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2021-02-21(Sun)

【国内旅行業務取扱管理者試験】令和2年度第2問

書き途中

(注)略称は次の通り
約款(募集):標準旅行業約款 募集型企画旅行契約の部
約款(受注):標準旅行業約款 受注型企画旅行契約の部
約款(補償):標準旅行業約款 特別補償規程
約款(手配):標準旅行業約款 手配旅行契約の部
約款(渡航):標準旅行業約款 渡航手続代行契約の部
約款(相談):標準旅行業約款 旅行相談契約の部
バス約款:一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款
フェリー約款:フェリーを含む一般旅客定期航路事業に関する標準運送約款

1.標準旅行業約款に関する以下の各設問について、該当する答を、選択肢の中からそれぞれ1つ選びなさい。
(1)募集型企画旅行契約の部「適用範囲」「用語の定義」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 ア.旅行業者が旅行者との間で締結する契約は、約款の定めるところによる。約款に定めのない事項については、法令又は一般に確立された慣習による。
 イ.「通信契約」とは、旅行者が電話、郵便、ファクシミリ、インターネット等の通信手段を用いて契約の申込みを行い、旅行代金を旅行業者の指定する金融機関の口座に振り込むことにより決済する契約をいう。
 ウ.「国内旅行」とは、本邦内のみの旅行をいい、「海外旅行」とは、国内旅行以外の旅行をいう。
 エ.旅行業者が法令に反せず、かつ、旅行者の不利にならない範囲で書面により特約を結んだときは、その特約が約款に優先する。


正解:イ(配点:4)
解説:アは,約款(募集)1条1項のとおりですから,正しいです。
 イについて,約款(募集)2条3項は,「通信契約」の決済は,クレジットカード決済によるものと規定しています。したがって,イは,誤りです。
 ウは,約款(募集)2条2項のとおりですから,正しいです。
 エは,約款(募集)1条2項のとおりですから,正しいです。

(適用範囲)
第一条 当社が旅行者との間で締結する募集型企画旅行に関する契約(以下「募集型企画旅行契約」といいます。)は,この約款の定めるところによりますこの約款に定めのない事項については,法令又は一般に確立された慣習によります
2 当社が法令に反せず,かつ,旅行者の不利にならない範囲で書面により特約を結んだときは,前項の規定にかかわらず,その特約が優先します
(用語の定義)
第二条 この約款で「募集型企画旅行」とは,当社が,旅行者の募集のためにあらかじめ,旅行の目的地及び日程,旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊のサービスの内容並びに旅行者が当社に支払うべき旅行代金の額を定めた旅行に関する計画を作成し,これにより実施する旅行をいいます。
2 この約款で「国内旅行」とは,本邦内のみの旅行をいい,「海外旅行」とは,国内旅行以外の旅行をいいます
3 この部で「通信契約」とは,当社が,当社又は当社の募集型企画旅行を当社を代理して販売する会社が提携するクレジットカード会社(以下「提携会社」といいます。)のカード会員との間で電話,郵便,ファクシミリ,インターネットその他の通信手段による申込みを受けて締結する募集型企画旅行契約であって,当社が旅行者に対して有する募集型企画旅行契約に基づく旅行代金等に係る債権又は債務を,当該債権又は債務が履行されるべき日以降に別に定める提携会社のカード会員規約に従って決済することについて,旅行者があらかじめ承諾し,かつ当該募集型企画旅行契約の旅行代金等を第十二条第二項,第十六条第一項後段,第十九条第二項に定める方法により支払うことを内容とする募集型企画旅行契約をいいます
4 この約款で「カード利用日」とは,旅行者又は当社が募集型企画旅行契約に基づく旅行代金等の支払又は払戻債務を履行すべき日をいいます。


(2)募集型企画旅行契約の部「旅行契約の内容」「契約の申込み」「電話等による予約」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 ア.旅行業者は、契約において、旅行者が旅行業者の定める旅行日程に従って、運送・宿泊機関等の提供する運送、宿泊その他の旅行に関するサービスの提供を受けることができるように、手配し、旅程を管理することを引き受ける。
 イ.旅行者が契約の申込みの際に支払った申込金は、旅行代金又は取消料若しくは違約料の一部として取り扱う。
 ウ.旅行の参加に際し、特別な配慮を必要とする旨の申し出が旅行者から契約の申込時にあったときは、旅行業者は可能な範囲内でこれに応じる。この申出に基づき、旅行業者が旅行者のために講じた特別な措置に要する費用は、旅行業者の負担とする。
 エ.旅行業者が旅行者から電話、郵便、ファクシミリ、インターネットその他の通信手段による契約の予約を受け付けた場合において、その承諾の旨を通知した後、当該旅行業者が定める期間内に、当該旅行者から申込書と申込金の提出があったとき又は会員番号等の通知があったときは、契約の締結の順位は、当該予約の受付の順位による。


正解:ウ(配点:4)
解説:アは,約款(募集)3条のとおりですから,正しいです。
 イは,約款(募集)5条3項のとおりですから,正しいです。
 ウについて,前段は,約款(募集)5条4項のとおりですから,正しいです。後段について,同条5項は,費用の負担は旅行業者ではなく旅行者が行うものと規定しています。したがって,ウは,誤りです。
 エは,約款(募集)6条1項,2項のとおりですから,正しいです。

(旅行契約の内容)
第三条 当社は,募集型企画旅行契約において,旅行者が当社の定める旅行日程に従って,運送・宿泊機関等の提供する運送,宿泊その他の旅行に関するサービス(以下「旅行サービス」といいます。)の提供を受けることができるように,手配し,旅程を管理することを引き受けます
(契約の申込み)
第五条 当社に募集型企画旅行契約の申込みをしようとする旅行者は,当社所定の申込書(以下「申込書」といいます。)に所定の事項を記入の上,当社が別に定める金額の申込金とともに,当社に提出しなければなりません。
2 当社に通信契約の申込みをしようとする旅行者は,前項の規定にかかわらず,申込みをしようとする募集型企画旅行の名称,旅行開始日,会員番号その他の事項(以下次条において「会員番号等」といいます。)を当社に通知しなければなりません。
3 第一項の申込金は,旅行代金又は取消料若しくは違約料の一部として取り扱います
4 募集型企画旅行の参加に際し,特別な配慮を必要とする旅行者は,契約の申込時に申し出てください。このとき,当社は可能な範囲内でこれに応じます
5 前項の申出に基づき,当社が旅行者のために講じた特別な措置に要する費用は,旅行者の負担とします
(電話等による予約)
第六条 当社は,電話,郵便,ファクシミリ,インターネットその他の通信手段による募集型企画旅行契約の予約を受け付けます。この場合,予約の時点では契約は成立しておらず,旅行者は,当社が予約の承諾の旨を通知した後,当社が定める期間内に,前条第一項又は第二項の定めるところにより,当社に申込書と申込金を提出又は会員番号等を通知しなければなりません
2 前項の定めるところにより申込書と申込金の提出があったとき又は会員番号等の通知があったときは,募集型企画旅行契約の締結の順位は,当該予約の受付の順位によることとなります
3 旅行者が第一項の期間内に申込金を提出しない場合又は会員番号等を通知しない場合は,当社は,予約がなかったものとして取り扱います。


(3)募集型企画旅行契約の部「電話等による予約」「情報通信の技術を利用する方法」「旅行代金」に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。

 a.通信契約の申込みをしようとする旅行者から予約を受け付けた後、旅行業者が定める期間内に、旅行者が会員番号等を通知しない場合は、旅行業者は、当該予約がなかったものとして取り扱う。
 b.旅行業者は、旅行者と通信契約を締結したときは、カード利用日は旅行契約成立日とする。
 c.旅行業者は、あらかじめ旅行者の承諾を得て、契約書面の交付に代えて、旅行者に情報通信の技術を利用する方法により当該契約書面に記載すべき事項を提供することがあるが、確定書面については、必ず書面を交付することを要し、情報通信の技術を利用することはできない。

 ア.a,b  イ.a,c  ウ.b,c  エ.a,b,c


正解:ア(配点:4)
解説:aは,約款(募集)6条3項のとおりですから,正しいです。
 bは,約款(募集)12条2項のとおりですから,正しいです。
 cについて,約款(募集)11条1項は,契約書面だけでなく確定書面についても情報通信の技術を利用することができることを前提とした規定になっています。したがって,cは,誤りです。
 以上から,a及びbが正しく,cが誤りですから,正解はアです。

(電話等による予約)
第六条 当社は,電話,郵便,ファクシミリ,インターネットその他の通信手段による募集型企画旅行契約の予約を受け付けます。この場合,予約の時点では契約は成立しておらず,旅行者は,当社が予約の承諾の旨を通知した後,当社が定める期間内に,前条第一項又は第二項の定めるところにより,当社に申込書と申込金を提出又は会員番号等を通知しなければなりません。
2 前項の定めるところにより申込書と申込金の提出があったとき又は会員番号等の通知があったときは,募集型企画旅行契約の締結の順位は,当該予約の受付の順位によることとなります。
3 旅行者が第一項の期間内に申込金を提出しない場合又は会員番号等を通知しない場合は,当社は,予約がなかったものとして取り扱います
(情報通信の技術を利用する方法)
第十一条 当社は,あらかじめ旅行者の承諾を得て,募集型企画旅行契約を締結しようとするときに旅行者に交付する旅行日程,旅行サービスの内容,旅行代金その他の旅行条件及び当社の責任に関する事項を記載した書面,契約書面又は確定書面の交付に代えて,情報通信の技術を利用する方法により当該書面に記載すべき事項(以下この条において「記載事項」といいます。)を提供したときは,旅行者の使用する通信機器に備えられたファイルに記載事項が記録されたことを確認します。
2 前項の場合において,旅行者の使用に係る通信機器に記載事項を記録するためのファイルが備えられていないときは,当社の使用する通信機器に備えられたファイル(専ら当該旅行者の用に供するものに限ります。)に記載事項を記録し,旅行者が記載事項を閲覧したことを確認します。
(旅行代金)
第十二条 旅行者は,旅行開始日までの契約書面に記載する期日までに,当社に対し,契約書面に記載する金額の旅行代金を支払わなければなりません。
2 通信契約を締結したときは,当社は,提携会社のカードにより所定の伝票への旅行者の署名なくして契約書面に記載する金額の旅行代金の支払いを受けます。また,カード利用日は旅行契約成立日とします


(4)募集型企画旅行契約の部「確定書面」に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。

 a.旅行業者は、旅行者から旅行開始日の前日から起算してさかのぼって7日目に当たる日以降に契約の申込みがなされた場合、宿泊を伴う国内旅行においては旅行開始日の前日までに、日帰りの国内旅行においては旅行開始日までに、確定書面を旅行者に交付しなければならない。
 b.手配状況の確認を希望する旅行者から問い合わせがあったときは、確定書面の交付前であっても、旅行業者は迅速かつ適切にこれに回答する。
 c.確定書面を交付した場合には、旅行業者が手配し旅程を管理する義務を負う旅行サービスの範囲は、当該確定書面に記載するところに特定される。

 ア.a,b  イ.a,c  ウ.b,c  エ.a,b,c


正解:ウ(配点:4)
解説:aについて,約款(募集)10条1項かっこ書きは,旅行開始日の前日から起算して7日目に当たる日以降に契約の申し込みがなされた場合にあっては,その旅行が宿泊を伴うか否かを問わず,旅行開始日までに確定書面を交付するものとしています。したがって,aは,誤りです。
 bは,約款(募集)10条2項のとおりですから,正しいです。
 cは,約款(募集)10条3項のとおりですから,正しいです。
 以上から,aは誤りで,b及びcは正しいので,正解はウです。

(確定書面)
第十条 前条第一項の契約書面において,確定された旅行日程,運送若しくは宿泊機関の名称を記載できない場合には,当該契約書面において利用予定の宿泊機関及び表示上重要な運送機関の名称を限定して列挙した上で,当該契約書面交付後,旅行開始日の前日(旅行開始日の前日から起算してさかのぼって七日目に当たる日以降に募集型企画旅行契約の申込みがなされた場合にあっては,旅行開始日)までの当該契約書面に定める日までに,これらの確定状況を記載した書面(以下「確定書面」といいます。)を交付します。
2 前項の場合において,手配状況の確認を希望する旅行者から問い合わせがあったときは,確定書面の交付前であっても,当社は迅速かつ適切にこれに回答します
3 第一項の確定書面を交付した場合には,前条第二項の規定により当社が手配し旅程を管理する義務を負う旅行サービスの範囲は,当該確定書面に記載するところに特定されます


(5)募集型企画旅行契約の部「契約内容の変更」「旅行代金の額の変更」「旅行者の交替」に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。

 a.旅行業者は、旅行業者の関与し得ない事由が生じた場合において、旅行の安全かつ円滑な実施を図るためやむを得ないときは、旅行者にあらかじめ速やかに当該事由が関与し得ないものである理由及び当該事由との因果関係を説明して、契約内容を変更することがある。
 b.契約書面に記載した旅館の過剰予約受付により宿泊の利用が不可能となり、当該旅館より宿泊料金の高い旅館に変更したことから、旅行の実施に要する費用が増加した場合において、旅行業者は、当該契約内容の変更の際にその範囲内で旅行代金の額を増額することがある。
 c.旅行業者は、運送・宿泊機関等の利用人員により旅行代金が異なる旨を契約書面に記載した場合において、契約の成立後に旅行業者の責に帰すべき事由によらず当該利用人員が変更になったときは、当該契約書面に記載したところにより旅行代金の額を変更することがある。
 d.旅行業者と契約を締結した旅行者は、旅行業者の承諾を得て、契約上の地位を当該旅行者の三親等以内の親族に限り譲り渡すことができる。

 ア.a,c  イ.b,d  ウ.a,b,c  エ.a,b,c,d


正解:ア(配点:4)
解説:aは,約款(募集)13条1項のとおりですから,正しいです。
 bについて,約款(募集)14条4項かっこ書きは,費用の増加が宿泊機関のオーバーブッキングにより生じた場合には,旅行代金の額を変更することができない旨規定しています。したがって,bは,誤りです。
 cは,約款(募集)14条5項のとおりですから,正しいです。
 dについて,約款(募集)15条1項は,契約上の地位を譲り渡すことができる第三者の範囲を限定していません。したがって,dは,誤りです。
 以上から,a及びcが正しく,b及びdは誤りですから,正解はアです。

(契約内容の変更)
第十三条 当社は,天災地変,戦乱,暴動,運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止,官公署の命令,当初の運行計画によらない運送サービスの提供その他の当社の関与し得ない事由が生じた場合において,旅行の安全かつ円滑な実施を図るためやむを得ないときは,旅行者にあらかじめ速やかに当該事由が関与し得ないものである理由及び当該事由との因果関係を説明して,旅行日程,旅行サービスの内容その他の募集型企画旅行契約の内容(以下「契約内容」といいます。)を変更することがあります。ただし,緊急の場合において,やむを得ないときは,変更後に説明します。
(旅行代金の額の変更)
第十四条 募集型企画旅行を実施するに当たり利用する運送機関について適用を受ける運賃・料金(以下この条において「適用運賃・料金」といいます。)が,著しい経済情勢の変化等により,募集型企画旅行の募集の際に明示した時点において有効なものとして公示されている適用運賃・料金に比べて,通常想定される程度を大幅に超えて増額又は減額される場合においては,当社は,その増額又は減額される金額の範囲内で旅行代金の額を増加し,又は減少することができます。
2 当社は,前項の定めるところにより旅行代金を増額するときは,旅行開始日の前日から起算してさかのぼって十五日目に当たる日より前に旅行者にその旨を通知します。
3 当社は,第一項の定める適用運賃・料金の減額がなされるときは,同項の定めるところにより,その減少額だけ旅行代金を減額します。
4 当社は,前条の規定に基づく契約内容の変更により旅行の実施に要する費用(当該契約内容の変更のためにその提供を受けなかった旅行サービスに対して取消料,違約料その他既に支払い,又はこれから支払わなければならない費用を含みます。)の減少又は増加が生じる場合(費用の増加が,運送・宿泊機関等が当該旅行サービスの提供を行っているにもかかわらず,運送・宿泊機関等の座席,部屋その他の諸設備の不足が発生したことによる場合を除きます。)には,当該契約内容の変更の際にその範囲内において旅行代金の額を変更することがあります。
5 当社は,運送・宿泊機関等の利用人員により旅行代金が異なる旨を契約書面に記載した場合において,募集型企画旅行契約の成立後に当社の責に帰すべき事由によらず当該利用人員が変更になったときは,契約書面に記載したところにより旅行代金の額を変更することがあります
(旅行者の交替)
第十五条 当社と募集型企画旅行契約を締結した旅行者は,当社の承諾を得て,契約上の地位を第三者に譲り渡すことができます
2 旅行者は,前項に定める当社の承諾を求めようとするときは,当社所定の用紙に所定の事項を記入の上,所定の金額の手数料とともに,当社に提出しなければなりません。
3 第一項の契約上の地位の譲渡は,当社の承諾があった時に効力を生ずるものとし,以後,旅行契約上の地位を譲り受けた第三者は,旅行者の当該募集型企画旅行契約に関する一切の権利及び義務を承継するものとします。


