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2016-07-24(Sun)

【旧司】民事訴訟法平成7年第2問

この時期になぜか破産法の判例研究をしている管理人です。

聴講しているゼミのディベートに向けた研究です。

聴講生なのになぜか班長になってしまうという素晴らしいゼミです。

これ以上は何も言いません。

さて,今日は民訴です。

≪問題≫
 甲は,株式会社乙の商業登記簿上の代表取締役丙を乙の代表者として,乙に対し,売買代金の支払を求める訴えを提起した。丙は,乙の代表者としてこの訴訟の訴状の送達を受け,口頭弁論期日に出頭して,甲の請求を争った。丙は,訴訟の審理がかなり進んだ段階で,自分は乙の代表取締役に選任されたことはなく,乙の真実の代表取締役は丁である旨を口頭弁論期日において陳述した。
 右の場合における訴訟法上の問題点及び裁判所が採るべき措置について論ぜよ。

表見法理出すかぁ~って感じですね。

とりあえず判例への言及は必須でしょうね。

ちなみに,出題当時は会社法なる法律は存在しませんでしたが,

現在は,会社法があるので,問題が「株式会社」と指定していることから,

会社法を前提に解いていくことにしました。

そうはいっても別に大して変わることはないんですが。

≪答案≫
1.株式会社乙は,法人(民法34条)である。法人について,法定代理人に関する規定は,法人の代表者について準用される(37条)。そうすると,法人の代表者は,訴状における必要的記載事項(37条,133条2項1号)である。したがって,この表示に誤りがある場合には,追認がない限り(34条2項),裁判長は,相当の期間を定め,補正を命じ(137条1項),送達からやり直さなければならない。そして,原告が不備を補正しないときには,裁判所は訴えを却下すべきである。
 そして,代表権の存否は,適切な訴訟振興という公益的側面から必要とされるから,裁判所はこれについて職権で調査を開始し,これに関する資料も職権で探知・収集すべきである。
 本問においても,裁判所は,調査の結果,乙の代表者が丙であれば,訴訟手続を進行させる。他方,乙の代表者が丁であることが判明した場合には,裁判所は,甲に対し,訴状の補正を命じる。そして,甲がこれに従わなかった場合には,訴えを却下することになる。
2(1)もっとも,甲は,乙の商業登記簿の記載に従って丙を代表者として訴状に記載している。それにもかかわらず,丙の自分は代表取締役に選任されたことはないという発言のみをもって,従前の訴訟を覆滅させるとすると,訴訟経済に反する上,原告甲にも酷である。そこで,登記を信頼した者を保護することができないかが問題となる。
 (2)この点,表見法理によらないと,登記を信じた相手方の信頼を裏切る一方,無権限者が代表権を有するような外観を放置・作出した法人を保護する結果となり,公平に反するとして,表見法理の適用または類推適用を認める見解がある。
 これによれば,本問では,会社法908条2項の適用または類推適用により,乙は真の代表者が丁であることを甲に対抗することができない結果,代表者の表示に誤りがないことになる。
 (3)しかし,実体法上の表見法理の規定は,あくまで取引の安全を図る趣旨のものであり,必ずしも訴訟上の適用を予定するものではない。また,仮に適用または類推適用を認める見解に立った場合,被告たる法人は無権限者による訴訟追行の結果を,不利益なものであれ甘受しなければならず,かえって公平を害することとなる。したがって,上記見解を採用することはできない。
 前述のように,代表権の存否については,職権探知事項・職権調査事項とされていることから,仮に原告が登記簿上の代表者の記載を信頼したとしても,訴訟上その信頼の保護の要請は弱まっていると考えられる。また,取引の相手方保護を図った規定である商法24条及び会社法13条は,表見支配人のした訴訟上の行為を除外していることから,実体法上も表見法理に関する規定を訴訟上にも反映させることは予定していないといえる。
 したがって,原則として,訴訟上の行為につき,表見法理の規定を適用すべきではないと考える。
 (4)それでも,原告としては,実際上登記の記載に依拠して訴状を作成しなければならないことに鑑みると,原告の不利益はやはり大きい。
 そこで,法人が訴訟係属を知り得る状況にあったにもかかわらず,法人の側から代表者変更の通知がなされなかった等の特段の事情がある場合には,表見法理の規定を類推適用し,旧代表者による訴訟追行の結果を覆滅させるべきではないと考える。
 このように考えても,表見法理の規定は,訴訟上の適用を禁じるまでの趣旨を含むものではないから,上記の見解と整合する。
 これによれば,本問では,丙は,訴訟の審理がかなり進んだ段階まで自己が無権限者であることを陳述していないが,この間に乙が本件訴訟の係属について知り得る状況にあったといえるならば,それにもかかわらず乙は代表者変更の通知等を行っていないから,会社法908条2項を類推適用し,乙は丙が無権限であることを甲に対抗することができない。したがって,裁判所は,訴訟を信仰させるべきである。
 他方,乙が本件訴訟係属を知り得る状況になかった場合には,裁判所は,甲に対し,訴状の補正を命じるべきである。そして,甲がこれに応じなかった場合には,裁判所は本件訴えを却下すべきである。
以上

下線部の点について,訴状が会社ではなく,登記簿上の代表者に送達された場合でも,表見法理は適用すべきではないか,という添削された方からのコメントをいただきました。原告の利益と会社の利益との衡量の問題だと思いますが,考えてみたいと思います。

これは,完全に私見ですが,民訴における表見法理の問題が出たときには,

中間説に立つのが一番いいのかなぁと思います。

というのは,最も事案の分析をするのに適しているうえ,妥当な結論を得られやすいからです。

ただ,判例は否定説に立っているので,それを踏まえたうえでという感じですね。

中間説では原則否定になるので,判例にも触れやすく,論じやすいと思います。

ただし,中間説では,どのような場合に例外を認めるべきか,

学説によって複数の見解が提示されていますので,

これについてもちゃんと明示してあげるべきだと思います。

まぁでも正直ここの論点はどの説とってもいいような気がします。

私個人としては,むしろ否定説の方が分が悪いかなという気はしています。

いずれにせよ,説得的に論じる必要がありそうです。

以上
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以前お聞きしたディベートですか。実のある議論ができるといいですね。
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