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2018-02-09(Fri)

2018年2月2~4日 撮影記録

久しぶりに趣味記事です。

ここ最近(というより数年)は,司法試験を解いてみたみたいな,

by far the most つまらない記事ばかり書いていましたが,

やっと,このブログの本来の使い方に戻りました。

そう長く続かないことは分かっています。

春休みの逃避です。


さて,世の中は葬式鉄で溢れかえるシーズンになりました。

今年も春のJR全国ダイヤ改正が迫ってきています。

2018年の改正日は3月17日(土)だそうです。

各社の改正内容について,ほとんど目を通していないので,

どこで一体何が起こるのか,全然わかっていないんですが,

唯一知っていることは,

E353系の導入に伴い,スーパーあずさ運用からE351系が撤退することです。

だてに中央線沿線民やっていないですからね。


E351系は,私が幼稚園児くらいの時に買ってもらった本,

小学館からよく出ている乗り物シリーズのやつ,あれの表紙を飾っていたので,

特急列車といえばこれ,という安い固定観念が出来上がっていました。

なので,引退するのであれば,一応は記録に残しておきたかったわけですね。

多分今までまともに撮ったことないと思うので……

ただし,時間の関係上,沿線に出ることはできないので,基本駅撮りです。

この車両に対する思い入れが微塵にも感じられない対処です。

いや,原付で沿線に出ることも考えていたんですが,

こないだの大雪の時に雪塊に乗り上げてぶっ壊れました。

もしかしたらE351系よりも先に廃車になるのではと危惧しています。

激動であり,無常であります。


駅撮り一発目は,阿佐ヶ谷駅です。

この日は,12時すぎまで用事があったので,わりかし近所で19Mだけ狙うことになりました。

長らく撮り鉄をやっていないと,どのような弊害が生じるかというと,

構図とか露出とか切り位置とか,そういうのが目も当てられないほど甘々になる,

というのは当然生じてくるんですが,それよりも,

練習電を考慮に入れ忘れる

という大ドジをやらかすようになってきます。

そんな中迎えた初戦ですが,

ブランクのある人間が一発で決めれるはずがなく,

かなり引き気味になってしまいました。

あれですね,阿佐ヶ谷の場合は,もう少し奥に飛ばさないと,

左側に黄色い柵が入り込んでしまうんですね。

なんか,建物にもブルーシートかかってるし。

もちろん,それは撮る前からわかっていることではありますが,

奥は奥でピントを外す失態。

お話になりません。

アーメン


ということで,次の日に気を取り直して,相模湖で5Mを。

しかしまぁほんとなんていうか,行く場所の時間帯を考えろっていう感じですね。

どこにも日が当たらない。
DSC_3590_convert_20180208223425.jpg
そしてピン甘。

あれですね,E351系の振り子がよく見れたということでね,

まぁ来た意味はあったんじゃないかと。


ちなみにこの日は土曜日なので,ホリデー快速の運転日。

189系についても引退が迫っています。

まともな写真が撮れるわけもなく。
DSC_3601_convert_20180208223438.jpg

そして,技量の問題を抱えたまま,明くる日は東山梨。

14Mからになります。
DSC_3603_convert_20180208223453.jpg
だーかーらー

ちゃんと,順光になる時間を調べる癖をつけたいです。

っていうかその前に,通過3分前に現場へ到着するような予定の組み方をしないように心がけたいです。

しかも,あの特殊なヘッドマークのせいで,タイミング的にぐちゃぐちゃになってるし。

少し間を取って15Mは,同じく東山梨。
DSC_3612_convert_20180208223507.jpg
やっとまだまともなのが撮れた気がします。

側面に陽がいってないですが,

大菩薩嶺とのコントラストを考えれば,むしろ良かったんじゃないかと,

勝手に正当化しています。

自分が満足できればいいんです。


私の春休みは,時間があるようで,意外と全然ないことが判明したので,

もう撮影にかけている時間はないかもしれませんが,

何かの拍子で沿線に出たりするかもしれないです。

引退までにもう少し記録することができればと思います。

頑張ります。
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2018-02-04(Sun)