(6)募集型企画旅行契約の部「旅行者の解除権」に関する次の記述のうち、旅行者が旅行開始前に契約を解除するに当たって、取消料の支払いを要するものはどれか(いずれも取消料の支払いを要する期間内の解除とする。)。

 ア.旅行業者の責に帰すべき事由により、契約書面に記載した旅行日程に従った旅行の実施が不可能となったとき。
 イ.台風の影響で旅行地の運送機関が不通となり、旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となるおそれが極めて大きいとき。
 ウ.旅行業者が旅行者に対し、契約書面に記載した所定の期日までに、確定書面を交付しなかったとき。
 エ.旅行者が事故による怪我で重傷を負い、入院したことから、旅行への参加が不可能になったとき。


正解:エ(配点:4)
解説:アについて,約款(募集)16条2項5号は,旅行業者の帰責事由により契約書面記載の旅行日程にしたがって旅行の実施が不可能となったときは,取消料を支払うことなく契約を解除できるとしています。したがって,アは,誤りです。
 イについて,約款(募集)16条2項3号は,運送機関の不通により旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となるおそれが極めて大きいときは,取消料を支払うことなく契約を解除できるとしています。したがって,イは,誤りです。
 ウについて,約款(募集)16条2項4号は,確定書面の不交付の場合は,取消料を支払うことなく契約を解除できるとしています。したがって,ウは,誤りです。
 エは,約款(募集)16条2項に掲げる例外的に取消料を支払わずに契約解除できる場合に該当しないため,原則通り取消料の支払が必要です。したがって,エは,正しいです。

(旅行者の解除権)
第十六条 旅行者は,いつでも別表第一に定める取消料を当社に支払って募集型企画旅行契約を解除することができます。通信契約を解除する場合にあっては,当社は,提携会社のカードにより所定の伝票への旅行者の署名なくして取消料の支払いを受けます。
2 旅行者は,次に掲げる場合において,前項の規定にかかわらず,旅行開始前に取消料を支払うことなく募集型企画旅行契約を解除することができます。
 一 当社によって契約内容が変更されたとき。ただし,その変更が別表第二上欄に掲げるものその他の重要なものであるときに限ります。
 二 第十四条第一項の規定に基づいて旅行代金が増額されたとき。
 三 天災地変,戦乱,暴動,運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止,官公署の命令その他の事由が生じた場合において,旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となり,又は不可能となるおそれが極めて大きいとき
 四 当社が旅行者に対し,第十条第一項の期日までに,確定書面を交付しなかったとき
 五 当社の責に帰すべき事由により,契約書面に記載した旅行日程に従った旅行の実施が不可能となったとき
3 旅行者は,旅行開始後において,当該旅行者の責に帰すべき事由によらず契約書面に記載した旅行サービスを受領することができなくなったとき又は当社がその旨を告げたときは,第一項の規定にかかわらず,取消料を支払うことなく,旅行サービスの当該受領することができなくなった部分の契約を解除することができます。
4 前項の場合において,当社は,旅行代金のうち旅行サービスの当該受領することができなくなった部分に係る金額を旅行者に払い戻します。ただし,前項の場合が当社の責に帰すべき事由によらない場合においては,当該金額から,当該旅行サービスに対して取消料,違約料その他の既に支払い,又はこれから支払わなければならない費用に係る金額を差し引いたものを旅行者に払い戻します。


(7)募集型企画旅行契約の部「旅行業者の解除権等−旅行開始前の解除」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか(いずれも解除に係る旅行者への理由説明は行うものとする。)。

 ア.旅行業者は、天災地変等の旅行業者の関与し得ない事由が生じた場合において、契約書面に記載した旅行日程に従った旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となり、又は不可能となるおそれが極めて大きいときは、契約を解除することがある。
 イ.旅行業者は、旅行者が、契約内容に関し合理的な範囲を超える負担を求めたときは、契約を解除することがある。
 ウ.旅行業者は、日帰りの国内旅行において、旅行開始日の前日に参加する旅行者の一部が契約を解除したことから、旅行者の数が契約書面に記載した最少催行人員を下回ったときは、契約を解除することがある。
 エ.旅行業者は、旅行者が病気、必要な介助者の不在その他の事由により、当該旅行に耐えられないと認められるときは、契約を解除することがある。


正解:ウ(配点:4)
解説:アは,約款(募集)17条1項7号のとおりですから,正しいです。
 イは,約款(募集)17条4号のとおりですから,正しいです。
 ウについて,約款(募集)17条3項は,日帰り国内旅行を,最少催行人員に達しないことを理由に解除する場合には,旅行開始日の前日から起算して3日目に当たる日より前に通知する必要がある旨規定しています。この通知ができない場合には,解除することはできませんので,ウは,誤りです。
 エは,約款(募集)17条1項2号のとおりですから,正しいです。

(当社の解除権等-旅行開始前の解除)
第十七条 当社は,次に掲げる場合において,旅行者に理由を説明して,旅行開始前に募集型企画旅行契約を解除することがあります。
 一 旅行者が当社があらかじめ明示した性別,年齢,資格,技能その他の参加旅行者の条件を満たしていないことが判明したとき。
 二 旅行者が病気,必要な介助者の不在その他の事由により,当該旅行に耐えられないと認められるとき
 三 旅行者が他の旅行者に迷惑を及ぼし,又は団体旅行の円滑な実施を妨げるおそれがあると認められるとき。
 四 旅行者が,契約内容に関し合理的な範囲を超える負担を求めたとき
 五 旅行者の数が契約書面に記載した最少催行人員に達しなかったとき。
 六 スキーを目的とする旅行における必要な降雪量等の旅行実施条件であって契約の締結の際に明示したものが成就しないおそれが極めて大きいとき。
 七 天災地変,戦乱,暴動,運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止,官公署の命令その他の当社の関与し得ない事由が生じた場合において,契約書面に記載した旅行日程に従った旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となり,又は不可能となるおそれが極めて大きいとき
 八 通信契約を締結した場合であって,旅行者の有するクレジットカードが無効になる等,旅行者が旅行代金等に係る債務の一部又は全部を提携会社のカード会員規約に従って決済できなくなったとき。
 九 旅行者が第七条第五号から第七号までのいずれかに該当することが判明したとき。
2 旅行者が第十二条第一項の契約書面に記載する期日までに旅行代金を支払わないときは,当該期日の翌日において旅行者が募集型企画旅行契約を解除したものとします。この場合において,旅行者は,当社に対し,前条第一項に定める取消料に相当する額の違約料を支払わなければなりません。
3 当社は,第一項第五号に掲げる事由により募集型企画旅行契約を解除しようとするときは,旅行開始日の前日から起算してさかのぼって,国内旅行にあっては十三日目(日帰り旅行については,三日目)に当たる日より前に,海外旅行にあっては二十三日目(別表第一に規定するピーク時に旅行を開始するものについては三十三日目)に当たる日より前に,旅行を中止する旨を旅行者に通知します。


(8)募集型企画旅行契約の部「旅行業者の解除権−旅行開始後の解除」に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか(いずれも解除に係る旅行者への理由説明は行うものとする。)。

 a.旅行業者が契約を解除したときは、旅行業者と旅行者との間の契約関係は、将来に向かってのみ消滅する。この場合において、旅行者が既に提供を受けた旅行サービスに関する旅行業者の債務については、有効な弁済がなされたものとする。
 b.旅行者が旅行を安全かつ円滑に実施するための添乗員その他の者による旅行業者の指示への違背、これらの者又は同行する他の旅行者に対する暴行又は脅迫等により団体行動の規律を乱し、当該旅行の安全かつ円滑な実施を妨げる場合において、旅行業者が契約の一部を解除したときは、旅行業者は、旅行代金のうち旅行者がいまだその提供を受けていない旅行サービスに係る部分に係る金額を、旅行者に対し払い戻すことを要しない。
 c.旅行業者は、天災地変等の当該旅行業者の関与し得ない事由が生じた場合において、旅行の継続が不可能となったことから、契約の一部を解除したときは、旅行代金のうち旅行者がいまだその提供を受けていない旅行サービスに係る部分に係る金額から、当該旅行サービスに対して取消料、違約料その他の既に支払い、又はこれから支払わなければならない費用に係る金額を差し引いたものを旅行者に払い戻す。

 ア.a,b  イ.a,c  ウ.b,c  エ.a,b,c


正解:イ(配点:4)
解説:aは,約款(募集)18条2項のとおりですから,正しいです。
 bについて,約款(募集)18条3項は,契約の一部解除後,いまだ提供を受けていない旅行サービスに係る部分の旅行代金は旅行者に払い戻す旨規定しています。したがって,bは,誤りです。
 cは,約款(募集)18条3項のとおりですから,正しいです。
 以上から,a及びcは正しく,bは誤りですから,正解はイです。

(当社の解除権-旅行開始後の解除)
第十八条 当社は,次に掲げる場合において,旅行開始後であっても,旅行者に理由を説明して,募集型企画旅行契約の一部を解除することがあります。
 一 旅行者が病気,必要な介助者の不在その他の事由により旅行の継続に耐えられないとき。
 二 旅行者が旅行を安全かつ円滑に実施するための添乗員その他の者による当社の指示への違背,これらの者又は同行する他の旅行者に対する暴行又は脅迫等により団体行動の規律を乱し,当該旅行の安全かつ円滑な実施を妨げるとき。
 三 旅行者が第七条第五号から第七号までのいずれかに該当することが判明したとき。
 四 天災地変,戦乱,暴動,運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止,官公署の命令その他の当社の関与し得ない事由が生じた場合であって,旅行の継続が不可能となったとき。
2 当社が前項の規定に基づいて募集型企画旅行契約を解除したときは,当社と旅行者との間の契約関係は,将来に向かってのみ消滅します。この場合において,旅行者が既に提供を受けた旅行サービスに関する当社の債務については,有効な弁済がなされたものとします
3 前項の場合において,当社は,旅行代金のうち旅行者がいまだその提供を受けていない旅行サービスに係る部分に係る金額から,当該旅行サービスに対して取消料,違約料その他の既に支払い,又はこれから支払わなければならない費用に係る金額を差し引いたものを旅行者に払い戻します


(9)募集型企画旅行契約の部「旅行代金の払戻し」「契約解除後の帰路手配」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 ア.出発日が9月8日である1泊2日の国内旅行で、旅行者が9月1日に契約を解除した。この場合において、旅行業者は、取消料を差し引いた旅行代金を10月9日までに旅行者に払い戻す。
 イ.出発日が9月1日である1泊2日の国内旅行で、8月25日に旅行代金の減少を伴う契約内容の変更を旅行者全員に通知した場合において、旅行業者は、当該減少となる旅行代金を10月2日までに旅行者に払い戻す。
 ウ.旅行業者の責に帰すべき事由により、契約書面に記載した旅行日程に従った旅行の実施が不可能になったことから、旅行者が旅行開始前に契約を解除した場合において、旅行業者が既に収受した旅行代金を約款に定める期日までに払戻した場合であっても、旅行者が旅行業者に対して損害賠償請求権を行使することを妨げるものではない。
 エ.旅行業者は、旅行者が病気、必要な介助者の不在その他の事由によって旅行の継続に耐えられなくなり、旅行開始後に契約を解除したときは、旅行者の求めに応じて、旅行者が当該旅行の出発地に戻るために必要な旅行サービスの手配を引き受ける。この場合において、旅行者が出発地に戻るための旅行に要する一切の費用は、旅行者の負担とする。


正解:ア(配点:4)
解説:アについて,約款(募集)19条1項は,旅行開始前の解除の場合,解除の翌日から起算して7日以内に旅行代金の払戻しを行う旨規定しています。そうすると,旅行開始前の9月1日に契約解除した場合には,9月8日までに払戻しを行う必要があります。したがって,アは,誤りです。
 イについて,約款(募集)19条1項は,旅行代金の減額による場合,旅行終了日の翌日から起算して30日以内に旅行代金の払戻しを行う旨規定しています。そうすると,9月1日から1泊2日の旅行が終了するのは9月2日であり,その翌日である9月3日から30日の計算を行うため,10月2日までに払戻しを行う必要があります。したがって,イは,正しいです。
 ウは,約款(募集)19条3項のとおりですから,正しいです。
 エは,約款(募集)20条1項,2項のとおりですから,正しいです。

(旅行代金の払戻し)
第十九条 当社は,第十四条第三項から第五項までの規定により旅行代金が減額された場合又は前三条の規定により募集型企画旅行契約が解除された場合において,旅行者に対し払い戻すべき金額が生じたときは,旅行開始前の解除による払戻しにあっては解除の翌日から起算して七日以内に減額又は旅行開始後の解除による払戻しにあっては契約書面に記載した旅行終了日の翌日から起算して三十日以内に旅行者に対し当該金額を払い戻します
2 当社は,旅行者と通信契約を締結した場合であって,第十四条第三項から第五項までの規定により旅行代金が減額された場合又は前三条の規定により通信契約が解除された場合において,旅行者に対し払い戻すべき金額が生じたときは,提携会社のカード会員規約に従って,旅行者に対し当該金額を払い戻します。この場合において,当社は,旅行開始前の解除による払戻しにあっては解除の翌日から起算して七日以内に,減額又は旅行開始後の解除による払戻しにあっては契約書面に記載した旅行終了日の翌日から起算して三十日以内に旅行者に対し払い戻すべき額を通知するものとし,旅行者に当該通知を行った日をカード利用日とします。
3 前二項の規定は第二十七条又は第三十条第一項に規定するところにより旅行者又は当社が損害賠償請求権を行使することを妨げるものではありません
(契約解除後の帰路手配)
第二十条 当社は,第十八条第一項第一号又は第四号の規定によって旅行開始後に募集型企画旅行契約を解除したときは,旅行者の求めに応じて,旅行者が当該旅行の出発地に戻るために必要な旅行サービスの手配を引き受けます
2 前項の場合において,出発地に戻るための旅行に要する一切の費用は,旅行者の負担とします


(10)募集型企画旅行契約の部「団体・グループ契約」「契約責任者」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 ア.旅行業者は、同じ行程を同時に旅行する複数の旅行者がその責任ある代表者を定めて申し込んだ契約の締結については、団体・グループ契約の章の規定を適用する。
 イ.旅行業者は、契約責任者が構成者に対して現に負い、又は将来負うことが予測される債務又は義務については、何ら責任を負うものではない。
 ウ.旅行業者は、契約責任者が団体・グループに同行しない場合、旅行開始後においては、あらかじめ契約責任者が選任した構成者を契約責任者とみなす。
 エ.日帰りの国内旅行であって、添乗員その他の者が当該旅行に同行する場合においては、契約責任者は、構成者の名簿を旅行業者に提出することを要しない。


正解:エ(配点:4)
解説:アは,約款(募集)21条のとおりですから,正しいです。
 イは,約款(募集)22条3項のとおりですから,正しいです。
 ウは,約款(募集)22条4項のとおりですから,正しいです。
 エについて,約款(募集)22条2項は,契約責任者は構成員の名簿を提出しなければならない旨規定していますが,旅行同行者がいる場合にはこれを提出することを要しないといった例外規定は設けられていません。したがって,エは,誤りです。

(団体・グループ契約)
第二十一条 当社は,同じ行程を同時に旅行する複数の旅行者がその責任ある代表者(以下「契約責任者」といいます。)を定めて申し込んだ募集型企画旅行契約の締結については,本章の規定を適用します
(契約責任者)
第二十二条 当社は,特約を結んだ場合を除き,契約責任者はその団体・グループを構成する旅行者(以下「構成者」といいます。)の募集型企画旅行契約の締結に関する一切の代理権を有しているものとみなし,当該団体・グループに係る旅行業務に関する取引は,当該契約責任者との間で行います。
2 契約責任者は,当社が定める日までに,構成者の名簿を当社に提出しなければなりません
3 当社は,契約責任者が構成者に対して現に負い,又は将来負うことが予測される債務又は義務については,何らの責任を負うものではありません
4 当社は,契約責任者が団体・グループに同行しない場合,旅行開始後においては,あらかじめ契約責任者が選任した構成者を契約責任者とみなします


