FC2ブログ
2020-10-20(Tue)

【総合旅行業務取扱管理者】令和2年度大問2「約款」解答解説

書き途中

(注)略称は次の通り
約款(募集):標準旅行業約款 募集型企画旅行契約の部
約款(受注):標準旅行業約款 受注型企画旅行契約の部
約款(補償):標準旅行業約款 特別補償規程
約款(手配):標準旅行業約款 手配旅行契約の部
約款(渡航):標準旅行業約款 渡航手続代行契約の部
約款(相談):標準旅行業約款 旅行相談契約の部
バス約款:一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款
フェリー約款:フェリーを含む一般旅客定期航路事業に関する標準運送約款

第1問 標準旅行業約款に関する以下の問1.~問17.の各設問について,該当するものをそれぞれの選択肢から一つ選び,問18.~問20.の各設問について,該当するものをそれぞれの選択肢からすべて選び,解答用紙にマークしなさい。 (配点4点×20)

問1.募集型企画旅行契約に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
 a.旅行業者が法令に反せず,かつ,旅行者の不利にならない範囲で口頭により特約を結んだときは,その特約が約款に優先する。
 b.国内の地方都市を旅行開始地として海外を周遊し,当該地方都市に戻ってくる旅行は,旅行開始地からのすべてが「海外旅行」となる。
 c.「通信契約」とは,旅行代金等に係る債権又は債務を,提携会社のカード会員規約に従って決済することについて,旅行者があらかじめ承諾したことを受け,旅行業者が提携会社のカード会員たる旅行者との間で締結するすべての契約をいう。
 d.旅行業者は,契約において,旅行者が旅行業者の定める旅行日程に従って,旅行サービスの提供を受けることができるように,手配することのみを引き受ける。


正解:b(配点:4)
解説:aについて,約款(募集)1条2項によれば,特約が法令又は慣習に優先するためには,これを書面により結ぶ必要があります。したがって,aは,これを口頭で結んだときとしている点で誤りです。

(適用範囲)
第一条 当社が旅行者との間で締結する募集型企画旅行に関する契約(以下「募集型企画旅行契約」といいます。)は,この約款の定めるところによります。この約款に定めのない事項については,法令又は一般に確立された慣習によります。
2 当社が法令に反せず,かつ,旅行者の不利にならない範囲で書面により特約を結んだときは,前項の規定にかかわらず,その特約が優先します。


bについて,約款(募集)2条2項は,「国内旅行」を本邦内のみの旅行と定義していますが,bは海外を周遊しているため「国内旅行」にあたりません。そして,同項は,国内旅行以外の旅行をすべて「海外旅行」としていますから,bは海外旅行にあたります。したがって,bは,正しいです。

(用語の定義)
第二条 略
2 この約款で「国内旅行」とは,本邦内のみの旅行をいい,「海外旅行」とは,国内旅行以外の旅行をいいます
3,4 略


cについて,約款(募集)2条3項は,通信契約を,通信手段による申込みを受けて締結する契約に限定して定義しています。したがって,cは,カード会員たる旅行者との間で締結するすべての契約としている点で誤りです。

(用語の定義)
第二条 略
2 略
3 この部で「通信契約」とは,当社が,当社又は当社の募集型企画旅行を当社を代理して販売する会社が提携するクレジットカード会社(以下「提携会社」といいます。)のカード会員との間で電話,郵便,ファクシミリ,インターネットその他の通信手段による申込みを受けて締結する募集型企画旅行契約であって,当社が旅行者に対して有する募集型企画旅行契約に基づく旅行代金等に係る債権又は債務を,当該債権又は債務が履行されるべき日以降に別に定める提携会社のカード会員規約に従って決済することについて,旅行者があらかじめ承諾し,かつ当該募集型企画旅行契約の旅行代金等を第十二条第二項,第十六条第一項後段,第十九条第二項に定める方法により支払うことを内容とする募集型企画旅行契約をいいます。
4 略


dについて,約款(募集)3条は,募集型企画旅行契約の内容として,サービスの手配のほかに,旅程管理も引き受ける旨を規定しています。したがって,dは,誤りです。

(旅行契約の内容)
第三条 当社は,募集型企画旅行契約において,旅行者が当社の定める旅行日程に従って,運送・宿泊機関等の提供する運送,宿泊その他の旅行に関するサービス(以下「旅行サービス」といいます。)の提供を受けることができるように,手配し,旅程を管理することを引き受けます


問2.募集型企画旅行契約に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
 a.旅行業者に契約の申込みをしようとする旅行者は,通信契約を締結する場合を除き,旅行業者所定の申込書に所定の事項を記入の上,旅行業者が別に定める金額の申込金とともに,旅行業者に提出しなければならない。
 b.旅行の参加に際し,旅行者が特別な配慮を必要とする旨を契約の申込時に申し出た場合,旅行業者は,可能な範囲内でこれに応じ,旅行者のために講じた特別な措置に要する費用を負担しなければならない。
 c.旅行業者が契約の予約を受け付け,旅行業者が予約の承諾の旨を通知した後,旅行業者が定める期間内に,旅行者から申込書と申込金の提出があったとき又は会員番号等の通知があったときの契約の締結の順位は,当該予約の受付の順位による。
 d.旅行業者は,契約の予約を受け付けた場合において,旅行者が旅行業者の定めた期間内に申込金を提出しない場合又は会員番号等を通知しない場合には,予約がなかったものとして取り扱う。


正解:b(配点:4)
解説:aは,約款(募集)5条1項,2項のとおりですから,正しいです。

(契約の申込み)
第五条 当社に募集型企画旅行契約の申込みをしようとする旅行者は,当社所定の申込書(以下「申込書」といいます。)に所定の事項を記入の上,当社が別に定める金額の申込金とともに,当社に提出しなければなりません
2 当社に通信契約の申込みをしようとする旅行者は,前項の規定にかかわらず,申込みをしようとする募集型企画旅行の名称,旅行開始日,会員番号その他の事項(以下次条において「会員番号等」といいます。)を当社に通知しなければなりません
3~5 略


bについて,約款(募集)5条5項は,旅行業者が旅行者のために講じた特別な措置に要する費用は,「旅行者」の負担としています。したがって,bは,これを「旅行業者」の負担としている点で誤りです。

(契約の申込み)
第五条 略
2,3 略
4 募集型企画旅行の参加に際し,特別な配慮を必要とする旅行者は,契約の申込時に申し出てください。このとき,当社は可能な範囲内でこれに応じます。
5 前項の申出に基づき,当社が旅行者のために講じた特別な措置に要する費用は,旅行者の負担とします


cは,約款(募集)6条2項のとおりですから,正しいです。

(電話等による予約)
第六条 当社は,電話,郵便,ファクシミリ,インターネットその他の通信手段による募集型企画旅行契約の予約を受け付けます。この場合,予約の時点では契約は成立しておらず,旅行者は,当社が予約の承諾の旨を通知した後,当社が定める期間内に,前条第一項又は第二項の定めるところにより,当社に申込書と申込金を提出又は会員番号等を通知しなければなりません。
2 前項の定めるところにより申込書と申込金の提出があったとき又は会員番号等の通知があったときは,募集型企画旅行契約の締結の順位は,当該予約の受付の順位によることとなります
3 略


dは,約款(募集)6条3項のとおりですから,正しいです。

(電話等による予約)
第六条 略
2 略
3 旅行者が第一項の期間内に申込金を提出しない場合又は会員番号等を通知しない場合は,当社は,予約がなかったものとして取り扱います


問3.募集型企画旅行契約における契約書面及び確定書面に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
 a.確定書面は,旅行開始日の前日から起算してさかのぼって7日目に当たる日以降に契約の申込みがなされた場合,旅行開始日の前日までの旅行業者が契約書面に定める日までに交付しなければならない。
 b.旅行業者は,契約書面において,確定された旅行日程,運送若しくは宿泊機関の名称をすべて記載している場合には,確定書面の交付を要しない。
 c.旅行業者が確定書面を交付した場合であっても,契約により旅行業者が手配する義務を負う旅行サービスの範囲は契約書面に記載するところによる。
 d.契約書面とは,旅行業者が旅行者と契約を締結しようとするときに,当該旅行者に対し交付するものである。


正解:b(配点:4)
解説:aについて,約款(募集)10条1項によれば,確定書面の交付は,申込みが旅行開始日の前日から7日目までにされた場合には旅行開始日の前日までに行う必要がありますが,申込みが旅行開始日の前日から7日目以降にされた場合には旅行開始日までに行えば足ります。したがって,aは,誤りです。

(確定書面)
第十条 前条第一項の契約書面において,確定された旅行日程,運送若しくは宿泊機関の名称を記載できない場合には,当該契約書面において利用予定の宿泊機関及び表示上重要な運送機関の名称を限定して列挙した上で,当該契約書面交付後,旅行開始日の前日(旅行開始日の前日から起算してさかのぼって七日目に当たる日以降に募集型企画旅行契約の申込みがなされた場合にあっては,旅行開始日)までの当該契約書面に定める日までに,これらの確定状況を記載した書面(以下「確定書面」といいます。)を交付します。
2,3 略


bについて,約款(募集)10条1項は,契約書面に確定された旅行日程,運送若しくは宿泊機関の名称を記載できない場合に確定書面を交付する旨規定しています。したがって,契約書面これらの記載ができる場合には確定書面を交付する必要はありません。よって,bは,正しいです。

(確定書面)
第十条 前条第一項の契約書面において,確定された旅行日程,運送若しくは宿泊機関の名称を記載できない場合には,当該契約書面において利用予定の宿泊機関及び表示上重要な運送機関の名称を限定して列挙した上で,当該契約書面交付後,旅行開始日の前日(旅行開始日の前日から起算してさかのぼって七日目に当たる日以降に募集型企画旅行契約の申込みがなされた場合にあっては,旅行開始日)までの当該契約書面に定める日までに,これらの確定状況を記載した書面(以下「確定書面」といいます。)を交付します。
2,3 略


cについて,約款(募集)10条3項は,確定書面を交付した場合は,旅行サービスの範囲は「確定書面」に記載するところに特定される旨規定しています。したがって,cは,これを「契約書面」によって特定されるとしている点で誤りです。

(確定書面)
第十条 略
2 略
3 第一項の確定書面を交付した場合には,前条第二項の規定により当社が手配し旅程を管理する義務を負う旅行サービスの範囲は,当該確定書面に記載するところに特定されます。


dについて,約款(募集)9条によれば,契約書面は「契約成立後」速やかに交付するものとされています。したがって,dは,契約を締結しようとするときに交付するとしている点で誤りです。

(契約書面の交付)
第九条 当社は,前条の定める契約の成立後速やかに,旅行者に,旅行日程,旅行サービスの内容,旅行代金その他の旅行条件及び当社の責任に関する事項を記載した書面(以下「契約書面」といいます。)を交付します。
2 略


問4. 募集型企画旅行契約における契約の変更に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
 a.旅行業者の関与し得ない事由が生じた場合で,旅行の安全かつ円滑な実施を図るためやむを得ないときは,旅行業者は契約内容を変更することがあるが,その場合は必ず旅行者にあらかじめ速やかに当該事由が旅行業者の関与し得ないものである理由及び当該事由との因果関係を説明しなければならない。
 b.航空会社が運送サービスの提供を行っているにもかかわらず,当該航空会社の座席の不足が発生したことにより他の航空会社へ変更となった結果,旅行の実施に要する費用の増加が生じたときは,旅行業者は,旅行代金を増額することができる。
 c.旅行業者と契約を締結した旅行者は,旅行業者の承諾を得て,契約上の地位を第三者に譲り渡すことができ,その場合,当該第三者は,旅行契約に関する一切の権利及び義務を承継するものとする。
 d.旅行開始前に,著しい経済情勢の変化等により,利用する宿泊機関について適用を受ける料金が通常想定される程度を大幅に超えて増額されるときは,旅行業者は,旅行開始日の前日から起算してさかのぼって15日目に当たる日より前に旅行者に通知し,増額される金額の範囲内で旅行代金の額を増加することができる。


正解:c(配点:4)
解説:aについて,約款(募集)13条によれば,契約内容変更の場合は,原則として,旅行者に「あらかじめ速やかに」説明する必要がありますが,緊急の場合でやむを得ないときには,例外的に,「変更後」に説明することも許されます。したがって,aは,必ずあらかじめ速やかに説明しなければならないとしている点で誤りです。

(契約内容の変更)
第十三条 当社は,天災地変,戦乱,暴動,運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止,官公署の命令,当初の運行計画によらない運送サービスの提供その他の当社の関与し得ない事由が生じた場合において,旅行の安全かつ円滑な実施を図るためやむを得ないときは,旅行者にあらかじめ速やかに当該事由が関与し得ないものである理由及び当該事由との因果関係を説明して,旅行日程,旅行サービスの内容その他の募集型企画旅行契約の内容(以下「契約内容」といいます。)を変更することがあります。ただし,緊急の場合において,やむを得ないときは,変更後に説明します


bについて,約款(募集)14条4項によれば,契約内容変更により旅行の実施に要する費用が増加した場合,原則として,旅行代金の額も増額することができますが,運送機関がサービス提供しているにもかかわらず座席不足により契約内容変更となった場合には,例外的に,旅行代金の額を増額することはできません。この場合は,運送機関にその責任があることが明白であることから,旅行業者は費用増加分をその運送機関に対して求償すべきであり,旅行者に対してツケを回すことは許されないと考えられているためです(三浦雅生『標準旅行業約款 解説』(自由国民社,2018年)95頁)。したがって,bは,誤りです。

(旅行代金の額の変更)
第十四条 略
2,3 略
4 当社は,前条の規定に基づく契約内容の変更により旅行の実施に要する費用(当該契約内容の変更のためにその提供を受けなかった旅行サービスに対して取消料,違約料その他既に支払い,又はこれから支払わなければならない費用を含みます。)の減少又は増加が生じる場合(費用の増加が,運送・宿泊機関等が当該旅行サービスの提供を行っているにもかかわらず,運送・宿泊機関等の座席,部屋その他の諸設備の不足が発生したことによる場合を除きます。)には,当該契約内容の変更の際にその範囲内において旅行代金の額を変更することがあります。
5 略


cは,約款(募集)15条1項,3項のとおりですから,正しいです。

(旅行者の交替)
第十五条 当社と募集型企画旅行契約を締結した旅行者は,当社の承諾を得て,契約上の地位を第三者に譲り渡すことができます
2 略
3 第一項の契約上の地位の譲渡は,当社の承諾があった時に効力を生ずるものとし,以後,旅行契約上の地位を譲り受けた第三者は,旅行者の当該募集型企画旅行契約に関する一切の権利及び義務を承継するものとします


dについて,約款(募集)14条1項,2項によれば,「運送機関」の運賃・料金が著しい経済情勢の変化等により大幅に増額にされた場合には,旅行開始日の前日から起算してさかのぼって15日目に当たる日までに旅行者に通知するものとされていますが,「宿泊機関」については特に言及がありません。したがって,dは,誤りです。

(旅行代金の額の変更)
第十四条 募集型企画旅行を実施するに当たり利用する運送機関について適用を受ける運賃・料金(以下この条において「適用運賃・料金」といいます。)が,著しい経済情勢の変化等により,募集型企画旅行の募集の際に明示した時点において有効なものとして公示されている適用運賃・料金に比べて,通常想定される程度を大幅に超えて増額又は減額される場合においては,当社は,その増額又は減額される金額の範囲内で旅行代金の額を増加し,又は減少することができます。
2~5 略


問5.募集型企画旅行契約における旅行開始前の旅行業者による契約の解除等に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。(いずれも取消料の支払いを要する期間内の解除とし,旅行者に理由を説明しているものとする。)
 a.旅行者が契約書面に記載する期日までに旅行代金を支払わないときは,当該期日の翌日において旅行者が契約を解除したものとし,この場合,旅行者は,旅行業者に対し,取消料に相当する額の違約料を支払わなければならない。
 b.旅行業者は,旅行者があらかじめ旅行業者の明示した参加旅行者の条件を満たしていないことが判明したときは契約を解除することがあり,この場合,旅行者は,旅行業者に対し,取消料に相当する額の違約料を支払わなければならない。
 c.旅行者が威力を用いて旅行業者の信用を毀損する行為を行ったため旅行業者が契約を解除したときは,旅行者は,旅行業者に対し,取消料に相当する額の違約料を支払わなければならない。
 d.通信契約を締結した旅行者の有するクレジットカードが無効になり、旅行代金の決済ができなくなったため旅行業者が契約を解除したときは,旅行者は,旅行業者に対し,取消料に相当する額の違約料を支払わなければならない。


正解:a(配点:4)
解説:






スポンサーサイト



2020-10-16(Fri)

【総合旅行業務取扱管理者】令和2年度大問1「旅行業法令」解答解説

集合修習真っただ中です。

今年は,コロナの感染がエグいことになっているため,修習も一部オンライン化されまして,いま行っている集合修習も和光にいる教官の講義をひたすら自宅で受け続ける日々を送っています。

ずっと家に閉じこもった状態が続いているので,鬱になりそうです。

もうなっているかもしれません。

1か月後に迫った二回試験のことを考えると夜も眠れません。

なんでもいいから二回試験廃止しろ。

さて,先日10月11日に令和2年度の総合旅行業務取扱管理者試験が行われました。

今年は私も受験してまいりましたが,集合修習が思いのほか忙しくて,直前期の対策がほとんどできませんでした。

法令・約款とか直前期に短期記憶でどれだけ詰め込めるかの勝負なので,直前期に対策できなかったのは致命的です。

絶望です。

っていうか,海外旅行実務がほぼノー勉だったので,元々希望はありませんでした。

そんなこんなですが,とりあえず今年の問題を,自分の復習もかねて解説していきたいと思います。

なお,公式の解答が発表されていない段階で書いているので,解答解説の正確性は担保されていません。

内容が間違っていたせいで嫌な気持ちになっても,その時私もまた悲しい気持ちになっています。

恨まないでください。

まずは,第1問の旅行業法令です。

(注)略称は次の通り
法:旅行業法
施行規則:旅行業法施行規則
契約規則:旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則

第1問 以下の問1.~問16.の各問について,該当するものをそれぞれの選択肢から一つ選び,問17.~問25.の各設問について,該当するものをそれぞれの選択肢からすべて選び,解答用紙にマークしなさい。 (配点 4点×25)

問1.次の記述から,「法第1条(目的)」に定められているものだけをすべて選んでいるものはどれか。
 (ア) 旅行業等を営む者が組織する団体の適正な活動の促進
 (イ) 旅行業務に関する取引の公正の維持
 (ウ) 旅行業等を営む者の利便の増進
 (エ) 旅行業等を営む者の業務の適正な運営の確保

a.(ア)(イ)  b.(イ)(ウ)  c.(ア)(イ)(エ)  d.(ア)(ウ)(エ)


正解:c(配点:4)
解説:法1条は,下掲のように規定しています。(ア),(イ)及び(エ)は法1条に規定されているため,正しいです。一方,(ウ)について,法1条は,「旅行者」の利便の増進を規定していますが,「旅行業等を営む者」の利便の増進は規定していません。旅行業法が,旅行業者の活動に対して国家が適正な監督を行うことで,旅行者の利益を保護するための法律であることからすれば,旅行業者の利益保護の観点は基本的に含まれていません。したがって,(ウ)は誤りです。よって,正解は,c.になります。

(目的)
第一条 この法律は、旅行業等を営む者について登録制度を実施し、あわせて旅行業等を営む者の業務の適正な運営を確保するとともに、その組織する団体の適正な活動を促進することにより、旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図ることを目的とする。


問2.次の記述のうち,旅行業又は旅行業者代理業の登録の拒否事由に該当しないものはどれか。

 a.法人であって,その役員のうちに申請前5年以内に道路交通法に違反して,罰金の刑に処せられた者があるもの
 b.暴力団員等がその事業活動を支配する者
 c.精神の機能の障害により旅行業又は旅行業者代理業を適正に遂行するに当たって必要な認知,判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
 d.旅行業者代理業を営もうとする者であって,その代理する旅行業を営む者が2以上であるもの