【旧司】刑事訴訟法平成元年度第2問

普通に勉強ばかりやっていると運動不足になるので,

先日,筋トレをしに近所の体育館に行ったわけですが,

めちゃくちゃ筋肉痛になり,勉強に支障をきたしています。

筋トレも程よさと継続が求められます。

さて,今日の問題です。

≪問題≫
 甲が乙と共謀のうえ,スーパー・マーケットから現金を強取したとの甲に対する強盗被告事件の公判において,次のものを証拠とすることができるか。
⑴ 店員丙の公判廷における供述中,傍線①②の部分
 (検察官)「被告人と乙の2人が店内に入って来てどうしましたか。」
 (丙)「いきなり被告人が①『騒ぐと殺すぞ』と言ってレジにいた私に刃物を突きつけました。」
 (検察官)「それで金を取られたのですね。」
 (丙)「はい。乙がレジスター内の現金をわしづかみにして逃げました。」
 (検察官)「いくら取られたのですか。」
 (丙)「後に警察官から②『被告人は14万円ばかり取ったと言っている』と聞きました。」
⑵ 犯行に先立ち甲乙両名が決めた犯行計画を書き留めた乙のメモ


一応,スタ100には「再伝聞」というタイトルで収録されていましたが,

再伝聞以外にもいろいろくっついてきています。

面倒です。

≪答案≫
第1.設問⑴
 1.傍線①について
  ⑴ 丙が供述した,被告人の傍線①部分の発言(以下「本件発言①」という。)が,「公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とする」場合にあたる場合であれば,伝聞証拠として原則証拠能力を有しないこととなる(320条1項)。そこで,本件発言①は伝聞証拠にあたるか,伝聞証拠の意義が問題となる。
  ⑵ 320条1項の趣旨は,供述証拠は人の知覚,記憶,表現,叙述という過程を経ており,その各過程で誤りを生ずるおそれが高いにもかかわらず,反対尋問,偽証罪による制裁,裁判所による観察という真実性の担保が欠けているから,その証拠能力を否定する点にある。そこで,伝聞証拠とは,(ⅰ)公判廷外の供述を内容とする証拠で,(ⅱ)要証事実との関係で原供述の内容の真実性が問題となるものをいう。
  ⑶ これを本件についてみると,(ⅰ)本件発言①は,甲が強盗事件の現場において丙に対して発したものであるから,公判廷外の供述を内容とする証拠である。
 (ⅱ)本件の公訴事実は,甲の丙に対する強盗罪(刑法236条1項)である。ここで,検察官は,本件発言①の立証趣旨を「被告人の発言の存在」自体としていると考えられる。この場合,「騒ぐと殺すぞ」と甲が発言することによって,丙としては抵抗すれば自己の生命身体に危害が加えられることをおそれ,反抗が抑圧されるものと考えられる。そうすると,強盗罪の構成要件である「脅迫」があったことが立証でき,甲の行為に強盗罪を成立させるのに役立てることができる。したがって,「被告人の発言の存在」自体が要証事実となる。このとき,「騒ぐと殺すぞ」という発言の真実性を問わずとも,そのような発言があったこと自体をもって上記の推論を可能とするから,要証事実との関係で供述の内容の真実性が問題とならない。
 したがって,本件発言①は,伝聞証拠にあたらない。
  ⑷ よって,本件発言①は,「公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とする」場合ではないから,320条1項が適用されず,証拠能力が認められる。
 2.傍線②について
  ⑴ア.丙が供述した,警察官の傍線②部分の発言(以下「本件発言②」という。)も,「公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とする」場合にあたるか。
 (ⅰ)本件発言②は,警察官が丙の事情聴取などの際に発したものと考えられ,公判廷外の供述を内容とする証拠である。
 (ⅱ)上記のように,本件の公訴事実は,甲の丙に対する強盗罪である。ここで,検察官は,本件発言②の立証趣旨を「警察官の発言の存在」自体とすることも考えられる。この場合には,内容の真実性が問われないから,伝聞証拠にあたらない。しかし,本件発言②は,警察官が,甲は「14万円ばかり取った」と言ったことを伝えたことから,本件でのスーパー・マーケットにおける強盗事件による被害額などと照らし合わせて,甲が14万円をスーパー・マーケットから強取したことを認定し,もって甲の行為が「強取」という強盗罪の構成要件に該当することを立証するという推論過程を経てこと役立つものである。したがって,ここでの要証事実は,「甲が14万円を強取したこと」である。そして,上記推論は,警察官の発言内容が真実でなければ成立しないから,要証事実との関係で供述内容の真実性が問題となる。
