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2016-12-15(Thu)

【旧司】民事訴訟法平成22年度第1問

ロー入試から解放されて,やっと自由な時間がもてるようになった管理人です。

今年も残すとこわずかとなりましたが,そうですね,私からは特にありません。

それでは,今日は,旧司最後の年の民訴です。

まずは問題から。

≪問題≫
 Aは,Bに対し,平成21年11月2日,返済期日を平成22年3月31日とする約定で200万円を貸し渡した。このような消費賃借契約(以下「本件契約」という。)が成立したことについてはAとBとの間で争いがなかったが,Bがその返済期日にAに本件契約上の債務を弁済したかどうかが争いとなった。
 そこで,Bは,同年4月30日,Aを被告として,本件契約に基づくBのAに対する債務が存在しないことを確認するとの判決を求める訴えを提起した。
 この事例について,以下の問いに答えよ。なお,各問いは,独立した問いである。
1.Bの訴えに係る訴状の送達を受けたAは,同年5月20日,Bの訴えとは別の裁判所に,別訴として,Bを被告として,本件契約に基づいて200万円の支払を請求する訴えを提起した。この場合のBの訴えとAの訴えのそれぞれの適法性について論ぜよ。
2.Bの訴えに係る訴状の送達を受けたAは,同年5月20日,Bの訴えに対する反訴として,Bを反訴被告として,本件契約に基づいて200万円の支払を請求する訴えを提起した。
 (1) この場合のBの訴えとAの反訴のそれぞれの適法性について論ぜよ。
 (2) 同年6月1日の第1回口頭弁論期日において,Bは,Aの請求に対して,BはAに本件契約上の債務を全額弁済したのでAの請求を棄却するとの判決を求めると述べるとともに,Bの訴えを取り下げる旨述べ,これに対し,Aは,Bの訴えの取下げに同意すると述べた。その後の同年7月15日の第2回口頭弁論期日において,Aは,反訴を取り下げる旨述べたが,Bは,Aの反訴の取下げに異議を述べた。この場合のAの反訴の取下げの効力について論ぜよ。