正解:a(配点:4)
解説:法6条1項は,旅行業者又は旅行業者代理業者の登録拒否事由を規定しています。
 aについて,法6条1項7号,2号によれば,法人の役員が申請前5年以内に,①何らかの犯罪により禁錮以上の刑に処せられ,又は②旅行業法に違反して罰金の刑に処せられた場合には,登録拒否事由に該当する旨規定しています。ここで,「禁錮以上」とは,死刑,懲役,禁錮の3つをいい,罰金はこれに含まれません(刑法9条,10条1項参照)。本問では,道路交通法に違反した場合ですから,②にあたらず,また罰金刑に処せられたにとどまりますから,①にもあたりません。したがって,aは,法6条1項7号,2号に該当しないため,登録の拒否事由に該当しません。
 bは,法6条1項8号に該当するため,登録の拒否事由に該当します。
 cは,法6条1項6号,施行規則2条の2に該当するため,登録の拒否事由に該当します。
 dは,法6条1項11号に該当するため,登録の拒否事由に該当します。

○旅行業法
(登録の拒否)
第六条 観光庁長官は、登録の申請者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を拒否しなければならない。
 一 第十九条の規定により旅行業若しくは旅行業者代理業の登録を取り消され、又は第三十七条の規定により旅行サービス手配業の登録を取り消され、その取消しの日から五年を経過していない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前六十日以内に当該法人の役員であつた者で、当該取消しの日から五年を経過していないものを含む。)
 二 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過していない者
 三 暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者をいう。第八号において同じ。)
 四 申請前五年以内に旅行業務又は旅行サービス手配業務に関し不正な行為をした者
 五 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号又は第七号のいずれかに該当するもの
 六 心身の故障により旅行業若しくは旅行業者代理業を適正に遂行することができない者として国土交通省令で定めるもの又は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
 七 法人であつて、その役員のうちに第一号から第四号まで又は前号のいずれかに該当する者があるもの
 八 暴力団員等がその事業活動を支配する者
 九 営業所ごとに第十一条の二の規定による旅行業務取扱管理者を確実に選任すると認められない者
 十 旅行業を営もうとする者であつて、当該事業を遂行するために必要と認められる第四条第一項第三号の業務の範囲の別ごとに国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有しないもの
 十一 旅行業者代理業を営もうとする者であつて、その代理する旅行業を営む者が二以上であるもの
2 略

○旅行業法施行規則
(心身の故障により旅行業又は旅行業者代理業を適切に遂行することができない者)
第二条の二 法第六条第一項第六号の国土交通省令で定める者は、精神の機能の障害により旅行業又は旅行業者代理業を適正に遂行するに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者とする。

○刑法
(刑の種類)
第九条 死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。
(刑の軽重)
第十条 主刑の軽重は、前条に規定する順序による。ただし、無期の禁錮と有期の懲役とでは禁錮を重い刑とし、有期の禁錮の長期が有期の懲役の長期の二倍を超えるときも、禁錮を重い刑とする。
2,3 略


問3.営業保証金に関する次の記述から,正しいものだけをすべて選んでいるものはどれか。
 (ア) 旅行業者代理業者は,所属旅行業者を通じて,当該所属旅行業者の主たる営業所の最寄りの供託所に,営業保証金を供託しなければならない。
 (イ) 営業保証金の額は,国土交通省令で定める場合を除き,前事業年度における旅行業務に関する旅行者との取引額に応じ,登録業務範囲の別ごとに定められている。
 (ウ) 旅行業者は,営業保証金の供託した旨を登録行政庁に届出をした後でなければ,その事業を開始してはならない。

a.(ア)(イ)  b.(ア)(ウ)  c.(イ)(ウ)  d.(ア)(イ)(ウ)


正解:c(配点:4)
解説:(ア)について,法7条1項は,「旅行業者」は,営業保証金を供託しなければならない旨規定していますが,「旅行業者代理業者」については言及していません。したがって,旅行業者代理業者は,そもそも営業保証金を供託する必要がありません。なお,法11条は,旅行業者代理業者は,「所属旅行業者」が営業保証金を供託した旨の届出をした後でなければ,事業開始できない旨規定しています。

(営業保証金の供託)
第七条 旅行業者は、営業保証金を供託しなければならない。
2 旅行業者は、営業保証金の供託をしたときは、供託物受入れの記載のある供託書の写しを添付して、その旨を観光庁長官に届け出なければならない。
3~5 略
(旅行業者代理業者の事業の開始)
第十一条 旅行業者代理業者は、その代理する旅行業者(以下「所属旅行業者」という。)が第七条第二項(第九条第六項において準用する場合を含む。)の規定による届出をした後でなければ、その事業を開始してはならない


(イ)は,法8条1項のとおりですから,正しいです。

(営業保証金の額等)
第八条 旅行業者が供託すべき営業保証金の額は、当該旅行業者の前事業年度における旅行業務に関する旅行者との取引の額(当該旅行業者が第三条の登録を受けた事業年度に営業保証金を供託する場合その他の国土交通省令で定める場合にあつては、国土交通省令で定める額)に応じ、第四条第一項第三号の業務の範囲の別ごとに、旅行業務に関する旅行者との取引の実情及び旅行業務に関する取引における旅行者の保護の必要性を考慮して国土交通省令で定めるところにより算定した額とする


(ウ)は,法7条3項のとおりですから,正しいです。

(営業保証金の供託)
第七条 略
2 旅行業者は、営業保証金の供託をしたときは、供託物受入れの記載のある供託書の写しを添付して、その旨を観光庁長官に届け出なければならない。
3 旅行業者は、前項の届出をした後でなければ、その事業を開始してはならない
4,5 略


以上から,(ア)が誤りで,(イ)及び(ウ)が正しいですから,正解は,c.です。

問4.旅行業務取扱管理者に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

 a.複数の営業所を通じて1人の旅行業務取扱管理者を選任することができるのは,地域限定旅行業者又は地域限定旅行業者を所属旅行業者とする旅行業者代理業者であって,国土交通省令で定める要件を満たす場合に限られる。
 b.本邦内の旅行のみについて旅行業務を取り扱う営業所においては,必ず,総合旅行業務取扱管理者試験又は国内旅行業務取扱管理者試験に合格した者で,法第6条第1項第1号から第6号までのいずれにも該当しない者を旅行業務取扱管理者として選任しなければならない。
 c.旅行業者等は,その営業所の旅行業務取扱管理者として選任した者の全てが欠けるに至ったときは,新たに旅行業務取扱管理者を選任するまでの間は,その営業所において旅行業務に関する契約を締結してはならない。
 d.旅行業者等は,旅行業務取扱管理者について,5年ごとに,旅行業務に関する法令,旅程管理その他の旅行業務取扱管理者の職務に関し必要な知識及び能力の向上を図るため,旅行業協会が実施する研修を受けさせなければならない。


正解:b(配点:4)
解説:aについて,法11条の2第5項は,複数の営業所が近接しているときとして国土交通省令で定めるときは,旅行業務取扱管理者は,その複数の営業所を通じて一人で足りる旨規定しています。もっとも,国土交通省令で定める場合は,旅行業務取扱管理者を一人とすることはできない旨も規定しており,これを受けた施行規則10条の3第1項は,登録業務範囲が地域限定旅行業務以外の場合には,一人とすることができない旨規定しています。したがって,複数の営業所を通じて一人とすることができるのは,地域限定旅行業者又はその旅行業者代理業者に限られるため,aは正しいです。

○旅行業法
(旅行業務取扱管理者の選任)
第十一条の二 略
2~4 略
5 第一項の規定により旅行業務取扱管理者を選任しなければならない営業所が複数ある場合において、当該複数の営業所が近接しているときとして国土交通省令で定めるときは、旅行業務取扱管理者は、前項の規定にかかわらず、その複数の営業所を通じて一人で足りる。ただし、当該旅行業務取扱管理者の事務負担が過重なものとなる場合その他の当該複数の営業所における旅行業務の適切な運営が確保されないおそれがある場合として国土交通省令で定める場合は、この限りでない
6~10 略

○旅行業法施行規則
(法第十一条の二第五項の国土交通省令で定める場合)
第十条の三 法第十一条の二第五項の国土交通省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
 一 法第十一条の二第五項の規定に基づき複数の営業所を通じて一人の旅行業務取扱管理者を選任しようとする旅行業者等(旅行業者代理業者にあつては、その代理する旅行業者)の登録業務範囲が地域限定旅行業務以外のものである場合
 二 当該複数の営業所の前事業年度における旅行業務に関する旅行者との取引の額の合計額が一億円を超える場合


bは,法11条の2第6項2号は,本邦内の旅行のみについて旅行業務を取り扱う営業所は,原則として,総合旅行業務取扱管理者試験又は国内旅行業務取扱管理者試験に合格した者を旅行業務取扱管理者に選任しなければならない旨規定しています。もっとも,同項1号は,本邦内の旅行のみについて旅行業務を取り扱う営業所のうち,特に営業所の所在する市町村の区域その他の国土交通省令で定める地域のもののみについて旅行業務を取り扱う営業所については,地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格した者も選任することができる旨規定しています。したがって,bは,必ず総合・国内旅行業務取扱管理者試験に合格した者を選任しなければならないとしている点で誤りです。

(旅行業務取扱管理者の選任)
第十一条の二 略
2~5 略
6 旅行業務取扱管理者は、第六条第一項第一号から第六号までのいずれにも該当しない者で、次に掲げるものでなければならない。
 一 本邦内の旅行のうち営業所の所在する市町村の区域その他の国土交通省令で定める地域内のもののみについて旅行業務を取り扱う営業所にあつては、次条の規定による総合旅行業務取扱管理者試験、国内旅行業務取扱管理者試験又は地域限定旅行業務取扱管理者試験(当該営業所の所在する地域に係るものに限る。)に合格した者
 二 本邦内の旅行のみについて旅行業務を取り扱う営業所(前号の営業所を除く。)にあつては、次条の規定による総合旅行業務取扱管理者試験又は国内旅行業務取扱管理者試験に合格した者
 三 前二号の営業所以外の営業所にあつては、次条の規定による総合旅行業務取扱管理者試験に合格した者
7~10 略


cは,法11条の2第2項のとおりですから,正しいです。

(旅行業務取扱管理者の選任)
第十一条の二 略
2 旅行業者等は、その営業所の旅行業務取扱管理者として選任した者の全てが第六条第一項第一号から第六号までのいずれかに該当し、又は選任した者の全てが欠けるに至つたときは、新たに旅行業務取扱管理者を選任するまでの間は、その営業所において旅行業務に関する契約を締結してはならない
3~10 略


dは,法11条の2第7項,施行規則10条の6のとおりですから,正しいです。

○旅行業法
(旅行業務取扱管理者の選任)
第十一条の二 略
2~5 略
7 旅行業者等は、旅行業務取扱管理者について、三年以上五年以内において国土交通省令で定める期間ごとに、旅行業務に関する法令、旅程管理その他の旅行業務取扱管理者の職務に関し必要な知識及び能力の向上を図るため、第四十一条第二項に規定する旅行業協会が実施する研修を受けさせなければならない。
8~10 略

○旅行業法施行規則
(法第十一条の二第七項の国土交通省令で定める期間)
第十条の六 法第十一条の二第七項の国土交通省令で定める期間は、五年とする


問5.次の記述のうち,旅行業務取扱管理者が管理又は監督しなければならない職務として定められていないものはどれか。

 a.法第12条の5の規定による書面の交付に関する事項
 b.法第12条の7及び法第12条の8の規定による広告に関する事項
 c.法第12条の9の規定による標識の掲示に関する事項
 d.旅行に関する苦情の処理に関する事項


正解:c(配点:4)
解説:法11条の2第1項は,旅行業務取扱管理者は国土交通省令で定める事項について管理及び監督に関する事務を行う旨規定しています。そして,これを受けた施行規則10条は,旅行業務取扱管理者の具体的な職務について規定しています。
 aは,施行規則10条5号のとおりですから,正しいです。
 bは,施行規則10条6号のとおりですから,正しいです。
 cについて,標識の掲示に関する事項は施行規則10条に掲げられていないため,誤りです。
 dは,施行規則10条8号のとおりですから,正しいです。

○旅行業法
(旅行業務取扱管理者の選任)
第十一条の二 旅行業者又は旅行業者代理業者(以下「旅行業者等」という。)は、営業所ごとに、一人以上の第六項の規定に適合する旅行業務取扱管理者を選任して、当該営業所における旅行業務に関し、その取引に係る取引条件の明確性、旅行に関するサービス(運送等サービス及び運送等関連サービスをいう。以下同じ。)の提供の確実性その他取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便を確保するため必要な国土交通省令で定める事項についての管理及び監督に関する事務を行わせなければならない。
2~10 略

○旅行業法施行規則
(旅行業務取扱管理者の職務)
第十条 法第十一条の二第一項の国土交通省令で定める事項は、次のとおりとする。
 一 旅行に関する計画の作成に関する事項
 二 法第十二条の規定による料金の掲示に関する事項
 三 法第十二条の二第三項の規定による旅行業約款の掲示及び備置きに関する事項
 四 法第十二条の四の規定による取引条件の説明に関する事項
 五 法第十二条の五の規定による書面の交付に関する事項
 六 法第十二条の七及び法第十二条の八の規定による広告に関する事項
 七 法第十二条の十の規定による企画旅行の円滑な実施のための措置に関する事項
 八 旅行に関する苦情の処理に関する事項
 九 契約締結の年月日、契約の相手方その他の旅行者又は旅行に関するサービスを提供する者と締結した契約の内容に係る重要な事項についての明確な記録又は関係書類の保管に関する事項
 十 前各号に掲げるもののほか、取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便を確保するため必要な事項として観光庁長官が定める事項


問6.旅行業務の取扱いの料金(企画旅行に係るものを除く。)に関する次の記述から,正しいものだけをすべて選んでいるものはどれか。
 (ア) 旅行業者は,旅行業務の取扱いの料金をその営業所において,旅行者に見やすいように掲示しなければならない。
 (イ) 旅行業者代理業者は,自ら旅行業務の取扱いの料金を定めて,その営業所において旅行者に見やすいように掲示しなければならない。
 (ウ) 旅行業務の取扱いの料金は,契約の種類及び内容に応じて定率,定額その他の方法により定められ,旅行者にとって明確なものでなければならない。
 (エ) 旅行業者は,事業の開始前に,旅行業務の取扱いの料金を定め,登録行政庁に届け出なければならない。

a.(ア)(イ)  b.(ア)(ウ)  c.(ア)(イ)(エ)  d.(イ)(ウ)(エ)


正解:b(配点:4)
解説:(ア)は,法12条1項のとおりですから,正しいです。

(料金の掲示)
第十二条 旅行業者は、事業の開始前に、旅行者から収受する旅行業務の取扱いの料金(企画旅行に係るものを除く。)を定め、これをその営業所において旅行者に見やすいように掲示しなければならない。これを変更するときも、同様とする。
2,3 略


(イ)について,法12条3項は,旅行業者は,所属旅行業者が定めた料金を掲示する旨規定しています。したがって,(イ)は,旅行業者代理業者自らが料金を定めるとしている点で,誤りです。

(料金の掲示)
第十二条 略
2 略
3 旅行業者代理業者は、その営業所において、所属旅行業者が第一項の規定により定めた料金を旅行者に見やすいように掲示しなければならない。


(ウ)は,法12条2項,施行規則21条のとおりですから,正しいです。

○旅行業法
(料金の掲示)
第十二条 略
2 前項の料金は、国土交通省令で定める基準に従つて定められたものでなければならない。
3 略

○旅行業法施行規則
(掲示料金の制定基準)
第二十一条 法第十二条第二項の国土交通省令で定める基準は、旅行業務の取扱いの料金が契約の種類及び内容に応じて定率、定額その他の方法により定められ、旅行者にとつて明確であることとする


(エ)について,法12条1項は,事業の開始前に料金を定めることを要求していますが,これを登録行政庁に届け出ることまでは要求していません。したがって,(エ)は,登録行政庁に届け出なければならないとしている点で誤りです。

(料金の掲示)
第十二条 旅行業者は、事業の開始前に、旅行者から収受する旅行業務の取扱いの料金(企画旅行に係るものを除く。)を定め、これをその営業所において旅行者に見やすいように掲示しなければならない。これを変更するときも、同様とする。
2,3 略


以上から,(ア)及び(ウ)が正しく,(イ)及び(エ)が誤りですから,正解は,bです。

問7.旅行業約款に関する次の記述から,誤っているものだけをすべて選んでいるものはどれか。
 (ア) 登録行政庁が旅行業約款を認可するときの基準の一つとして,旅行業者の正当な利益を害するおそれがないものであることが定められている。
 (イ) 旅行業者が現に認可を受けている旅行業約款について,契約の解除に関する事項を変更する場合は,登録行政庁の認可を受ける必要がない。
 (ウ) 旅行業者代理業者は,所属旅行業者の旅行業約款をその営業所において,旅行者に見やすいように掲示し,又は旅行者が閲覧することができるように備え置かなければならない。
 (エ) 旅行業者が,標準旅行業約款と同一の旅行業約款を定めたときは,その旅行業約款については,登録行政庁の認可を受けたものとみなされる。

a.(ア)(イ)  b.(ア)(エ)  c.(ウ)(エ)  d.(ア)(イ)(ウ)


正解:a(配点:4)
解説:(ア)について,法12条の2第2項1号は,「旅行者」の正当な利益を害するおそれがないものであることを,認可基準の一つとしています。一方で,本問にあるような「旅行業者」の利益に言及した認可基準は存在しません。問1.の解説で述べたように,旅行業法が旅行者の利益を守ることを目的とする法律であることからすると,旅行業者の利益については同法の守備範囲外と考えられます。したがって,(ア)は誤りです。

(旅行業約款)
第十二条の二 略
2 観光庁長官は、前項の認可をしようとするときは、次の基準によつてしなければならない
 一 旅行者の正当な利益を害するおそれがないものであること。
 二 略
3 略


(イ)について,法12条の2第1項は,旅行業約款を変更する場合には,原則として,観光庁長官の認可を受けなければならないとしています。もっとも,その変更が「軽微な変更」にあたる場合には,例外的に,観光庁長官の認可は不要となります。どのような場合に「軽微な変更」といえるかについては,契約規則2条に掲げられています。したがって,契約規則2条のいずれにも該当しない場合には,原則とおり,観光庁長官の認可が必要となります。そして,本問の「契約の解除に関する事項」は,契約規則2条のいずれの事由にも該当しません。したがって,本問では,原則とおり,観光庁長官の認可が必要となります。よって,(イ)は誤りです。

○旅行業法
(旅行業約款)
第十二条の二 旅行業者は、旅行者と締結する旅行業務の取扱いに関する契約に関し、旅行業約款を定め、観光庁長官の認可を受けなければならない。国土交通省令・内閣府令で定める軽微な変更をしようとする場合を除き、これを変更しようとするときも、同様とする
2,3 略

○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(軽微な変更)
第二条 法第十二条の二第一項の国土交通省令・内閣府令で定める軽微な変更は、次のとおりとする。
 一 保証社員である旅行業者の旅行業約款にあっては、次に掲げる事項の変更
  イ その所属する旅行業協会の名称又は所在地
  ロ その者に係る弁済業務保証金からの弁済限度額
 二 保証社員でない旅行業者の旅行業約款にあっては、営業保証金を供託している供託所の名称又は所在地の変更
 三 保証社員でない旅行業者が保証社員となった場合における旅行業法施行規則(昭和四十六年運輸省令第六十一号)第二十三条第七号に掲げる事項を同条第六号に掲げる事項に改める変更
 四 保証社員である旅行業者が保証社員でなくなった場合における旅行業法施行規則第二十三条第六号に掲げる事項を同条第七号に掲げる事項に改める変更


(ウ)は,法12条の2第3項かっこ書きのとおりですから,正しいです。

(旅行業約款)
第十二条の二 略
2 略
3 旅行業者等は、旅行業約款(旅行業者代理業者にあつては所属旅行業者の旅行業約款、第十四条の二第一項又は第二項の規定により他の旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる者にあつては当該他の旅行業者の旅行業約款)をその営業所において、旅行者に見やすいように掲示し、又は旅行者が閲覧することができるように備え置かなければならない


(エ)は,法12条の3のとおりですから,正しいです。

(標準旅行業約款)
第十二条の三 観光庁長官及び消費者庁長官が標準旅行業約款を定めて公示した場合(これを変更して公示した場合を含む。)において、旅行業者が、標準旅行業約款と同一の旅行業約款を定め、又は現に定めている旅行業約款を標準旅行業約款と同一のものに変更したときは、その旅行業約款については、前条第一項の規定による認可を受けたものとみなす