(11)募集型企画旅行契約の部「旅程管理」「添乗員等の業務」「保護措置」に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。

 a.旅行業者は、旅程管理の措置を講じたにもかかわらず、契約内容を変更せざるを得ないときは、代替サービスの手配を行う。この際、旅行日程を変更するときは、変更後の旅行日程が当初の旅行日程の趣旨にかなうものとなるよう努め、契約内容の変更を最小限にとどめるよう努力する。
 b.添乗員その他の者が旅程管理業務その他旅行に付随して旅行業者が必要と認める業務に従事する時間帯は、原則として7時から22時までである。
 c.旅行業者は、旅行中の旅行者が、疾病、傷害等により保護を要する状態にあると認めたときは、必要な措置を講ずることがある。この場合において、これが旅行業者の責に帰すべき事由によるものでないときは、当該措置に要した費用は旅行者の負担とする。

 ア.a,b  イ.a,c  ウ.b,c  エ.a,b,c


正解:イ(配点:4)
解説:aは,約款(募集)23条2号のとおりですから,正しいです。
 bについて,約款(募集)25条2項は,添乗員の業務従事時間を,8時から20時までとしています。したがって,bは,誤りです。
 cは,約款(募集)26条のとおりですから,正しいです。
 以上から,a及びcは正しく,bは誤りですから,正解はイです。

(旅程管理)
第二十三条 当社は,旅行者の安全かつ円滑な旅行の実施を確保することに努力し,旅行者に対し次に掲げる業務を行います。ただし,当社が旅行者とこれと異なる特約を結んだ場合には,この限りではありません。
 一 旅行者が旅行中旅行サービスを受けることができないおそれがあると認められるときは,募集型企画旅行契約に従った旅行サービスの提供を確実に受けられるために必要な措置を講ずること。
 二 前号の措置を講じたにもかかわらず,契約内容を変更せざるを得ないときは,代替サービスの手配を行うこと。この際,旅行日程を変更するときは,変更後の旅行日程が当初の旅行日程の趣旨にかなうものとなるよう努めること,また,旅行サービスの内容を変更するときは,変更後の旅行サービスが当初の旅行サービスと同様のものとなるよう努めること等,契約内容の変更を最小限にとどめるよう努力すること
(添乗員等の業務)
第二十五条 当社は,旅行の内容により添乗員その他の者を同行させて第二十三条各号に掲げる業務その他当該募集型企画旅行に付随して当社が必要と認める業務の全部又は一部を行わせることがあります。
2 前項の添乗員その他の者が同項の業務に従事する時間帯は,原則として八時から二十時までとします
(保護措置)
第二十六条 当社は,旅行中の旅行者が,疾病,傷害等により保護を要する状態にあると認めたときは,必要な措置を講ずることがあります。この場合において,これが当社の責に帰すべき事由によるものでないときは,当該措置に要した費用は旅行者の負担とし,旅行者は当該費用を当社が指定する期日までに当社の指定する方法で支払わなければなりません。


(12)受注型企画旅行契約の部に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 ア.旅行業者は、特約を結んだ場合を除き、契約責任者はその団体・グループを構成する旅行者の契約の締結に関する一切の代理権を有しているものとみなす。
 イ.国内旅行(貸切船舶を利用する場合を除く)において、旅行業者が企画書面及び契約書面に旅行代金の内訳として企画料金の金額を明示して契約している場合において、旅行者が自己都合により旅行開始日の前日から起算してさかのぼって21日目に当たる日より前に当該契約を解除したときは、旅行業者は、企画料金に相当する金額の取消料の支払いを受ける。
 ウ.旅行者は、契約が締結された後は、旅行業者に対し、旅行日程、旅行サービスの内容その他の契約の内容を変更するよう求めることができない。
 エ.旅行業者は、契約の申込みをしようとする旅行者からの依頼があったときは、旅行業者の業務上の都合があるときを除き、当該依頼の旅行内容に沿って作成した企画の内容を記載した書面を交付する。


正解:ウ(配点:4)
解説:アは,約款(受注)22条1項のとおりですから,正しいです。

(契約責任者)
第二十二条 当社は,特約を結んだ場合を除き,契約責任者はその団体・グループを構成する旅行者(以下「構成者」といいます。)の受注型企画旅行契約の締結に関する一切の代理権を有しているものとみなし,当該団体・グループに係る旅行業務に関する取引及び第二十六条第一項の業務は,当該契約責任者との間で行います。
2~4 略

イは,約款(受注)16条1項,別表第一1項1号イのとおりですから,正しいです。

(旅行者の解除権)
第十六条 旅行者は,いつでも別表第一に定める取消料を当社に支払って受注型企画旅行契約を解除することができます。通信契約を解除する場合にあっては,当社は,提携会社のカードにより所定の伝票への旅行者の署名なくして取消料の支払いを受けます。
2~4 略
別表第一 取消料(国内旅行)

ウについて,約款(受注)13条1項は,旅行者の契約内容変更権を認めており,これは契約締結前後を問いません。したがって,ウは,誤りです。

(契約内容の変更)
第十三条 旅行者は,当社に対し,旅行日程,旅行サービスの内容その他の受注型企画旅行契約の内容(以下「契約内容」といいます。)を変更するよう求めることができます。この場合において,当社は,可能な限り旅行者の求めに応じます。
2 略


エは,約款(受注)5条1項のとおりですから,正しいです。

(企画書面の交付)
第五条 当社は,当社に受注型企画旅行契約の申込みをしようとする旅行者からの依頼があったときは,当社の業務上の都合があるときを除き,当該依頼の内容に沿って作成した旅行日程,旅行サービスの内容,旅行代金その他の旅行条件に関する企画の内容を記載した書面(以下「企画書面」といいます。)を交付します
2 略


(13)受注型企画旅行契約の部に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。

 a.旅行業者は、契約の履行に当たって、手配の全部又は一部を本邦内又は本邦外の他の旅行業者、手配を業として行う者その他の補助者に代行させることがある。
 b.旅行業者は、契約責任者と契約を締結する場合において、申込金の支払いを受けることなく契約の締結を承諾することがある。この場合には、契約は、旅行業者が契約の締結を承諾した時に成立するものとし、契約責任者に対し申込金の支払いを受けることなく契約を締結する旨を記載した書面の交付を要しない。
 c.旅行者は、旅行開始後旅行終了までの間において、団体で行動するときは、旅行を安全かつ円滑に実施するための旅行業者の指示に従わなければならない。

 ア.a,b  イ.a,c  ウ.b,c  エ.a,b,c


正解:イ(配点:4)
解説:aは,約款(受注)4条のとおりですから,正しいです。

(手配代行者)
第四条 当社は,受注型企画旅行契約の履行に当たって,手配の全部又は一部を本邦内又は本邦外の他の旅行業者,手配を業として行う者その他の補助者に代行させることがあります


bについて,前段は,約款(受注)23条1項のとおりですから,正しいです。後段について,同条2項は,申込金の支払を受けることなく契約を締結する旨を記載した書面を交付する旨規定しています。したがって,bは,誤りです。

(契約成立の特則)
第二十三条 当社は,契約責任者と受注型企画旅行契約を締結する場合において,第六条第一項の規定にかかわらず,申込金の支払いを受けることなく受注型企画旅行契約の締結を承諾することがあります。
2 前項の規定に基づき申込金の支払いを受けることなく受注型企画旅行契約を締結する場合には,当社は,契約責任者にその旨を記載した書面を交付するものとし,受注型企画旅行契約は,当社が当該書面を交付した時に成立するものとします。


cは,約款(受注)25条のとおりですから,正しいです。

(当社の指示)
第二十五条 旅行者は,旅行開始後旅行終了までの間において,団体で行動するときは,旅行を安全かつ円滑に実施するための当社の指示に従わなければなりません


(14) 募集型企画旅行契約の部及び受注型企画旅行契約の部「旅程保証」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 ア.旅行業者は、契約内容の重要な変更があった旨の申出が、旅行終了日の翌日から起算して30日以内に旅行者からあった場合にのみ、変更補償金を支払う。
 イ.旅行業者は、官公署の命令を事由として、約款に定める契約内容の重要な変更が生じたときは、変更補償金を支払わない。
 ウ.旅行業者が支払うべき変更補償金の額は、旅行者1名に対して1企画旅行につき旅行代金に15%以上の旅行業者が定める率を乗じた額をもって限度とする。
 エ.過剰予約受付により確定書面に記載した航空会社を利用できなくなり、旅行業者が他の航空会社に変更したことから、旅行開始前に旅行者が契約を解除した場合は、旅行業者は、旅行者に変更補償金を支払わない。


正解:ア(配点:4)
解説:アについて,約款(募集)29条1項は,変更補償金の支払にあたり,旅行者からの申出を要件としていません。したがって,アは,誤りです。
 イは,約款(募集)29条1項1号ニのとおりですから,正しいです。
 ウは,約款(募集)29条2項のとおりですから,正しいです。
 エは,約款(募集)29条1項2号のとおりですから,正しいです。

(旅程保証)
第二十九条 当社は,別表第二上欄に掲げる契約内容の重要な変更(次の各号に掲げる変更(運送・宿泊機関等が当該旅行サービスの提供を行っているにもかかわらず,運送・宿泊機関等の座席,部屋その他の諸設備の不足が発生したことによるものを除きます。)を除きます。)が生じた場合は,旅行代金に同表下欄に記載する率を乗じた額以上の変更補償金を旅行終了日の翌日から起算して三十日以内に支払います。ただし,当該変更について当社に第二十七条第一項の規定に基づく責任が発生することが明らかである場合には,この限りではありません。
 一 次に掲げる事由による変更
  イ 天災地変
  ロ 戦乱
  ハ 暴動
  ニ 官公署の命令
  ホ 運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止
  ヘ 当初の運行計画によらない運送サービスの提供
  ト 旅行参加者の生命又は身体の安全確保のため必要な措置
 二 第十六条から第十八条までの規定に基づいて募集型企画旅行契約が解除されたときの当該解除された部分に係る変更
2 当社が支払うべき変更補償金の額は,旅行者一名に対して一募集型企画旅行につき旅行代金に十五%以上の当社が定める率を乗じた額をもって限度とします。また,旅行者一名に対して一募集型企画旅行につき支払うべき変更補償金の額が千円未満であるときは,当社は,変更補償金を支払いません。
3 当社が第一項の規定に基づき変更補償金を支払った後に,当該変更について当社に第二十七条第一項の規定に基づく責任が発生することが明らかになった場合には,旅行者は当該変更に係る変更補償金を当社に返還しなければなりません。この場合,当社は,同項の規定に基づき当社が支払うべき損害賠償金の額と旅行者が返還すべき変更補償金の額とを相殺した残額を支払います。


(15)募集型企画旅行契約の部「旅程保証」に関する次の記述のうち、変更補償金の支払いを要するものはどれか(いずれも変更補償金を支払う場合に、その額は約款に定める支払いが必要な最低額を上回っているものとする。)。

 ア.バスにて市内観光中に交通事故による交通渋滞に巻き込まれ、この日に予定されていた自由行動の時間が大幅に短縮されたとき。
 イ.契約書面には「Aホテルに宿泊」と記載されていたが、Aホテルの過剰予約受付により客室の不足が生じたことから、結果的にはAホテルより上位ランクのBホテルに宿泊となったとき。
 ウ.契約書面では「Aレストランでの名物料理の夕食」と記載されていたが、レストランの都合により「Aレストランでの和会席料理の夕食」に変更されたとき。
 エ.契約書面には、ツアー・タイトルに「東京スカイツリー天望デッキから見る初日の出と隅田川七福神めぐり」と記載されていたが、訪れた時は天候が悪く、天望デッキから初日の出が見られなかったとき。


正解:イ(配点:4)
解説:変更補償金の支払を要する変更は,約款別表第二に掲げられているところ,イは同7号に該当するため,変更補償金の支払が必要となります。他方で,ア,ウ及びエは,別表第二のいずれにも該当しないため,変更補償金の支払は不要です。

別表第二 変更補償金








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2021-02-18(Thu)

【国内旅行業務取扱管理者試験】令和2年度第1問「旅行業法及びこれに基づく命令」

久しぶりに旅行業務取扱管理者試験の解説記事を書きます。

今回は令和2年度第1問です。

私はこれを福岡会場で受験する予定でしたが,台風のため受験できませんでした。

問題の傾向は概ね例年通りであるように思うので,受験できなかったのは少しもったいないです。

(注)略称は次の通り
法:旅行業法
施行規則:旅行業法施行規則
施行令:旅行業法施行令
契約規則:旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則

以下の各設問について、該当する答を、選択肢の中からそれぞれ1つ選びなさい。
(1)次の記述のうち、法第1条「目的」に定められているものはどれか。

 ア.旅行業等を営む者の健全な発展の促進
 イ.旅行者の利益の確保
 ウ.旅行業務に関する需要の拡大
 エ.旅行業等を営む者の組織する団体の適正な活動の促進


正解:エ(配点:4)
解説:法1条は下記のとおり定めています。エは法1条に規定されていますが,アないしウは法1条に規定されていません。したがって,正解はエです。

(目的)
第一条 この法律は,旅行業等を営む者について登録制度を実施し,あわせて旅行業等を営む者の業務の適正な運営を確保するとともに,その組織する団体の適正な活動を促進することにより,旅行業務に関する取引の公正の維持,旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図ることを目的とする。


(2)報酬を得て、次の行為を事業として行う場合、旅行業の登録を要しないものはどれか。

 ア.旅行業を営む者のために、企画旅行に参加する旅行者に同行して旅程管理業務を行う主任の者を派遣する行為
 イ.宿泊事業者が自ら経営する宿泊施設の宿泊プランと他人が経営する宿泊施設の宿泊プランをセットにして販売する行為
 ウ.旅行に関する相談に応ずる行為
 エ.航空会社と代理店契約をしているコンビニエンスストアが、航空券の購入者のために他人の経営する宿泊施設を手配する行為


正解:ア(配点:4)
解説:アは,法2条1項8号の「旅行者の便宜となるサービスを提供する行為」に該当する余地はありますが,同号は付随的旅行業務を定めたものであり,基本的旅行業務が行われなければ同号に該当しません。本問では,派遣行為を行っている者自身が企画旅行を行っているわけではないように読めるので,同号に該当せず,旅行業の登録が不要です。
 イは,法2条1項5号に該当するため,旅行業の登録が必要です。
 ウは,法2条1項9号に該当するため,旅行業の登録が必要です。
 エは,法2条1項3号に該当します。また,同項柱書は,専ら運送サービスについて代理して契約を締結する行為については旅行業の登録は不要としていますが,本問では宿泊サービスについて代理して契約を締結する行為が行われているため,この例外規定に当たりません。したがって,エは,旅行業の登録が必要です。

(定義)
第二条 この法律で「旅行業」とは,報酬を得て,次に掲げる行為を行う事業(専ら運送サービスを提供する者のため,旅行者に対する運送サービスの提供について,代理して契約を締結する行為を行うものを除く。)をいう。
 一 旅行の目的地及び日程,旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊のサービス(以下「運送等サービス」という。)の内容並びに旅行者が支払うべき対価に関する事項を定めた旅行に関する計画を,旅行者の募集のためにあらかじめ,又は旅行者からの依頼により作成するとともに,当該計画に定める運送等サービスを旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等サービスの提供に係る契約を,自己の計算において,運送等サービスを提供する者との間で締結する行為
 二 前号に掲げる行為に付随して,運送及び宿泊のサービス以外の旅行に関するサービス(以下「運送等関連サービス」という。)を旅行者に確実に提供するために必要と見込まれる運送等関連サービスの提供に係る契約を,自己の計算において,運送等関連サービスを提供する者との間で締結する行為
 三 旅行者のため,運送等サービスの提供を受けることについて,代理して契約を締結し,媒介をし,又は取次ぎをする行為
 四 運送等サービスを提供する者のため,旅行者に対する運送等サービスの提供について,代理して契約を締結し,又は媒介をする行為
 五 他人の経営する運送機関又は宿泊施設を利用して,旅行者に対して運送等サービスを提供する行為
 六 前三号に掲げる行為に付随して,旅行者のため,運送等関連サービスの提供を受けることについて,代理して契約を締結し,媒介をし,又は取次ぎをする行為
 七 第三号から第五号までに掲げる行為に付随して,運送等関連サービスを提供する者のため,旅行者に対する運送等関連サービスの提供について,代理して契約を締結し,又は媒介をする行為
 八 第一号及び第三号から第五号までに掲げる行為に付随して,旅行者の案内,旅券の受給のための行政庁等に対する手続の代行その他旅行者の便宜となるサービスを提供する行
 九 旅行に関する相談に応ずる行為
2~7 略