 したがって,本件発言②は,伝聞証拠にあたり,原則として証拠能力をが認められない。
   イ.そうだとしても,本件発言②について伝聞例外(321条以下)が適用され,例外的に証拠能力が認められないか。
    (ア) まず,甲側が,検察官による本件発言②の証拠調べ請求について「同意し」,「その書面が作成され……たときの情況を考慮し相当と認めるとき」は,本件発言②を証拠とすることができる(326条1項)。
    (イ) 本件発言は,「被告人以外の者」である丙の「公判期日における供述」であり,「被告人以外の者」である警察官の「供述をその内容とするもの」であるので,324条2項により準用される321条1項3号の要件を充たせば,証拠能力が認められる。
   ⑵ア.ところが,本件発言②中には,甲の供述(以下「本件供述」という。)が含まれている。そこで,本件供述も伝聞証拠に当たらないか。
 (ⅰ)本件供述は,甲が警察官から取調べを受けている際などに発した者と考えられるから,公判廷外の供述を内容とする証拠である。
 (ⅱ)上記のように,甲の行為が「強取」にあたるとの推論過程を導くためには,甲が「14万円ばかり取った」とした供述の内容が真実でなければ成立しない。そこで,本件供述は,要証事実との関係で供述の内容の真実性が問題となる。
 したがって,本件供述は,伝聞証拠にあたり,原則として証拠能力を有しない。
   イ(ア) そこで,伝聞例外について検討するに,本件供述は,伝聞証拠たる本件発言②に含まれる供述であるため,再伝聞証拠である。しかし,再伝聞証拠について証拠能力を認める規定は存在しないため,再伝聞証拠にも証拠能力が認められるかが問題となる。
    (イ) この点,本件供述は,「被告人以外の者」である警察官の「供述」ではあるが,本件発言②は「公判期日における供述」ではないから,324条1項の直接適用により,証拠能力が認められることはない。
 しかし,再伝聞証拠において,1つ目の伝聞証拠について321条以下の伝聞例外の要件を充たす場合には,当該証拠は,「公判期日における供述に代えて書面を証拠と」する場合(320条1項)にあたるため,「公判期日における供述」と同程度の証拠能力を有するものと考えられる。そこで,このような場合には,2つ目の伝聞証拠について324条を類推適用し,再伝聞証拠の信用性の状況的保障と必要性が認められれば,伝聞例外の適用と同様に,例外的に証拠能力が認められる。
    (ウ) これを本件についてみると,本件発言②が,上記のように伝聞例外の適用により証拠能力が認められる可能性がある。そうすると,本件発言②については「公判期日における供述」と同様に取り扱うことができる。そこで,本件供述についても324条1項を類推適用し,322条1項の規定が準用され,この要件を充たすときには,証拠能力が認められる。
 そして,「14万円ばかり取った」という事実の告白は,「不利益な事実の承認」にあたる。そこで,322条1項の要件を充たすから,324条1項により,証拠能力が認められる。
  ⑶ 以上から,本件発言②及び本件供述に証拠能力が認められる場合には,裁判所は,これを証拠として採用することができる。
第2.設問⑵
 乙のメモ(以下「本件メモ」という。)は,「公判期日における供述に代えて書面を証拠と」する場合にあたるか。
 本件では,強盗罪のうち,本件発言①から甲については「脅迫」部分を,本件発言②から乙については「強取」部分を,それぞれ認定できるが,それぞれ単独では強盗罪の構成要件を充足しないため,甲乙間の共謀を立証して,強盗罪の共同正犯として立件するものと考えられる。そこで,検察官としては,本件メモを,甲乙間の共謀の存在を推認するために証拠として提出するものと考えられる。
 ここで,作成者乙の当時の心理状態を立証するとすれば,内容の真実性が問題となるものの,知覚,記憶の過程が欠けるため,非伝聞証拠となる。しかし,乙の心理状態を立証しても,そこから甲との共謀を推認することはできないから,関連性を欠き,証拠能力は認められない。
 そこで,メモの存在と合理的な推認を担保しうる他の事実をもって,甲との共謀を立証することが考えられる。すなわち,本件メモの存在と,本件メモを共謀形成の道具として用いたという事実が認定できる場合には,そこから共謀を推認しても,不確かな推認ではない。この場合,320条の上記趣旨が妥当しないから,伝聞証拠にあたらない。したがって,「公判期日における供述に変えて書面を証拠と」する場合にあたらず,証拠能力が認められる。
 よって,裁判所は,本件メモを証拠とすることができる。
以 上