以上から,(ア)及び(イ)が誤りで,(ウ)及び(エ)が正しいですから,正解はaです。

問8.取引条件の説明,及び取引条件の説明をする際に交付する国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

 a.旅行業者等は,対価と引換えに旅行に関するサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付する場合でも,旅行者に対し取引条件の説明書面を交付しなければならない。
 b.旅行業者は,旅行に関する相談に応ずる行為に係る旅行業務について契約を締結しようとするときは,取引条件の説明をしなければならない。
 c.旅行業者等は,書面に代えて,当該書面に記載すべき事項を国土交通省令・内閣府令で定める情報通信の技術を利用する方法により提供するときは,あらかじめ旅行者の承諾を得ることを要しない。
 d.旅行業者等は,旅程管理業務を行う者が同行しない場合にあっては,旅行地における企画者との連絡方法を記載した書面を交付しなければならない。


正解:b(配点:4)
解説:aについて,法12条の4第2項は,旅行業者等は,取引条件の説明をするときは,原則として,取引条件の書面を交付しなければならないが,例外的に,国土交通省令・内閣府令で定める場合には交付を要しない旨規定しています。そして,契約規則4条によれば,交付を要しない場合として,サービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付する場合を挙げています。したがって,本問では,例外的に,取引条件の書面を交付する必要がない場合にあたります。よって,aは,取引条件の説明書面を交付しなければならないとしている点で誤りです。

○旅行業法
(取引条件の説明)
第十二条の四 略
2 旅行業者等は、前項の規定による説明をするときは、国土交通省令・内閣府令で定める場合を除き、旅行者に対し、旅行者が提供を受けることができる旅行に関するサービスの内容、旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項、旅行業務取扱管理者の氏名、通訳案内士法(昭和二十四年法律第二百十号)第二条第一項に規定する全国通訳案内士(以下単に「全国通訳案内士」という。)又は同条第二項に規定する地域通訳案内士(以下単に「地域通訳案内士」という。)の同行の有無その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない
3 略

○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(書面の交付を要しない場合)
第四条 法第十二条の四第二項の国土交通省令・内閣府令で定める場合は、旅行業者等が対価と引換えに法第十二条の五に規定するサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付する場合とする


bについて,法12条の4第1項は,「旅行業務」に関し契約を締結するときには,取引条件の説明をしなければならない旨を規定しています。そして,法2条3項によれば,「旅行業務」とは,旅行業者が取り扱う法2条1項に掲げる行為をいいます。旅行に関する相談に応ずる行為は,法2条1項9号に掲げられた行為ですから,「旅行業務」に含まれるため,これに関し契約を締結するときには,取引条件を説明する必要があります。したがって,bは,正しいです。

(定義)
第二条 この法律で「旅行業」とは、報酬を得て、次に掲げる行為を行う事業(専ら運送サービスを提供する者のため、旅行者に対する運送サービスの提供について、代理して契約を締結する行為を行うものを除く。)をいう。
 一~八 略
 九 旅行に関する相談に応ずる行為
2 略
3 この法律で「旅行業務」とは、旅行業を営む者が取り扱う第一項各号に掲げる行為(第十四条の二第一項の規定により他の旅行業者を代理して企画旅行契約を締結する行為及び第三十四条第一項の規定により行う第六項に規定する行為を含む。)又は旅行業者代理業を営む者が取り扱う前項に規定する代理して契約を締結する行為をいう。
4~7 略
(取引条件の説明)
第十二条の四 旅行業者等は、旅行者と企画旅行契約、手配旅行契約その他旅行業務に関し契約を締結しようとするときは、旅行者が依頼しようとする旅行業務の内容を確認した上、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、その取引の条件について旅行者に説明しなければならない
2,3 略


cについて,法12条の4第3項は,取引条件の説明にあたり,書面に代えて,情報通信の技術を利用する方法により提供することができるが,その場合には,旅行者の承諾を得る必要がある旨を規定しています。したがって,cは,あらかじめ旅行者の承諾を得ることを要しないとしている点で誤りです。

(取引条件の説明)
第十二条の四 略
2 略
3 旅行業者等は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、旅行者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該旅行業者等は、当該書面を交付したものとみなす。


dについて,旅程管理業務を行う者が同行しない場合の企画者との連絡方法の記載は,契約締結後のサービス内容等記載書面には記載する必要がありますが(法12条の5第1項,契約規則9条1号ニ),取引条件の説明における書面に記載することは要求されていません(法12条の4第1項,契約規則3条参照)。したがって,dは,取引条件の説明書面にこれを記載しなければならないとしている点で誤りです。

○旅行業法
(取引条件の説明)
第十二条の四 旅行業者等は、旅行者と企画旅行契約、手配旅行契約その他旅行業務に関し契約を締結しようとするときは、旅行者が依頼しようとする旅行業務の内容を確認した上、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、その取引の条件について旅行者に説明しなければならない。
2,3 略
(書面の交付)
第十二条の五 旅行業者等は、旅行者と企画旅行契約、手配旅行契約その他旅行業務に関し契約を締結したときは、国土交通省令・内閣府令で定める場合を除き、遅滞なく、旅行者に対し、当該提供すべき旅行に関するサービスの内容、旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項、旅行業務取扱管理者の氏名、全国通訳案内士若しくは地域通訳案内士の同行の有無その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面又は当該旅行に関するサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付しなければならない。
2~4 略

○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(取引条件の説明)
第三条 法第十二条の四第一項に規定する取引条件の説明は、次に掲げる事項について行わなければならない。
 一 企画旅行契約を締結しようとする場合にあっては、次に掲げる事項
  イ 企画旅行を実施する旅行業者(以下「企画者」という。)の氏名又は名称
  ロ 企画者以外の者が企画者を代理して契約を締結する場合にあっては、その旨
  ハ 旅行の目的地及び出発日その他の日程
  ニ 旅行者が旅行業者等に支払うべき対価及びその収受の方法
  ホ 旅行者がニに掲げる対価によって提供を受けることができる旅行に関するサービスの内容
  ヘ ホに掲げる旅行に関するサービスに企画旅行の実施のために提供される届出住宅(住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号)第二条第五項に規定する届出住宅をいう。以下この条において同じ。)における宿泊のサービスが含まれる場合にあっては、宿泊サービス提供契約(同法第十二条に規定する宿泊サービス提供契約をいう。次号において同じ。)を締結する住宅宿泊事業者(同法第二条第四項に規定する住宅宿泊事業者をいう。次号において同じ。)の商号、名称又は氏名及び届出番号並びに旅行者が宿泊する届出住宅
  ト ニに掲げる対価に含まれていない旅行に関する経費であって旅行者が通常必要とするもの
  チ 企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)の参加者数があらかじめ企画者が定める人員数を下回った場合に当該企画旅行を実施しないこととするときは、その旨及び当該人員数
  リ 契約の申込方法及び契約の成立に関する事項
  ヌ 契約の変更及び解除に関する事項
  ル 責任及び免責に関する事項
  ヲ 旅行中の損害の補償に関する事項
  ワ 旅行に参加する資格を定める場合にあっては、その旨及び当該資格
  カ ホに掲げる旅行に関するサービスに専ら企画旅行の実施のために提供される運送サービスが含まれる場合にあっては、当該運送サービスの内容を勘案して、旅行者が取得することが望ましい輸送の安全に関する情報
  ヨ 旅行の目的地を勘案して、旅行者が取得することが望ましい安全及び衛生に関する情報がある場合にあっては、その旨及び当該情報
  タ 全国通訳案内士又は地域通訳案内士の同行の有無
 二 企画旅行契約以外の旅行業務に関する契約(次号に規定する契約を除く。)を締結しようとする場合にあっては、次に掲げる事項
  イ 契約を締結する旅行業者の氏名又は名称
  ロ 旅行業者代理業者が所属旅行業者を代理して契約を締結する場合にあっては、その旨
  ハ 旅行業務の取扱いの料金に関する事項
  ニ 旅行業務として住宅宿泊事業法第二条第八項第一号に掲げる行為を取り扱う場合にあっては、宿泊サービス提供契約を締結する住宅宿泊事業者の商号、名称又は氏名及び届出番号並びに旅行者が宿泊する届出住宅
  ホ 前号ハからホまで、ト、リからワまで及びヨに掲げる事項
 三 法第二条第一項第九号に掲げる行為に係る旅行業務について契約を締結しようとする場合にあっては、第一号ニ及びホに掲げる事項
(書面の記載事項)
第九条 法第十二条の五第一項の国土交通省令・内閣府令で定める事項は、次のとおりとする
 一 企画旅行契約を締結した場合にあっては、次に掲げる事項
  イ 企画者以外の者が企画者を代理して契約を締結した場合にあっては、その旨並びに当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
  ロ 第三条第一号ハからチまで及びヌからタまで並びに第五条第一号イ、ハ及びニに掲げる事項
  ハ 契約締結の年月日
  ニ 旅程管理業務を行う者が同行しない場合にあっては、旅行地における企画者との連絡方法
 二 企画旅行契約以外の旅行業務に関する契約を締結した場合にあっては、次に掲げる事項
  イ 契約を締結した旅行業者の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
  ロ 旅行業者代理業者が所属旅行業者を代理して契約を締結した場合にあっては、その旨並びに当該旅行業者代理業者の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
  ハ 第三条第一号ハからホまで、ト、ヌからワまで及びヨ、同条第二号ハ及びニ、第五条第一号ハ及びニ並びに前号ハに掲げる事項


問9.外務員に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

 a.外務員とは,勧誘員,販売員,外交員その他いかなる名称を有する者であるかを問わず,旅行業者等の役員又は使用人のうち,その営業所以外の場所でその旅行業者等のために旅行業務について取引を行う者をいう。
 b.外務員は,旅行者から請求があったときに限り,国土交通省令で定める様式による外務員の証明書を提示しなければならない。
 c.旅行業者等は,外務員の証明書を携帯させた者でなければ,外務員としての業務に従事させてはならない。
 d.外務員は,旅行者が悪意であったときを除き,その所属する旅行業者等に代わって,旅行者との旅行業務に関する取引についての一切の裁判外の行為を行う権限を有するものとみなされる。


正解:b(配点:4)
解説:aは,法12条の6第1項のとおりですから,正しいです。

(外務員の証明書携帯等)
第十二条の六 旅行業者等は、勧誘員、販売員、外交員その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、その役員又は使用人のうち、その営業所以外の場所でその旅行業者等のために旅行業務について取引を行う者(以下「外務員」という。)に、国土交通省令で定める様式による証明書を携帯させなければ、その者を外務員としての業務に従事させてはならない。
2,3 略


bについて,法12条の6第2項は,外務員が業務を行うときは,外務員の証明書を提示しなければならない旨を規定しています。ここで,提示をする場合について,特に限定がかかっていないため,業務を行うときは必ず証明書の提示が必要ということになります。したがって,bは,旅行者からの請求があったときに限っている点で誤りです。

(外務員の証明書携帯等)
第十二条の六 略
2 外務員は、その業務を行なうときは、前項の証明書を提示しなければならない
3 略


cは,法12条の6第1項のとおりですから,正しいです。

(外務員の証明書携帯等)
第十二条の六 旅行業者等は、勧誘員、販売員、外交員その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、その役員又は使用人のうち、その営業所以外の場所でその旅行業者等のために旅行業務について取引を行う者(以下「外務員」という。)に、国土交通省令で定める様式による証明書を携帯させなければ、その者を外務員としての業務に従事させてはならない
2,3 略


dは,法12条の6第3項のとおりですから,正しいです。

(外務員の証明書携帯等)
第十二条の六 略
2 略
3 外務員は、その所属する旅行業者等に代わつて、旅行者との旅行業務に関する取引についての一切の裁判外の行為を行う権限を有するものとみなす。ただし、旅行者が悪意であつたときは、この限りでない


問10.企画旅行の円滑な実施のための措置に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

 a.旅行業者は,企画旅行を実施する場合においては,当該旅行の円滑な実施を確保するため国土交通省令で定める措置を講じなければならない。
 b.旅行業者は,旅行に関する計画に定めるサービスの旅行者への確実な提供を確保するために旅行開始前に必要な予約その他の措置を講じなければならない。
 c.旅行業者は,本邦内の旅行であって,契約の締結前に旅行者に旅程管理のための措置を講じない旨を説明し,かつ,当該旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合は,当該サービスの内容の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配及び当該サービスの提供を受けるために必要な手続きの実施その他の措置を講じることを要しない。
 d.旅行業者は,本邦外の旅行についても,当該旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合は,旅行地において旅行に関する計画に定めるサービスの内容の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配及び当該サービスの提供を受けるために必要な手続きの実施その他の措置を講じることを要しない。


正解:d(配点:4)
解説:aは,法12条の10のとおりですから,正しいです。

(企画旅行の円滑な実施のための措置)
第十二条の十 旅行業者は、企画旅行を実施する場合においては、旅行者に対する運送等サービスの確実な提供、旅行に関する計画の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配その他の当該企画旅行の円滑な実施を確保するため国土交通省令で定める措置を講じなければならない


bは,施行規則32条1号のとおりですから,正しいです。

(旅程管理のための措置)
第三十二条 法第十二条の十の国土交通省令で定める措置は、次のとおりとする。
 一 旅行に関する計画に定めるサービスの旅行者への確実な提供を確保するために旅行の開始前に必要な予約その他の措置
 二~四 略


c及びdについて,施行規則32条3号かっこ書きは,本邦内の旅行については,措置を講じない旨の説明とサービス提供を受ける権利を表示した書面の交付をもって,旅程管理措置の免除をすることができますが,本邦外の旅行についてはこれらを免除することができません。したがって,cは正しいですが,dは本邦外の旅行についても旅程管理措置を免除できるとしている点で誤りです。

(旅程管理のための措置)
第三十二条 法第十二条の十の国土交通省令で定める措置は、次のとおりとする。
 一,二 略
 三 旅行に関する計画に定めるサービスの内容の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配及び当該サービスの提供を受けるために必要な手続の実施その他の措置本邦内の旅行であつて、契約の締結の前に旅行者にこれらの措置を講じない旨を説明し、かつ、当該旅行に関する計画に定めるサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付した場合を除く。)
 四 略


問11.受託契約に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

 a.受託契約においては,委託旅行業者を代理して契約を締結することができる受託旅行業者又はその受託旅行業者代理業者の営業所を定めておかなければならない。
 b.旅行業者代理業者は,その所属旅行業者の承諾を得れば,他の旅行業者と直接受託契約を締結することができる。
 c.旅行業者は,他の旅行業者が実施する企画旅行を取り扱う際には,当該他の旅行業者の旅行業者代理業者の登録を受けた上で,受託契約を締結しなければならない。
 d.地域限定旅行業者は,第1種旅行業者を委託旅行業者とする受託契約を締結することはできない。


正解:a(配点:4)
解説:aは,法14条の2第3項のとおりですから,正しいです。

(企画旅行を実施する旅行業者の代理)
第十四条の二 略
2 略
3 委託旅行業者及び受託旅行業者は、受託契約において、委託旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる受託旅行業者又はその受託旅行業者代理業者の営業所を定めておかなければならない


bについて,法14条の3第1項,14条の2第2項によれば,旅行業者代理業者は,所属旅行業者が受託旅行業者となる受託契約において,その旅行業者代理業者が代理して企画旅行契約を締結することができることを定めたときでないと,所属旅行業者以外の旅行業者のために旅行業務を取り扱ってはならないことになります。したがって,bは,所属旅行業者のしょだくをもって他の旅行業者と受託契約を締結できるとしている点で誤りです。

(企画旅行を実施する旅行業者の代理)
第十四条の二 略
2 前項の規定により委託旅行業者と受託契約を締結した旅行業者(以下「受託旅行業者」という。)が、当該受託契約において、当該受託旅行業者を所属旅行業者とする旅行業者代理業者のうち当該委託旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができるものを定めたときは、その受託契約において定められた旅行業者代理業者(以下「受託旅行業者代理業者」という。)は、当該委託旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することができる。
3 略
(旅行業者代理業者の旅行業務等)
第十四条の三 旅行業者代理業者は、前条第二項の規定により代理して企画旅行契約を締結する場合を除き、その所属旅行業者以外の旅行業者のために旅行業務を取り扱つてはならない
2~5 略


cについて,法14条の2第1項は,旅行業者が受託契約を締結するについて,旅行業者代理業者の登録を受ける必要がない旨規定しています。したがって,cは,旅行業者代理業者の登録が必要としている点で誤りです。

(企画旅行を実施する旅行業者の代理)
第十四条の二 旅行業者は、他の旅行業者が実施する企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)について、当該他の旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することを内容とする契約(以下「受託契約」という。)を締結したときは、第三条の規定にかかわらず、旅行業者代理業の登録を受けなくても、当該受託契約の相手方(以下「委託旅行業者」という。)を代理して企画旅行契約を締結することができる。
2,3 略


dについて,法14条の2第1項は,「旅行業者」は「他の旅行業者」と受託契約を締結することができる旨しか規定していません。地域限定旅行業者も第1種旅行業者も「旅行業者」ですから,両者の間で受託契約を締結しても,同項の要件を満たします。したがって,dは,受託契約を締結することができないとしている点で誤りです。

(企画旅行を実施する旅行業者の代理)
第十四条の二 旅行業者は、他の旅行業者が実施する企画旅行(参加する旅行者の募集をすることにより実施するものに限る。)について、当該他の旅行業者を代理して企画旅行契約を締結することを内容とする契約(以下「受託契約」という。)を締結したときは、第三条の規定にかかわらず、旅行業者代理業の登録を受けなくても、当該受託契約の相手方(以下「委託旅行業者」という。)を代理して企画旅行契約を締結することができる。
2,3 略


問12.次の記述のうち,登録行政庁が旅行業者等に命ずることができる措置(業務改善命令)として定められていないものはどれか。

 a.旅行業務の取扱いの料金又は企画旅行に関し旅行者から収受する対価を変更すること。
 b.旅行業務取扱管理者を解任すること。
 c.旅程管理のための措置を確実に実施すること。
 d.旅行業協会の保証社員になること。


正解:d(配点:4)
解説:業務改善命令の内容については,法18条の3第1項に掲げられています。
 aは,法18条の3第1項2号に定められています。
 bは,法18条の3第1項1号に定められています。
 cは,法18条の3第1項4号に定められています。
 dについては,法18条の3第1項に掲げられていません。

(企画旅行の円滑な実施のための措置)
第十二条の十 旅行業者は、企画旅行を実施する場合においては、旅行者に対する運送等サービスの確実な提供、旅行に関する計画の変更を必要とする事由が生じた場合における代替サービスの手配その他の当該企画旅行の円滑な実施を確保するため国土交通省令で定める措置を講じなければならない。
(業務改善命令)
第十八条の三 観光庁長官は、旅行業者等の業務の運営に関し、取引の公正、旅行の安全又は旅行者の利便を害する事実があると認めるときは、当該旅行業者等に対し、次に掲げる措置をとるべきことを命ずることができる。
 一 旅行業務取扱管理者を解任すること
 二 旅行業務の取扱いの料金又は企画旅行に関し旅行者から収受する対価を変更すること
 三 旅行業約款を変更すること。
 四 企画旅行に係る第十二条の十の国土交通省令で定める措置を確実に実施すること
 五 旅行者に生じた損害を賠償するために必要な金額を担保することができる保険契約を締結すること。
 六 前各号に掲げるもののほか、業務の運営の改善に必要な措置をとること。
2~4 略


問13.旅行サービス手配業に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

 a.地域限定旅行業者は,旅行サービス手配業の登録を受けてなくても,旅行サービス手配業務を取り扱うことができる。
 b.旅行サービス手配業者は,国土交通省令で定める要件を満たす場合,複数の営業所を通じて1人の旅行サービス手配業務取扱管理者を選任することができる。
 c.旅行サービス手配業務取扱管理者が管理及び監督すべき職務として,旅行に関する計画の作成に関する事項が定められている。
 d.旅行サービス手配業者は,旅行サービス手配業務を他人に委託する場合においては,他の旅行サービス手配業者のみに委託しなければならない。


