2018-05-24(Thu)

【旧司】憲法平成15年度第2問

憲法をやろうと思ったという記事を前回書きましたが,

憲法には,人権だけではなく,統治分野もあるということが,

最近の研究によって明らかになりました。

したがって,当地の問題も解かないといけないようです。

つらい。

≪問題≫
政党が民主政党において重要な役割を果たしていることにかんがみ,政党助成金の交付を受けるためには「党首を党員の選挙によって選出しなければならない」との条件を法律で定めたと仮定する。この法律の合憲性について論ぜよ。

なぜこの問題を選んだのか。

そう思ったのは,あなただけではありません。

私もです。

別にこの問題がやりたかったわけではなく,

たまたま開いたページにこの問題が載っていたというだけのこと。

それ以上でもそれ以下でもないわけです。

≪答案≫
1.「党首を党員の選挙によって選出しなければならない」との条件(以下「本件条件」という。)を法律で定めることは,政党の自律権を侵害するものとして,憲法21条1項に反し,違憲とならないか。
2.政党とは,共通の政治的思想を持つ者が,その政治的思想を実現するために組織した政治団体をいう。
 かかる政党は,私的かつ自発的に結成された団体であり,結社の自由(憲法21条1項)による保障を受ける。また,憲法の定める議会制民主主義(憲法43条1項)は政党を無視しては到底その円滑な運用を期待することはできない。そうすると,憲法は,政党の存在を当然に予定しているものというべきであり,政党は議会制民主主義を支える不可欠の要素である。
 ただ,あくまでその本質は結社の自由により保障される私的団体であるため,その自律権が強く保障されなければならない。
3.政党の公的役割に鑑みると,代表民主制(憲法43条1項)が正常に機能するためには,党内が民主的に運営されていることが望ましいといえ,党首の選出方法についての規制を認めるべきともいえる。
 しかし,上記のように,政党が結社の自由の保障を受ける私的団体であることに照らせば,その内部をいかに組織し,運営するかについては自律権が認められるべきである。そして,党首の選出は,政党の組織,運営の根本的な営みであり,政党の方針などに直接かかわる重要性の高い事項であるということができるから,特に強い自律権が尊重されるべきである。
 また,代表民主制の維持については,国民の選挙によって実現されているから,党内においてこれとは別に民主主義的構造を要求する必要性は乏しい。そうすると,これを法制化する必要性は低いということができる。
 以上からすると,党首の選出方法についての規制は,訓示的規定として法制化することは許されるが,それを超えて強制力を伴う場合には憲法21条に反すると考える。
4.本件条件は,政党助成金の交付を受けるための条件として設けられているものである。したがって,政党の存立自体を直接規律するものではない。
 しかし,政党の活動規模が拡大し,それに伴う費用が増大している中で,政党助成金の交付を受けるか否かによって,政党の活動に与える影響は大きいものと考えられる。そうすると,特に小規模で資金力の乏しい政党にとっては,政党助成金の交付を断念してまで政党内の民主主義的手続を設定しないという選択肢は事実上取り得ない。
 したがって,本件条件は,実質的には,政党の存立条件としての機能を有しており,その範囲で強制力を伴うものである。
5.よって,本件条件を伴う法律は憲法21条1項に反し違憲である。
以 上

これを解く意味があったのか。

それは試験本番になるまでは分からない。

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2018-05-24(Thu)

【旧司】憲法昭和56年第1問

予備短答が終わりました。

伊藤塾,辰巳,LECでそれぞれ自己採点をしてみましたが,

三者三様の解答を公表しているおかげで,どこも合計点が違うということが起きています。

しかしそれでも,180点は超えているようですので,一安心です。

ちなみに短答を通過した(かどうかは分かりませんが)のは,今回が初めてです。やったね。

ということで,論文の勉強を始めないといけないわけですが,

とりあえず,ローの期末が迫ってきている公法系からやります。

勉強方法は,やはり旧司を解くということにします。

≪問題≫
 Aバス会社は,バス運転手としてBを採用するか否かを決定するに当たり,Bの交通違反及び交通事故の前歴を調査することとし,犯罪歴に関する記録を保管するC官庁に対し,公的機関のもっている情報は,国民に広く利用されるべきであるとの理由により,Bの右前歴を教示するように求めた。
 このAの要求について,憲法上の論点を指摘して説明せよ。