(3)旅行業の登録に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 ア.第1種旅行業を営もうとする者が、その業務を本邦内の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)の実施のみとするときは、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に新規登録申請書を提出しなければならない。
 イ.第2種旅行業を営もうとする者のうち、第1種旅行業者が実施する本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)について、当該第1種旅行業者を代理して企画旅行契約を締結しようとする者は、観光庁長官に新規登録申請書を提出しなければならない。
 ウ.第3種旅行業を営もうとする者は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に新規登録申請書を提出しなければならない。
 エ.地域限定旅行業を営もうとする者は、観光庁長官に新規登録申請書を提出しなければならない。


正解:ウ(配点:4)
解説:アについて,新規登録申請書の提出先は,旅行業の種別によって決まります。第1種旅行業を営もうとする者は,業務を本邦内の企画旅行の実施のみとする場合であっても,その新規登録申請書の提出先は,観光庁長官となります(施行規則1条の2第1号)。したがって,アは,誤りです。
 イについて,第1種旅行業者実施の本邦外企画旅行について代理して契約を締結する場合でも,第2種旅行業を営もうとする者自身が本邦外企画旅行を実施するわけではないので,第2種旅行業の新規登録申請書の提出先である主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に提出すれば足ります(施行規則1条の2第2号)。したがって,イは,誤りです。
 ウは,施行規則1条の2第2号のとおりですから,正しいです。
 エについて,施行規則1条の2第2号は,地域限定旅行業を営む者も,新規登録申請書は主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に提出することを定めています。したがって,エは,誤りです。

(新規登録及び更新登録の申請手続)
第一条の二 法第三条の規定による旅行業又は旅行業者代理業の登録(以下この節において「新規登録」という。)又は法第六条の三第一項の規定による有効期間の更新の登録(以下「更新登録」という。)の申請をしようとする者は、次の区分により、当該各号に掲げる行政庁に、第一号様式による新規登録(更新登録)申請書を提出しなければならない。この場合において、更新登録の申請については、有効期間の満了の日の二月前までに提出するものとする。
 一 業務の範囲が次条に規定する第一種旅行業務である旅行業の新規登録又は更新登録の申請をしようとする者 観光庁長官
 二 業務の範囲が次条に規定する第二種旅行業務、第三種旅行業務又は地域限定旅行業務である旅行業の新規登録又は更新登録の申請をしようとする者 主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事
 三 旅行業者代理業の新規登録の申請をしようとする者 主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事


(4)登録業務範囲に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか(いずれも総合旅行業務取扱管理者を選任しているものとする。)。

 ア.第1種旅行業者は、すべての旅行業務を取り扱うことができる。
 イ.第2種旅行業者は、本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)を実施することはできない。
 ウ.第3種旅行業者は、本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものを除く。)を実施することができる。
 エ.地域限定旅行業者は、第1種旅行業者が実施する本邦外の企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)について、当該旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができるが、その行為に付随して、旅券の受給のための行政庁等に対する手続きの代行をすることはできない。


正解:エ(配点:4)
解説:アは,施行規則1条の3第1号のとおりですから,正しいです。
 イは,施行規則1条の3第2号のとおりですから,正しいです。
 ウについて,施行規則1条の3第3号は,第3種旅行業者は「募集型」の本邦外企画旅行については行えない旨規定していますが,「受注型」の本邦外企画旅行については特に規制していません。したがって,ウは,正しいです。
 エについて,施行規則1条の3第4号は,地域限定旅行業者は一の拠点区域内で実施される企画旅行以外の基本的旅行業務は行えない旨規定していますが,他の旅行業者を代理して契約を締結し,それに付随して旅券受給手続の代行を行うことについて特に規制していません。したがって,エは,誤りです。

(業務の範囲)
第一条の三 法第四条第一項第三号の国土交通省令で定める業務の範囲(以下「登録業務範囲」という。)の別は、次のとおりとする。
 一 第一種旅行業務(法第二条第一項各号に掲げる行為(法第十四条の二第一項の規定により他の旅行業者を代理して企画旅行契約を締結する行為を含む。以下この条において同じ。))
 二 第二種旅行業務(法第二条第一項各号に掲げる行為のうち本邦外の企画旅行参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。次号において同じ。)の実施に係るもの以外のもの
 三 第三種旅行業務(法第二条第一項各号に掲げる行為のうち企画旅行(一の企画旅行ごとに一の自らの営業所の存する市町村(特別区を含む。以下同じ。)の区域、これに隣接する市町村の区域及び観光庁長官の定める区域(次号及び第十条の五において「拠点区域」という。)内において実施されるものを除く。)の実施に係るもの以外のもの
 四 地域限定旅行業務(法第二条第一項各号に掲げる行為のうち企画旅行(一の企画旅行ごとに一の拠点区域内において実施されるものを除く。)の実施に係るもの及び同項第三号から第五号までに掲げる行為(一の行為ごとに一の拠点区域内における運送等サービスの提供に係るものを除く。)に係るもの以外のもの


(5)次の記述のうち、旅行業又は旅行業者代理業の登録の拒否事由に該当しないものはどれか。

ア.旅行業者代理業を営もうとする者であって、その基準資産額が100万円未満であるもの
イ.旅行業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を受けることがなくなった日から3年を経過していない者
ウ.旅行業の登録を取り消され、その取消しの日から5年を経過していない者
エ.心身の故障により旅行業若しくは旅行業者代理業を適正に遂行することができない者として国土交通省令で定めるもの


正解:ア(配点:4)
解説:アについて,法6条1項10号は,「旅行業を営もうとする者」に対しては財産的基礎の要件を課していますが,「旅行業者代理業を営もうとする者」に対しては同要件を課していません。したがって,アは,誤りです。
 イは,法6条1項2号のとおりですから,正しいです。
 ウは,法6条1項1号のとおりですから,正しいです。
 エは,法6条1項6号のとおりですから,正しいです。

(登録の拒否)
第六条 観光庁長官は、登録の申請者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を拒否しなければならない。
 一 第十九条の規定により旅行業若しくは旅行業者代理業の登録を取り消され、又は第三十七条の規定により旅行サービス手配業の登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過していない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前六十日以内に当該法人の役員であつた者で、当該取消しの日から五年を経過していないものを含む。)
 二 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過していない者
 三 暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者をいう。第八号において同じ。)
 四 申請前五年以内に旅行業務又は旅行サービス手配業務に関し不正な行為をした者
 五 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号又は第七号のいずれかに該当するもの
 六 心身の故障により旅行業若しくは旅行業者代理業を適正に遂行することができない者として国土交通省令で定めるもの又は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
 七 法人であつて、その役員のうちに第一号から第四号まで又は前号のいずれかに該当する者があるもの
 八 暴力団員等がその事業活動を支配する者
 九 営業所ごとに第十一条の二の規定による旅行業務取扱管理者を確実に選任すると認められない者
 十 旅行業を営もうとする者であつて、当該事業を遂行するために必要と認められる第四条第一項第三号の業務の範囲の別ごとに国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有しないもの
 十一 旅行業者代理業を営もうとする者であつて、その代理する旅行業を営む者が二以上であるもの
2 略


(6)変更登録等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 ア.第1種旅行業者がその登録業務範囲を第3種旅行業に変更しようとするときは、観光庁長官に変更登録申請書を提出しなければならない。
 イ.第3種旅行業者は、主たる営業所の名称について変更があったときは、変更があったその日から30日以内に、登録行政庁に登録事項の変更の届出をしなければならない。
 ウ.地域限定旅行業者は、主たる営業所以外の営業所について、その所在地の変更があったときは、登録行政庁への変更の届出を要しない。
 エ.旅行業者代理業者が所属旅行業者を変更するときは、その主たる営業所を管轄する都道府県知事に変更登録申請書を提出しなければならない。


正解:イ(配点:4)
解説:アについて,施行規則4条の2第1項2号は,第3種旅行業に変更するときは,主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に変更登録申請書を提出するものと規定しています。したがって,アは,誤りです。
 イは,法6条の4第3項,法4条1項2号のとおりですから,正しいです。
 ウについて,法6条の4第3項,法4条1項2号は,旅行業者の全てについて,主たる営業所以外の営業所であっても,その所在地の変更があったときは,登録行政庁への変更の届出を行わなければならない旨規定しています。したがって,ウは,誤りです。
 エについて,法6条の4第3項は,旅行業者代理業者が届出をすべき変更事項を,「氏名又は商号若しくは名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名」と「主たる営業所その他の営業所の名称及び所在地」に限っています。所属旅行業者の変更はこれらにあたりませんから,エは,誤りです。

○旅行業法
(登録の申請)
第四条 前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を観光庁長官に提出しなければならない。
 一 氏名又は商号若しくは名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
 二 主たる営業所及びその他の営業所の名称及び所在地
 三 旅行業を営もうとする者にあつては、企画旅行(第二条第一項第一号に掲げる行為を行うことにより実施する旅行をいう。以下同じ。)を参加する旅行者の募集をすることにより実施するものであるかどうかその他の旅行業務に関する取引の実情を勘案して国土交通省令で定める業務の範囲の別
 四 旅行業を営もうとする者にあつては、旅行業者代理業を営む者に旅行業務を取り扱わせるときは、その者の氏名又は名称及び住所並びに当該旅行業務を取り扱う営業所の名称及び所在地
 五 旅行業者代理業を営もうとする者にあつては、その代理する旅行業を営む者の氏名又は名称及び住所
2 略
(変更登録等)
第六条の四 旅行業の登録を受けた者(以下「旅行業者」という。)は、第四条第一項第三号の業務の範囲について変更をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、観光庁長官の行う変更登録を受けなければならない。
2 略
3 旅行業者又は旅行業者代理業者(旅行業者代理業の登録を受けた者をいう。以下同じ。)は、第四条第一項第一号、第二号又は第四号(旅行業者代理業者にあつては、同項第一号又は第二号に掲げる事項について変更があつたときは、その日から三十日以内に、国土交通省令で定める書類を添付して、その旨を観光庁長官に届け出なければならない
4 略
○旅行業法施行規則
(変更登録)
第四条の二 法第六条の四第一項の規定による変更登録(以下「変更登録」という。)の申請をしようとする旅行業者は、次の各号の区分に従い、当該各号に掲げる行政庁に、第一号様式による変更登録申請書を提出しなければならない。
 一 第一種旅行業への変更登録の申請をしようとする旅行業者 観光庁長官
 二 第二種旅行業、第三種旅行業又は地域限定旅行業への変更登録の申請をしようとする旅行業者 主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事
2~5 略


(7)営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 ア.旅行業者は、営業保証金を供託し、供託物受入れの記載のある供託書を受領したときは、直ちにその事業を開始することができる。
 イ.旅行業者は、毎事業年度終了後において、その供託している営業保証金の額が所定の額に不足することとなるときは、その不足額を毎事業年度終了後において、その終了の日の翌日から100日以内に追加して供託しなければならない。
 ウ.旅行業者は、毎事業年度終了後6箇月以内に、その事業年度における旅行業務に関する旅行者との取引の額を登録行政庁に報告しなければならない。
 エ.営業保証金の供託は、旅行業者の主たる営業所の最寄りの供託所に現金をもって供託しなければならない。


正解:イ(配点:4)
解説:アについて,法7条2項,3項は,供託物受入れの記載のある供託所の写しを添付して,供託した旨を観光庁長官に届け出た後でなければ事業を開始してはならない旨規定しています。したがって,供託書の受領だけでは,事業の開始はできないため,アは,誤りです。
 イは,法9条1項,2項のとおりですから,,正しいです。
 ウについて,法10条は,事業年度の取引額の報告を,毎事業年度終了後「100日以内」に行わなければならない旨規定しています。したがって,ウは,誤りです。
 エについて,法8条6項,施行規則8条は,営業保証金は,現金以外にも,国債証券,地方債証券,特別の法律により法人が発行する債券,担保附社債信託法による担保附社債券及び法令により優先弁済を受ける権利を保証されている社債券をもって充てることができる旨規定しています。したがって,エは,誤りです。

○旅行業法
(営業保証金の供託)
第七条 旅行業者は、営業保証金を供託しなければならない。
2 旅行業者は、営業保証金の供託をしたときは、供託物受入れの記載のある供託書の写しを添付して、その旨を観光庁長官に届け出なければならない。
3 旅行業者は、前項の届出をした後でなければ、その事業を開始してはならない
4 観光庁長官は、旅行業の登録をした場合において、登録の通知を受けた日から十四日以内に旅行業者が第二項の届出をしないときは、その定める七日以上の期間内にその届出をすべき旨の催告をしなければならない。
5 略
(営業保証金の額等)
第八条 略
2~5 略
6 営業保証金は、国土交通省令で定めるところにより、国債証券、地方債証券その他の国土交通省令で定める有価証券(社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二百七十八条第一項に規定する振替債を含む。)をもつて、これに充てることができる
7 営業保証金の供託は、旅行業者の主たる営業所の最寄りの供託所にしなければならない
(営業保証金の追加の供託等)
第九条 旅行業者は、毎事業年度終了後において、その供託している営業保証金の額が前条第一項に規定する額に不足することとなるときは、その不足額を追加して供託しなければならない
2 第七条第二項、第四項及び第五項の規定は、前項の規定により営業保証金を供託する場合について準用する。この場合において、同条第四項中「旅行業の登録をした場合において、登録の通知を受けた日から十四日以内」とあるのは、「毎事業年度終了後において、その終了の日の翌日から百日以内」と読み替えるものとする。
3~9 略
(取引額の報告)
第十条 旅行業者は、毎事業年度終了後百日以内に、国土交通省令で定めるところにより、その事業年度における旅行業務に関する旅行者との取引の額を観光庁長官に報告しなければならない。
○旅行業法施行規則
(営業保証金又は弁済業務保証金に充てることができる有価証券)
第八条 法第八条第六項(法第四十七条第三項及び第四十八条第四項において準用する場合を含む。)の国土交通省令で定める有価証券は、次に掲げるものとする。
 一 国債証券
 二 地方債証券
 三 特別の法律により法人が発行する債券
 四 前三号に掲げるもののほか、担保附社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)による担保附社債券及び法令により優先弁済を受ける権利を保証されている社債券(自己の社債券及び会社法(平成十七年法律第八十六号)による特別清算開始の命令を受け、特別清算終結の決定の確定がない会社、破産法(平成十六年法律第七十五号)による破産手続開始の決定を受け、破産手続終結の決定若しくは破産手続廃止の決定の確定がない会社、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)による再生手続開始の決定を受け、再生手続終結の決定若しくは再生手続廃止の決定の確定がない会社又は会社更生法(昭和二十七年法律第百七十二号)による更生手続開始の決定を受け、更生手続終結の決定若しくは更生手続廃止の決定の確定がない会社が発行した社債券を除く。)


(8)旅行業務取扱管理者の選任に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 ア.複数の営業所を通じて1人の旅行業務取扱管理者を選任することができるのは、地域限定旅行業者及び当該地域限定旅行業者を所属旅行業者とする旅行業者代理業者であって、国土交通省令で定める条件を満たす場合に限られる。
 イ.旅行業者等は、旅行業務に従事した経験が5年未満である者を、旅行業務取扱管理者として選任することはできない。
 ウ.旅行業者等は、旅行業務取扱管理者について、5年ごとに旅行業務に関する法令、旅程管理その他の旅行業務取扱管理者の職務に関し必要な知識及び能力の向上を図るため、登録研修機関が実施する研修を受けさせなければならない。
 エ.旅行業者等は、本邦内の旅行のみについて旅行業務を取り扱う営業所にあっては、国内旅行業務取扱管理者試験に合格した者のみを、当該営業所の旅行業務取扱管理者として選任しなければならない。


正解:ア(配点:4)
解説:アは,法11条の2第5項,施行規則10条の3第1号のとおりですから,正しいです。
 イについて,そのような制限規定はありません。したがって,イは,誤りです。
 ウについて,法11条の2第7項は,旅行業務取扱管理者の研修を行う機関を「旅行業協会」としています。したがって,ウは,誤りです。
 エについて,法11条の2第6項2号は,本邦内の旅行のみについて旅行業務を取り扱う営業所にあっては,総合旅行業務取扱管理者又は国内旅行業務取扱管理者に合格した者を選任することとしています。したがって,エは,これを国内旅行業務取扱管理者に限定している点で誤りです。