正解:a(配点:4)
解説:aは,法34条1項のとおりですから,正しいです。

(定義)
第二条 略
2~5 略
6 この法律で「旅行サービス手配業」とは、報酬を得て、旅行業を営む者(外国の法令に準拠して外国において旅行業を営む者を含む。)のため、旅行者に対する運送等サービス又は運送等関連サービスの提供について、これらのサービスを提供する者との間で、代理して契約を締結し、媒介をし、又は取次ぎをする行為(取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便の確保に支障を及ぼすおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)を行う事業をいう。
7 略
(旅行業者等による旅行サービスの手配の代理等)
第三十四条 旅行業者は、第二十三条の規定にかかわらず、旅行サービス手配業の登録を受けなくても、第二条第六項に規定する行為を行うことができる
2 略


bについて,法28条4項は,旅行サービス手配業務取扱管理者は,他の営業所の旅行サービス手配業務取扱管理者となることができない旨規定しています。また,旅行サービス手配業務取扱管理者については,法11条の2第5項のような規定が存在しません。したがって,複数の営業所を通じて1人の旅行サービス手配業務取扱管理者を選任することができる場合はありません。よって,bは,誤りです。

(旅行業務取扱管理者の選任)
第十一条の二 略
2~4 略
5 第一項の規定により旅行業務取扱管理者を選任しなければならない営業所が複数ある場合において、当該複数の営業所が近接しているときとして国土交通省令で定めるときは、旅行業務取扱管理者は、前項の規定にかかわらず、その複数の営業所を通じて一人で足りる。ただし、当該旅行業務取扱管理者の事務負担が過重なものとなる場合その他の当該複数の営業所における旅行業務の適切な運営が確保されないおそれがある場合として国土交通省令で定める場合は、この限りでない。
6~10 略
(旅行サービス手配業務取扱管理者の選任)
第二十八条 略
2,3 略
4 旅行サービス手配業務取扱管理者は、他の営業所の旅行サービス手配業務取扱管理者となることができない
5~9 略


cについて,法28条1項は,旅行サービス手配業務取扱管理者は国土交通省令で定める事項についての監理及び監督に関する事務を行う旨規定しています。そして,これを受けた施行規則46条は,旅行サービス手配業務取扱管理者の職務内容について定めています。しかし,同条に掲げる事由には,「旅行に関する計画の作成に関する事項」は定められていません。したがって,cは,誤りです。

○旅行業法
(旅行サービス手配業務取扱管理者の選任)
第二十八条 旅行サービス手配業者は、営業所ごとに、一人以上の第五項の規定に適合する旅行サービス手配業務取扱管理者を選任して、当該営業所における旅行サービス手配業務に関し、その取引に係る取引条件の明確性、旅行に関するサービスの提供の確実性その他取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便を確保するため必要な国土交通省令で定める事項についての管理及び監督に関する事務を行わせなければならない。
2~9 略

○旅行業法施行規則
(旅行サービス手配業務取扱管理者の職務)
第四十六条 法第二十八条第一項の国土交通省令で定める事項は、次のとおりとする。
 一 法第三十条の規定による書面の交付に関する事項
 二 旅行サービス手配業務に関する苦情の処理に関する事項
 三 契約締結の年月日、契約の相手方その他の旅行サービス手配業務に関し取引をする者と締結した契約の内容に係る重要な事項についての明確な記録又は関係書類の保管に関する事項
 四 前各号に掲げるもののほか、取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便を確保するため必要な事項として観光庁長官が定める事項

○旅行業法施行規則第46条第4号に基づき観光庁長官が定める旅行サービス手配業務取扱管理者の職務
 旅行業法施行規則第46条第4号に基づき観光庁長官が定める旅行サービス手配業務取扱管理者の職務は、次に掲げるものとする。
 1 旅行の安全を確保するため、貸切バス事業者の安全の確保に関する取組みについて把握し、必要な場合には改善又は是正を求めること。
 2 旅行の安全に関する各種法令・通達や安全性向上に資する取り組み等について、貸切バス事業者との間で必要に応じて情報共有等を図ること。
 3 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律(昭和35年法律第145号)や不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)等に違反することの無いよう、必要な措置を講ずること。


dについて,法33条1項によれば,旅行サービス手配業者は,その業務を,他の旅行サービス手配業者のみならず,旅行業者に対しても委託することができます。したがって,dは,これを他の旅行サービス手配業者に限っている点で誤りです。

(旅行サービス手配業務等の委託)
第三十三条 旅行サービス手配業者は、旅行サービス手配業務を他人に委託する場合においては、他の旅行サービス手配業者又は旅行業者に委託しなければならない
2 略


問14.次の記述から,旅行業協会が適正かつ確実に実施しなければならない業務として定められているものだけをすべて選んでいるものはどれか。
 (ア) 旅行業務又は旅行サービス手配業務の適切な運営を確保するための旅行業者等又は旅行サービス手配業者に対する指導
 (イ) 旅行業務に関し社員である旅行業者との取引で運送等サービスを提供した者に対しその取引によって生じた債権に関し弁済をする業務
 (ウ) 旅行者及び旅行に関するサービスを提供する者からの旅行業者等又は旅行サービス手配業者の取り扱った旅行業務又は旅行サービス手配業務に対する苦情の解決
 (エ) 訪日外国人旅行者の増加のための諸施策の推進

a.(ア)(ウ)  b.(イ)(ウ)  c.(ア)(イ)(エ)  d.(イ)(ウ)(エ)


正解:a(配点:4)
解説:旅行業協会の業務については,法42条に定められています。
 (ア)は,法42条4号に定められています。
 (イ)について,法42条3号は,旅行業者と取引をした「旅行者」に対する弁済業務について規定していますが,旅行業者と取引をした「運送等サービスを提供した者」に対する弁済業務については定めていません。
 (ウ)は,法42条1号に定められています。
 (エ)については,法42条に掲げられていません。
 以上から,(ア)及び(ウ)は定められており,(イ)及び(エ)は定められていませんから,正解はa.です。

(業務)
第四十二条 旅行業協会は、次に掲げる業務をこの章に定めるところにより適正かつ確実に実施しなければならない。
 一 旅行者及び旅行に関するサービスを提供する者からの旅行業者等又は旅行サービス手配業者の取り扱つた旅行業務又は旅行サービス手配業務に対する苦情の解決
 二 旅行業務又は旅行サービス手配業務の取扱いに従事する者に対する研修
 三 旅行業務に関し社員である旅行業者又は当該旅行業者を所属旅行業者とする旅行業者代理業者と取引をした旅行者に対しその取引によつて生じた債権に関し弁済をする業務(以下「弁済業務」という。)
 四 旅行業務又は旅行サービス手配業務の適切な運営を確保するための旅行業者等又は旅行サービス手配業者に対する指導
 五 旅行業務及び旅行サービス手配業務に関する取引の公正の確保又は旅行業、旅行業者代理業及び旅行サービス手配業の健全な発達を図るための調査、研究及び広報


問15.旅行業協会が行う苦情の解決に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

 a.旅行業協会は,苦情の解決について申出があったときは,必ず文書若しくは口頭による説明を求め,又は資料の提出を求めなければならない。
 b.旅行業協会は,旅行業務又は旅行サービス手配業務に関する苦情についての解決の申出,当該苦情に係る事情及びその解決の結果について,社員及び社員以外の旅行業者等に周知させなければならない。
 c.旅行業者等又は旅行サービス手配業者は,旅行業協会から苦情の解決について,文書若しくは口頭による説明,又は資料の提出があったときは,正当な理由がないのに,これを拒んではならない。
 d.旅行業協会は,社員以外の旅行業者等が取り扱った旅行業務に関する苦情について,旅行に関するサービスを提供する者から,解決の申出があったときは,その相談に応じなければならない。


正解:d(配点:4)
解説:aについて,法45条2項は,「必要があると認めるときは」文書・口頭による説明・資料提出を求めることができる旨規定しています。したがって,aは,「必ず」求めなければならないとしている点で誤りです。

(苦情の解決)
第四十五条 略
2 旅行業協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該旅行業者等又は旅行サービス手配業者に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3,4 略


bについて,法45条4項は,「社員」に周知することを求めていますが,「社員以外」に周知することまでは求めていません。したがって,bは,誤りです。

(苦情の解決)
第四十五条 略
2,3 略
4 旅行業協会は、第一項の申出、当該苦情に係る事情及びその解決の結果について社員に周知させなければならない


cについて,法45条3項は,「社員」は文書・口頭による説明・資料提出の求めを正当な理由なく拒んではならない旨規定していますが,「社員以外」についてはそのような定めをしていません。したがって,cは,社員・社員以外の区別なく,「旅行業者等又は旅行サービス手配業者」は拒んではならないとしている点で誤りです。

(苦情の解決)
第四十五条 略
2 旅行業協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該旅行業者等又は旅行サービス手配業者に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3 社員は、旅行業協会から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
4 略


dについて,法45条1項は,社員・社員以外の区別なく,苦情解決の申出があった場合には,相談に応じなければならない旨規定しています。したがって,dは,正しいです。

(苦情の解決)
第四十五条 旅行業協会は、旅行者又は旅行に関するサービスを提供する者から旅行業者等又は旅行サービス手配業者が取り扱つた旅行業務又は旅行サービス手配業務に関する苦情について解決の申出があつたときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、当該苦情に係る事情を調査するとともに、当該旅行業者等又は旅行サービス手配業者に対し当該苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
2~4 略


問16.弁済業務保証金に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

 a.旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を実行しようとする旅行者は,その債権について旅行業協会の認証を受けなければならない。
 b.旅行業協会に加入しようとする旅行業者は,その加入しようとする日までに,弁済業務規約で定める額の弁済業務保証金分担金を旅行業協会の最寄りの供託所に供託しなければならない。
 c.保証社員又は当該保証社員を所属旅行業者とする旅行業者代理業者と旅行業務に関し取引をした旅行者は,その取引によって生じた債権に関し,旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。
 d.旅行業協会から還付充当金を納付するよう通知を受けた保証社員は,その通知を受けた日から7日以内に,その通知された額の還付充当金を旅行業協会に納付しないときは,旅行業協会の社員の地位を失う。


正解:b(配点:4)
解説:aは,法48条2項のとおりですから,正しいです。

(弁済業務保証金の還付)
第四十八条 保証社員(次条第一項の規定により弁済業務保証金分担金を納付した社員をいう。以下同じ。)又は当該保証社員を所属旅行業者とする旅行業者代理業者と旅行業務に関し取引をした旅行者は、観光庁長官の指定する弁済業務開始日以後、その取引によつて生じた債権に関し、当該保証社員について弁済業務規約で定める弁済限度額の範囲内(当該保証社員について既に次項の認証をした債権があるときはその額を控除し、第五十条第二項の規定により納付を受けた額があるときはその額を加えた額の範囲内)において、旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。
2 前項の権利を実行しようとする者は、その債権について旅行業協会の認証を受けなければならない
3~6 略


bについて,法49条1項1号によれば,弁済業務保証分担金は「旅行業協会に納付」することとされています。したがって,bは,これを「旅行業協会の最寄りの供託所に供託しなければならない」としている点で誤りです。

(弁済業務保証金分担金の納付等)
第四十九条 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める日までに、弁済業務保証金に充てるため、弁済業務規約で定める額の弁済業務保証金分担金を旅行業協会に納付しなければならない
 一 旅行業協会に加入しようとする旅行業者 その加入しようとする日
 二 略
2~4 略


cは,法48条1項のとおりですから,正しいです。

(弁済業務保証金の還付)
第四十八条 保証社員(次条第一項の規定により弁済業務保証金分担金を納付した社員をいう。以下同じ。)又は当該保証社員を所属旅行業者とする旅行業者代理業者と旅行業務に関し取引をした旅行者は、観光庁長官の指定する弁済業務開始日以後、その取引によつて生じた債権に関し、当該保証社員について弁済業務規約で定める弁済限度額の範囲内(当該保証社員について既に次項の認証をした債権があるときはその額を控除し、第五十条第二項の規定により納付を受けた額があるときはその額を加えた額の範囲内)において、旅行業協会が供託している弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する
2~6 略


dは,法50条1項ないし3項のとおりですから,正しいです。

(還付充当金の納付等)
第五十条 旅行業協会は、第四十八条第一項の規定により弁済業務保証金の還付があつたときは、当該還付に係る保証社員又は保証社員であつた者に対し、当該還付額に相当する額の還付充当金を旅行業協会に納付すべきことを通知しなければならない
2 前項の通知を受けた保証社員又は保証社員であつた者は、その通知を受けた日から七日以内に、その通知された額の還付充当金を旅行業協会に納付しなければならない
3 保証社員は、前項に規定する期日までに第一項の還付充当金を納付しないときは、旅行業協会の社員の地位を失う


問17.報酬を得て,次の行為を事業として行う場合,旅行業の登録を受けなければならないものをすべて選びなさい。

 a.宿泊事業者が,インターネットを利用して予約を受け付け,自ら経営する旅館の宿泊サービスを提供する行為
 b.留学をあっせんする事業者が,留学希望者の依頼を受けて,国際線の航空券及びホテルを手配する行為
 c.タクシー会社が,自社のタクシーを使用して,昼食付きの日帰りツアーを実施する行為
 d.結婚式場が,提携している旅行業者の募集パンフレットを配布し,旅行の申込みを受け付け,申込金を収受する行為


正解:b,d(配点:4)
解説:aについて,旅館が,自身の旅館について宿泊サービスを提供することは,その旅館の本来の旅館業の一環であり,他人の宿泊サービスを提供するなどするものではないため,旅行業にあたりません。したがって,aは,旅行業の登録が不要です。
 bは,法2条1項3号に該当します。したがって,bは,旅行業の登録が必要です。
 cについて,昼食付きの日帰りツアーを販売するのは「運送等関連サービス」にあたるところ,運送等関連サービスを行うについて旅行業の登録が必要なのは,①企画旅行中の運送等サービスを提供する者との間で契約を締結するのに付随する場合(法2条1項2号),②運送等サービスの利用に付随して旅行者のために代理・媒介・取次をする場合(同項6号),③運送等サービスの利用に付随して運送等サービスを提供する者のために代理・媒介をする場合(同項7号)の3つの場合です。しかし,本問では主たるサービスである運送等サービスが存在しないため(タクシーの運行は,自社タクシーを利用しているため,各号の「運送等サービス」にあたりません。),上記3つの場合のいずれにも該当しません。したがって,cは,旅行業の登録が不要であり,誤りです。
 dは,法2条1項1号に該当するものと思われます(「提携」の具体的意味が判然としないため,旅行業者代理業にあたる可能性もありそうです。)。したがって,dは,旅行業の登録が必要です。

問18.旅行業又は旅行業者代理業の登録に関する次の記述のうち,正しいものをすべて選びなさい。

 a.旅行業の登録の有効期間は,登録の日から起算して5年である。
 b.旅行業者代理業者が,第3種旅行業への変更登録をしようとするとき,主たる営業所の所在地を管轄する都道府県知事に申請をしなければならない。
 c.第1種旅行業者の営業所において,選任されている旅行業務取扱管理者に変更があったときは,その旨を観光庁長官に届け出なければならない。
 d.地域限定旅行業の登録を申請する者が,100万円以上の基準資産額を有しない場合は,登録を拒否される。


正解:a,d(配点:4)
解説:aは,法6条の2のとおりですから,正しいです。

(登録の有効期間)
第六条の二 旅行業の登録の有効期間は、登録の日から起算して五年とする


bについて,法6条の4第1項によれば,変更登録とは,「旅行業者」がその業務範囲を変更する際に観光庁長官が行う登録のことをいいます。したがって,旅行業者代理業者が旅行業の登録をするときは,変更登録ではなく新規登録を行うことになります。よって,bは,旅行業者代理業者が第3種旅行業へ業種替えする際の登録を変更登録としている点で誤りです。

(変更登録等)
第六条の四 旅行業の登録を受けた者(以下「旅行業者」という。)は、第四条第一項第三号の業務の範囲について変更をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、観光庁長官の行う変更登録を受けなければならない。
2~4 略


cについて,法6条の4第3項によれば,旅行業者が登録事項を変更した際に届出が必要とされているのは,法4条1項1号,2号及び4号に掲げる事項に限られます。旅行業務取扱管理者は,同各号に掲げられた事項には該当しません。したがって,cは,誤りです。

(登録の申請)
第四条 前条の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を観光庁長官に提出しなければならない。
 一 氏名又は商号若しくは名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
 二 主たる営業所及びその他の営業所の名称及び所在地
 三 略
 四 旅行業を営もうとする者にあつては、旅行業者代理業を営む者に旅行業務を取り扱わせるときは、その者の氏名又は名称及び住所並びに当該旅行業務を取り扱う営業所の名称及び所在地
 五 略
2 略
(変更登録等)
第六条の四 略
2 略
3 旅行業者又は旅行業者代理業者(旅行業者代理業の登録を受けた者をいう。以下同じ。)は、第四条第一項第一号、第二号又は第四号(旅行業者代理業者にあつては、同項第一号又は第二号)に掲げる事項について変更があつたときは、その日から三十日以内に、国土交通省令で定める書類を添付して、その旨を観光庁長官に届け出なければならない
4 略


dは,法6条1項10号,施行規則3条4号のとおりですから,正しいです。

○旅行業法
(登録の拒否)
第六条 観光庁長官は、登録の申請者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を拒否しなければならない。
 一~九 略
 十 旅行業を営もうとする者であつて、当該事業を遂行するために必要と認められる第四条第一項第三号の業務の範囲の別ごとに国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有しないもの
 十一 略
2 略

○旅行業法施行規則
(財産的基礎)
第三条 法第六条第一項第十号の国土交通省令で定める基準は、次条に定めるところにより算定した資産額(以下「基準資産額」という。)が、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める額以上であることとする。
 一 登録業務範囲が第一種旅行業務である旅行業(以下「第一種旅行業」という。)を営もうとする者 三千万円
 二 登録業務範囲が第二種旅行業務である旅行業(以下「第二種旅行業」という。)を営もうとする者 七百万円
 三 登録業務範囲が第三種旅行業務である旅行業(以下「第三種旅行業」という。)を営もうとする者 三百万円
 四 登録業務範囲が地域限定旅行業務である旅行業(以下「地域限定旅行業」という。)を営もうとする者 百万円


問19.旅行業務に関し契約を締結したときに交付する書面に関する次の記述のうち,正しいものをすべて選びなさい。

 a.旅行業者等は,国土交通省令で定める場合を除き,旅行業務に関し取引をする者(旅行者を除く。)と旅行業務に関し契約を締結したに遅滞なく交付する書面には,当該契約に係る旅行業務を取り扱う営業所の名称及び所在地を記載しなければならない。
 b.旅行業者等は,企画旅行契約を締結した場合で,旅程管理業務を行う者が同行しないときは,旅行地における企画者との連絡方法を書面に記載しなければならない。
 c.企画者以外の者が企画者を代理して旅行者と企画旅行契約を締結した場合は,その旨並びに当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに登録番号を書面に記載しなければならない。
 d.旅行に関する相談に応ずる行為に係る旅行業務について旅行者と契約を締結したときは,旅行業者の氏名又は名称及び住所並びに登録番号を書面に記載しなければならない。


正解:a,b,c(配点:4)
解説:aは,法12条の5第3項,施行規則27条の4第5号のとおりですから,正しいです。

○旅行業法
(書面の交付)
第十二条の五 略
2 略
3 旅行業者等は、旅行業務に関し取引をする者(旅行者を除く。以下この条において同じ。)と旅行業務に関し契約を締結したときは、国土交通省令で定める場合を除き、遅滞なく、当該取引をする者に対し、旅行者に提供すべき旅行に関するサービスの内容その他の国土交通省令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない。
4 略

○旅行業法施行規則
(書面の記載事項)
第二十七条の四 法第十二条の五第三項の国土交通省令で定める事項は、次のとおりとする。
 一 旅行業務に関し取引をする者の氏名又は商号若しくは名称及び住所(当該者が旅行業者等又は旅行サービス手配業者である場合においては、氏名又は商号若しくは名称及び住所並びに登録番号)
 二 契約を締結する旅行業者等の氏名又は商号若しくは名称及び住所並びに登録番号
 三 旅行者に提供すべき旅行に関するサービスの内容
 四 旅行業者等が旅行業務に関し取引をする者に支払う対価又は旅行業務の取扱いの料金に関する事項
 五 当該契約に係る旅行業務を取り扱う営業所の名称及び所在地
 六 当該契約に係る旅行業務取扱管理者の氏名
 七 契約締結の年月日


bは,法12条の5第1項,契約規則9条1号ニのとおりですから,正しいです。
また,cは,法12条の5第1項,契約規則9条1号イのとおりですから,正しいです。

○旅行業法
(書面の交付)
第十二条の五 旅行業者等は、旅行者と企画旅行契約、手配旅行契約その他旅行業務に関し契約を締結したときは、国土交通省令・内閣府令で定める場合を除き、遅滞なく、旅行者に対し、当該提供すべき旅行に関するサービスの内容、旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項、旅行業務取扱管理者の氏名、全国通訳案内士若しくは地域通訳案内士の同行の有無その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面又は当該旅行に関するサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付しなければならない。
2~4 略

