうすると,本件申立ては,法の規定する要件に欠けるから,却下を免れない。
平成19年3月30日
奈良家庭裁判所
家事審判官 石田裕一


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