○旅行業法
(旅行業務取扱管理者の選任)
第十一条の二 略
2~4 略
5 第一項の規定により旅行業務取扱管理者を選任しなければならない営業所が複数ある場合において、当該複数の営業所が近接しているときとして国土交通省令で定めるときは、旅行業務取扱管理者は、前項の規定にかかわらず、その複数の営業所を通じて一人で足りる。ただし、当該旅行業務取扱管理者の事務負担が過重なものとなる場合その他の当該複数の営業所における旅行業務の適切な運営が確保されないおそれがある場合として国土交通省令で定める場合は、この限りでない。
6 旅行業務取扱管理者は、第六条第一項第一号から第六号までのいずれにも該当しない者で、次に掲げるものでなければならない。
 一 本邦内の旅行のうち営業所の所在する市町村の区域その他の国土交通省令で定める地域内のもののみについて旅行業務を取り扱う営業所にあつては、次条の規定による総合旅行業務取扱管理者試験、国内旅行業務取扱管理者試験又は地域限定旅行業務取扱管理者試験(当該営業所の所在する地域に係るものに限る。)に合格した者
 二 本邦内の旅行のみについて旅行業務を取り扱う営業所(前号の営業所を除く。)にあつては、次条の規定による総合旅行業務取扱管理者試験又は国内旅行業務取扱管理者試験に合格した者
 三 前二号の営業所以外の営業所にあつては、次条の規定による総合旅行業務取扱管理者試験に合格した者
7 旅行業者等は、旅行業務取扱管理者について、三年以上五年以内において国土交通省令で定める期間ごとに、旅行業務に関する法令、旅程管理その他の旅行業務取扱管理者の職務に関し必要な知識及び能力の向上を図るため、第四十一条第二項に規定する旅行業協会が実施する研修を受けさせなければならない
8~10 略
○旅行業法施行規則
(法第十一条の二第五項の国土交通省令で定めるとき)
第十条の二 法第十一条の二第五項の国土交通省令で定めるときは、営業所間の距離の合計が四十キロメートル以下のときとする。
(法第十一条の二第五項の国土交通省令で定める場合)
第十条の三 法第十一条の二第五項の国土交通省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
 一 法第十一条の二第五項の規定に基づき複数の営業所を通じて一人の旅行業務取扱管理者を選任しようとする旅行業者等(旅行業者代理業者にあつては、その代理する旅行業者)の登録業務範囲が地域限定旅行業務以外のものである場合
 二 当該複数の営業所の前事業年度における旅行業務に関する旅行者との取引の額の合計額が一億円を超える場合
(法第十一条の二第七項の国土交通省令で定める期間)
第十条の六 法第十一条の二第七項の国土交通省令で定める期間は、五年とする


(9)次の記述のうち、旅行業務取扱管理者の職務として定められていないものはどれか。

 ア.法第12条の10の規定による企画旅行の円滑な実施のための措置に関する事項
 イ.法第10条の規定による旅行業務に関する旅行者との取引額の報告に関する事項
 ウ.法第12条の7及び法第12条の8の規定による広告に関する事項
 エ.旅行に関する苦情の処理に関する事項


正解:イ(配点:4)
解説:旅行業務取扱管理者の職務については,施行規則10条に掲げられています。
 アは同条7号に,ウは同条6号に,エは同条8号にそれぞれ該当しますので,正しいです。
 一方で,イは,同条のいずれにも該当しませんので,誤りです。

(旅行業務取扱管理者の職務)
第十条 法第十一条の二第一項の国土交通省令で定める事項は、次のとおりとする。
 一 旅行に関する計画の作成に関する事項
 二 法第十二条の規定による料金の掲示に関する事項
 三 法第十二条の二第三項の規定による旅行業約款の掲示及び備置きに関する事項
 四 法第十二条の四の規定による取引条件の説明に関する事項
 五 法第十二条の五の規定による書面の交付に関する事項
 六 法第十二条の七及び法第十二条の八の規定による広告に関する事項
 七 法第十二条の十の規定による企画旅行の円滑な実施のための措置に関する事項
 八 旅行に関する苦情の処理に関する事項
 九 契約締結の年月日、契約の相手方その他の旅行者又は旅行に関するサービスを提供する者と締結した契約の内容に係る重要な事項についての明確な記録又は関係書類の保管に関する事項
 十 前各号に掲げるもののほか、取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便を確保するため必要な事項として観光庁長官が定める事項


(10)旅行者から収受する旅行業務の取扱いの料金(企画旅行に係るものを除く。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 ア.旅行業者代理業者は、所属旅行業者が定めた料金の範囲内で自ら旅行業務の取扱いの料金を定めることができる。
 イ.旅行業者は、事業の開始前に、旅行者から収受する旅行業務の取扱いの料金を定め、これをその営業所において、旅行者が閲覧することができるように備え置かなければならない。
 ウ.旅行業者は、旅行業務の取扱いの料金を変更したときは、その旨を遅滞なく登録行政庁に届け出なければならない。
 エ.旅行業務の取扱いの料金は、契約の種類及び内容に応じて定率、定額その他の方法により定められ、旅行者にとって明確であることがその制定の基準である。


正解:エ(配点:4)
解説:アについて,法12条3項は,旅行業者代理業者は,所属旅行業者が定めた料金を掲示するものとしていますので,旅行業者代理業者に取扱料金を自ら定めることができる余地はありません。したがって,アは,誤りです。
 イについて,法12条1項は,取扱料金は旅行者に見やすいように掲示しなければならないものとしていますので,閲覧できるように備え置くだけでは足りません。したがって,イは,誤りです。
 ウについて,法12条2項,施行規則21条は,取扱料金は旅行者にとって明確であることを要件としていますが,これを登録行政庁に届け出ることまでは要求していません。したがって,ウは,誤りです。
 エは,法12条2項,施行規則21条のとおりですから,正しいです。

○旅行業法
(料金の掲示)
第十二条 旅行業者は、事業の開始前に、旅行者から収受する旅行業務の取扱いの料金(企画旅行に係るものを除く。)を定め、これをその営業所において旅行者に見やすいように掲示しなければならない。これを変更するときも、同様とする。
2 前項の料金は、国土交通省令で定める基準に従つて定められたものでなければならない。
3 旅行業者代理業者は、その営業所において、所属旅行業者が第一項の規定により定めた料金を旅行者に見やすいように掲示しなければならない
○旅行業法施行規則
(掲示料金の制定基準)
第二十一条 法第十二条第二項の国土交通省令で定める基準は、旅行業務の取扱いの料金が契約の種類及び内容に応じて定率、定額その他の方法により定められ、旅行者にとつて明確であることとする


(11)旅行業約款に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 ア.旅行業者代理業者は、所属旅行業者の旅行業約款をその営業所において、旅行者に見やすいように掲示し、又は旅行者が閲覧することができるように備え置かなければならない。
 イ.保証社員である旅行業者は、その旅行業約款に記載した弁済業務保証金からの弁済限度額を変更しようとする場合、登録行政庁の認可を受けなければならない。
 ウ.観光庁長官及び消費者庁長官が標準旅行業約款を定めて公示した場合において、旅行業者が、標準旅行業約款と同一の旅行業約款を定めたときは、その旅行業約款については、登録行政庁の認可を受けたものとみなされる。
 エ.旅行業者は、現に認可を受けている旅行業約款について、契約の変更及び解除に関する事項を変更しようとするときは、登録行政庁の認可を受けなければならない。


正解:イ(配点:4)
解説:アは,法12条の2第3項かっこ書きのとおりですから,正しいです。
 イについて,法12条の2第1項は,軽微な変更については登録行政庁の認可は不要としているところ,契約規則2条1号ロは,弁済業務保証金からの弁済限度額の変更は軽微な変更にあたるとしています。したがって,イは,登録行政庁の認可を受ける必要がないため,誤りです。
 ウは,法12条の3のとおりですから,正しいです。
 エについて,契約の変更及び解除に関する事項の変更は軽微な変更にはあたらないため(契約規則2条参照),登録行政庁の認可が必要です(法12条の2第1項)。したがって,エは,正しいです。

○旅行業法
(旅行業約款)
第十二条の二 旅行業者は、旅行者と締結する旅行業務の取扱いに関する契約に関し、旅行業約款を定め、観光庁長官の認可を受けなければならない。国土交通省令・内閣府令で定める軽微な変更をしようとする場合を除きこれを変更しようとするときも、同様とする
2 観光庁長官は、前項の認可をしようとするときは、次の基準によつてしなければならない。
 一 旅行者の正当な利益を害するおそれがないものであること。
 二 少なくとも旅行業務の取扱いの料金その他の旅行者との取引に係る金銭の収受及び払戻しに関する事項並びに旅行業者の責任に関する事項が明確に(企画旅行を実施する旅行業者にあつては、企画旅行契約と手配旅行契約その他の企画旅行契約以外の契約との別に応じ、明確に)定められているものであること。
3 旅行業者等は、旅行業約款(旅行業者代理業者にあつては所属旅行業者の旅行業約款、第十四条の二第一項又は第二項の規定により他の旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる者にあつては当該他の旅行業者の旅行業約款)をその営業所において、旅行者に見やすいように掲示し、又は旅行者が閲覧することができるように備え置かなければならない
(標準旅行業約款)
第十二条の三 観光庁長官及び消費者庁長官が標準旅行業約款を定めて公示した場合(これを変更して公示した場合を含む。)において、旅行業者が、標準旅行業約款と同一の旅行業約款を定め、又は現に定めている旅行業約款を標準旅行業約款と同一のものに変更したときは、その旅行業約款については、前条第一項の規定による認可を受けたものとみなす
○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(軽微な変更)
第二条 法第十二条の二第一項の国土交通省令・内閣府令で定める軽微な変更は、次のとおりとする。
 一 保証社員である旅行業者の旅行業約款にあっては、次に掲げる事項の変更
  イ その所属する旅行業協会の名称又は所在地
  ロ その者に係る弁済業務保証金からの弁済限度額
 二 保証社員でない旅行業者の旅行業約款にあっては、営業保証金を供託している供託所の名称又は所在地の変更
 三 保証社員でない旅行業者が保証社員となった場合における旅行業法施行規則(昭和四十六年運輸省令第六十一号)第二十三条第七号に掲げる事項を同条第六号に掲げる事項に改める変更
 四 保証社員である旅行業者が保証社員でなくなった場合における旅行業法施行規則第二十三条第六号に掲げる事項を同条第七号に掲げる事項に改める変更


(12) 旅行業者等が旅行業務に関し旅行者と契約を締結しようとするときに、取引条件の説明にあたって旅行者に交付する書面に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 ア.旅行業者等は、旅行者と企画旅行契約を締結しようとするときは、旅程管理業務を行う者が同行しない場合にあっては、旅行地における企画者との連絡方法を書面に記載しなければならない。
 イ.旅行業者等は、書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、旅行者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を国土交通省令・内閣府令で定める情報通信の技術を利用する方法により提供することができる。
 ウ.旅行業者は、旅行者と旅行の相談に応ずる行為に係る旅行業務について契約を締結しようとするときは、旅行者が旅行業者に支払うべき対価によって提供を受けることができる旅行に関するサービスの内容を書面に記載しなければならない。
 エ.旅行業者等は、旅行者と旅行業務について契約(旅行の相談に応ずる行為に係る旅行業務についての契約を除く。)を締結しようとするときは、書面に当該契約に係る旅行業務取扱管理者の氏名及び旅行者の依頼があれば当該旅行業務取扱管理者が最終的には説明を行う旨を記載しなければならない。


正解:ア(配点:4)
解説:アについて,法12条の4第2項,契約規則3条1号は,企画旅行契約を締結しようとするときに,旅程管理業務を行う者が同行しない場合にあっては旅行地における企画者との連絡方法を書面に記載すべきことを要求していません。したがって,アは,誤りです。
 イは,法12条の4第3項のとおりですから,正しいです。
 ウは,法12条の4第2項,契約規則5条3号,1号ホのとおりですから,正しいです。
 エは,法12条の4第2項,契約規則5条1号ニ,2号ハのとおりですから,正しいです。

○旅行業法
(取引条件の説明)
第十二条の四 旅行業者等は、旅行者と企画旅行契約、手配旅行契約その他旅行業務に関し契約を締結しようとするときは、旅行者が依頼しようとする旅行業務の内容を確認した上、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、その取引の条件について旅行者に説明しなければならない。
2 旅行業者等は、前項の規定による説明をするときは、国土交通省令・内閣府令で定める場合を除き、旅行者に対し、旅行者が提供を受けることができる旅行に関するサービスの内容、旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項、旅行業務取扱管理者の氏名、通訳案内士法(昭和二十四年法律第二百十号)第二条第一項に規定する全国通訳案内士(以下単に「全国通訳案内士」という。)又は同条第二項に規定する地域通訳案内士(以下単に「地域通訳案内士」という。)の同行の有無その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない。
3 旅行業者等は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、旅行者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該旅行業者等は、当該書面を交付したものとみなす。
○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(取引条件の説明)
第三条 法第十二条の四第一項に規定する取引条件の説明は、次に掲げる事項について行わなければならない。
 一 企画旅行契約を締結しようとする場合にあっては、次に掲げる事項
  イ 企画旅行を実施する旅行業者(以下「企画者」という。)の氏名又は名称
  ロ 企画者以外の者が企画者を代理して契約を締結する場合にあっては、その旨
  ハ 旅行の目的地及び出発日その他の日程
  ニ 旅行者が旅行業者等に支払うべき対価及びその収受の方法
  ホ 旅行者がニに掲げる対価によって提供を受けることができる旅行に関するサービスの内容
  ヘ ホに掲げる旅行に関するサービスに企画旅行の実施のために提供される届出住宅(住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号)第二条第五項に規定する届出住宅をいう。以下この条において同じ。)における宿泊のサービスが含まれる場合にあっては、宿泊サービス提供契約(同法第十二条に規定する宿泊サービス提供契約をいう。次号において同じ。)を締結する住宅宿泊事業者(同法第二条第四項に規定する住宅宿泊事業者をいう。次号において同じ。)の商号、名称又は氏名及び届出番号並びに旅行者が宿泊する届出住宅
  ト ニに掲げる対価に含まれていない旅行に関する経費であって旅行者が通常必要とするもの
  チ 企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)の参加者数があらかじめ企画者が定める人員数を下回った場合に当該企画旅行を実施しないこととするときは、その旨及び当該人員数
  リ 契約の申込方法及び契約の成立に関する事項
  ヌ 契約の変更及び解除に関する事項
  ル 責任及び免責に関する事項
  ヲ 旅行中の損害の補償に関する事項
  ワ 旅行に参加する資格を定める場合にあっては、その旨及び当該資格
  カ ホに掲げる旅行に関するサービスに専ら企画旅行の実施のために提供される運送サービスが含まれる場合にあっては、当該運送サービスの内容を勘案して、旅行者が取得することが望ましい輸送の安全に関する情報
  ヨ 旅行の目的地を勘案して、旅行者が取得することが望ましい安全及び衛生に関する情報がある場合にあっては、その旨及び当該情報
  タ 全国通訳案内士又は地域通訳案内士の同行の有無
 二 企画旅行契約以外の旅行業務に関する契約(次号に規定する契約を除く。)を締結しようとする場合にあっては、次に掲げる事項
  イ 契約を締結する旅行業者の氏名又は名称
  ロ 旅行業者代理業者が所属旅行業者を代理して契約を締結する場合にあっては、その旨
  ハ 旅行業務の取扱いの料金に関する事項
  ニ 旅行業務として住宅宿泊事業法第二条第八項第一号に掲げる行為を取り扱う場合にあっては、宿泊サービス提供契約を締結する住宅宿泊事業者の商号、名称又は氏名及び届出番号並びに旅行者が宿泊する届出住宅
  ホ 前号ハからホまで、ト、リからワまで及びヨに掲げる事項
 三 法第二条第一項第九号に掲げる行為に係る旅行業務について契約を締結しようとする場合にあっては、第一号ニ及びホに掲げる事項
(書面の記載事項)
第五条 法第十二条の四第二項の国土交通省令・内閣府令で定める事項は、次のとおりとする。
 一 企画旅行契約を締結しようとする場合にあっては、次に掲げる事項
  イ 企画者の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
  ロ 企画者以外の者が企画者を代理して契約を締結する場合にあっては、その旨並びに当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
  ハ 当該契約に係る旅行業務を取り扱う営業所の名称及び所在地(外務員が書面を交付する場合にあっては、当該外務員の氏名並びにその所属する営業所の名称及び所在地)
  ニ 当該契約に係る旅行業務取扱管理者の氏名及び旅行者の依頼があれば当該旅行業務取扱管理者が最終的には説明を行う旨
  ホ 第三条第一号ハからタまでに掲げる事項
 二 企画旅行契約以外の旅行業務に関する契約(次号に規定する契約を除く。)を締結しようとする場合にあっては、次に掲げる事項
  イ 契約を締結する旅行業者の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
  ロ 旅行業者代理業者が所属旅行業者を代理して契約を締結する場合にあっては、その旨並びに当該旅行業者代理業者の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
  ハ 第三条第一号ハからホまで、ト、リからワまで及びヨ、同条第二号ハ及びニ並びに前号ハ及びニに掲げる事項
 三 法第二条第一項第九号に掲げる行為に係る旅行業務について契約を締結しようとする場合にあっては、第三条第一号ニ及びホに掲げる事項