○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(書面の記載事項)
第九条 法第十二条の五第一項の国土交通省令・内閣府令で定める事項は、次のとおりとする。
 一 企画旅行契約を締結した場合にあっては、次に掲げる事項
  イ 企画者以外の者が企画者を代理して契約を締結した場合にあっては、その旨並びに当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
  ロ 第三条第一号ハからチまで及びヌからタまで並びに第五条第一号イ、ハ及びニに掲げる事項
  ハ 契約締結の年月日
  ニ 旅程管理業務を行う者が同行しない場合にあっては、旅行地における企画者との連絡方法
 二 略


dについて,法12条の5第1項は,国土交通省令・内閣府令で定める場合を除いて,契約書面を交付しなければならない旨規定しています。そして,これを受けた契約規則8条は,旅行に関する相談に応ずる行為について,契約書面の交付を不要する旨を定めています。したがって,dは,誤りです。

○旅行業法
(定義)
第二条 この法律で「旅行業」とは、報酬を得て、次に掲げる行為を行う事業(専ら運送サービスを提供する者のため、旅行者に対する運送サービスの提供について、代理して契約を締結する行為を行うものを除く。)をいう。
 一~八 略
 九 旅行に関する相談に応ずる行為
2~7 略
(書面の交付)
第十二条の五 旅行業者等は、旅行者と企画旅行契約、手配旅行契約その他旅行業務に関し契約を締結したときは、国土交通省令・内閣府令で定める場合を除き、遅滞なく、旅行者に対し、当該提供すべき旅行に関するサービスの内容、旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項、旅行業務取扱管理者の氏名、全国通訳案内士若しくは地域通訳案内士の同行の有無その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面又は当該旅行に関するサービスの提供を受ける権利を表示した書面を交付しなければならない。
2~4 略

○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(書面の交付を要しない場合)
第八条 法第十二条の五第一項の国土交通省令・内閣府令で定める場合は、法第二条第一項第九号に掲げる行為に係る旅行業務について旅行者と契約を締結した場合とする


問20.次の記述のうち,企画旅行に参加する旅行者を募集するための広告の表示事項として定められているものをすべて選びなさい。

 a.旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項
 b.旅程管理業務を行う者の同行の有無
 c.旅行中の損害の補償に関する事項
 d.旅行の目的地及び日程に関する事項


正解:a,b,d(配点:4)
解説:企画旅行の募集広告の表示事項は,法12条の7の委任を受けた契約規則13条に定められています。
 aは,契約規則13条4号に定められています。
 bは,契約規則13条5号に定められています。
 cについては,契約規則13条の各号事由に該当しません。
 dは,契約規則13条2号に定められています。

○旅行業法
(企画旅行の広告)
第十二条の七 旅行業者等は、企画旅行に参加する旅行者を募集するため広告をするときは、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、当該企画旅行を実施する旅行業者の氏名又は名称、旅行の目的地及び日程、旅行者が提供を受けることができる運送等サービスの内容、旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項、第十二条の十の国土交通省令で定める措置を講ずるために必要な業務を行う者の同行の有無その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項を表示してしなければならない。

○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(広告の表示事項)
第十三条 法第十二条の七の国土交通省令・内閣府令で定める事項は、次のとおりとする。
 一 企画者の氏名又は名称及び住所並びに登録番号
 二 旅行の目的地及び日程に関する事項
 三 旅行者が提供を受けることができる運送、宿泊又は食事のサービスの内容に関する事項
 四 旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項
 五 旅程管理業務を行う者の同行の有無
 六 企画旅行の参加者数があらかじめ企画者が定める人員数を下回った場合に当該企画旅行を実施しないこととするときは、その旨及び当該人員数
 七 第三号に掲げるサービスに専ら企画旅行の実施のために提供される運送サービスが含まれる場合にあっては、当該運送サービスの内容を勘案して、旅行者が取得することが望ましい輸送の安全に関する情報
 八 法第十二条の四に規定する取引条件の説明を行う旨(第三条第一号に規定する事項を表示して広告する場合を除く。)


問21.次の記述のうち,旅行業務について広告するときに誇大広告をしてはならない事項として定められているものをすべて選びなさい。

 a.感染症の発生の状況その他の旅行地における衛生に関する事項
 b.旅行業者等の業務の範囲,資力又は信用に関する事項
 c.旅行者に対する損害の補償に関する事項
 d.旅行地の景観,環境その他の状況に関する事項


正解:a,b,c,d(配点:4)
解説:誇大広告の禁止事項については,法12条の8の委任を受けた契約規則14条に定められています。
 aは,契約規則14条3号に定められています。
 bは,契約規則14条8号に定められています。
 cは,契約規則14条7号に定められています。
 dは,契約規則14条4号に定められています。

○旅行業法
(誇大広告の禁止)
第十二条の八 旅行業者等は、旅行業務について広告をするときは、広告された旅行に関するサービスの内容その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

○旅行業者等が旅行者と締結する契約等に関する規則
(誇大表示をしてはならない事項)
第十四条 法第十二条の八の国土交通省令・内閣府令で定める事項は、次のとおりとする。
 一 旅行に関するサービスの品質その他の内容に関する事項
 二 旅行地における旅行者の安全の確保に関する事項
 三 感染症の発生の状況その他の旅行地における衛生に関する事項
 四 旅行地の景観、環境その他の状況に関する事項
 五 旅行者が旅行業者等に支払うべき対価に関する事項
 六 旅行中の旅行者の負担に関する事項
 七 旅行者に対する損害の補償に関する事項
 八 旅行業者等の業務の範囲、資力又は信用に関する事項


問22.旅行業者等がしてはならない行為に関する次の記述のうち,正しいものをすべて選びなさい。

 a.旅行業者等が,運送サービス(専ら企画旅行の実施のために提供されるものに限る。)を提供する者に対し,輸送の安全の確保を不当に阻害する行為は,禁止行為に該当する。
 b.旅行業者等は,旅行業務に関し取引した者に対し,いかなる理由があっても,その取引によって生じた債務の履行を遅延する行為をしてはならない。
 c.旅行業者等は,登録行政庁に届け出ていれば,その名義を他人に旅行業又は旅行業者代理業のために利用させることができる。
 d.旅行業者等は,旅行者に対し,旅行地において施行されている法令に違反する行為を行うことをあっせんし,又はその行為を行うことに関し便宜に供与することは,禁止行為に該当する。


正解:a,d(配点:4)
解説:旅行業者等の禁止行為については,法13条,14条,施行規則37条の9に定められています。
 aは,施行規則37条の9第1号のとおりですから,正しいです。
 bについて,法13条2項は,取引上の債務の履行「不当に」遅延する行為を禁止しています。したがって,正当な理由がある場合にまで履行の遅延が禁止されるものではありません。したがって,bは,誤りです。
 cについて,法14条1項は,名義貸しを禁止しています。したがって,cは,誤りです。
 dは,法13条3項1号のとおりですから,正しいです。

○旅行業法
(禁止行為)
第十三条 旅行業者等は、次に掲げる行為をしてはならない。
 一 第十二条第一項又は第三項の規定により掲示した料金を超えて料金を収受する行為
 二 旅行業務に関し取引をする者に対し、その取引に関する重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
2 旅行業者等は、旅行業務に関し取引をした者に対し、その取引によつて生じた債務の履行を不当に遅延する行為をしてはならない。
3 旅行業者等又はその代理人、使用人その他の従業者は、その取り扱う旅行業務に関連して次に掲げる行為を行つてはならない。
 一 旅行者に対し、旅行地において施行されている法令に違反する行為を行うことをあつせんし、又はその行為を行うことに関し便宜を供与すること
 二 旅行者に対し、旅行地において施行されている法令に違反するサービスの提供を受けることをあつせんし、又はその提供を受けることに関し便宜を供与すること。
 三 前二号のあつせん又は便宜の供与を行う旨の広告をし、又はこれに類する広告をすること。
 四 前三号に掲げるもののほか、旅行者の保護に欠け、又は旅行業の信用を失墜させるものとして国土交通省令で定める行為
(名義利用等の禁止)
第十四条 旅行業者等は、その名義を他人に旅行業又は旅行業者代理業のため利用させてはならない
2 旅行業者等は、営業の貸渡しその他いかなる方法をもつてするかを問わず、旅行業又は旅行業者代理業を他人にその名において経営させてはならない。

○旅行業法施行規則
(禁止行為)
第三十七条の九 法第十三条第三項第四号の国土交通省令で定める行為は、次に掲げるものとする。
 一 運送サービス(専ら企画旅行の実施のために提供されるものに限る。)を提供する者に対し、輸送の安全の確保を不当に阻害する行為
 二 旅行者に対し、旅行地において特定のサービスの提供を受けること又は特定の物品を購入することを強要する行為
 三 宿泊のサービスを提供する者(旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第三条の二第一項に規定する営業者を除く。)と取引を行う際に、当該者が住宅宿泊事業法(平成二十九年法律第六十五号)第三条第一項の届出をした者であるかどうかの確認を怠る行為


問23.旅行業者代理業に関する次の記述のうち,正しいものをすべて選びなさい。

 a.旅行業者代理業の登録の有効期間は,登録の日から起算して5年である。
 b.旅行業者代理業者は,旅行業務に関し取引をしようとするときは,所属旅行業者の氏名又は名称及び旅行業者代理業者である旨を取引の相手方に明示しなければならない。
 c.所属旅行業者は,いかなる場合も旅行業者代理業者が旅行業務につき旅行者に加えた損害を賠償する責に任ずる。
 d.旅行業者代理業者は,その行う営業が旅行業であると誤認させ,又は所属旅行業者を誤認させるような表示,広告その他の行為をしてはならない。


正解:b,d(配点:4)
解説:aについて,旅行業者代理業には,登録の有効期間の定めがありません。したがって,aは,誤りです。なお,法6条の2は,「旅行業」の登録の有効期間についての定めであって,「旅行業者代理業」については適用がありません。

(登録の有効期間)
第六条の二 旅行業の登録の有効期間は、登録の日から起算して五年とする。


bは,法14条の3第2項のとおりですから,正しいです。

(旅行業者代理業者の旅行業務等)
第十四条の三 略
2 旅行業者代理業者は、旅行業務に関し取引をしようとするときは、所属旅行業者の氏名又は名称及び旅行業者代理業者である旨を取引の相手方に明示しなければならない
3~5 略


cについて,法14条の3第5項は,所属旅行業者は原則として旅行業者代理業者が旅行者に加えた損害について賠償責任を負う旨定めています。もっとも,委託について相当の注意+損害発生防止の努力の2つをした場合には,例外的に賠償責任を免れる旨も規定しています。したがって,cは,いかなる場合も賠償責任を負うとしている点で誤りです。

(旅行業者代理業者の旅行業務等)
第十四条の三 略
2~4 略
5 所属旅行業者は、旅行業者代理業者が旅行業務につき旅行者に加えた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、当該所属旅行業者がその旅行業者代理業者への委託につき相当の注意をし、かつ、その旅行業者代理業者の行う旅行業務につき旅行者に加えた損害の発生の防止に努めたときは、この限りでない


dは,法14条の3第3項のとおりですから,正しいです。

(旅行業者代理業者の旅行業務等)
第十四条の三 略
2 略
3 旅行業者代理業者は、その行う営業が旅行業であると誤認させ、又は所属旅行業者を誤認させるような表示、広告その他の行為をしてはならない
4,5 略


問24.次の記述のうち,登録の取消しの事由に該当するものをすべて選びなさい。

 a.旅行業者等が,下請代金支払遅延等防止法若しくは同法に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
 b.旅行業者等が,引き続き1年以上事業を行っていないと認められるとき。
 c.旅行業者等の役員が,公職選挙法に違反して罰金の刑に処せられたとき。
 d.旅行業者等が,不正の手段により新規登録を受けたとき。


正解:b,d(配点:4)
解説:登録の取消事由は,法19条に定められています。
 aについて,法19条1項1号は,旅行業法若しくは旅行業法に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反した場合に登録取消事由となる旨規定しているため,根拠法規を旅行業法に限定しています。したがって,旅行業法以外の法令やそれに基づく命令又はそれらに基づく処分に違反しても,直ちには取消事由とはなりません。よって,aは,誤りです。
 bは,法19条2項のとおりですから,正しいです。
 cについて,法19条1項2号は,法6条1項7号に該当したときを取消事由としているため,法人の役員が①禁錮以上の刑に処せられ,又は②旅行業法に違反して罰金刑に処せられた場合には取消事由となります。しかし,cは,公職選挙法に違反した場合ですから②の場合にあたらず,また罰金刑は禁錮刑よりも軽いため(刑法9条,10条1項参照),法6条1項7号,2号に該当しません。したがって,cは,法19条1項2号に該当しないため,誤りです。
 dは,法19条1項3号のとおりですから,正しいです。

○旅行業法
(登録の拒否)
第六条 観光庁長官は、登録の申請者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を拒否しなければならない。
 一 略
 二 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過していない者
 三~六 略
 七 法人であつて、その役員のうちに第一号から第四号まで又は前号のいずれかに該当する者があるもの
 八~十一 略
2 略
(登録の取消し等)
第十九条 観光庁長官は、旅行業者等が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は登録を取り消すことができる。
 一 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき
 二 第六条第一項第二号、第三号若しくは第五号から第八号までのいずれかに掲げる者に該当することとなつたとき、又は登録当時同項各号のいずれかに掲げる者に該当していたことが判明したとき。
 三 不正の手段により第三条の登録、第六条の三第一項の有効期間の更新の登録又は第六条の四第一項の変更登録を受けたとき
2 観光庁長官は、旅行業者等が登録を受けてから一年以内に事業を開始せず、又は引き続き一年以上事業を行つていないと認めるときは、登録を取り消すことができる
3 第六条第二項の規定は前二項の規定による処分について、前条第二項から第四項までの規定は第一項の規定による処分について、それぞれ準用する。

○刑法
(刑の種類)
第九条 死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。
(刑の軽重)
第十条 主刑の軽重は、前条に規定する順序による。ただし、無期の禁錮と有期の懲役とでは禁錮を重い刑とし、有期の禁錮の長期が有期の懲役の長期の二倍を超えるときも、禁錮を重い刑とする。
2,3 略


問25.雑則及び罰則に関する次の記述のうち,正しいものをすべて選びなさい。

 a.観光庁長官は,法令違反行為を行った者に意見を述べる機会を与えなくても,当該法令違反行為を行った者の氏名を一般に公表することができる。
 b.観光庁長官は,法令に基づき必要かつ適当であると認めるときは,旅行業法又は旅行業法に基づく命令に違反する行為を行った者の氏名又は名称を,必ずインターネットにより一般に公表しなければならない。
 c.登録行政庁の行う登録を受けず旅行業又は旅行業者代理業を営んだ者は,1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
 d.観光庁長官の行う登録を受けず旅行サービス手配業を営んだ者又は不正の手段により旅行サービス手配業の登録を受けた者については,その行為者を罰するほか,その法人又は人に対しても,罰金刑を科する。


正解:d(配点:4)
解説:aについて,法71条は,法令違反行為を行った者の氏名等を公表することができる旨を規定しています。もっとも,この場合,氏名を公表される側の不利益の重大性に鑑みて,施行規則75条の規定に従い,法令違反行為者に対して意見を述べる機会を与える必要があります。したがって,aは,誤りです。

○旅行業法
(法令違反行為を行つた者の氏名等の公表)
第七十一条 観光庁長官は、旅行業務又は旅行サービス手配業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進のため必要かつ適当であると認めるときは、国土交通省令で定めるところにより、この法律又はこの法律に基づく命令に違反する行為(以下この条において「法令違反行為」という。)を行つた者の氏名又は名称その他法令違反行為による被害の発生若しくは拡大を防止し、又は取引の公正を確保するために必要な事項を一般に公表することができる。

○旅行業法施行規則
(意見を述べる機会の供与)
第七十五条 法第七十一条の規定に基づき、法令違反行為を行つた者の氏名を一般に公表しようとするときは、あらかじめ、当該法令違反行為を行つた者に対して意見を述べる機会を与えなければならない


bについて,施行規則74条は,法令違反行為者の氏名等は,インターネットの利用その他の適切な方法により行うものとしています。したがって,インターネット以外に適切な方法がある場合には,インターネットによる公表は行われません。よって,bは,誤りです。

(氏名等の公表方法)
第七十四条 観光庁長官は、法第七十一条の規定に基づき、法令違反行為を行つた者の氏名又は名称その他法令違反行為による被害の発生若しくは拡大を防止し、又は取引の公正を確保するために必要な事項を一般に公表するときは、インターネットの利用その他の適切な方法により行うものとする


cについて,法74条1号は,登録を受けずに「旅行業」を営んだ者を罰する旨規定していますが,登録を受けずに「旅行業者代理業」を営んだ者については規定していません。したがって,cは,登録を受けずに「旅行業者代理業」を営んだ者についても罰するとしている点で誤りです。

(登録)
第三条 旅行業又は旅行業者代理業を営もうとする者は、観光庁長官の行う登録を受けなければならない。
第七十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する
 一 第三条の規定に違反して旅行業を営んだ者
 二~八 略


dは,法74条6号,7号,82条のとおりですから,正しいです。

(登録)
第二十三条 旅行サービス手配業を営もうとする者は、観光庁長官の行う登録を受けなければならない。
第七十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 一~五 略
 六 第二十三条の規定に違反して旅行サービス手配業を営んだ者
 七 不正の手段により第二十三条の登録を受けた者
 八 略
第八十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関し第七十四条又は第七十六条から第七十九条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する




2020-09-08(Tue)

【総合旅行業務取扱管理者】令和元年度大問4「海外旅行実務」

書き途中

(注)略称は次のとおり
旅券規則 : 旅券法施行規則
入管法 : 出入国管理及び難民認定法
入管特例法 : 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法

第1問 下記の適用条件に基づき,資料編を参照のうえ,以下の問1.~問3.の各設問について,該当するものをそれぞれの選択肢から一つ選び,問4.の設問について,該当するものを選択肢からすべて選び,解答用紙にマークしなさい。(配点 5点×4)

運賃計算上の留意点
 ・各設問について,途中降機料金が必要な場合は,計算式に含めること。

適用条件
1.旅程:
 TOKYO(NRT)-MADRID(MAD)  JL7089 16SEP(月) 11:05 18:15
 (注)JL7089便は,イベリア航空(IB)運航のコードシェア便である。
 MADRID(MAD)-PARIS(PAR)  IB3402 18SEP(水) 07:30 09:30
 PARIS(PAR)-NICE(NCE)  AF6204 23SEP(月) 09:00 10:25
 NICE(NCE)-HELSINKI(HEL)  AY1602 27SEP(金) 11:20 15:35
 HELSINKI(HEL)-TOKYO(NRT) JL414 01OCT(火) 17:35 09:05+1
2.クラス・人員: エコノミークラス・大人1名
3.適用運賃: JLエコノミークラス普通運賃 Flex Y
        JLエコノミークラス割引運賃 Standard B
        JLエコノミークラス割引運賃 Saver L
4.運賃・規則: 資料編参照
5.運賃計算上の折り返し地点: 各設問に記載
6.各区間のTPMとMPM:
  ・各区間TPM TYO-6795(TS)-MAD-664-PAR-428-NCE-1367-HEL-5229(TS)-TYO
  ・MPM TYO-PAR 7432(TS)  TYO-NCE 7486(TS)  TYO-HEL 7428(TS)
7.航空券の予約完了日・発券日: 2019年5月22日(水)
8.航空券の発券・販売: 日本
9.その他: 運賃は本来NUC額にて算出するが,計算簡素化のため円貨額にて算出するものとする。

〈参考〉各区間のTPM合計
    TYO-MAD-PAR 7459   TYO-HEL-NCE-PAR 7024
    TYO-MAD-PAR-NCE 7887   TYO-HEL-NCE 6596
    TYO-MAD-PAR-NCE-HEL 9254