2018-02-03(Sat)

【事例演習刑事訴訟法】設問26「伝聞法則⑷」

少し間が空きました。

証拠法に飽きて,民訴に逃げていました。

反省しています。

≪問題≫
⑴ 被告人XのVに対する殺人被告事件の公判において,被告人Xは犯人性を否認したので,検察官は,犯行の目撃者である甲が行方不明のため,乙の手帳について,立証趣旨を「甲との会話の状況」としてその取調べを請求した。乙の手帳は,乙自身が記載したものであり,「甲から,『XがVを包丁で刺し殺すのを目撃した。どうすべきか』との相談を受けた。甲とXとは親友のようで悩んでいるようだ。知合いの弁護士に相談するようにアドバイスを予定」と記載されていた。なお,乙は,その後,交通事故で死亡した。Xの弁護人は乙の手帳の取調べにつき不同意の意見を述べたので,検察官は,当該証拠調べ請求を撤回したうえ,乙の死亡事実を証明して,321条1項3号を根拠に,上記の立証趣旨のまま上記手帳の取調べを請求した。裁判所は,これを採用することができるか。
⑵ また,甲がXからV殺害の告白を聞いた事実が記載された甲の検察官面前調書の場合は,どうか。


再伝聞っていうらしいです。

伝聞を2回挟んでいるそうです。

324条とかを類推適用するらしいです。

伝聞例外も2回検討しないといけないようです。(ここまで全部伝聞)

答案もかなり長くなるようです。(これは他人事)