(13)次の記述のうち、旅行業者等が旅行者と企画旅行契約を締結したときに交付する書面の記載事項として、定められていないものはどれか。

 ア.旅行の目的地を勘案して、旅行者が取得することが望ましい安全及び衛生に関する情報がある場合にあっては、その旨及び当該情報
 イ.契約締結の年月日
 ウ.書面の交付の年月日
 エ.全国通訳案内士又は地域通訳案内士の同行の有無


正解:ウ(配点:4)
解説:アは,契約規則9条1号ロ,3条1号ヨのとおりですから,正しいです。
 イは,契約規則9条1号ハのとおりですから,正しいです。
 ウは,契約規則9条1号のいずれにも該当しないため,誤りです。
 エは,契約規則9条1号ロ,3条1号タのとおりですから,正しいです。

○旅行業法
(書面の交付)
第十二条の五 旅行業者等は、旅行者と企画旅行契約、手配旅行契約その他旅行業務に関し契約を締結したときは、国土交通省令・内閣府令で定める場合を除き、遅滞なく、旅行者に対し、当該提供すべき旅行に関するサービスの内容、旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項、旅行業務取扱管理者の氏名、全国通訳案内士若しくは地域通訳案内士の同行の有無その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面又は当該旅行に関するサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付しなければならない。
2~4 略
○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(取引条件の説明)
第三条 法第十二条の四第一項に規定する取引条件の説明は、次に掲げる事項について行わなければならない。
 一 企画旅行契約を締結しようとする場合にあっては、次に掲げる事項
  イ 企画旅行を実施する旅行業者(以下「企画者」という。)の氏名又は名称
  ロ 企画者以外の者が企画者を代理して契約を締結する場合にあっては、その旨
  ハ 旅行の目的地及び出発日その他の日程
  ニ 旅行者が旅行業者等に支払うべき対価及びその収受の方法
  ホ 旅行者がニに掲げる対価によって提供を受けることができる旅行に関するサービスの内容
  ヘ ホに掲げる旅行に関するサービスに企画旅行の実施のために提供される届出住宅(住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号)第二条第五項に規定する届出住宅をいう。以下この条において同じ。)における宿泊のサービスが含まれる場合にあっては、宿泊サービス提供契約(同法第十二条に規定する宿泊サービス提供契約をいう。次号において同じ。)を締結する住宅宿泊事業者(同法第二条第四項に規定する住宅宿泊事業者をいう。次号において同じ。)の商号、名称又は氏名及び届出番号並びに旅行者が宿泊する届出住宅
  ト ニに掲げる対価に含まれていない旅行に関する経費であって旅行者が通常必要とするもの
  チ 企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)の参加者数があらかじめ企画者が定める人員数を下回った場合に当該企画旅行を実施しないこととするときは、その旨及び当該人員数
  リ 契約の申込方法及び契約の成立に関する事項
  ヌ 契約の変更及び解除に関する事項
  ル 責任及び免責に関する事項
  ヲ 旅行中の損害の補償に関する事項
  ワ 旅行に参加する資格を定める場合にあっては、その旨及び当該資格
  カ ホに掲げる旅行に関するサービスに専ら企画旅行の実施のために提供される運送サービスが含まれる場合にあっては、当該運送サービスの内容を勘案して、旅行者が取得することが望ましい輸送の安全に関する情報
  ヨ 旅行の目的地を勘案して、旅行者が取得することが望ましい安全及び衛生に関する情報がある場合にあっては、その旨及び当該情報
  タ 全国通訳案内士又は地域通訳案内士の同行の有無
 二,三 略
(書面の記載事項)
第九条 法第十二条の五第一項の国土交通省令・内閣府令で定める事項は、次のとおりとする。
 一 企画旅行契約を締結した場合にあっては、次に掲げる事項
  イ 企画者以外の者が企画者を代理して契約を締結した場合にあっては、その旨並びに当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
  ロ 第三条第一号ハからチまで及びヌからタまで並びに第五条第一号イ、ハ及びニに掲げる事項
  ハ 契約締結の年月日
  ニ 旅程管理業務を行う者が同行しない場合にあっては、旅行地における企画者との連絡方法
 二 略


(14)旅行業務取扱管理者の証明書の提示、外務員の証明書携帯等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 ア.旅行業務取扱管理者は、旅行者からの請求がなければ、旅行業務取扱管理者の証明書を提示することを要しない。
 イ.外務員は、旅行者が悪意であったときを除き、その所属する旅行業者等に代わって、旅行者との旅行業務に関する取引についての一切の裁判外の行為を行う権限を有するものとみなされる。
 ウ.外務員とは、勧誘員、販売員、外交員その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、旅行業者等のために営業所以外の場所で旅行業務について取引を行う使用人のことで、役員は除かれる。
 エ.旅行業者等は、外務員に、国土交通省令で定める様式による外務員の証明書を携帯させなければ、その者を外務員としての業務に従事させてはならない。


正解:ウ(配点:4)
解説:アについて,法12条の5の2は,旅行業務取扱管理者は,旅行者から請求があったときは,証明書を提示しなければならないとしているため,旅行者からの請求がなければこれを提示する必要はありません。したがって,アは,正しいです。
 イは,法12条の6第3項のとおりですから,正しいです。
 ウについて,法12条の6第1項は,役員であっても外務員となるべき者を定めています。したがって,ウは,誤りです。
 エは,法12条の6第1項のとおりですから,正しいです。

(旅行業務取扱管理者の証明書の提示)
第十二条の五の二 旅行業務取扱管理者は、旅行者から請求があつたときは、国土交通省令で定める様式による証明書を提示しなければならない
(外務員の証明書携帯等)
第十二条の六 旅行業者等は、勧誘員、販売員、外交員その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、その役員又は使用人のうち、その営業所以外の場所でその旅行業者等のために旅行業務について取引を行う者(以下「外務員」という。)に、国土交通省令で定める様式による証明書を携帯させなければ、その者を外務員としての業務に従事させてはならない
2 外務員は、その業務を行なうときは、前項の証明書を提示しなければならない。
3 外務員は、その所属する旅行業者等に代わつて、旅行者との旅行業務に関する取引についての一切の裁判外の行為を行う権限を有するものとみなす。ただし、旅行者が悪意であつたときは、この限りでない


(15)企画旅行に参加する旅行者を募集するための広告の表示事項として、定められているものはどれか。

ア.旅程管理業務を行う者の同行の有無
イ.全国通訳案内士又は地域通訳案内士の同行の有無
ウ.契約の申込方法及び契約の成立に関する事項
エ.企画旅行を実施する営業所の旅行業務取扱管理者の氏名


正解:ア(配点:4)
解説:アは契約規則13条5号のとおりですから,正しいです。
イないしエは,契約規則13条のいずれにも該当しないため,誤りです。

○旅行業法
(企画旅行の広告)
第十二条の七 旅行業者等は、企画旅行に参加する旅行者を募集するため広告をするときは、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、当該企画旅行を実施する旅行業者の氏名又は名称、旅行の目的地及び日程、旅行者が提供を受けることができる運送等サービスの内容、旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項、第十二条の十の国土交通省令で定める措置を講ずるために必要な業務を行う者の同行の有無その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項を表示してしなければならない。
○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(広告の表示事項)
第十三条 法第十二条の七の国土交通省令・内閣府令で定める事項は、次のとおりとする。
 一 企画者の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
 二 旅行の目的地及び日程に関する事項
 三 旅行者が提供を受けることができる運送、宿泊又は食事のサービスの内容に関する事項
 四 旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項
 五 旅程管理業務を行う者の同行の有無
 六 企画旅行の参加者数があらかじめ企画者が定める人員数を下回った場合に当該企画旅行を実施しないこととするときは、その旨及び当該人員数
 七 第三号に掲げるサービスに専ら企画旅行の実施のために提供される運送サービスが含まれる場合にあっては、当該運送サービスの内容を勘案して、旅行者が取得することが望ましい輸送の安全に関する情報
 八 法第十二条の四に規定する取引条件の説明を行う旨(第三条第一号に規定する事項を表示して広告する場合を除く。)


(16)標識に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 ア.旅行業者等の標識には、営業所において選任された旅行業務取扱管理者及び旅程管理業務を行う者のうち主任の者の氏名を記載しなければならない。
 イ.旅行業者代理業者の標識には、登録年月日及び有効期間を記載しなければならない。
 ウ.法人である旅行業者等の標識には、営業所の名称及び代表者の氏名を記載しなければならない。
 エ.旅行業者代理業者は、その営業所において、所属旅行業者と異なる様式であって、国土交通省令で定める様式の標識を、公衆に見やすいように掲示しなければならない。


正解:エ(配点:4)
解説:アについて,施行規則31条の定める様式によれば,旅行業務取扱管理者の氏名は記載する必要がありますが,旅程管理業務を行う者のうち主任の者の氏名を記載する必要はありません。したがって,アは,誤りです。
 イについて,施行規則31条4号の定める様式によれば,登録年月日の記載は必要ですが,有効期間の記載は不要です。したがって,イは,誤りです。
 ウについて,施行規則31条の定める様式によれば,営業所の名称の記載は必要ですが,代表者の氏名の記載は不要です。したがって,ウは,誤りです。
 エは,法12条の9第1項,施行規則31条4号のとおりですから,正しいです。

○旅行業法
(標識の掲示)
第十二条の九 旅行業者等は、営業所において、旅行業と旅行業者代理業との別及び第十一条の二第六項各号に規定する営業所の別に応じ国土交通省令で定める様式の標識を、公衆に見やすいように掲示しなければならない
2 旅行業者等以外の者は、前項の標識又はこれに類似する標識を掲示してはならない。
○旅行業法施行規則
(標識の様式)
第三十一条 法第十二条の九の国土交通省令で定める様式は、次の各号に掲げる営業所の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。
 一 旅行業者の営業所(次号に掲げるものを除く。) 第十二号様式
 二 旅行業者の営業所であつて第十一条の二第六項第一号又は第二号に該当するもの 第十三号様式
 三 旅行業者代理業者の営業所(次号に掲げるものを除く。) 第十四号様式
 四 旅行業者代理業者の営業所であつて法第十一条の二第六項第一号又は第二号に該当するもの 第十五号様式

施行規則第12号様式(本邦内旅行業者)
施行規則第13号様式(本邦外旅行業者)
施行規則第14号様式(本邦内旅行業者代理業者)
施行規則第15号様式(本邦外旅行業者代理業者)

(17)企画旅行の円滑な実施のための措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 ア.旅行業者は、旅行に関する計画に定めるサービスの旅行者への確実な提供を確保するために旅行の開始前に必要な予約その他の措置を講じなければならない。
 イ.旅行業者は、本邦内の旅行において、契約の締結前に旅行者に旅程管理のための措置を講じない旨を説明し、かつ、当該旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合は、旅行地において旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受けるために必要な手続きの実施その他の措置を講じることを要しない。
 ウ.旅行業者は、本邦外の旅行にあっては、旅行に関する計画に定めるサービスの内容の変更を必要とする事由が生じた場合は、その原因が旅行業者の関与し得ないものである場合を除き、代替サービスの手配及び当該サービスの提供を受けるために必要な手続きの実施その他の措置を講じなければならない。
 エ.旅行業者は、旅行に関する計画における2人以上の旅行者が同一の日程により行動することを要する区間における円滑な旅行の実施を確保するための必要な集合時刻、集合場所その他の事項に関する指示を行わなければならない。


正解:ウ(配点:4)
解説:アは,法12条の10,施行規則32条1号のとおりですから,正しいです。
 イは,法12条の10,施行規則32条2号かっこ書きのとおりですから,正しいです。
 ウについて,法12条の10,施行規則32条3号は,本邦外旅行においてサービス内容の変更が生じたときは,必要な手続をしなければならない旨定めていますが,その原因が旅行業者の関与し得ないものである場合か否かで差異を設けていません。したがって,ウは,誤りです。
 エは,法12条の10,施行規則32条の4のとおりですから,正しいです。

○旅行業法
(企画旅行の円滑な実施のための措置)
第十二条の十 旅行業者は、企画旅行を実施する場合においては、旅行者に対する運送等サービスの確実な提供、旅行に関する計画の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配その他の当該企画旅行の円滑な実施を確保するため国土交通省令で定める措置を講じなければならない。
○旅行業法施行規則
(旅程管理のための措置)
第三十二条 法第十二条の十の国土交通省令で定める措置は、次のとおりとする。
 一 旅行に関する計画に定めるサービスの旅行者への確実な提供を確保するために旅行の開始前に必要な予約その他の措置
 二 旅行地において旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置(本邦内の旅行であつて、契約の締結の前に旅行者にこれらの措置を講じない旨を説明し、かつ、当該旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合を除く。)
 三 旅行に関する計画に定めるサービスの内容の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配及び当該サービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置(本邦内の旅行であつて、契約の締結の前に旅行者にこれらの措置を講じない旨を説明し、かつ、当該旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合を除く。)
 四 旅行に関する計画における二人以上の旅行者が同一の日程により行動することを要する区間における円滑な旅行の実施を確保するために必要な集合時刻、集合場所その他の事項に関する指示


(18)旅程管理業務を行う者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 ア.旅程管理業務に関する実務の経験は、観光庁長官の登録を受けた者が実施する旅程管理業務に関する研修の課程を修了した日から1年以内に1回以上又は3年以内に2回以上の旅程管理業務に従事した経験に限られる。
 イ.旅行業者によって選任された旅程管理業務を行う主任の者の指導による旅程管理業務に相当する実務の研修を受けた経験は、当該研修を受けた地域を目的地とする旅行に係る旅程管理業務に従事した経験とみなされる。
 ウ.企画旅行に参加する旅行者に同行して、旅程管理業務を行う者として旅行業者によって選任される者が複数の場合は、そのすべての者が法第12条の11第1項に規定する旅程管理業務を行う主任の者でなければならない。
 エ.旅行業者は、いかなる場合も未成年者を、旅程管理業務を行う主任の者として選任することができない。


正解:イ(配点:4)
解説:アについて,施行規則33条1項は,実務経験の要件を,研修課程修了日の「前後」1年以内に1回以上,又は研修課程修了日「から」3年以内に2回以上としています。したがって,アは,誤りです。
 イは,施行規則33条2項のとおりですから,正しいです。
 ウについて,法12条の11第1項は,旅行管理業務を行う者として旅行業者によって選任されるもののうち主任の者と規定しているので,主任の者でないものがいることを前提としています。したがって,ウは,誤りです。
 エについて,法12条の11第1項は,法6条1項5号の要件を満たすことを要求しているところ,営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者,またはこれを有しない未成年者であっても法定代理人が法6条1項1号から4号及び7号に該当しない者であれば,法6条1項5号に抵触しません。したがって,エは,誤りです。