令和元年資料1

問1.この旅程において,NCEを運賃計算上の折り返し地点として,往路にStandard B運賃,復路にSaver L運賃を適用した場合,運賃算出のための計算式はどれか。

a.449,000円×1/2+10,000円  +  167,000×1/2
b.449,000円×1/2×1.10+10,000円  +  167,000円×1/2
c.449,000円×1/2×1.10+10,000円  +  187,000円×1/2
d.449,000円×1/2×1.10+20,000円  +  167,000円×1/2+10,000円


正解:b(配点:5)
解説:本問では,NCEを折り返し地点としていますので,TYO-MAD-PAR-NCEまでが往路のフェアコンポーネント,NCE-HEL-TYOが復路のフェアコンポーネントとなります。
 まず,往路について,TYOからNCEまでの直行運賃を適用してよいかが問題となります。フェアコンポーネント内に経由地がある場合には,マイル計算を行う必要があり,TPMの合計とMPMを比較することになります。その結果,①TPMがMPMを下回る場合には直行運賃を適用します,②TPMがMPMを上回る場合には,それが25%以内であれば直行運賃に割増率(EMS)を加算します,③25%を超える場合には直行運賃は適用できません。本問で,往路TYO-MAD-PAR-NCEのTPMは7887であるのに対し,TYO-NCEのMPMは7486であることから,EMS計算を行う必要があります。EMS計算はTPMの合計÷MPMで行うため,7887÷7486=1.0535…となります。資料1(3)によれば,1.05を超えて1.10までは10%としています。したがって,往路では,直行運賃を適用することとなります。そうすると,資料1(2)のうち,Standard B運賃表のTYOからNCEの欄を見ることになります。また,資料1(1)によれば,往路出発が土~月の場合はウィークエンド運賃となるため,適用運賃は449,000円となります。そのうえで,EMSの10%を加算するため,449,000円×1.1となります。
 次に,TYOからNCEに至るまでの間に,MADとPARの2か所で乗り換えをしています。このとき,乗り換え時間が24時間以内であれば「乗継ぎ」,24時間を超える場合は「途中降機」となります。本問では,MADでもPARでも,乗り換えに24時間を超えていますから,途中降機として扱われます。そして,資料1(1)によると,途中降機をした場合には,1回につき10,000円を加算することとしていますが,マドリードでの途中降機は無料となっています。したがって,本問では1回分=10,000円を加算することとなりますので,449,000円×1.1+10,000となります。
 さらに,本問では,最終的にTYOに戻ってきているので,周回旅行となります。したがって,1/2往復運賃となるため,適用運賃449,000円を1/2とします。よって,計算式は,449,000×1/2×1.1+10,000となります。
 次に復路については,資料1(1)より距離計算を行いません。そして,資料1(1)によれば,Saver L運賃の復路の場合,復路のヨーロッパ内の最終地点の出発日を基準として復路の旅程に適用するとされているため,HEL出発日である10月1日(火)を基準とします。そうすると,火曜日はウィークデイ運賃であるため,資料1(2)のうち,Saver L運賃表の復路NCEからTYOの欄の10月1日からのウィークデイの欄を見ることになります。したがって,適用運賃は167,000円です。
 そして,前述のように1/2往復運賃が適用されるので,167,000×1/2となります。なお,HELでは途中降機となっていますが,資料1(1)ではヘルシンキの途中降機は無料としていますので,加算されません。
 以上から,往路は449,000×1/2×1.1+10,000,復路は167,000×1/2となり,これらを合算することとなるため,正解は,bです。

問2.この旅程において,HELを運賃計算上の折り返し地点として,往路にFLEX Y運賃,復路にSaver L運賃を適用した場合,運賃算出のための計算式はどれか。

a.690,000円×1/2 + 162,000円×1/2
b.695,000円×1/2 + 182,000円×1/2
c.690,000円×1/2×1.25 + 162,000円×1/2
d.695,000円×1/2×1.25 + 182,000円×1/2


正解:c(配点:5)
解説:本問では,HELを折り返し地点とするため,TYO-MAD-PAR-NCE-HELを往路フェアコンポーネント,HEL-TYOを復路フェアコンポーネントとして計算します。
 まず往路は,TYO-HELのTPMが9254,同区間のMPMが7428であるため,TPMの方が大きいですから,EMS計算を行う必要があります。9254÷7428=1.245…となるところ,資料1(3)によれば1.20を超えて1.25以下の場合には,直行運賃に25%を加算する扱いになりますから,往路は直行運賃を適用できます。そして,TYOの出発が月曜日であるため,資料1(1)からウィークエンド運賃が適用されることになります。したがって,資料1(2)のTYO-HELの運賃表のうち,Flex Y運賃のウィークエンドを参照することとなり,その額は690,000円となります。これにEMS加算として上記の25%加算するため,690,000円×1.25となります。
 また,本問ではTYOからHELを経由してTYOに戻っている行程ですので,周回旅行となっており,1/2往復運賃として,運賃が半額になります。したがって,計算式は,690,000円×1/2×1.25となります。
 そして,本問では,往路はFlex Y運賃が適用されているため,途中降機となるMAD,PAR,NCEのいずれにおいても,別途加算料金は不要です。
 次に復路について,資料1(1)より,距離計算を行いません。HELの出発日は10月1日火曜日ですから,資料1(1)からウィークデイ運賃,10月1日以降の運賃を適用することになります。したがって,資料1(2)のHEL-TYOの復路運賃は,162,000円となります。
 これに,1/2往復運賃が適用されるため,162,000円×1/2となります。
 以上から,全体の運賃は,690,000円×1/2×1.25 + 162,000円×1/2となるため,正解は,cです。

問3.この旅程において,PARを運賃計算上の折り返し地点として,往路にSaver L運賃,復路にStandard B運賃を適用した場合,運賃算出のための計算式はどれか。

a.162,000円×1/2 + 404,000円×1/2+10,000円
b.162,000円×1/2+10,000円 + 404,000円×1/2+20,000円
c.182,000円×1/2 + 404,000円×1/2+10,000円
d.182,000円×1/2+10,000円 + 409,000円×1/2+20,000円


正解:a(配点:5)
解説:本問では,PARを折り返し地点としているため,TYO-MAD-PARを往路フェアコンポーネント,PAR-NCE-HEL-TYOを復路フェアコンポーネントとして計算します。
 まず往路は,資料1(1)より距離計算を行いません。そして,TYO-MAD間はIB運航となっているため,資料1(2)のうちIB運航便利用の運賃表を参照します。出発日は月曜日であるため,ウィークデイ運賃が適用され,162,000円となります。
 また,本問は,TYOからPARを経由してTYOに戻る周回旅行ですので,1/2往復運賃が適用されるため,162,000×1/2となります。
 なお,MADで途中降機となっていますが,資料1(1)より,MADでの途中降機は無料となるため,加算されません。
 次に復路について,PAR-NCE-HEL-TYOのTPMが7024,MPMが7432であるため,MPMの方が大きいですから,加算梨の直行運賃が適用されます。HELの出発日は火曜日ですから,資料1(1)からウィークデイ運賃を適用することになります。したがって,資料1(2)のPAR-TYOの復路運賃は,404,000円となり,1/2往復運賃が適用されるため,404,000×1/2となります。
 さらに,NCEとHELで途中降機となっていますが,資料1(1)より,HELのみは途中降機の加算を行わないため,NCE分の途中降機加算10,000円を行います。したがって,404,000×1/2+10,000となります。
 以上から,全体の運賃は,162,000×1/2 + 404,000×1/2+10,000となるため,正解は,aです。

問4.上記問3.の運賃を適用した航空券に関する次の記述のうち,正しいものをすべて選びなさい。
a.最長旅行期間の規則を最大限に適用してヨーロッパに滞在する場合,HEL−TYO間のJL414便の最終旅行開始日は2020年9月16日(水)となる。
b.航空券発券後,日本航空が2019年8月1日(木)に日本政府の認可を受け,2019年9月1日(日)出発分から当該旅行の航空運賃の改定をした場合においても,航空運賃の差額調整は行われない。
c.MAD到着後の2019年9月16日(月)に,旅客の都合により,MAD−PAR間のIB3402便を2019年9月19日(木)のIB3402便の同一クラスへ変更することは,変更手数料15,000円を支払うことにより可能となる。


正解:a,b(配点:5)
解説:aについて,資料1(1)によれば,Standard B運賃の最長旅行期間は「12ヵ月発・開始」とされているため,旅行開始日から数えて12ヵ月目の同一日が期間満了日となります。本問では,旅行開始日が2019年9月16日ですから,期間満了日は12ヵ月目の同一日である2020年9月16日(水)となります。したがって,aは,正しいです。
 bについて,航空運賃は,航空券購入時に有効な金額を適用します。したがって,その後に航空運賃が改定されても,改定後に航空券の変更を行わない限り,差額調整は行いません。よって,bは,正しいです。
 cについて,資料1(1)によれば,Saver L運賃については,予約変更が「不可」とされています。したがって,cは,誤りです。
 以上から,正解は,a及びbです。

第2問 下記の適用条件に基づき,資料編を参照のうえ,以下の問5.~問8.の各設問について,該当するものをそれぞれの選択肢から一つ選び,解答用紙にマークしなさい。 (配点5点×4)

運賃計算上の留意点
 ・各設問について,与えられた条件に基づき,運賃規則に合致する最も安価な運賃を算出すること。
 ・各設問について,追加運賃が必要な場合は,計算式に含めること。

適用条件
1.旅程: 各設問に記載
2.クラス・人員: エコノミークラス・大人1名
3.適用運賃: NHエコノミークラス割引運賃 Basic M/U
        NHエコノミークラス割引運賃 Value Q/W
4.運賃・規則: 資料編参照
5.運賃計算上の折り返し地点: TPE
6.航空券の予約完了日・発券日: 各設問に記載
7.航空券の発券・販売: 日本
8.その他: 運賃は本来NUC額にて算出するが,計算簡素化のため円貨額にて算出するものとする。


令和元年資料2

問5.以下の条件(1.~4.)において,全旅程に適用できる最も安価な運賃算出のための計算式はどれか。
1.旅程:
 TOKYO(NRT)−TAIPEI(TPE) NH823 22OCT(火) 17:40 20:15
 TAIPEI(TPE)−TOKYO(NRT) NH5806 24OCT(木) 15:20 19:40
 (注)NH5806便は,エバー航空(BR)運航のコードシェア便である。
2.予約完了日・発券日:2019年7月1日(月)
3.予約の変更:全旅程を予約の変更なく旅行を完了するものとする。
4.空席状況:往路・復路とも全クラス空席があるものとする。

a.43,000円×1/2 + 43,000円×1/2+2,000円
b.70,000円×1/2 + 70,000円×1/2+3,000円
c.70,000円×1/2 + 139,000円×1/2+2,500円
d.139,000円×1/2 + 139,000円×1/2+2,500円


正解:c(配点:5)
解説:便宜上,復路から検討すると,利用便はBR運航のコードシェア便であるため,資料2(1)の経路規定より,適用できる運賃はBasic Mに限られます。そして,出発日が木曜日ですから,資料2(1)の適用期間より,ウィークデイ運賃が適用されます。したがって,資料2(2)の東京発台湾行の運賃表より,139,000円となります。これに,1/2往復運賃が適用されるため,139,000×1/2となります。
 また,復路の利用便はNH5806便であるところ,資料2(3)より,サーチャージが加算されます。本問ではMクラスを利用することとなるため,2,500円を加算します。したがって,復路の運賃の計算式は,139,000×1/2+2,500となります。
 次に,往路について,資料2(1)の結合可能運賃より,Value WはBasic Mと結合することができないことが分かります。したがって,往路では,その他の運賃を適用する必要があります。この中で最も安いのは,Value Qの70,000円ですから,これを適用することになります。これに,1/2往復運賃が適用されるため,70,000×1/2となります。
 以上から,本問の運賃の計算式は,70,000×1/2 + 139,000×1/2+2,500となるため,正解は,cです。

問6.以下の条件(1.~4.)において,全旅程に適用できる最も安価な運賃算出のための計算式はどれか。
1.旅程:
 TOKYO(HND)−TAIPEI(TPE) NH851 30SEP(月) 10:05 12:30
 TAIPEI(TPE)−TOKYO(HND) NH854 01OCT(火) 16:45 20:50
2.予約完了日・発券日:2019年9月27日(金)
3.予約の変更:全旅程を予約の変更なく旅行を完了するものとする。
4.空席状況:往路・復路とも全クラス空席があるものとする。

a.43,000円×1/2+2,000円 + 43,000円×1/2+2,000円
b.70,000円×1/2+4,000円 + 70,000円×1/2+4,000円
c.118,000円×1/2+2,000円 + 118,000円×1/2+2,000円
d.153,000円×1/2+3,500円 + 139,000円×1/2+3,500円


正解:b(配点:5)
解説:まず,運賃の最も安いValue Wを適用できるかについて検討すると,資料2(1)より,Value Wを利用する場合には,必要旅行日数(※)が2日とされています。しかし,本問では,往路の最初の国際線搭乗日が9月30日であり,復路の旅行開始日が10月1日ですから,1日しか間隔がありません。したがって,必要旅行日数をクリアできないため,Value Wは適用できません。
 次に運賃が安いValue Qについては,必要旅行日数が1日となっているため,本問でもこれをクリアします。その他の条件に付いても,本問では抵触しないため,Value Qを適用して運賃を算出することとなります。往路については,70,000円に対して,1/2往復運賃を適用し,70,000×1/2とした上,資料2(3)より,NH851便を利用するにあたり,4,000円に加算が必要ですから,70,000×1/2+4,000となります。復路も同様に,70,000×1/2とした上,NH854については4,000円の加算が必要ですから,70,000×1/2+4,000となります。
 以上から,本問の運賃の計算式は,70,000×1/2+4,000 + 70,000×1/2+4,000となるため,正解は,bです。

(※)「必要旅行日数」とは,適用する運賃の最低限必要な旅行日数をいい,個別に特に規定がない限り,往路の最初の国際線搭乗日後,日本国外の最後の途中降機地点からの復路の旅行を開始できる最も早い日を規定しています。詳しくはこちら(OFC「必要旅行日数」)を確認してください。

問7. 以下の条件(1.~4.)において,全旅程に適用できる最も安価な運賃算出のための計算式はどれか。
1.旅程:
 SENDAI(SDJ)−TOKYO(NRT) NH3234 14OCT(月) 14:35 15:45
 TOKYO(NRT)−TAIPEI(TPE) NH823 14OCT(月) 17:40 20:15
 TAIPEI(TPE)−SENDAI(SDJ) NH5818 18OCT(金) 10:05 14:35
 (注)NH5818便は,エバー航空(BR)運航のコードシェア便である。
2.予約完了日・発券日:2019年7月10日(水)
3.予約の変更:TPE到着後にTPE−SDJ間を2019年10月18日(金)から2019年10月17日(木)のNH5818便の同一クラスへ予約の変更が可能なものとする。
4.空席状況:往路・復路とも全クラス空席があるものとする。

a.55,000円×1/2 + 127,000円×1/2
b.82,000円×1/2 + 127,000円×1/2
c.82,000円×1/2 + 161,000円×1/2
d.130,000円×1/2 + 127,000円×1/2


正解:a(配点:4)
解説:まず往路については,コードシェア便の利用はなく,復路の出発も4日後ですから,Value Wの適用が可能です。そして,本問では,NRTを経由するルートになっていますから,資料2(2)の仙台発台湾行運賃表のうち,Value Wの経由便利用欄の55,000円を適用することになります。さらに,本問は,資料2(1)の「クラス・旅行形態」からオープンジョー旅行になっていますから,1/2往復運賃の適用があるので,55,000×1/2となります。
 次に復路について,本問では,予約変更が可能なものとすると設定されていますから,資料2(1)「予約変更 経路変更」より,Value W及びValue Qは適用できないことになります。そこで,次に安い運賃としてBasic Uの適用を検討すると,本問ではBRのコードシェア便を利用していますが,資料2(1)「経路規定」では,仙台-台湾間はBR運航のコードシェア便利用可とされているため,本問の条件と抵触しません。その他の条件も,本問と抵触しないため,Basic Uの適用が可能です。そして,本問では,TPEからSDJまで直行便を利用していますから,資料2(2)の仙台発台湾行運賃表のうち,Basic Uの直行便利用欄の127,000円を適用することになります。そのうえで,往路と同様に1/2往復運賃を適用するため,127,000×1/2となります。
 以上から,本問の運賃の計算式は,55,000×1/2 + 127,000×1/2となるため,正解は,aです。

問8.以下の条件(1.~3.)において,往路にBasic M運賃,復路にBasic U運賃を適用した航空券に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1.旅程:
 TOKYO(HND)−TAIPEI(TPE) NH851 21OCT(月) 10:05 12:30
 TAIPEI(TPE)−TOKYO(NRT) NH824 24OCT(木) 08:40 13:00
2.予約完了日・発券日:2019年6月24日(月)
3.空席状況:往路・復路とも全クラス空席があるものとする。

a.必要旅行日数の規則を満たすためには,TPE−TYO間のNH824便の最も早い旅行開始日は2019年10月23日(水)である。
b.TPE到着後の2019年10月21日(月)に,旅客の都合によりTPE−TYO間のNH824便を2019年10月25日(金)のNH824便の同一クラスへ変更する場合,20,000円の手数料を支払うことにより可能である。
c.航空券発券後,2019年9月30日(月)に,旅客の都合により旅行を中止し予約を取り消し,払い戻し手続きを行う場合,10,000円を取消手数料として支払い残額が払い戻される。
d.この航空券を2019年6月30日(日)に予約完了した場合,2019年7月8日(月)に発券することは可能である。


正解:b(配点:5)
解説:aについて,資料2(1)の「必要旅行日数」より,Basic M及びBasic Uのいずれも「1日発・開始」とされていますから,10月21日に往路の最初の国際線に搭乗する本問では,復路は10月22日から出発が可能になります。したがって,aは,誤りです。
 bは,資料2(1)の「予約変更・経路変更」のとおりですから,正しいです。
 cについて,資料2(1)の「取り消し・払い戻し」によると,Basic Mでは取消手数料が10,000円とされているのに対し,Basic Uでは取消手数料が20,000円とされています。このとき,資料2(1)の「結合可能運賃」によると,取り消し・払い戻しについては,結合されるより厳しい運賃規則が全旅程に適用されることになっています。したがって,本問では,より厳しい取消手数料となる20,000円が適用されることになります。よって,cは,10,000円としている点で誤りです。
 dについて,予約日である6月30日は往路出発日の10月21日の113日前であるところ,資料2(1)の「予約・発券」によると,Basic M及びBasic Uのいずれも,予約が旅行開始日の29日以前の場合には,予約完了後7日以内に発券を行う必要があります。したがって,6月30日に予約をした本問では,7月7日までに発券を行う必要があります。よって,dは,7月8日でも発券可能としている点で誤りです。

第3問 数次往復用一般旅券(以下,旅券という。)に関し,以下の問9.~問11.の各設問について,該当するものをそれぞれの選択肢から一つ選び,問12.の設問について,該当するものを選択肢からすべて選び,解答用紙にマークしなさい。(旅券の発給申請又は届出をするに当たり,急を要し,かつ,都道府県知事又は外務大臣がその必要を認めるとき及び戸籍に記載される前の者が旅券の発給申請をする場合を除く。) (配点5点×4)

問9.次の記述のうち,誤っているものはどれか。
a.旅券の発給を申請するに当たり,申請時に18歳で婚姻している者は,有効期間が10年の旅券を申請することができる。
b.旅券の発給を申請するに当たり,申請者が提出する戸籍謄本又は戸籍抄本は,提出の日前6か月以内に作成されたものでなければならない。
c.旅券の発給を申請するに当たり,申請者がその法定代理人を通じて旅券の発給の申請に係る書類及び写真を提出して申請しようとする場合,申請書類等提出委任申出書の提出を要しない。
d.旅券の発給を申請するに当たり,申請書の所持人自署欄に,当該発給申請者が署名することが困難なものとして外務省令で定める者である場合,次の①から④の順位により,当該発給申請者に代わって記名することができる。
 ①当該発給申請者の法定代理人,②当該発給申請者の配偶者,③当該発給申請者の海外渡航に同行を予定しているもの,④都道府県知事又は領事官が当該発給申請者に代わり記名することが適当であると認めるもの


