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2016-07-15(Fri)

【旧司】刑法平成14年度第1問

何もやる気がでない管理人です。

今日は旧司刑法平成14年度第2問です。

≪問題≫
 甲は,Aに電話で罵倒されたため憤激し,A方に赴けば必ずけんかになるだろうと思いながら,この機会にAを痛めつけようと考え,こん棒を用意するとともに,友人の乙に,こん棒を持っていることは隠し,これからA方に話し合いに行くが,けんかになったら加勢してほしいと依頼した。乙は,気が進まなかったが,けんかの加勢くらいはしてやろうと考えてこれを承諾し,一緒にA方に行った。甲は,Aを呼んでも出てこないので裏口に回り,乙は,玄関先で待っていたところ,出てきたAが乙を甲と取り違え,いきなり乙に鉄棒で殴り掛かってきた。そこで,乙は,Aの攻撃を防ぐため,玄関先にあったコンクリート片をAに向かって投げたところ,コンクリート片はAの顔に当たり,顔面擦過傷を負わせ,さらに,Aの背後にいたBの頭にも当たり,頭部打撲傷を負わせた。なお,コンクリート片を投げたとき,乙はBがいることを認識していなかった。
 甲及び乙の罪責を論ぜよ(ただし,特別法違反の点は除く。)。