消極的確認訴訟かぁ……という感じです。

消極的確認訴訟については普段意識的に勉強することは少ないですから,

とりあえず,基礎的な論述を落とさないように心がけたいですね。

≪答案≫
第1.設問1
 1(1) まず,Aの訴えの適法性について検討するに,Aの訴えは先行するBの訴えと同一の消費貸借契約上の債務について争うものであるから,重複訴訟の禁止(142条)に反し,不適法とならないか。
 「裁判所に係属する事件」と同一か否かは,当事者及び訴訟物が共通しているか否かによって判断する。本件では,当事者は,どちらの訴えにおいても,A及びBである。そして,Bの訴えは消極的確認の訴えであり,Aの訴えは給付訴訟であるから,審判形式は異なるが,どちらにおいても,その審判対象は,AのBに対する消費貸借契約に基づく貸金返還請求権であるから,訴訟物も同一である。したがって,Aの訴えは,先行するBの訴えと「事件」の同一性が認められるから,重複訴訟の禁止に反する。そうすると,Aの訴えは,不適法却下となりそうである。
  (2) 他方で,Bの訴えの適法性について検討するに,上記のようにBの訴えは消極的確認訴訟であるのに対して,Aの訴えは給付訴訟であるから,Bの訴えは確認の利益を欠き,不適法とならないか。
 確認訴訟は,対象に限定がないうえ,執行力を有しないから,確認の利益によってその範囲を限定すべきである。確認の利益の有無は,①方法選択の適否,②対象選択の適否,③即時確定の利益から判断する。本件では,①上記のように,Aの訴えとBの訴えは,「事件」の同一性が認められることから,Aの訴えに対する判決が,先行するBの訴えに対する判決と同一内容の既判力を持ち,確認判決に期待される紛争解決機能が給付訴訟による紛争解決に代替・包摂される関係にある。そうすると,Bの訴えを独立して認める必要性が欠けるから,Bの訴えは方法選択が適切でないことになる。したがって,Bの訴えは,確認の利益を欠き,不適法却下となりそうである。
 2(1) 上記において,Aの訴えを不適法とした場合には,Bの訴えは適法であるが,Bの訴えを不適法とした場合には,Aの訴えは適法となり,両者は表裏の関係にある。そこで,どちらを不適法とすべきかが問題となる。
  (2) 重複訴訟の禁止及び訴えの利益は,いずれも無駄な訴訟を回避して,訴訟経済に資するようにすることを目的とするものである。したがって,どちらを優先させるべきかは,より適切な訴訟運営を行うことができるのはどちらかによって判断すべきである。
 この点,給付判決を維持する方が,直截的な解決になるとも思える。しかし,執行力が付与されるのは,給付判決の原告が勝訴した場合に限られ,原告が必ずしも勝訴するとは限らないことからすれば,このような直截的な解決に対する期待は,あくまで想定する程度のものでしかない。仮に,給付訴訟を維持することを優先してしまうと,確認訴訟において積み重ねてきた訴訟資料を無駄にすることになり,訴訟経済の点から妥当ではない。
 以上からすれば,後行の給付訴訟を不適法却下とすべきである。
 また,この理は,未だ先行する確認訴訟において審理が進んでいない場合にも妥当する。仮に,この場合に例外を認めてしまうと,訴訟の先行きが芳しくない場合に,これを無にするための策略的な訴訟提起を誘発するおそれがあるからである。
  (3) 本件においても,Bの訴えが先行する以上,Aの訴えは重複訴訟の禁止に反するものというべきである。
 3.したがって,Aの訴えは不適法である。その反面,Bの訴えは適法である。
第2.設問2
 1.(1)について
  (1) 設問1と同様に,Aは,Bの先行する消極的確認訴訟にもかかわらず,後発的に給付訴訟を提起している。そこで,両者の優劣が問題となる。
  (2) この点,Aの訴えは,設問1では別訴であったのに対して,本件では反訴(146条1項)として提起されている。反訴は,別訴とは異なり,本訴と同一手続きで審理されるため,本訴における訴訟資料を反訴に流用することができる。そうすると,反訴の場合には,訴訟不経済の弊害が生じないから,重複訴訟の禁止に反しない。
 したがって,この場合には,先行する確認訴訟が,一方的に訴えの利益を欠くことになり,不適法却下となる。
  (3) 本件でも,Aの訴えは,重複訴訟の禁止に反せず,適法である。その反面,Bの訴えは,訴えの利益を欠き,不適法である。
 2.(2)について
  (1) まず,Bのした訴えの取下げは,「判決が確定」する前である第1回口頭弁論におけるものであって(261条1項),かつ,「相手方」であるAの「同意」を得ているため(261条2項本文),有効である。
 そして,「本訴の取下げがあった場合における反訴の取下げについては」「相手方の同意」が不要であるため(261条2項ただし書),Aは,Bの同意なく,訴えを取り下げることができるのが原則である。しかし,本件において,Bが本訴を取り下げたのは,上記のように不適法とされる関係にあるからである。そうすると,BがAの反訴において請求棄却判決を得て債務の不存在を確定する利益が,失われることになる。そこで,このような場合にも,同項ただし書の適用があるかが問題となる。
  (2) 同項ただし書の趣旨は,本訴に誘発されて提起された反訴が本訴の取下げを契機として取り下げられることについて,本訴原告には独自の利益がないのが通例であるといえ,むしろ同意の拒絶の余地を残すことは,当事者間の公平を害することから,反訴の取下げに本訴原告の同意を不要とした点にある。そこで,反訴が取り下げられることについて本訴原告に独自の利益があり,当事者間の公平を害さない場合には,同項ただし書の適用はないと考える。
  (3) 本件では,上記のように,Bの訴えは,Aの訴えの提起により不適法とされる関係にある。そうすると,Bの本訴における目的は,Aの反訴についての攻撃防御を尽くすことでしか達成することができない。したがって,Bは,Aの反訴が維持されることについて正当な利益を有しているといえる。また,両者が上記のような関係にある以上,Aが反訴を提起した段階で,Bの係争利益はAの反訴に取り込まれることが予想できているといえるから,Bが同意を拒絶したとしても,当事者間の公平を害することはない。
 したがって,本件では,同項ただし書の適用はない。
  (4) そうすると,Aが反訴を取り下げるには,同項本文により,Bの同意が必要となるが,Bはこれを拒絶している。
 したがって,Aの反訴の取下げは,その要件を充たさず,無効である。
以上

文字打つので疲れました。

答案用紙的には84行程度なので,4頁目の後半くらいですかね。

そのくらいの分量になります。

確認の利益と重複訴訟の禁止の優劣については,あまり考えたことがありませんでした。

たしかに,これらを単体で学ぶことはありますが,

両者がこのように衝突するんだなぁと,勉強になりました。

そして,これを別訴と反訴とで分けて聞いてくる点が,親切な設問だと思いました。

反訴の取下げの点は,マイナー論点ではあるものの,その中では有名な論点ですね(どっちだよ)。

この点については,その上までの設問で,ちゃんと利益分析ができていれば,

比較的容易に問題点は見つけることができるのかなと思います。

しかし,本番では,時間的な制約から,ここまでしっかり論述できた答案は,

あまり多くはないのではないかとみています。あくまで私見ですけど。

さすが,最後の年の旧司という感じの問題でした。難しいです。


今年も残り少しですが,最後の大学生活を思いっきり楽しく過ごして,

ほどほどに勉強もして,悔いのないものにしたいですね。

年末までに,もう1通くらい答案を書こうと思います。

以上
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Author:||中央特快||高尾||
お疲れ様です。

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