正解:a(配点:5)
解説:aについて,旅券法5条1項本文は,原則,有効期間10年の数次往復用一般旅券を発行することとしています。もっとも,同項ただし書は,例外的に,有効期間5年の数次往復用一般旅券を発行することとしています。そして,同項ただし書2号は,「20歳未満の者」を掲げています。本問では,18歳の者が申請をしていますから,有効期間5年の数次往復用一般旅券の発行のみ可能となります。したがって,申請できる旅券の有効期間も5年に限られるため,aは誤りです。

(一般旅券の発行)
第五条 外務大臣又は領事官は、第三条の規定による発給の申請に基づき、外務大臣が指定する地域(第三項及び第四項において「指定地域」という。)以外の全ての地域を渡航先として記載した有効期間が十年の数次往復用の一般旅券を発行する。ただし、当該発給の申請をする者が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、有効期間を五年とする
 一 有効期間が五年の一般旅券の発給を受けようとする旨を一般旅券発給申請書に記載して申請する者である場合
 二 二十歳未満の者である場合
2~5 略


bは,旅券法3条1項2号,旅券規則1条2項のとおりですから,正しいです。

○旅券法
(一般旅券の発給の申請)
第三条 一般旅券の発給を受けようとする者は、外務省令で定めるところにより、次に掲げる書類及び写真を、国内においては都道府県に出頭の上都道府県知事を経由して外務大臣に、国外においては最寄りの領事館(領事館が設置されていない場合には、大使館又は公使館。以下同じ。)に出頭の上領事官(領事館の長をいう。以下同じ。)に提出して、一般旅券の発給を申請しなければならない。ただし、国内において申請する場合において、急を要し、かつ、都道府県知事又は外務大臣がその必要を認めるときは、直接外務省に出頭の上外務大臣に提出することができる。
 一 一般旅券発給申請書
 二 戸籍謄本又は戸籍抄本
 三 申請者の写真
 四 渡航先の官憲が発給した入国に関する許可証、証明書、通知書等を申請書に添付することを必要とされる者にあつては、その書類
 五 前各号に掲げるものを除くほか、渡航先及び渡航目的によつて特に必要とされる書類
 六 その他参考となる書類を有する者にあつては、その書類
2~4 略

○旅券法施行規則
(申請の書類)
第一条 略
2 法第三条第一項第二号の戸籍謄本又は戸籍抄本(提出の日前六月以内に作成されたものをいう。以下同じ。)は一通とする。
3~6 略


cは,旅券規則3条1項ただし書のとおりですから,正しいです。

(申請者が出頭しない場合の申請)
第三条 法第三条第四項(法第九条第三項において準用する場合を含む。)の規定に基づき、申請者がその配偶者、二親等内の親族又はその他の指定した者を通じて当該申請に係る書類及び写真を提出して申請しようとする場合には、別記第三号様式又は別記第三号の二様式による申請書類等提出委任申出書一通を、国内においては都道府県知事に、国外においては領事官にあらかじめ又は当該申請と同時に提出して、その旨を申し出なければならない。ただし、申請者がその法定代理人を通じて当該申請に係る書類及び写真の提出をする場合はこの限りではない
2~5 略


dは,旅券法15条ただし書,旅券規則11条3項のとおりですから,正しいです。

○旅券法
(署名)
第十五条 旅券の発給を受けようとする者(以下この条において「発給申請者」という。)は、旅券面の所定の場所(外務省令で定める場合には、旅券面への署名に代えて、一般旅券発給申請書又は公用旅券発給請求書の所定の場所)に署名しなければならない。ただし、当該発給申請者が署名することが困難なものとして外務省令で定める者である場合には、外務省令で定めるところにより、当該発給申請者の記名をもつて代えることができる

○旅券法施行規則
(署名)
第十一条 略
2 略
3 法第十五条ただし書に規定する記名は、次の各号に掲げる者が、当該各号列記の順位により行う。
 一 旅券の発給を申請する者(以下この条において「発給申請者」という。)の法定代理人
 二 発給申請者の配偶者
 三 前二号に掲げる者を除くほか、発給申請者の海外渡航に同行を予定しているもの
 四 前三号に掲げる者のほか、都道府県知事又は領事官が発給申請者に代わり記名することが適当であると認めるもの

4 略


問10.次の記述のうち,誤っているものはどれか。
a.旅券の発給を申請した者が,当該旅券の発行の日から6か月以内に当該旅券を受領せず,その6か月を経過したとき当該旅券は失効する。
b.旅券の名義人は旅券の有効期間が1年未満となったため,当該旅券を返納して新たに旅券の発給を申請する場合,国内においては都道府県知事が,国外においては領事官が,その者の身分上の事実を確認するため特に必要があると認めるときを除き,戸籍謄本又は戸籍抄本の提出を要しない。
c.旅券の発給を受けた者は,外務大臣又は領事官がその者の保護又は渡航の便宜のため特に必要があると認める場合を除き,その旅券が有効な限り,重ねて旅券の発給を受けることができない。
d.旅券の名義人で外国に住所又は居所を定めて3か月以上滞在しようとするものは,あらかじめ都道府県知事を通じて外務大臣に在留届1通を届け出なければならない。


正解:d(配点:5)
解説:aは,旅券法18条1項2号のとおりですから,正しいです。

(旅券の失効)
第十八条 旅券は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その効力を失う。
 一 旅券の名義人が死亡し、又は日本の国籍を失つたとき。
 二 旅券の発給を申請し若しくは請求した者が当該旅券の発行の日から六月以内に当該旅券を受領せず、又は一往復用の旅券の名義人が当該旅券の発行の日から六月以内に本邦を出国しない場合には、その六月を経過したとき
 三 旅券の有効期間が満了したとき。
 四 一往復用の旅券の名義人が本邦に帰国したとき。
 五 旅券の発給の申請又は請求に当たつて返納された旅券(第十条第三項の規定により返納された旅券を含む。)にあつては、当該返納された旅券に代わる旅券の発行があつたとき。
 六 前条第一項又は第四項の規定による届出があつたとき。
 七 次条第一項の規定により返納を命ぜられた旅券にあつては、同項の期限内に返納されなかつたとき、又は外務大臣若しくは領事官が、当該返納された旅券が効力を失うべきことを適当と認めたとき。
2 略


bについて,旅券の残存有効期間が1年未満となったときは,当該旅券を返納の上,旅券の発給を申請・請求することができます。このとき,発給申請・請求の手続は,旅券法3条によることになります(旅券法11条1号)。そして,旅券の発給申請にあたっては,戸籍謄本又は戸籍抄本を提出することとされていますが(旅券法3条1項2号),同条2項に掲げる一定の場合には戸籍謄本又は戸籍抄本の提出が不要とされています。同項1号では,旅券法11条の規定に基づき申請をするときが掲げられていますので,戸籍謄本又は戸籍抄本の提出は不要です。もっとも,旅券法3条2項ただし書は,その者の身分上の事実を確認するため特に必要があると認めるときは,戸籍謄本又は戸籍抄本の提出が必要とされています。以上のような条文構造に照らし,bは,正しいです。

(一般旅券の発給の申請)
第三条 一般旅券の発給を受けようとする者は、外務省令で定めるところにより、次に掲げる書類及び写真を、国内においては都道府県に出頭の上都道府県知事を経由して外務大臣に、国外においては最寄りの領事館(領事館が設置されていない場合には、大使館又は公使館。以下同じ。)に出頭の上領事官(領事館の長をいう。以下同じ。)に提出して、一般旅券の発給を申請しなければならない。ただし、国内において申請する場合において、急を要し、かつ、都道府県知事又は外務大臣がその必要を認めるときは、直接外務省に出頭の上外務大臣に提出することができる。
 一 略
 二 戸籍謄本又は戸籍抄本
 三~六 略
2 前項第二号に掲げる書類は、次の各号のいずれかに該当するときは、提出することを要しない。ただし、第一号に該当する場合において、国内においては都道府県知事(直接外務大臣に提出する場合には、外務大臣。以下この条において同じ。)が、国外においては領事官が、その者の身分上の事実を確認するため特に必要があると認めるときは、この限りでない
 一 第十一条の規定に基づき前項の申請をするとき
 二 略
3,4 略
(有効期間内の申請等)
第十一条 旅券の名義人(公用旅券でその名義人が国内に在るものについては、各省各庁の長)は、次の各号のいずれかに該当する場合には、第四条の二本文の規定にかかわらず、当該旅券の有効期間内においても当該旅券を返納の上第三条又は第四条の規定により旅券の発給を申請し、又は請求することができる
 一 当該旅券の残存有効期間が一年未満となつたとき
 二 当該旅券の査証欄に余白がなくなつたとき。
 三 旅券を著しく損傷したとき。
 四 その他外務大臣又は領事官がその者の保護又は渡航の便宜のため特に必要があると認めるとき。


cは,旅券法4条の2のとおりですから,正しいです。

(旅券の二重受給の禁止)
第四条の二 旅券の発給を受けた者は、その旅券が有効な限り、重ねて旅券の発給を受けることができない。ただし、外務大臣又は領事官がその者の保護又は渡航の便宜のため特に必要があると認める場合は、この限りでない


dについて,旅券法16条,旅券規則12条1項は,旅券の名義人で外国に住所又は居所を定めて3月以上滞在するものは,「当該地域に係る領事館の領事官に」届け出なければならないとしています。したがって,dは,これを「外務大臣に」届け出なければならないとしている点で誤りです。

○旅券法
(外国滞在の届出)
第十六条 旅券の名義人で外国に住所又は居所を定めて三月以上滞在するものは、外務省令で定めるところにより、当該地域に係る領事館の領事官に届け出なければならない

○旅券法施行規則
(外国滞在の届出)
第十二条 法第十六条の規定による届出は、旅券の名義人が外国に住所又は居所を定めて三月以上滞在しようとするときは、遅滞なく、当該住所又は居所を管轄する領事官(当該住所又は居所を管轄する領事官がない場合には、最寄りの領事官)別記第十四号様式による在留届一通を提出してしなければならない
2 前項の届出をした者は、住所、居所その他の届出事項に変更を生じたときは、遅滞なく、また当該届出をした領事官の管轄区域を去るときは、事前に、その旨を当該領事官に届け出なければならない。
3 前二項の届出は、世帯ごとにすることができる。


問11.次の記述から,正しいものだけをすべて選んでいるものはどれか。
(ア)国外において旅券を紛失した場合,当該旅券の名義人が遅滞なく,最寄りの領事館に出頭の上,領事官にその旨を届け出なければならないが,その届出があったとき,当該旅券は失効する。
(イ)旅券の名義人が,旅券を焼失したため届出をするに当たっては,紛失一般旅券等届出書1通に,焼失の事実を証明し,又は疎明する書類及び旅券の名義人の写真を添えて,提出しなければならない。
(ウ)旅券の記載事項に変更を生じた場合において,当該旅券の名義人が,当該有効な旅券を返納の上,記載事項変更用の申請書で申請ができるのは,名義人の氏名及び本籍の都道府県名の変更に限られる。

a.(ア)(イ)  b.(ア)(ウ)  c.(イ)(ウ)  d.(ア)(イ)(ウ)


正解:a(配点:5)
解説:(ア)は,旅券法17条1項,18条1項6号のとおりですから,正しいです。

(紛失又は焼失の届出)
第十七条 一般旅券の名義人は、当該一般旅券を紛失し、又は焼失した場合には、外務省令で定めるところにより、遅滞なく、国内においては都道府県に出頭の上都道府県知事を経由して外務大臣に、国外においては最寄りの領事館に出頭の上領事官に、その旨を届け出なければならない。ただし、国内において届け出る場合において、急を要し、かつ、都道府県知事又は外務大臣がその必要を認めるときは、直接外務省に出頭の上外務大臣に提出することができる。
2~4 略
(旅券の失効)
第十八条 旅券は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その効力を失う
 一 旅券の名義人が死亡し、又は日本の国籍を失つたとき。
 二 旅券の発給を申請し若しくは請求した者が当該旅券の発行の日から六月以内に当該旅券を受領せず、又は一往復用の旅券の名義人が当該旅券の発行の日から六月以内に本邦を出国しない場合には、その六月を経過したとき。
 三 旅券の有効期間が満了したとき。
 四 一往復用の旅券の名義人が本邦に帰国したとき。
 五 旅券の発給の申請又は請求に当たつて返納された旅券(第十条第三項の規定により返納された旅券を含む。)にあつては、当該返納された旅券に代わる旅券の発行があつたとき。
 六 前条第一項又は第四項の規定による届出があつたとき
 七 次条第一項の規定により返納を命ぜられた旅券にあつては、同項の期限内に返納されなかつたとき、又は外務大臣若しくは領事官が、当該返納された旅券が効力を失うべきことを適当と認めたとき。
2 略


(イ)は,旅券法17条1項,旅券規則13条のとおりですから,正しいです。

○旅券法
(紛失又は焼失の届出)
第十七条 一般旅券の名義人は、当該一般旅券を紛失し、又は焼失した場合には、外務省令で定めるところにより、遅滞なく、国内においては都道府県に出頭の上都道府県知事を経由して外務大臣に、国外においては最寄りの領事館に出頭の上領事官に、その旨を届け出なければならない。ただし、国内において届け出る場合において、急を要し、かつ、都道府県知事又は外務大臣がその必要を認めるときは、直接外務省に出頭の上外務大臣に提出することができる。
2~4 略

○旅券法施行規則
(紛失又は焼失の届出)
第十三条 法第十七条第一項の規定による紛失又は焼失の届出をするに当たっては、別記第十五号様式又は別記第十五号の二様式による紛失一般旅券等届出書一通に、紛失又は焼失の事実を証明し、又は疎明する書類及び旅券の名義人の写真を添えて、提出しなければならない


(ウ)について,旅券法5条4項は,一般旅券の記載事項に変更が生じた場合に新たな一般旅券の発給を申請するにあたり,一般旅券発給申請書によって申請することができるのは,「名義人の氏名その他外務省令で定める事項」としています。そして,同項の委任を受けた旅券規則5条1項は,「本籍の都道府県名,生年月日及び性別」を規定しています。したがって,①名義人の氏名,②本籍の都道府県名,③生年月日,④性別に変更がある場合には,一般旅券発給申請書によって申請することができます。よって,(ウ)は,①と②に限られるとしている点で誤りです。

○旅券法
(一般旅券の発行)
第五条 略
2,3 略
4 前三項の規定にかかわらず、外務大臣又は領事官は、第十条第一項の規定に基づき第三条の規定による発給の申請をする者が当該申請に当たつて返納した一般旅券(以下この条及び第十四条において「返納旅券」という。)の名義人の氏名その他外務省令で定める事項に変更を生じた者であつて、有効期間を当該返納旅券の残存有効期間と同一とする一般旅券の発給を受けようとする旨を一般旅券発給申請書に記載して当該申請をするもの(第十四条において「記載事項変更旅券申請者」という。)である場合には、その有効期間及び種類が当該返納旅券の残存有効期間及び種類と同一である一般旅券であつて、当該返納旅券の次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める地域を渡航先として記載したものを発行する。
 一~三 略
5 略

○旅券法施行規則
(旅券の記載事項)
第五条 法第五条第四項の外務省令で定める事項は、本籍の都道府県名、生年月日及び性別とする。
2~5 略


問12.次のうち,旅券の発給を申請するに当たり,申請者が人違いでないことを確認するために都道府県知事が提示又は提出を求める書類として,その要件を満たしているものをすべて選びなさい。
 a.個人番号カードを1点のみ
 b.交付年月日が平成24年4月1日以降の運転経歴証明書を1点のみ
 c.国民年金手帳を1点と後期高齢者医療被保険者証を1点


正解:a,b,c(配点:5)
解説:旅券発給申請に当たり人違いでないことの確認書類については,旅券規則2条が規定しています。
 a及びbは,同条1項1号,別表第二のとおりですから,正しいです。
 cは,同条1項2号のとおりですから,正しいです。

(確認の事務)
第二条 法第三条第三項(法第九条第三項において準用する場合を含む。)の規定による確認のため都道府県知事が一般旅券の発給を申請する者に提示又は提出を求めることができる書類は、住民票の写し及び次に掲げるいずれかの書類で申請者の氏名が記載されているものとする。
 一 日本国旅券、別表第二に掲げる官公庁が発行した免許証、許可証若しくは資格証明書等又は官公庁(独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)、特殊法人(法律により直接に設立された法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人であって、総務省設置法(平成十一年法律第九十一号)第四条第十五号の規定の適用を受けるものをいう。)及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)を含む。)がその職員に対して発行した身分を証明するに足りる文書で当該職員の写真をはり付けたもの
 二 前号に掲げる書類をやむを得ない理由により提示又は提出できない場合にはイに掲げる書類のいずれか一とロに掲げる書類のいずれか一。ただし、ロに掲げる書類を提示又は提出できない場合には、イに掲げる書類を二
  イ 健康保険、国民健康保険若しくは船員保険等の被保険者証、共済組合員証、後期高齢者医療被保険者証国民年金手帳、国民年金、厚生年金保険若しくは船員保険に係る年金証書、共済年金若しくは恩給等の証書、一般旅券発給申請書に押印した印鑑に係る印鑑登録証明書又はその他都道府県知事がこれらに準ずるものとして特に認めるもの
  ロ 学生証、会社の身分証明書若しくは公の機関が発行した資格証明書で写真をはり付けたもの又はその他都道府県知事がこれらに準ずるものとして特に認めるもの
2 前項の規定にかかわらず、都道府県知事が住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第三十条の十五第一項の規定により一般旅券の発給を申請する者に係る都道府県知事保存本人確認情報(同法第三十条の八に規定する都道府県知事保存本人確認情報をいう。)のうち、同法第七条第八号の二に規定する個人番号(以下この項において「個人番号」という。)以外のものを利用するとき、又は外務省が同法第三十条の九の規定により地方公共団体情報システム機構から当該申請者に係る機構保存本人確認情報(同条に規定する機構保存本人確認情報をいう。)のうち個人番号以外のものの提供を受けるときは、前項に掲げる書類のうち、住民票の写しの提示又は提出を要しないものとすることができる。
3 申請者が外国からの一時帰国者(国内に住所を有する者以外の者をいう。)である場合には第一項各号に掲げる書類に代えて、都道府県知事は、法第三条第三項の規定による確認のため適当と認める書類の提示又は提出を申請者に求めることができる。
4 前条第五項第七号の規定に基づき申請を行う者が住民票に記載されていない場合には、都道府県知事は、当該申請者の居所を疎明する資料の提示又は提出を求めることができる。この場合において、都道府県知事は、当該申請者が人違いでないこと及び居所に居住していることを調査するものとする。


旅券法施行規則別表第二

第4問 以下の問13.~問16.の各設問について,該当するものをそれぞれの選択肢からすべて選び,解答用紙にマークしなさい。 (配点5点×4)

問13.本邦に在留する外国人(仮上陸の許可又は上陸の特例により上陸の許可を受けている者を除く。)の再入国の許可及び本邦に在留する外国人のみなし再入国の許可(出入国の公正な管理のため再入国の許可を要する者を除く。)に関する次の記述のうち,正しいものをすべて選びなさい。
 a.有効な旅券及び在留カードを所持した中長期在留者で,入国審査官に対し,再び入国する意図を表明して出国するときのみなし再入国の許可の有効期間は,出国の日から1年(在留期間の満了の日が出国の日から1年を経過する日前に到来する場合には,在留期間の満了までの期間)である。
 b.有効な旅券及び特別永住者証明書を所持した特別永住者で,入国審査官に対し,再び入国する意図を表明して出国するときのみなし再入国の許可の有効期間は,出国の日から2年である。
 c.出入国在留管理庁長官は,再入国の許可(みなし再入国の許可を除く。)を受けて出国した者について,当該許可の有効期間内に再入国することができない相当の理由があると認めるときは,その者の申請に基づき,当該許可の有効期間の延長の許可をすることができる。


