2016-07-14(Thu)

【旧司】民事訴訟法平成10年第2問

北極ラーメンのカップ麺が復活して大歓喜の管理人です。

さて,今日も,自己満の究極ともいえるほどつまらない記事を書いてしまいます。

今回のお題は,旧司法試験民事訴訟法平成10年第2問です。

早速問題を確認してみましょう。

≪問題≫
 Yは,Xに対し,次の各事由を主張してそれぞれの確定判決の効力を争うことができるか。
一 XのYに対する売買代金請求訴訟においてX勝訴判決が確定した後,YがXに対し,その売買契約はXにだまされて締結したものであるとして,取消しの意思表示をしたこと
二 XのYに対する賃金返還請求訴訟においてX勝訴判決が確定した後,YがXに対し,事実審口頭弁論終結前より相殺適状にあった金銭債権をもってXの賃金返還請求権と対当額で相殺するとの意思表示をしたこと
三 賃貸人Xの賃借人Yに対する建物収去土地明渡請求訴訟においてX勝訴判決が確定した後,YがXに対し,事実審口頭弁論終結前から存在する建物買取請求権を行使したこと

さて,民訴でお馴染みの既判力の問題ですね。

しかも論点としては結構有名なところです(勝手にハードルを上げ始める。なお出来)。

遮断効がうんたらうんたら……基準時がかんたらかんたら……たんたかたん……

っていうことを書いていけばいいんじゃないんですかねえ(正直よくわかっていない)。

そして私の答案は以下の通り。

≪答案≫
第1.小問一
 1.Yは,本件売買契約について詐欺取消し(民法96条1項)を主張している。これは,X勝訴判決の既判力によって遮断されないか。
 2.既判力とは,前訴確定判決の後訴に対する通用力ないし拘束力をいう。そして,既判力の正当化根拠である手続保障は,口頭弁論終結時にまで及ぶので,これを基準時として,「主文に包含」(114条1項)された訴訟物につき,「当事者」(115条1項1号)に対して既判力が生じる。そして,当事者がこれと抵触する事由を主要する場合には,既判力の消極的効力として当該主張は遮断される。
 本件でも,口頭弁論終結時を基準時として,XY間に,XのYに対する売買代金請求権が存在することにつき,既判力が生じる。そして,Yの前記主張は,売買代金請求権の存在と抵触するため,遮断されるようにも思われる。
 3.もっとも,取消権は,その行使の意思表示によって効果を生ずる形成権である。その点に注目すれば,本件におけるYの主張は,X勝訴判決確定後になされているため,取消権行使は基準時後の事由であるとも考え得る。そこで,取消権が基準時後の事由といえるかが問題となる。
  (1)既判力の正当化根拠は手続保障にある。そうすると,ある事由が基準時前後のいずれの事由であるかも,基準時前に手続保障があったといえるか,すなわち,当事者に当該事由について主張させる期待可能性があったといえるか否かによって判断すべきである。
  (2)取消権は,請求権自体に付着する瑕疵であり,当該請求権と併せて審理・判断されるべき性質の権利である。そして,取消権は請求権に対する権利障害事由であるから,取消権を有する者は,これを行使することにより自己に有利な審理・判断を促すことができる。そのため,前訴においてこれを提出できない理由はないというべきである。そうすると,前訴における取消権行使の期待可能性も十分に認められる。
  (3)本件でも,Yの主張する詐欺取消しは,基準時前の事由としてX勝訴判決の既判力により遮断される。
 4.よって,YはXに当該事由を主張することができない。
第2.小問二
 1.Yは,本件貸金返還請求権に対して相殺(民法505条1項)を主張している。これはX勝訴判決の既判力によって遮断されないか。
 2.相殺の主張も,X勝訴判決を覆す結果となり,貸金返還請求権の存在と抵触するため,遮断されるようにも思われる。
 3.もっとも,相殺も,その行使の意思表示によって効果を生ずる形成権である。そこで,相殺が基準時後の事由といえるかが問題となる。
  (1)相殺は取消権と異なり,請求権とは独立した別個の債権の行使であり,請求権自体に付着した瑕疵とはいえない。また,自己の債権を犠牲にする点で,実質的には自動債権について敗訴したものといえる。そうすると,請求権の全面棄却を求めて争っている被告に対し,相殺の主知用をさせることは酷であり,前訴において相殺を主張させる期待可能性があったとはいえない。
 したがって,相殺は,基準時後の事由であり,前訴確定判決の既判力によって遮断されない。
  (2)本件でも,Yの相殺の主張は,基準時後の事由としてX勝訴判決により遮断されない。
 4.よって,YはXに当該事由を主張して争うことができる。
第3.小問三
 1.Yは,本件建物収去土地明渡請求に対して,建物買取請求権(借地借家法13条1項)を主張している。これは,X勝訴判決の既判力により遮断されないか。
 2.建物買取請求権も,X勝訴判決のうち,建物収去の部分を覆す結果となるから,X勝訴判決と抵触し遮断されるようにも思われる。
 3.もっとも,建物買取請求権も,その意思表示が相手方に到達したときに建物について売買契約が成立することから,形成権である。そこで,建物買取請求権の行使が基準時後の事由とならないかが問題となる。
  (1)建物買取請求権は,建物を取り壊すことが社会経済上不利益であることから,これを存続させる趣旨で設けられた制度であり,前訴請求権とは別個の原因に基づいて発生する権利であり,前訴請求権に付着する瑕疵ではない。また,被告としては,そもそも前訴請求権の不存在を争っているのであるから,建物買取請求権の行使は,実質的に敗訴を認めるものである。そうすると,前訴において被告が建物買取請求権を行使する期待可能性があったとはいえない。
  (2)本件でも,Yの建物買取請求権は,前訴において行使する期待可能性があったとはいえないから,基準時後の事由である。
 4.よって,YはXに当該事由を主張して争うことができる。
以上

小問一では,Yが口頭弁論終結時まで欺罔されていることに気づかなかった場合はどうかということも検討するとよかったっぽいです。

民訴は(民訴に限りませんが)1つの視点を持てば,あとはそこから問題状況を考察するだけなので,

問題を解くだけなら,そんなに難しいことはないと思います。

……が,しかし,それだからこそ,民訴ってつまんないんですよね。

その視点から,あとは機械的な作業に似た感じで,事案処理……

っていうか,そもそもその視点を持つこと自体もなかなか大変なんですよね。

つまり,結論としては,民訴は総じて面白くないということです。

なんというか,民訴は眠素とはよく言ったものですね。

今晩はよく眠れそうです。

以上
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