先に言っておくと,最後の方は力尽きて,適当な論証になっています(はじめの方が特段力を入れているわけでもない。)。

≪答案≫
第1.設問⑴について
 1⑴ア.検察官が取調べを請求した乙の手帳(以下「本件手帳」という。)は,乙が専ら自己の記憶喚起のために作成されたものであると考えられるが,これが「公判期日における供述に代えて書面を証拠と」する場合であれば,伝聞証拠として原則証拠能力を有しないこととなる(320条1項)。そこで,本件手帳は伝聞証拠にあたるか,伝聞証拠の意義が問題となる。
   イ.320条1項の趣旨は,供述証拠は人の知覚,記憶,表現,叙述という過程を経ており,その各過程で誤りを生ずるおそれが高いにもかかわらず,反対尋問,偽証罪による制裁,裁判所による観察という真実性の担保が欠けているから,その証拠能力を否定する点にある。そこで,伝聞証拠とは,①公判廷外の供述を内容とする証拠で,②要証事実との関係で原供述の内容の真実性が問題となるものをいう。
   ウ.これを本件についてみると,①本件手帳は,乙が公判期日外で甲からの相談内容を記載したものであるから,乙の公判廷外の供述を内容とする証拠である。
 また,②本件の公訴事実は,XのVに対する殺人罪(刑法199条)である。そして,Xは犯人性を否認していることから,公判廷での争点は,Xの犯人性である。ここで,検察官の主張する立証趣旨は,「甲との会話の状況」であるが,本件では甲がXの犯行を目撃したかどうかが問題となっているのであって,甲乙間の会話の存在自体を立証しても無意味である。そこで,本件手帳は,XがVを殺害したことの立証に用いてこそ意味があり,すなわち,甲が,XがVを殺すところを見た旨を乙に相談したことによって,Xが殺人罪の実行行為を行ったことを推認し,もってXの犯人性を立証するものである。したがって,要証事実は,「XがVを殺害した状況」である。そして,上記推認は,本件手帳の記載内容が真実でなければ成立しないから,要証事実との関係で供述内容の真実性が問題となる。
 よって,本件手帳は,伝聞証拠にあたり,原則として証拠能力を有さない。
  ⑵ そうだとしても,本件手帳について伝聞例外(321条以下)が適用され,例外的に証拠能力が認められないか。
   ア.まず,X側が,検察官による本件手帳の取調べ請求について,不同意の意見を述べているので,326条1項の「同意」がなく,同項の適用はない。
   イ.検察官は,321条1項3号を根拠に本件手帳の取調べ請求をしている。そこで,同号の適用について検討する。
    (ア) 本件手帳は,「被告人以外の者」(321条1項柱書)である乙が自身で作成したものであるから,「前二号に掲げる書面以外の書面」にあたる。
    (イ) 乙は,本件手帳作成後,交通事故により「死亡……しているため……公判期日において供述することができ」ない(以下「供述不能要件」という。)。
    (ウ) 「その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができない」とは,必ずしも他の適法な証拠では同一の立証目的を達し得ない場合に限定されないが,犯罪事実の証明にために実質的に必要と認められなければならない(※1)。Xが犯人性を否認している状況の下では,目撃者である甲の証言がXの犯人性を立証する唯一の証拠となり得る。しかし,甲は行方不明となっており,甲から直接証言を得ることは困難であるから,甲の証言が残された本件手帳は,犯罪事実の証明のために実質的に必要であるということができる。したがって,本件手帳は,「その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができない」といえる。
    (エ) 「その供述が特に信用すべき情況の下にされたものである」かどうか(以下「特信情況」という。)は,証拠能力の要件であるから,供述のなされた際の事情,供述の動機,態様等を総合考慮して判断する。本件手帳には,甲から相談を受けた旨及びこれに対してアドバイスをする旨のメモが記載されている。これらの記載からは,乙としては,甲から相談を受けた際に,自らが甲に対してとるべき行動を手帳に控えておく意図で,本件手帳を作成したものと考えられる。そうすると,本件手帳は,外部に公開されることが予定されておらず,他人には知られないという意図で記載されたものと考えられ,乙があえて虚偽のメモを残すような働きかけはなかったということができる。したがって,本件手帳は,特信情況の要件を充たす。(※2)
    (オ) そして,本件手帳に乙の「署名若しくは押印」(321条1項柱書)があることが必要である。
    (カ) これらの要件を充たしていれば,本件手帳は,321条1項3号により,例外的に証拠能力が認められる。
 2⑴ ところが,本件手帳中の記載には,甲の供述(以下「本件供述」という。)が別に含まれている。そこで,本件供述も伝聞証拠にあたらないか。
 ①本件供述は,甲が乙に対して私的に相談した際の発言内容であって,公判廷外の供述を内容とする証拠である。また,②上記要証事実との関係では,「XがVを包丁で刺し殺すのを目撃した」のが真実でなければ推論が成立しないから,要証事実との関係で供述の真実性が問題となる。
 したがって,本件供述は伝聞証拠であり,原則として証拠能力が認められない。
  ⑵ア.そこで,伝聞例外について検討するに,本件供述は,伝聞証拠たる本件手帳に含まれる供述であるため,再伝聞証拠である。しかし,再伝聞証拠について証拠能力を認める規定は存在しないため,再伝聞証拠にも証拠能力が認められるかが問題となる。
   イ.この点,本件供述は,「被告人以外の者」である甲の「供述」ではあるが,本件手帳は「公判期日における供述」ではないから,324条2項の直接適用により,証拠能力が認められることはない。