あーって感じです。こんなような判例あったようなみたいなような。

コンクリート片を投げるなんて怪力だなぁ……

≪答案≫
第1.乙の罪責(Aとの関係)
 1.乙がコンクリート片を投げ,これをAの顔面に当て,もってAに顔面擦過傷を負わせた行為について,傷害罪(204条)が成立しないか。
 2.本条にいう「傷害」とは,人の生理的機能を障害する行為をいう。乙は,Aに向けて本件コンクリート片を投げており,これによってAは顔面擦過傷を負っており,生理的機能を障害しているから,乙の上記行為は,「傷害」にあたり,傷害罪の構成要件を充たす。
 また,コンクリート片のような通常硬く角ばった物を人に接触させれば,これによって外部的障害を負わせることになるから,乙には傷害の故意があるといえる。
 3.もっとも,乙はAの攻撃を防ぐために上記行為に出ているから,乙の上記行為は,正当防衛(36条1項)にあたるとして,違法性が阻却されないか。
  (1)本条にいう「急迫」とは,法益の侵害が現に存在し,または間近に押し迫っていることをいう。本条が正当防衛について侵害の急迫性を要件としているのは,予期された侵害を避けるべき義務を課す趣旨ではない。したがって,当然またはほとんど確実に侵害が予期されたとしても,そのことから直ちに侵害の急迫性が失われるものではない。
 これを本問についてみると,乙は,A方に向かう前に,甲から「けんかになったら加勢してほしい」と依頼を受けていることから,Aとけんかになるかもしれないことを認識しており,Aからの侵害行為も予期していたと考えられる。しかし,乙は,あくまで甲A間のけんかに加勢つもりでいただけであって,積極的にAに対して加害行為を行う意思等はなかったのであるから,未だ侵害の急迫性は失われないと考える。
  (2)本条にいう「不正」とは,違法を意味する。Aが乙に対して鉄棒で殴りかかった行為は,少なくとも暴行罪(208条)にいう人の身体に対する不法な有形力の行使といえるから,違法な行為であって,「不正」の侵害といえる。
  (3)乙は,上記行為によって,Aの上記侵害行為から守ろうとしているのは,自己の身体であって,「自己…の権利」にあたる。
  (4)そして,正当防衛を肯定するにあたって,主観的正当化要素としての防衛の意思が必要である。乙は,あくまで話合いが前提でA方に赴いているところ,Aは玄関から出てきて,いきなり鉄棒で殴りかかってきているため,乙の想定していた状況と合致せず,乙の身体の安全が侵害される緊急状況下にある。乙は,当該侵害を認識しながら,もっぱらAの攻撃を防ぐため,本件コンクリート片をAに向かって投げており,上記侵害行為を避けようとする単純な心理状態で行ったものと認められる。
  (5)また,Aの上記侵害行為は,鉄棒を伴うものであるから,これに対してコンクリート片を投げたというのは,相当性を欠くものではなく,「やむを得ずにした行為」といえる。
  (6)したがって,乙の上記行為には正当防衛が成立する。
 4.よって,乙の上記行為は,違法性が阻却されるから,傷害罪が成立しない。
第2.乙の罪責(Bとの関係)
 1.乙がコンクリート片を投げ,これをBの頭部に接触させ,もってBに頭部打撲傷を負わせた行為について,傷害罪が成立しないか。
 2(1)乙の上記行為により,Bに頭部打撲傷の生理的機能に対する障害を負わせているから,上記行為は「傷害」にあたり,傷害罪の客観的構成要件は充たす。しかし,乙は上記行為をした当時,Bがいることを認識していなかったのであるから,構成要件的故意が欠けるのではないか。
  (2)構成要件的故意とは,客観的構成要件該当事実の認識・認容をいう。そうすると,同一構成要件要素に関する事実を認識・認容していれば,具体的事実につき認識が欠けても,客観的構成要件要素の認識・認容に欠けるところはなく,構成要件的故意は認められる。そして,このように故意を抽象的にとらえる以上,その個数は問わない。
  (3)これを本問についてみると,乙はもともとAに対して傷害の故意を有していた以上,それは,Aとの関係のみならず,Bとの関係においても認められることとなる。したがって,乙にはBに対する傷害の構成要件的故意が認められる。
 3(1)それでは,乙の上記行為について違法性が阻却されないか。
  (2)Bは,乙に対して,何ら侵害行為を行っていないから,正当防衛が成立することはない。
  (3)しかし,乙は,前述のように,Aからの上記侵害行為を避けるために上記行為に出ているから,「現在の危難を避けるため」にしたものといえる。そして,鉄棒を構えたAが目前まで迫っていたことからすれば,これを避けるためには,本件コンクリート片を投げるしか方法がなく,かかる行動に出たことが条理上肯定できるから,「やむを得ずにした行為」といえる。また,防衛の意思は避難の意思を含むと考えられるから,Aとの関係で防衛の意思を有する乙は,Bとの関係でも避難の意思を有する。したがって,乙の上記行為には,緊急避難(37条1項)が成立する。
 4.よって,乙の上記行為は,違法性が阻却されるから,傷害罪が成立しない。
第3.甲の罪責
 1.乙が,Aに対し,顔面擦過傷を負わせた行為について,甲に傷害罪の共同正犯(204条,60条)が成立しないか。
  (1)甲は,自ら実行行為を行っていないが,それでも上記罪責を負うか。
 60条が一部実行全部責任を定めたのは,複数の者が,相互に対手の行為を利用・補充しあって,実行行為に出ることを根拠とするものであるから,共同者は必ずしも実行行為を分担する必要はない。そこで,複数の者の共同意思のもとに実行行為が行われれば,共同正犯は成立すると考える。
 これを本問についてみると,甲は,Aを痛めつけようと考えたうえ,乙にけんかの加勢を依頼し,乙もこれを承諾しているから,Aに傷害を加える点につき共同意志がある。そして,乙はこれを受けてAに傷害を負わせている。したがって,同罪の構成要件に該当する。
  (2)しかし,乙は前述のように,正当防衛による違法性阻却を受ける。そこで,甲はも正当防衛による違法性阻却を受けないか。
 正当防衛における主観的要素は,各行為者固有の要素であるから,主観的成立要件は個別的に判断されるべきであると考える。
 これを本問についてみると,甲は,「A方に赴けば必ずけんかになる」との認識のもと,「この機会にAを痛めつけよう」と考えていることからすれば,法益の侵害を,単に予期しながら避けなかったというにとどまらず,その機会を利用して積極的に相手に対して加害行為をする意思で侵害に臨んでいる。そうすると,甲については,「急迫」な「侵害」があったとはいえない。
 したがって,甲の上記行為について正当防衛は成立しない。
  (3)よって,甲の上記行為に,傷害罪の共同正犯が成立する。
 2.乙が,Bに対して,頭部打撲傷を負わせた行為について,甲に傷害罪の共同正犯が成立するかにつき,上記と同様に考えれば,甲の上記行為は,同罪の構成要件に該当し,緊急避難も成立しないから,同罪の共同正犯が成立する。
以上

乙対Aだは構成要件レベルでは特に問題はないので,もっと短縮した方がよかったと思います。


非常に疲れました。

4頁最終行までいってしまいました。

所々余計なことを書きすぎた感が否めません。

こんなこと書いてたらとても60分じゃ終わりませんね。

もってメリハリをつけれるようになりたいです。

頑張ります。

以上

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電車ネタの頃が懐かしいぜ……
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