オリジナルの問題は以上ですが,今回は新司を意識して,

Bの前歴がCからAに教示されてしまったことを前提に,

主張反論形式で答案を構成したいと思います。

≪答案≫
第1.Bの主張
 1.Bは,CがBの前歴をAに対して教示したことは,Bの前歴を知られない自由を侵害するものであり,憲法13条に反し違憲であるとの主張を行う。
 2.憲法13条は,「幸福追求に対する国民の権利」について保障している。これは,国民が原則としてその私生活へ他者から干渉されることなく自由に行動できることを保障したものである。そうすると,同条は,国民の私生活上の自由が公権力に対しても保護されるべきことを規定している。そして,自らが知られたくない情報を他者に知られるおそれがある場合には,国民が自由に行動することができなくなるから,同条は,個人の私生活上の自由として,自己の情報をみだりに第三者に開示又は公表されない自由を保障していると考えられる。
 前歴もその人の情報であるから,前歴を知られない自由は,自己の情報をみだりに第三者に開示又は公表されない自由として,同条により保障される。
 3.前歴は,人の名誉,信用に直接かかわる事項であって,これを他人に知られないことの要保護性は強い。したがって,これに対する制約が認められるか否かは,厳しく判断される必要がある。
 また,自己の前歴が開示された場合には,それによって,就職の場面で不利益な因子になるなど,社会生活を営む上で,大きな不利益となるおそれがある。そうすると,前歴が公開された場合における上記自由に対する制約の程度は強いということができる。そこで,これが憲法に適合するか否かは,厳しく判断される必要がある。
 したがって,上記事由に対する制約は,やむにやまれぬ利益の実現を目的とするものであり,その目的を達成するための手段として必要最小限度のものと認められない限りは,違憲である。
 4.そもそもAがCに対して,Bの前歴を教示するように求めたのは,バス運転手として採用するか否かの決定に際しての判断材料として用いるためである。そうすると,Bの前歴の公表は,AがBを雇い入れるか否かの判断材料を増やす目的しか有していないのであり,生命身体に対する危害を防止するといった高次の利益を有さず,単なる企業活動の一環に用いられるにとどまる。したがって,CがBの前歴をAに教示することは,やむにやまれぬ利益の実現を目的としていない。
 また,そもそもAがBをバス運転手として採用するか否かにあたって交通事故の前歴を材料にするのは,バス運転手としての適格を判断するためであると考えられる。運転技能は,経験と比例して向上する傾向にあることに照らせば,過去の交通事故の前歴をもって採否を決定するのではなく,運転免許の要件を厳格にするなどして対応すれば足りる。したがって,仮に目的がやむにやまれぬ利益の実現にあると認められるとしても,それを達成する手段が必要最小限度ということはできない。
 5.以上から,CがBの前歴をAに対して教示したことは,憲法13条に反し,違憲である。
第2.Cの反論及び私の見解
 1⑴ Cからは,前歴は公的情報であって,私的情報とは区別され,これを公表されない自由は,個人の私生活上の自由としての自己の情報をみだりに第三者に開示又は公表されない自由としては保障されないとの反論が想定される。
  ⑵ 上記のように,憲法13条の保障根拠は,個人の私生活領域を保護する点にある。前科のような公的情報であっても,時間の経過とともに公開されないことが合理的に期待される事項については,個人の私生活領域に含まれるということができるから,これを公表されない自由は,個人の私生活上の自由としての自己の情報をみだりに第三者に開示又は公開されない自由として保障される。
 2⑴ Cからは,前歴にかかる情報は公的情報としての側面があることには違いないから,それに伴い,開示又は公表されない自由の保障される必要性は一定程度減少し,Bの前歴を公表されない自由の制約の程度は小さく,情報公開の必要性があり,それが相当の範囲にとどまっていれば,正当化されるとの反論が想定される。
  ⑵ しかし,前歴は,それが他人に知られた場合の不利益に鑑み,個人の情報として最も知られたくないものの一つであり,それが開示又は公表されないことの必要性は非常に高いということができる。したがって,前歴を公表することの正当性を被告の主張するような緩い審査によって認めることはできない。
 3⑴ Cからは,AがBをバス運転手として雇用するにあたって交通事故の前歴を教示することは,それによって事故を起こすようなバス運転手を雇い入れることを阻止して,ひいてはバスの乗客の生命身体の安全を確保する目的を有するから,その意義はやむにやまれぬ利益を実現する点にあるとの反論が想定される。
  ⑵ バスの運転手としての採否を判断するにあたって交通違反及び交通事故の前歴を判断材料とするのは,その者がバスを運転することによって交通事故を起こすおそれがあるか否かを判断するためであると考えるのが自然である。そして,バス会社にとって,バスを安全に運行することは最も重要な事項であるから,バスの運転手の採否にあたり,その判断材料の中でも前歴の有無は重要度が高い。これらからすると,Cがする前歴の教示は,バスの乗客の生命身体の安全の保護にあると考えることもでき,やむにやまれぬ利益を実現する目的による制約であるということができる。
 4⑴ Cからは,前歴の教示の範囲はAに限られており,不特定多数者に広く公開するものではないから,必要最小限度の制約であるとの反論が想定される。
  ⑵ しかし,前歴の公開によって生じる不利益は,単に公開される範囲によって決まるものではなく,自己の情報を知られたくない人に知られれば,それのみをもって前歴を知られない自由に対する侵害があったと認められるものである。そして,Bの前歴がAに知られた場合には,Aに雇用されないおそれが大きいから,Bの負う不利益の程度が著しく大きいといえる。したがって,これを必要最小限度の制約ということはできない。
 5.以上から,CがAに対してBの前歴を公開したことは,憲法13条に反し,違憲である。
以 上


憲法の答案の書き方は,いまだによく分かっていません。

特に被告の反論と私見の部分ですね。

いやー原告の言う通りだろとか思っちゃうわけですよね。

複眼的な視点とかなんとかって言いますけれども,

そんなこと言われてもなぁという感想しかないです。

なんとかします。
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