 しかし,再伝聞証拠において,1つ目の伝聞証拠について321条以下の伝聞例外の要件を充たす場合には,当該証拠は,「公判期日における供述に代えて書面を証拠と」する場合(320条1項)にあたるため,「公判期日における供述」と同程度の証拠能力を有するものと考えられる。そこで,このような場合には,2つ目の伝聞証拠について324条を類推適用し,再伝聞証拠に信用性の状況的保障と必要性が認められれば,伝聞例外の適用と同様に,例外的に証拠能力が認められる。
   ウ.これを本件についてみると,本件手帳は,上記のように321条1項3号により証拠能力が認められる可能性がある。そうすると,本件手帳については「公判期日における供述」と同様に取り扱うことができる。そこで,本件供述についても324条2項を類推適用し,321条1項3号の規定が準用され,この要件を充たすときには,証拠能力が認められる。
    (ア) そこで,本件供述につき,同号の要件を検討するに,本件供述は「前二号に掲げる書面以外の書面」である。
    (イ) 供述不能要件については,これらの事由が,例外的に伝聞証拠を用いる必要性を基礎づけるものであるから,死亡以外の場合には,一時的な供述不能では足りず,その状態が相当程度継続して存続していることが必要である。甲は,行方不明になっているが,これが相当程度継続している場合には,「所在不明」にあたる。
    (ウ) 上記のように甲の目撃証言が,Xの犯人性を立証するための唯一の証拠となり得るから,本件供述は,犯罪事実の証明のために実質的に必要であるということができる。したがって,本件供述は,「その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができない」といえる。
    (エ) 本件供述は,甲がXの親友であり,悩んでいたことから,弁護士の知人をもつ乙に対して相談した際にされたものである。そうすると,甲としては乙に対して真意を伝えて,Xに対する援助方法を考えたいねらいであったと考えられるから,この場合にも,甲が虚偽の供述をするような働きかけはなかったということができる。したがって,本件供述は,特信情況の要件も充たす。
    (オ) そして,本件供述にも,甲の「署名若しくは押印」が必要である。
    (カ) これらの要件を充たしていれば,本件供述は,324条2項の類推適用により,例外的に証拠能力が認められる。
 3.以上から,本件手帳及び本件供述にそれぞれ証拠能力が認められる場合には,裁判所は,これを証拠として採用することができる。
第2.設問⑵について
 1⑴ 検察官が取調べを請求した甲の検察官面前調書(以下「本件調書」という。)は,伝聞証拠にあたるか。
 ①本件調書は,検察官が甲を取り調べる段階で作成したものと考えられるから,公判廷外の供述を内容とする証拠である。また,②設問⑴と同様に,本件の公訴事実は,XのVに対する殺人罪であり,公判廷での争点は,Xの犯人性である。そして,検察官の主張する「甲との会話の状況」という立証趣旨では無意味である。本件調書は,XがVを殺害したことの立証に用いてこそ意味があり,すなわち,甲が,XがVを殺すところを見た旨を検察官に対して供述し,Xが殺人罪の実行行為を行ったことを推認し,もってXの犯人性を立証するものである。したがって,要証事実は,「XがVを殺害した状況」である。そして,上記推認は,本件調書の記載内容が真実でなければ成立しないから,要証事実との関係で供述内容の真実性が問題となる。
 したがって,本件調書は,伝聞証拠にあたり,原則として証拠能力が認められない。
  ⑵ア.そして,X側は,検察官による本件手帳の取調べ請求について,不同意の意見を述べているので,326条1項の「同意」がなく,同項の適用はない。
   イ(ア) 本件調書は,検察官が甲を取り調べる段階で作成したものと考えられるから,「検察官の面前における供述を録取した書面」(321条1項2号)にあたる。そこで,同号該当性を検討する。
    (イ) 上記のように,甲は行方不明となっているが,これが相当程度継続している場合には,「所在不明」(同号前段)にあたる。
    (ウ) そして,本件調書に甲の「署名若しくは押印」が必要である。
    (エ) これらの要件を充たしていれば,本件調書は321条1項2号前段により,証拠能力が認められる。
 2⑴ ところが,本件調書中の記載には,Xの告白(以下「本件告白」という。)が別に含まれている。そこで,本件告白も伝聞証拠にあたらないか。
 ①本件告白は,Xが甲に対して私的にした発言内容であって,公判廷外の供述を内容とする証拠である。また,②上記要証事実との関係では,Xの発言が真実でなければ推論が成立しないから,要証事実との関係で供述の真実性が問題となる。
 したがって,本件告白は,伝聞証拠にあたり,原則として証拠能力が認められない。
  ⑵ 本件告白は,伝聞証拠である本件調書中に含まれているものであるから,再伝聞証拠にあたる。
 上記のように,本件調書が321条1項2号前段により証拠能力が認められる場合には,本件調書は「公判期日における供述」と同程度の証拠能力を有することとなる。そして,本件告白は,「被告人」であるX「の供述」であるから,324条1項を類推適用し,322条1項の規定が準用され,この要件を充たすときには,証拠能力が認められる。
   ア.そこで,本件告白につき,同項の要件を検討するに,本件告白は「被告人の供述」である。
   イ.本件告白は,Xが自己の犯罪事実を認める陳述であるから,Xに「不利益な事実の承認」である。
   ウ.そして,本件告白についても,Xの「署名若しくは押印」が必要である。
   エ.これらの要件を充たしていれば,本件告白は,324条1項により,例外的に証拠能力が認められる。
 3.以上から,本件調書及び本件告白にそれぞれ証拠能力が認められる場合には,裁判所は,これを証拠として採用することができる。
以 上