○旅行業法
(旅程管理業務を行う者)
第十二条の十一 企画旅行に参加する旅行者に同行して、前条の国土交通省令で定める措置を講ずるために必要な業務(以下「旅程管理業務」という。)を行う者として旅行業者によつて選任される者のうち主任の者は、第六条第一項第一号から第六号までのいずれにも該当しない者であつて、次条から第十二条の十四までの規定により観光庁長官の登録を受けた者(以下この節において「登録研修機関」という。)が実施する旅程管理業務に関する研修(以下「旅程管理研修」という。)の課程を修了し、かつ、旅行の目的地を勘案して国土交通省令で定める旅程管理業務に関する実務の経験を有するものでなければならない。
2 前項の登録に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
○旅行業法施行規則
(旅程管理業務に関する実務の経験)
第三十三条 法第十二条の十一第一項の国土交通省令で定める旅程管理業務に関する実務の経験は、同項に規定する研修の課程を修了した日の前後一年以内に一回以上又は当該研修の課程を修了した日から三年以内に二回以上の旅程管理業務(本邦外の企画旅行に参加する旅行者に同行する者にあつては、本邦外の旅行に関する旅程管理業務に限る。)に従事した経験(観光庁長官が、本邦外の企画旅行に係る旅程管理業務に関し特別の事情があると認めて、旅行の目的地の状況、言語その他の事項を勘案し旅行の目的地及び期間を限定して異なる経験を告示により指定した場合にあつては、当該指定による経験)とする。
2 前項の場合において、法第十二条の十一第一項の規定に適合する者の指導による旅程管理業務に相当する実務の研修を受けた経験は、当該研修を受けた地域を目的地とする旅行に係る旅程管理業務に従事した経験とみなす


(19)法第13条「禁止行為」に関する次の記述から、正しいもののみをすべて選んでいるものはどれか。

 a.旅行業者等の従業者は、旅行者に対し、旅行地において施行されている法令に違反する行為を行うことをあっせんし、又はその行為を行うことに関し便宜を供与してはならない。
 b.旅行業者等は、運送サービス(専ら企画旅行の実施のために提供されるものに限る。)を提供する者に対し、輸送の安全の確保を不当に阻害する行為をしてはならない。
 c.旅行業者等は、旅行者から収受する旅行業務の取扱いの料金については、旅行者から事前に承諾を得たとしても営業所において掲示した料金を超えて料金を収受してはならない。
 d.旅行業者等は、旅行業務に関し取引をする者に対し、その取引に関する重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない。

ア.a,b  イ.a,b,d  ウ.b,c,d  エ.a,b,c,d


正解:エ(配点:4)
解説:aは,法13条3項1号で禁止されていますので,正しいです。
 bは,法13条3項4号,施行規則37条の9第1号で禁止されていますので,正しいです。
 cは,法13条1項1号で禁止されていますので,正しいです。
 dは,法13条1項2号で禁止されていますので,正しいです。
 以上からaないしdのいずれも正しいので,正解はエです。

○旅行業法
(禁止行為)
第十三条 旅行業者等は、次に掲げる行為をしてはならない。
 一 第十二条第一項又は第三項の規定により掲示した料金を超えて料金を収受する行為
 二 旅行業務に関し取引をする者に対し、その取引に関する重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
2 旅行業者等は、旅行業務に関し取引をした者に対し、その取引によつて生じた債務の履行を不当に遅延する行為をしてはならない。
3 旅行業者等又はその代理人、使用人その他の従業者は、その取り扱う旅行業務に関連して次に掲げる行為を行つてはならない。
 一 旅行者に対し、旅行地において施行されている法令に違反する行為を行うことをあつせんし、又はその行為を行うことに関し便宜を供与すること
 二 旅行者に対し、旅行地において施行されている法令に違反するサービスの提供を受けることをあつせんし、又はその提供を受けることに関し便宜を供与すること。
 三 前二号のあつせん又は便宜の供与を行う旨の広告をし、又はこれに類する広告をすること。
 四 前三号に掲げるもののほか、旅行者の保護に欠け、又は旅行業の信用を失墜させるものとして国土交通省令で定める行為
○旅行業法施行規則
(禁止行為)
第三十七条の九 法第十三条第三項第四号の国土交通省令で定める行為は、次に掲げるものとする。
 一 運送サービス(専ら企画旅行の実施のために提供されるものに限る。)を提供する者に対し、輸送の安全の確保を不当に阻害する行為
 二 旅行者に対し、旅行地において特定のサービスの提供を受けること又は特定の物品を購入することを強要する行為
 三 宿泊のサービスを提供する者(旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第三条の二第一項に規定する営業者を除く。)と取引を行う際に、当該者が住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号)第三条第一項の届出をした者であるかどうかの確認を怠る行為


(20)受託契約に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 ア.第2種旅行業者は、地域限定旅行業者を委託旅行業者とする受託契約を締結することができない。
 イ.旅行業者は、他の旅行業者が実施する企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)について、複数の旅行業者と受託契約を締結することができる。
 ウ.受託旅行業者が、受託契約において、受託旅行業者代理業者を定めた場合、当該受託旅行業者代理業者は、委託旅行業者を代理して、旅行者と企画旅行契約(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)を締結することができる。
 エ.委託旅行業者と受託契約を締結した旅行業者は、法第3条の規定にかかわらず、旅行業者代理業の登録を受けなくても、委託旅行業者を代理して、旅行者と企画旅行契約(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)を締結することができる。


正解:ア(配点:4)
解説:アについて,法14条の2第1項によれば,受託契約とは,他の旅行業者実施の企画旅行について,当該他の旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することを内容とする契約のことをいうため,企画旅行を実施し得ない者を委託者とする受託契約は締結し得ません。しかし,地域限定旅行業者は,一の企画旅行ごとに一の拠点区域内において実施される企画旅行を実施することができるため,これを委託者とする受託契約を締結することができます。したがって,アは,誤りです。
 イについて,法14条の2第1項は,受託契約を締結できる旅行業者を一つとしなければならないなどの制限を設けていません。したがって,イは,正しいです。
 ウは,法14条の2第2項のとおりですから,正しいです。
 エは,法14条の2第1項のとおりですから,正しいです。

(企画旅行を実施する旅行業者の代理)
第十四条の二 旅行業者は、他の旅行業者が実施する企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)について、当該他の旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することを内容とする契約(以下「受託契約」という。)を締結したときは、第三条の規定にかかわらず、旅行業者代理業の登録を受けなくても、当該受託契約の相手方(以下「委託旅行業者」という。)を代理して企画旅行契約を締結することができる
2 前項の規定により委託旅行業者と受託契約を締結した旅行業者(以下「受託旅行業者」という。)が、当該受託契約において、当該受託旅行業者を所属旅行業者とする旅行業者代理業者のうち当該委託旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができるものを定めたときは、その受託契約において定められた旅行業者代理業者(以下「受託旅行業者代理業者」という。)は、当該委託旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる
3 委託旅行業者及び受託旅行業者は、受託契約において、委託旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる受託旅行業者又はその受託旅行業者代理業者の営業所を定めておかなければならない。


(21)旅行業者代理業者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 ア.旅行業者代理業者の登録の有効期間は、登録の日から起算して5年とする。
 イ.所属旅行業者は、いかなる場合であっても、旅行業者代理業者が旅行業務につき旅行者に加えた損害を賠償する責めに任ずる。
 ウ.旅行業者代理業を営もうとする者は、第3種旅行業者を所属旅行業者とすることはできない。
 エ.旅行業者代理業者は、旅行業務に関し取引をしようとするときは、所属旅行業者の氏名又は名称及び旅行業者代理業者である旨を取引の相手方に明示しなければならない。


正解:エ(配点:4)
解説:アについて,法6条の2は,「旅行業」の登録は有効期間を5年として定めていますが,「旅行業者代理業」の登録については有効期間を設けていません。したがって,アは,誤りです。
 イについて,法14条の3第5項ただし書は,旅行業者が旅行業代理業者への委託につき相当の注意をし,損害発生防止に努めたときは,旅行業者代理業者が旅行者に加えた損害につき賠償責任を負わない旨規定しています。したがって,イは,誤りです。
 ウについて,旅行業者代理業者が代理することができる旅行業者について特に制限は設けられていません。したがって,ウは,誤りです。
 エは,法14条の3第2項のとおりですから,正しいです。

(旅行業者代理業者の旅行業務等)
第十四条の三 旅行業者代理業者は、前条第二項の規定により代理して企画旅行契約を締結する場合を除き、その所属旅行業者以外の旅行業者のために旅行業務を取り扱つてはならない。
2 旅行業者代理業者は、旅行業務に関し取引をしようとするときは、所属旅行業者の氏名又は名称及び旅行業者代理業者である旨を取引の相手方に明示しなければならない
3 旅行業者代理業者は、その行う営業が旅行業であると誤認させ、又は所属旅行業者を誤認させるような表示、広告その他の行為をしてはならない。
4 観光庁長官は、旅行業者代理業者に対し、その行う営業が旅行業であると誤認させ、又は所属旅行業者を誤認させないようにするための措置をとるべきことを命ずることができる。
5 所属旅行業者は、旅行業者代理業者が旅行業務につき旅行者に加えた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、当該所属旅行業者がその旅行業者代理業者への委託につき相当の注意をし、かつ、その旅行業者代理業者の行う旅行業務につき旅行者に加えた損害の発生の防止に努めたときは、この限りでない


(22)登録の取消し等に関する次の記述から、登録の取消事由に該当するもののみをすべて選んでいるものはどれか。

 a.旅行業者等が登録を受けてから1年以内に事業を開始していないと認めるとき。
 b.旅行業者等が引き続き6箇月以上事業を行っていないと認めるとき。
 c.旅行業者等が旅行業法に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
 d.旅行業者等が不正の手段により新規登録を受けたとき。

ア.a,b  イ.c,d  ウ.a,c,d  エ.a,b,c,d


正解:ウ(配点:4)
解説:aは法19条2項前段のとおりですから,正しいです。
 bについて,法19条2項後段は,引き続き1年以上事業を行っていないと認めるときを取消事由としています。したがって,bは,誤りです。
 cは,法19条1項1号のとおりですから,正しいです。
 dは,法19条1項3号のとおりですから,正しいです。
 以上から,a,c及びdは正しく,bは誤りですから,正解はウです。

(登録の取消し等)
第十九条 観光庁長官は、旅行業者等が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は登録を取り消すことができる。
 一 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき
 二 第六条第一項第二号、第三号若しくは第五号から第八号までのいずれかに掲げる者に該当することとなつたとき、又は登録当時同項各号のいずれかに掲げる者に該当していたことが判明したとき。
 三 不正の手段により第三条の登録、第六条の三第一項の有効期間の更新の登録又は第六条の四第一項の変更登録を受けたとき
2 観光庁長官は、旅行業者等が登録を受けてから一年以内に事業を開始せず、又は引き続き一年以上事業を行つていないと認めるときは、登録を取り消すことができる。
3 第六条第二項の規定は前二項の規定による処分について、前条第二項から第四項までの規定は第一項の規定による処分について、それぞれ準用する。


(23)旅行サービス手配業に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 ア.旅行サービス手配業の新規登録の申請をしようとする者は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に新規登録申請書を提出しなければならない。
 イ.旅行サービス手配業務取扱管理者は、他の営業所の旅行サービス手配業務取扱管理者となることができない。
 ウ.旅行業者は、旅行サービス手配業の登録を受けなくても、旅行サービス手配業務を行うことができる。
 エ.旅行サービス手配業者は、旅行サービス手配業務を他人に委託する場合においては、他の旅行サービス手配業者以外の者に委託してはならない。


正解:エ(配点:4)
解説:アは,施行規則42条のとおりですから,正しいです。
 イは,法28条4項のとおりですから,正しいです。
 ウは,法34条1項のとおりですから,正しいです。
 エについて,法33条1項は,旅行サービス手配業の委託を,「他の旅行サービス手配業者」又は「旅行業者」に対してするものと規定しています。したがって,エは,誤りです。

○旅行業法
(旅行サービス手配業務取扱管理者の選任)
第二十八条 略
2,3 略
4 旅行サービス手配業務取扱管理者は、他の営業所の旅行サービス手配業務取扱管理者となることができない
5~9 略
(旅行サービス手配業務等の委託)
第三十三条 旅行サービス手配業者は、旅行サービス手配業務を他人に委託する場合においては、他の旅行サービス手配業者又は旅行業者に委託しなければならない
2 略
(旅行業者等による旅行サービスの手配の代理等)
第三十四条 旅行業者は、第二十三条の規定にかかわらず、旅行サービス手配業の登録を受けなくても、第二条第六項に規定する行為を行うことができる
2 略
○旅行業法施行規則
(新規登録の申請手続)
第四十二条 法第二十三条の規定による旅行サービス手配業の登録(以下この節において「新規登録」という。)の申請をしようとする者は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に、第十七号様式による新規登録申請書を提出しなければならない


(24) 次の記述のうち、旅行業協会が適正かつ確実に実施しなければならない業務として定められていないものはどれか。

 ア.旅行業務又は旅行サービス手配業務の取扱いに従事する者に対する研修
 イ.旅行業務又は旅行サービス手配業務の適切な運営を確保するための旅行業者等又は旅行サービス手配業者に対する会計監査
 ウ.旅行業務及び旅行サービス手配業務に関する取引の公正の確保又は旅行業、旅行業者代理業及び旅行サービス手配業の健全な発達を図るための調査、研究及び広報
 エ.旅行者及び旅行に関するサービスを提供する者からの旅行業者等又は旅行サービス手配業者の取り扱った旅行業務又は旅行サービス手配業務に対する苦情の解決


正解:イ(配点:4)
解説:アは,法42条2号に定められています。
 イは,法42条に掲げられていません。
 ウは,法42条5号に定められています。
 エは,法42条1号に定められています。

(業務)
第四十二条 旅行業協会は、次に掲げる業務をこの章に定めるところにより適正かつ確実に実施しなければならない。
 一 旅行者及び旅行に関するサービスを提供する者からの旅行業者等又は旅行サービス手配業者の取り扱つた旅行業務又は旅行サービス手配業務に対する苦情の解決
 二 旅行業務又は旅行サービス手配業務の取扱いに従事する者に対する研修
 三 旅行業務に関し社員である旅行業者又は当該旅行業者を所属旅行業者とする旅行業者代理業者と取引をした旅行者に対しその取引によつて生じた債権に関し弁済をする業務(以下「弁済業務」という。)
 四 旅行業務又は旅行サービス手配業務の適切な運営を確保するための旅行業者等又は旅行サービス手配業者に対する指導
 五 旅行業務及び旅行サービス手配業務に関する取引の公正の確保又は旅行業、旅行業者代理業及び旅行サービス手配業の健全な発達を図るための調査、研究及び広報


(25)弁済業務保証金制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 ア.旅行業協会に加入しようとする旅行業者は、その加入しようとする日の翌日から起算して14日以内に、所定の弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納付しなければならない。
 イ.保証社員は、弁済業務規約の変更により弁済業務保証金分担金の額が増額されたときは、弁済業務規約で定める期日までに、その増額分の弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納付しなければならない。
 ウ.旅行業協会が供託している弁済業務保証金から債権の弁済を受ける権利を有する旅行者は、その権利を実行しようとするときは、その債権について登録行政庁の認証を受けなければならない。
 エ.旅行業協会は、保証社員から、弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、これを、保証社員の主たる営業所の最寄りの供託所に、弁済業務保証金として供託しなければならない。


正解:イ(配点:4)
解説:アについて,法49条1項1号は,旅行業協会に加入しようとする旅行業者は,その加入しようとする日までに弁済業務保証金分担金を納付するものと規定しています。したがって,アは,誤りです。
 イは,法49条3項のとおりですから,正しいです。
 ウについて,法48条2項は,弁済業務保証金からの弁済を受ける権利を実行しようとするときは,「旅行業協会」の認証が必要である旨定めています。したがって,ウは,誤りです。
 エについて,法47条2項は,弁済業務保証金分担金を「旅行業協会」の最寄りの供託所に供託たなければならない旨規定しています。したがって,エは誤りです。

(弁済業務保証金の供託)
第四十七条 旅行業協会は、第四十九条第一項から第三項までの規定により弁済業務保証金分担金の納付を受けたときは、その日から七日以内に、法務省令・国土交通省令で定めるところにより、その納付を受けた額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
2 弁済業務保証金の供託は、旅行業協会の住所の最寄りの供託所にしなければならない
3 略
(弁済業務保証金の還付)
第四十八条 保証社員(次条第一項の規定により弁済業務保証金分担金を納付した社員をいう。以下同じ。)又は当該保証社員を所属旅行業者とする旅行業者代理業者と旅行業務に関し取引をした旅行者は、観光庁長官の指定する弁済業務開始日以後、その取引によつて生じた債権に関し、当該保証社員について弁済業務規約で定める弁済限度額の範囲内(当該保証社員について既に次項の認証をした債権があるときはその額を控除し、第五十条第二項の規定により納付を受けた額があるときはその額を加えた額の範囲内)において、旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。
2 前項の権利を実行しようとする者は、その債権について旅行業協会の認証を受けなければならない
3~6 略
(弁済業務保証金分担金の納付等)
第四十九条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める日までに、弁済業務保証金に充てるため、弁済業務規約で定める額の弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納付しなければならない。
 一 旅行業協会に加入しようとする旅行業者 その加入しようとする日
 二 第四十一条第一項の指定の日に旅行業協会の社員である旅行業者 前条第一項の観光庁長官の指定する弁済業務開始日の一月前の日
2 略
3 保証社員は、弁済業務規約の変更により弁済業務保証金分担金の額が増額されたときは、弁済業務規約で定める期日までに、その増額分の弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納付しなければならない
4 略