(※1)東京高判昭和29年7月24日

(※2)絶対的特信情況のあてはめ方は全く分かりません。相場観としては,(ⅰ)最決平成12年10月31日(日本からの捜査共助の要請に基づいて,米国に在住する者が,黙秘権の告知を受け,同国の捜査官及び日本の検察官の質問に対して任意に供述し,公証人の面前において,偽証罪の制裁の下で,供述内容が真実であることの言明と署名を付して作成された供述書について,特に信用すべき情況の下にされた供述に当たるとした事例。)や,(ⅱ)最決平成15年11月26日(大韓民国の裁判所に起訴された共犯者が,自らの意思で任意に供述できるよう手続的保障がされている同国の法令にのっとり,同国の裁判官,検察官及び弁護人が在廷する公開の法廷において,質問に対し陳述を拒否することができる旨を告げられた上でした供述を記載した公判調書は,特に信用すべき情況の下につれた供述を録取した書面に当たるとして事例。)などからすると,その書面が作成されたときの手続面を重視しているようにみえます。他方で,(ⅲ)東京地決平成3年1月16日(捜査機関に対して匿名で犯罪事実を密告する投書は,作成者がその文面について責任を負わず反対尋問などにより追及する機会もないから,作成者の知覚等に誤謬が介在したり,あるいは被告人を罪に陥れるなどの意図に基づいて虚言を交える可能性は,他の供述調書と比べて格段に高いというべきところ,本件投書は,その作成目的に疑問があり,また記載内容と客観的事実が一部符合していてもそれは被告人が本件に関与しているとの記載部分の信用性を何ら裏付けるものではないから,特に信用すべき情況の下で作成されたものとはいえないとした事例。)は,(ⅰ)及び(ⅱ)と同様に手続面の保障の程度を前提としつつ,作成目的という主観的事情も考慮に入れているように読めます。そこで,供述のなされた際の事情,供述の動機,態様などを中心にあてはめていけばいいのかと思います。今回の問題では具体的事情が落ちいていませんが,手帳に書かれたメモの場合には,一般的には,外部非公開性を推していけば,手帳に真実ではないことをわざわざ書き残すというインセンティブは働かないようにも考えられるので,その場合には,供述目的の正当性が肯定される方向になるかと思います。
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