2021-02-13(Sat)

【ロー過去】神戸ロー2020年度民法

お久しぶりです。

私はついに弁護士になりました。

あと副業で,ロー進学の学生を対象にしたオンライン家庭教師も始めました。

その関係で,今後もちょっとずつ答案を書くことになりそうです。

今回は神戸ローの2020年度の民法です。

≪問題≫

 平成29年10月10日,XはAから代金3千万円を借り入れるとともに,自己所有の土地甲に抵当権を設定する旨Aと合意し,契約書を交わした。同年10月20日,Xは甲に抵当権を設定するにあたり,その登記手続をZに委任した。その際,Zは登記手続に必要だからと述べ,実印,印鑑証明書および甲の登記済証(以下「実印等」という。)の交付をXに求め,Xは登記手続をなすものと信頼し,Zに実印等を交付した。しかし,Zは登記手続をなすことなく,同年11月20日に,Xの承諾を得ないまま,交付された実印等を用い,甲を5千万円で譲渡する旨の契約をYとの間で締結した。同日Zは売買代金の支払いを受けるとともに,Yへの移転登記を完了した。同年11月30日に,Aから抵当権設定登記が完了していない旨の問いあわせを受け,Xは初めて甲がYに譲渡されていることを知った。そこで直ちにXは甲の所有権は自分にあると主張し,Yに対し移転登記の抹消を求めた。
 以上の事実関係に加え,以下の事実関係1または2の下で,Xの主張は認められるか,根拠条文を示しつつ論じなさい。その際,事実関係1と2においてZのとった行為の違いにより,Xの主張に対するYの反論を基礎付ける法的構成にどのような相違が生じるかを意識しつつ論述しなさい。なお,事実関係1,2は互いに独立したものと扱い,事実関係1に基づく解答は〔第1問の答案用紙〕に論述し,事実関係2に基づく解答は〔第2問の答案用紙〕に論述しなさい。

〔事実関係1〕(60点)
 契約を締結するにあたり,Zは一貫してXの名をかたり,契約書面にも「売主X」とのみ署名捺印してYとの間で契約を締結していた。

〔事実関係2〕(40点)
 ZはXから実印等の交付を受けた後,必要書類を偽造し,甲の登記名義をZに移転した上で,「売主Z」と署名捺印してYとの間で契約を締結していた。

≪出題趣旨≫

 事実関係1は,Xが物権的請求権(妨害排除請求権)に基づき登記抹消を請求したことに対して,表見代理(110条)に基づき法律行為(売買契約)の効果がXに帰属し,これによりXは請求の根拠となる所有権を失っている旨Yが抗弁することの成否を問うものである。まず,Zの行為が代理行為といえるためには,本人名を用いて行為しているZに99条1項の顕名が認められるかどうかが問題となり,論拠を示しつつ論じることが求められる。次に,顕名が認められるとしても,Zは本人Xから甲についての抵当権設定行為をなす権限を与えられているにすぎず,この権限が110条で求められる基本代理権に該当するかを論じる必要がある。抵当権設定行為はXA間で抵当権設定の合意により既に発生した物権変動につき対抗力を与える行為に過ぎず,私法上の権利変動を惹起する行為ではない。このため,原則として110条の基本代理権要件を満たさない。しかし,判例は,当該行為が私法上の契約による義務履行のためになされる場合には,基本代理権要件が充足され110条が適用されるとしており,この点を踏まえて示しつつ論じることが求められる。

 事実関係2においては,相手方Yは登記に公示されたZの所有権限を信頼しており,事実関係1と異なり行為者Zの代理権限に対する信頼を有する者ではない。さらに,Zは無権利者であるにもかかわらず実体的権利関係を反映しない虚偽の登記を用いてYと売買契約を締結している。よって,事実関係2は表見代理の問題とはならず,虚偽表示(94条2項の類推適用事例)の問題となる。事実関係2では,Yの抗弁を支える法律構成に事実関係1と比較していかなる理由で相違が生ずるかを明示しつつ,94条2項の類推適用,ないし,110条を併せた法意に基づき相手方が保護されるとするためには,94条2項における通謀要件と比較してどの程度の帰責性が本人Xに求められるかという点を踏まえ論述することが求められる。

110条とか94条2項とか問題にさせる割には過失要件に使える事情が少ない気がします。

これは仮定的に事実関係を設定させる趣旨なのか,もうこれだけで事案を検討させる趣旨なのか,よく分かりません。

余裕があればいろいろ書けばいいと思いますが,問題文に書かれていない事実を勝手に書くのは勇気がいります。

無難に書いた方がいいんでしょう。

≪答案≫
第1問
1 XはYに対し,所有権に基づく妨害排除請求権 として土地甲の所有権移転登記抹消登記請求をする(※1)。これが認められるためには,①自己が所有していること,②相手方名義の登記があることが必要である。
 ①Xは,平成29年11月20日時点で,土地甲を所有しており(※2),②土地甲にはY名義の所有権移転登記が存在する。したがって,Xの上記請求は認められるようにも思われる。
2⑴ これに対して,Yは,Zが土地甲をXの名でYに対し売却しており,これが代理(民法99条)にあたり,その効果がXに帰属するため,これにより土地甲の所有権がYに移転する反面Xは所有権を喪失したとして,Xの上記①の主張に対して反論することが考えられる。
Zは,自身がXの代理人であることを示していないが,一貫してXの名をかたり,契約書面にも「売主X」とのみ署名捺印しているため,Xが法律行為の当事者となる者であることが明らかとされているといえ(※3),「本人のためにすることを示して」いるといえる。しかし,XがZに対して土地甲の売却につき代理権を授与した事実はないから,Yのこの反論は認められない。
 ⑵ そうだとしても,Yは,表見代理(民法110条)が成立するから,上記⑴と同様に,土地甲の所有権がYに移転したとして,Xの上記①の主張に対して反論することが考えられる。
  ア 本条の「代理人」すなわち基本代理権の授与があるといえるためには,事実行為にとどまらず法律行為について代理権が授与される必要がある(※4)。本件で,XはZに対して,土地甲に抵当権を設定する登記手続を委任したものであるが,登記申請行為は公法上の行為にすぎず,法律行為について代理権が授与されたとはいえないようにも思われる(※5)
 しかし,本件の登記手続は,XがAから代金3000万円を借り入れるにあたって抵当権を設定するものであり,私法上の法律行為を原因として行われるものであるから,抵当権設定登記がされれば債務の弁済とその受領という私法上の効果が生ずる。そのため,本件の登記手続の委託は,法律行為による法律関係の形成に準ずるものとみることがでるから(※6),上記の代理権の授与をもって基本代理権とすることができる(※7)
  イ Zは,Xから委託を受けた登記手続を行わず,土地甲をYに売却しているから,「その権限外の行為をした場合」にあたる。
  ウ それでは,「第三者」であるYがZに「代理人の権限があると信ずべき正当な理由」,すなわちZに代理権があると信じたことにつき過失がないといえるか(※8)
 通常であれば,実印,印鑑証明書,登記済証といった重要な書類は本人しか持ち得ない上,これを無権限の第三者に預ける事態も稀である。また,契約締結にあたり,Zは一貫してXの名をかたり,契約書面にも「売主X」とのみ署名押印していたのであるから,YからすればX本人が前記の重要書類を持参して契約締結に臨んでいたものと受け取るしかない。そうすると,YはZが土地甲を売却するにつき代理権があると信じたことにつき過失があったとはいえない。
  エ 以上から,Yの上記反論は認められる。
3 よって,Xの上記請求は認められない。
第2問
1 XはYに対し,第1問と同様の請求を行う。
2⑴ これに対し,Yは,土地甲をZから売買契約(民法555条)によって取得しているから,Xは土地甲の所有権を喪失したとして,上記①の主張に反論する。しかし,Zは土地甲の所有者ではないから,他人物売買であり,YはXに対して土地甲の所有権を主張できるものではない。
 ⑵ そこで,Yは,土地甲の所有権移転登記の名義がZになっており,これを信じて土地甲を購入したのであるから,民法94条2項の「第三者」にあたり,Xはもはや土地甲の所有権をYに対抗することができないと反論する。
  ア XはZに対して,土地甲につき抵当権設定のための登記手続を依頼したにすぎず,不実の所有権移転登記の作出を通じたわけではないから,そもそも通謀虚偽表示がなく,民法94条2項を直接適用することはできない。
 もっとも,同項の趣旨は,自らは虚偽の外観を作出した真正権利者を犠牲にした上で,不実の外観を信頼して取引に入った者を保護し,取引の安全を図る点にある。そこで,ⓐ虚偽の外観が存在し,ⓑ真正権利者がその外形を作出し,ⓒ第三者がその外観を信頼して取引に入ったことの要件をそれぞれ満たす場合には,同項の上記趣旨が妥当するから,同項を類推適用することができる。
  イ これを本件についてみると,ⓐ真実はXからZに土地甲の所有権が移転した事実はないにもかかわらず,Z名義の所有権移転登記が存在する点で,虚偽の外観が認められる。
 ⓑ土地甲のZ名義の所有権移転登記は,ZがⅩから必要書類を預かっていたことを奇貨として,Zが自ら行ったものであり,Xは虚偽の外観の作出について何ら関与していない。
 この点,真正権利者が虚偽の外観の作出に加担していなくとも,虚偽の外観の作出を容易にする著しい不注意が存在し,一定期間の放置があった場合には,真正権利者自身が虚偽の外観を作出したものと同視し得るほどの帰責性が認められ。この場合には,民法94条2項のほか同法110条も類推適用し,第三者の善意無過失が要求して保護する(※9)。しかし,本件の事実関係から,Xに,虚偽の外観を作出するにつき著しい不注意があったとの事実は認められず,また,Xが,虚偽の外観が作出されていることを知ったのは,XがZに登記手続を委任してから約2か月後であり,特段長期間が経過していたとも認められない。
 したがって,本件では,Xに,Z名義の所有権移転登記の作出につき帰責性が認められない。
  ウ 以上から,Yの上記反論は認められない。
3 よって,Xの上記請求は認められる。

以 上


(※1)所有権に基づく「返還請求権」なのか「妨害排除請求権」なのかは,物権に対する侵害が「占有」によって行われているか否かにより区別します(占有による場合は返還請求権で,占有以外の方法による場合は妨害排除請求権です。)。相手方の登記の存在は,占有以外の方法による物権(本問では所有権)の侵害と考えることができますので,同登記の抹消を求める場合には,妨害排除請求権が請求の根拠になります(司法研修所編『新問題研究要件事実』(法曹会,2011年)88頁)。
(※2)所有権に基づく物権的請求をする場合の原告所有の要件については,「現在(口頭弁論終結時)の所有」を主張立証する必要があります。しかし,いったん取得した所有権は,喪失事由が発生しない限り,現在もその者に帰属していると扱われます。したがって,過去のある時点で原告が所有権を有していたことが指摘できれば,請求原因レベルでは足ります。また,所有権については,実務上は権利自白が認められていますから,権利自白が成立する時点での所有権の存在が主張されれば,喪失事由がない限り,現在も原告が所有権を有していると考えられます。そうすると,本問の事案は,Yが代理人Zを経由してXから甲を買ったというものであから,Yは,甲を買った平成29年11月20日時点で,Xに甲の所有権があったこと自体は争わないものと予想されます。そうすると,Yは,平成29年11月20日時点でXが甲を所有していたことにつき権利自白が成立することが予想されますので,答案上も平成29年11月20日時点でのXの所有が示せれば足りるのではないかと思われます(以上につき,前掲新問研59頁以下参照。)。
(※3)「「本人のためにすることを示して」とは,法律行為の当事者となる者を明らかにして,という意味である。」佐久間毅『民法の基礎Ⅰ総則〔第4版〕』(有斐閣,2018年)251頁
(※4)金融会社Zの投資勧誘員をしていたAが病弱であったためBに勧誘を委ねていた事案で,最判昭和35年2月19日民集14巻2号250頁は,「勧誘それ自体は、論旨の指摘するごとく、事実行為であつて法律行為ではないのであるから、他に特段の事由の認められないかぎり、右事実をもつて直ちにBがAを代理する権限を有していたものということはできない」と判断しています。
(※5)「登記申請行為は(登記所という国の機関に対してする)公法上の行為であり,これを委任しても法律行為を委ねたことにならない。」前掲佐久間Ⅰ・280頁
(※6)「登記申請が法律行為を原因としておこなわれる場合,登記がされれば債務の弁済とその受領という私法上の効果が生ずる。そのため,この登記申請の委託は,法律行為による法律関係の形成に準ずるものとみることができる。したがって,この委託をした本人に表見代理責任を課すことは,私法関係の変動を企図した本人にのみ法律行為的責任を負わせるという考え方に,矛盾するものではない。」前掲佐久間Ⅰ・280頁
(※7)「不動産登記法が登記申請についての形式的要件(特に、同法三五条一項五号)を定めている主要な目的は、登記義務者の意思に基づかない虚偽の登記申請による登記がなされることにより、実体上の権利関係と登記上の権利関係との不合致を生ずることを防止し、公示制度としての登記の目的を達成せしめようとするにあることはいうまでもない。しかるに、本件においては、前記のように、本件根抵当権設定契約は表見代理の規定により実体上の効力を生じているから、本件根抵当権設定登記は、実体上の権利関係に符合するものであるからその登記手続の申請行為の登記所に対する関係はしばらくおき、登記権利者が登記義務者に登記申請行為をなすべく請求(登記請求権の行使)する場合は、被上告人はこれに応じて登記に協力すべき義務あるを免れないものと解すべく、この関係は私法関係であることは論なきところである。それ故、原判決が確定した前記事実関係の下においては、訴外Aがなした本件根抵当権設定登記申請行為については、それが前記のごとく私法関係と解せられる以上、これに民法一一〇条による表見代理の成立を認めて妨げない……。」最判昭和37年5月24日民集16巻7号1251頁
(※8)最判昭和44年6月24日判時570号48頁は,「民法一一〇条にいう「正当ノ理由ヲ有セシトキ」とは,無権代理行為がされた当時存した諸般の事情を客観的に観察して,通常人において右行為が代理権に基づいてされたと信ずるのがもっともだと思われる場合,すなわち,第三者が代理権があると信じたことが過失とはいえない(無過失な)場合をい」うとしています。
(※9)「前記確定事実によれば,上告人は,Aに対し,本件不動産の賃貸に係る事務及び**番*の土地についての所有権移転登記等の手続を任せていたのであるが,そのために必要であるとは考えられない本件不動産の登記済証を合理的な理由もないのにAに預けて数か月間にわたってこれを放置し,Aから**番*の土地の登記手続に必要と言われて2回にわたって印鑑登録証明書4通をAに交付し,本件不動産を売却する意思がないのにAの言うままに本件売買契約書に署名押印するなど,Aによって本件不動産がほしいままに処分されかねない状況を生じさせていたにもかかわらず,これを顧みることなく,さらに,本件登記がされた平成12年2月1日には,Aの言うままに実印を渡し,Aが上告人の面前でこれを本件不動産の登記申請書に押捺したのに,その内容を確認したり使途を問いただしたりすることもなく漫然とこれを見ていたというのである。そうすると,Aが本件不動産の登記済証,上告人の印鑑登録証明書及び上告人を申請者とする登記申請書を用いて本件登記手続をすることができたのは,上記のような上告人の余りにも不注意な行為によるものであり,Aによって虚偽の外観(不実の登記)が作出されたことについての上告人の帰責性の程度は,自ら外観の作出に積極的に関与した場合やこれを知りながらあえて放置した場合と同視し得るほど重いものというべきである。そして,前記確定事実によれば,被上告人は,Aが所有者であるとの外観を信じ,また,そのように信ずることについて過失がなかったというのであるから,民法94条2項,110条の類推適用により,上告人は,Aが本件不動産の所有権を取得していないことを被上告人に対し主張することができないものと解するのが相当である。上告人の請求を棄却すべきものとした原審の判断は,結論において正当であり,論旨は理由がない。」最判平成18年2月23日民集60巻2号546頁


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