正解:a,b,c(配点:5)
解説:aは,入管法26条の2第1項,2項のとおりですから,正しいです。

(みなし再入国許可)
第二十六条の二 本邦に在留資格をもつて在留する外国人(第十九条の三第一号及び第二号に掲げる者を除く。)で有効な旅券(第六十一条の二の十二第一項に規定する難民旅行証明書を除く。)を所持するもの中長期在留者にあつては、在留カードを所持するものに限る。)が、法務省令で定めるところにより、入国審査官に対し、再び入国する意図を表明して出国するときは、前条第一項の規定にかかわらず、同項の再入国の許可を受けたものとみなす。ただし、出入国の公正な管理のため再入国の許可を要する者として法務省令で定めるものに該当する者については、この限りでない。
2 前項の規定により外国人が受けたものとみなされる再入国の許可の有効期間は、前条第三項の規定にかかわらず、出国の日から一年(在留期間の満了の日が出国の日から一年を経過する日前に到来する場合には、在留期間の満了までの期間)とする
3 略


bは,入管法26条の2第1項,2項,入管特例法23条2項のとおりですから,正しいです。

○出入国管理及び難民認定法
(みなし再入国許可)
第二十六条の二 本邦に在留資格をもつて在留する外国人(第十九条の三第一号及び第二号に掲げる者を除く。)で有効な旅券(第六十一条の二の十二第一項に規定する難民旅行証明書を除く。)を所持するもの(中長期在留者にあつては、在留カードを所持するものに限る。)が、法務省令で定めるところにより、入国審査官に対し、再び入国する意図を表明して出国するときは、前条第一項の規定にかかわらず、同項の再入国の許可を受けたものとみなす。ただし、出入国の公正な管理のため再入国の許可を要する者として法務省令で定めるものに該当する者については、この限りでない。
2 前項の規定により外国人が受けたものとみなされる再入国の許可の有効期間は、前条第三項の規定にかかわらず、出国の日から一年(在留期間の満了の日が出国の日から一年を経過する日前に到来する場合には、在留期間の満了までの期間)とする。
3 略

○日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法
(再入国の許可の有効期間の特例等)
第二十三条 略
2 入管法第二十六条の二の規定は、有効な旅券及び特別永住者証明書を所持して出国する特別永住者について準用する。この場合において、同条第二項中「一年(在留期間の満了の日が出国の日から一年を経過する日前に到来する場合には、在留期間の満了までの期間)」とあるのは、「二年」と読み替えるものとする
3 略


cについて,再入国の場合は,入管法26条5項のとおりですから,正しいです。また,みなし再入国の場合は,入管法26条の2第3項が同法26条5項の適用を排除しているため,相当の理由がある場合でも有効期間の延長をすることができず,正しいです。

(再入国の許可)
第二十六条 略
2~4 略
5 出入国在留管理庁長官は、再入国の許可を受けて出国した者について、当該許可の有効期間内に再入国することができない相当の理由があると認めるときは、その者の申請に基づき、一年を超えず、かつ、当該許可が効力を生じた日から六年を超えない範囲内で、当該許可の有効期間の延長の許可をすることができる
6~8 略
(みなし再入国許可)
第二十六条の二 略
2 略
3 第一項の規定により外国人が受けたものとみなされる再入国の許可については、前条第五項の規定は、適用しない


問14.20歳以上の日本人旅行者が韓国で購入した物品の本邦の通関に関する次の記述のうち,正しいものをすべて選びなさい。
 a.海外市価1オンス3万円の香水3オンスのみを輸入する場合,免税の範囲を超える1オンスには,その課税価格に対し,簡易税率15%が適用される。
 b.海外市価が6万円のバッグ1個と10万円のスーツ1着,1枚5千円のハンカチ2枚,1本2万円のベルト2本のみを輸入する場合,申告価格は21万円となり,免税の範囲を超えるハンカチ2枚が課税対象となる。
 c.海外市価が1本7万円のゴルフクラブ3本のみを輸入する場合,申告価格の21万円のうち,1本分の7万円が課税対象となり,その課税価格に対し,消費税及び地方消費税のみが課税される。


正解:c(配点:5)
解説:aについて,香水は,成人1人あたり,2オンスまでが免税の対象となります。したがって,本問でも,免税の範囲を超える1オンスについて,簡易税率15%が適用されるようにも思われます。しかし,香水は関税無税品ですから,簡易税率は適用されず,消費税及び地方消費税のみが課税されます。したがって,aは,誤りです。
 bについて,1品目ごとの海外市価の合計額が1万円以下のものは,原則として免税となります(下掲の免税の範囲参照)。したがって,本問では,1枚5千円のハンカチ2枚=1万円は免税となります。そうすると,本問で,免税範囲を検討するための海外市価の合計額は,ハンカチの海外市価を除いた合計額20万円を基準とします。そして,合計額が20万円以下の場合には,すべて免税となるため,本問でも,全額免税となります。したがって,bは,誤りです。
 cについて,海外市価の合計額が20万円を超える場合には,20万円以内におさまる品物が免税となり,その残りの品物に課税されます。本問では,ゴルフクラブ1本が7万円ですから,2本=14万円までが20万円におさまり,この範囲で免税となり,残りの1本は免税とはならず課税対象になります。したがって,cは,正しいです。

免税の範囲(成人一人あたり)

主な商品の関税率の目安

問15.20歳以上の日本人旅行者の帰国時の通関に関する次の記述のうち,正しいものをすべて選びなさい。
 a.化粧品は,旅行者が個人で使用するものについては,標準サイズで1品目につき24個以内を持ち込むことができる。
 b.外国製紙巻きたばこ400本のみを輸入する場合,免税の範囲を超える200本が課税対象となる。
 c.海外市価が20万円の指輪1個が課税対象となった場合,その課税価格に対し,簡易税率15%が適用される。


正解:a(配点:5)
解説:aについて,化粧品を輸入する際には,「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」の規制を受けるのが原則ですが,個人使用目的で,かつ標準サイズで1品目24個以内の場合は,同法律の規制対象外となります(JETEO「化粧品の輸入手続き:日本」のページを参照)。したがって,aは,正しいです。
 bについて,2018年10月1日より,たばこの免税範囲が変更され,日本製と外国製の区別がなくなり,いずれの場合であっても,紙巻たばこ400本までが免税の範囲となりました(下掲の表を参照)。したがって,bは,400本中200本が免税範囲を超えるとしている点で誤りです。
 cについて,1個の課税価格が10万円を超えるものについては,簡易税率は適用されず,一般の関税率が適用され,この場合,関税のほか消費税及び地方消費税がかかります(税関「税額の計算方法」のページを参照)。したがって,cは,誤りです。

免税の範囲(成人一人あたり)

問16.日本人旅行者が帰国時に携帯して輸入する次の物品のうち,持ち込みを規制又は禁止されているものをすべて選びなさい。
 a.フランスで購入したワニ革製の財布
 b.インドで購入したダージリン紅茶(完全発酵した茶葉)
 c.中国で購入した生きた上海ガニ


正解:a,c(配点:5)
解説:aについて,ワニ目の種の皮等を輸入するにあたっては,税関に提出する輸出許可書等には,ワニ皮タグの記号及び番号がすべて記載されていなければならず,当該輸出許可書等に記載されたワニ皮タグの記号及び番号と一致するワニ皮タグが個別に付されていなければならないとされています(経済産業省「ワシントン条約附属書Ⅱに掲げるワニ目の種の皮等の輸入の取扱いについて」を参照)。したがって,aは,持ち込みを規制されています。
 bについて,外国から輸入される植物類は,植物防疫法の規定により植物検疫を受けることを義務付けられていますが,製材,防腐木材,木工品,竹工品及び家具什器等の加工品,籐及びコルク,麻袋,綿,製茶,乾たけのこ,あんず,いちじく,柿等の乾燥果物等は,植物防疫法に基づく検査ほ要しないものと定められています(税関「1803 植物防疫法に基づく輸入規制の税関における確認内容(カスタムスアンサー)」のページを参照)。したがって,bは,製茶にあたるため,植物検疫を受け必要がなく,持ち込みを規制されていません。
 cについて,上海ガニ(チュウゴクモクズガニ)は「特定外来生物」に指定されており,「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」によって輸入が規制されています(環境省「生きたままの上海ガニは日本への持ち込みが禁止されています。」のページを参照)。

第5問 次の英文は,オーストラリアのホエールウォッチングクルーズの案内(抜粋)である。これを読み,以下の問17.~問20.の各設問について,該当するものをそれぞれの選択肢から一つ選び,解答用紙にマークしなさい。 (配点5点×4)

Whale watching cruise
Glide through an open water cruise through the entrance of Sydney Harbour with commentary from an expert crew. Enjoy the journey on a catamaran with two decks, open air viewing, all weather lounge and whale sighting guarantee.
Package details
Time : From 1:30 pm to 4:15 pm on weekdays or 10:15 am to 1:00 pm on weekends
Cruise dates : From 19 May to 31 October 2019
Departs from : Circular Quay Wharf No. 6
Inclusive of : Whale watching cruise, commentary and whale guarantee
Not inclusive of : Insurance, photo service, round transfer or parking fee, bar and snacks on board (available for purchase) and tips
Confirmation
You will receive confirmation of your bookingʼs availability within 1 business day. Once confirmed, we will send you the voucher via email.
Cancellations
Once we confirmed your reservation, no refunds or changes may be made. 100% of the price will be charged if you change or cancel your reservation.
How to board
You can present either a printed or a mobile voucher for this activity. The voucher is only valid on the date and time specified. Please arrive at the Circular Quay office to collect the ticket at least 30 minutes before the scheduled departure time.
Additional information
The whale guarantee applies ①when a whale is not sighted during the cruise. In this case, passengers can cruise again in the same season for free on a standby basis confirmed 24 hours prior, subject to availability.
As this is an open water cruise, names of all passengers (adults, children and infants) and emergency contact details are a legal requirement. Please complete the passenger details form once you have received your booking confirmation number.
Cruises are subject to cancellation due to weather and other operational requirements. If your cruise is cancelled by the operator, passengers may reschedule another whale watching cruise in the same season or 【 ② 】 a refund from the original place of purchase.


日本語訳:
ホエールウォッチングクルーズ
専門家の乗組員の解説付きで,シドニーハーバーの入口からオープンウォータークルーズに出ます。2つのデッキ,開放的な眺め,天候によらず利用できるラウンジ,クジラの観測保証が揃った双胴船での旅を楽しんでください。
パッケージの詳細
時間:平日午後1時30分から午後4時15分まで,又は週末午前10時15分から午後1時まで
出航日:2019年5月19日から同年10月31日まで
出航地:サーキュラーキー6番埠頭
次のものを含みます:ホエールウォッチングクルーズ,解説,クジラの観測保証
次のものを含みません:保険,写真撮影サービス,送迎費又は駐車料金,乗船中の飲食や軽食(購入可)及びチップ
確認
予約の可否についての確認は,1営業日以内に受け取ることができます。一度確認がとれたら,メールにて乗船票(バウチャー)をお送りします。
キャンセル等
一度予約を確認したら,払戻しや変更には応じかねます。変更や予約のキャンセルをする場合には,料金の100%をいただきます。
乗船方法
乗船票(バウチャー)は,印刷したものか,携帯画面に表示したものを提示することができます。乗船票(バウチャー)は,指定された日時に限り有効です。チケットの受領が必要ですので,遅くとも出航時刻の30分前までにサーキュラーキーの事務所までお越しください。
その他
クジラの観測保証は,①クルーズ中にクジラを観測できなかった場合に適用されます。この場合,出航の24時間前に乗船が確定する空席待ちで,同じ運航シーズン中に無料で再乗船することができます。
当クルーズはオープンウォータークルーズのため,法律の規定に基づき,全てのお客様(大人,子供及び幼児)の名前と緊急連絡先の詳細を控えさせていただきます。予約確認番号を受領しましたら,お客様情報フォームの入力にご協力をお願いします。
天候やその他運航上の都合により,クルーズが欠航となる場合があります。オペレーターによりクルーズが欠航となった場合には,同じシーズンの別のホエールウォッチングクルーズに変更し,又は購入場所において払戻しを【 ② 】ことができます。

問17.次の記述のうち,英文の内容に合致していないものはどれか。
 a.クルーズ代金には乗船中の飲物や軽食は含まれていないが,船内でそれらを購入できる。
 b.予約の可否については,予約の申込後1営業日以内に受け取ることができる。
 c.予約確定後の取り消しまたは変更については,取り消しの場合のみ,クルーズ代金の全額が請求される。
 d.乗客は,出航予定時刻の遅くとも30分前にはサーキュラー キーの事務所に来て,バウチャーを提示しチケットを受け取る。


正解:c(配点:5)
解説:aは,問題文の Not inclusive of の項に bar and snacks on board (available for purchase) とありますから,合致しています。
 bは,問題文の Comfirmation の項に You will receive confirmation of your bookingʼs availability within 1 business day. とありますから,合致しています。
 cについて,問題文の Cancellations の項には 100% of the price will be charged if you change or cancel your reservation. とあるため,取り消しの場合のほか,予約の変更の場合にもクルーズ代金の全額が請求されます。したがって,cは,合致しません。
 dは,問題文の How to board の項に Please arrive at the Circular Quay office to collect the ticket at least 30 minutes before the scheduled departure time. とありますから,合致しています。

問18.次の記述のうち,本文中の下線部①の場合,乗客が保証されるものはどれか。
 a.乗客は,購入先でクルーズ代金を返金してもらえる。
 b.乗客は,追加料金を支払う場合に限り,翌日のクルーズに再乗船できる。
 c.乗客は,クルーズ終了後24時間以内の申し出に限り,再乗船できる。
 d.乗客は,出航の24時間前に乗船が確定する空席待ちで,同じ運航シーズン中に無料で再乗船できる。


正解:d(配点:5)
解説:大学受験の英語と同様ですが,下線部の意味内容を問われたときは,まずはその下線部の前後を読むことが大事です。本問では,下線部の直後に,In this case とあり,ここにクジラ観測保証が適用された場合の内容が書かれている可能性が高いです。続けて,passengers can cruise again in the same season for free on a standby basis confirmed 24 hours prior, subject to availability. とありますので,これがクジラ観測保証の内容であることが分かります。したがって,正解は,dです。

問19.英文の内容から,本文中の空欄【 ② 】に入る最も適切な単語は次のうちどれか。
 a.claim  b.complain  c.issue  d.pay


正解:a(配点:5)
解説:穴埋め問題では,その穴がある1文をしっかり読み込みます。まず文頭には,If your cruise is cancelled by the operatorとあるため,クルーズが中止になった場合を想定した話がされていることが分かります。そして次に,passengers may ときているので,クルーズ中止の場合に乗客ができること(ここでの may は,推定ではなく許可のニュアンスで使われていると思われます。)について言及されているのだろうと考えられます。ところで,【 ② 】の直前には,or という接続詞が置かれているため,この or が何と何を結んでいるかも考えておく必要があります。これは,問19の選択肢から考えるに,【 ② 】には動詞が入ることが分かります。そうすると,or は動詞のかたまりを結んでいるものと考えられます。この文章の中で,or より前に出てくる動詞は reschedule ですから,【 ② 】以下の文は,passengers may につながる文であるということが分かります。したがって,ここでは,クルーズが中止された場合に,乗客が元の購入場所で払戻しをどうすることができるか,ということが問われていることになります。ここで選択肢を見ると,claim は「請求する」,complain は「不満を言う」,issue は「発行する」,pay は「支払う」という意味ですから,乗客の立場から払戻しという動作に合致するのは,aの claim ということになります。

問20.次の記述から,英文の内容に合致しているものだけをすべて選んでいるものはどれか。
 (ア) クルーズ中に,専門的知識のある乗組員による実況解説が行われる。
 (イ) シドニー港から外海に出るクルーズのため,法律に基づいて乗客全員の氏名と緊急連絡先を提出しなければならない。
 (ウ) 乗船の予約が確定すると,クルーズ会社から電子メールでバウチャーが送られてくる。

 a.(ア)(イ)  b.(ア)(ウ)  c.(イ)(ウ)  d.(ア)(イ)(ウ)


正解:d(配点:5)
解説:(ア)は,問題文の Whale watching cruise の項に,Glide …… with commentary from an expert crew. とありますから,合致しています。
 (イ)は,問題文の Additional information の項に,As this is an open water cruise, names of all passengers (adults, children and infants) and emergency contact details are a legal requirement. とありますから,合致しています。
 (ウ)は,問題文の Confirmation の項に,Once confirmed, we will send you the voucher via email. とありますから,合致しています。




2020-04-25(Sat)

〈令和2年改正対応〉【総合旅行業務取扱管理者試験】令和元年度②旅行業約款,運送約款及び宿泊約款

書き途中



第1問 標準旅行業約款に関する以下の問1.~問17.の各設問について,該当するものをそれぞれの選択肢から一つ選び,問18.~問20.の各設問について,該当するものをそれぞれの選択肢からすべて選び,解答用紙にマークしなさい。  (配点4点×20)

問1.募集型企画旅行契約に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
 a.契約は,約款の定めるところによるが,約款に定めのない事項については,法令又は一般に確立された慣習による。
 b.旅行業者が,旅程保証に基づき旅行者名に対して旅行につき支払うべき変更補償金の額が1,000円未満であっても,変更補償金を支払う旨を契約書面に記載し特約を結んだときは,その特約が約款に優先して適用される。
 c.旅行者が,電話により予約を行い,その後旅行業者の店舗に行き,旅行業者が提携するカード会社のクレジットカードにより旅行代金を支払った場合は,通信契約となる。
 d.電子承諾通知とは,契約の申込みに対する承諾の通知であって,情報通信の技術を利用する方法のうち旅行業者又は当該旅行業者を代理して販売する旅行業者等が使用する電子計算機等と旅行者が使用する電子計算機等とを接続する電気通信回線を通じて送信する方法により行うものをいう。


正解:c(配点:4) ※令和2年改正によりdは削除されました
解説:aは,約款(募集)1条1項の通りですから,正しいです。

(適用範囲)
第一条 当社が旅行者との間で締結する募集型企画旅行に関する契約(以下「募集型企画旅行契約」といいます。)は,この約款の定めるところによりますこの約款に定めのない事項については,法令又は一般に確立された慣習によります
2 略


bについて,約款(募集)29条2項は,変更補償金の額が1000円未満であるときは,旅行業者は,変更補償金を支払わない旨を規定しています。もっとも,約款(募集)1条2項によれば,旅行業者が,旅行者に不利にならない範囲で特約を結んだときは,約款よりも特約が優先します。変更補償金の額が1000円未満でも支払う旨の特約は,旅行者にとって有利なものですから,同特約が約款に優先することになります。したがって,bは,正しいです。

(適用範囲)
第一条 略
2 当社が法令に反せず,かつ,旅行者の不利にならない範囲で書面により特約を結んだときは,前項の規定にかかわらず,その特約が優先します
(旅程保証)
第二十九条 略
2 当社が支払うべき変更補償金の額は,旅行者一名に対して一募集型企画旅行につき旅行代金に十五%以上の当社が定める率を乗じた額をもって限度とします。また,旅行者一名に対して一募集型企画旅行につき支払うべき変更補償金の額が千円未満であるときは,当社は,変更補償金を支払いません
3 略


cについて,約款(募集)2条3項は,「通信契約」といえるためには,電話等の通信手段による申込みを受けて契約が締結されなければならない旨を規定しています。本問では,電話による予約しかされておらず,契約の申込みがされたとはいえないため,「通信契約」にはあたりません。したがって,cは,誤りです。

(用語の定義)
第二条 略
2 略
3 この部で「通信契約」とは,当社が,当社又は当社の募集型企画旅行を当社を代理して販売する会社が提携するクレジットカード会社(以下「提携会社」といいます。)のカード会員との間で電話,郵便,ファクシミリ,インターネットその他の通信手段による申込みを受けて締結する募集型企画旅行契約であって,当社が旅行者に対して有する募集型企画旅行契約に基づく旅行代金等に係る債権又は債務を,当該債権又は債務が履行されるべき日以降に別に定める提携会社のカード会員規約に従って決済することについて,旅行者があらかじめ承諾し,かつ当該募集型企画旅行契約の旅行代金等を第十二条第二項,第十六条第一項後段,第十九条第二項に定める方法により支払うことを内容とする募集型企画旅行契約をいいます。
4 略


dについて,令和2年改正前の約款(募集)2条4項は,「電子承諾通知」について,問題文に記載のような定義を置いていました。これは,契約の成立時期に関する約款(募集)8条2項が,通信契約の成立時期について,電子承諾通知を用いる場合と用いない場合とで異なる規定を置いていたため,同条にいう「電子承諾通知」の意義を明らかにするための規定であったと考えられます。しかし,令和2年改正により,通信契約の成立時期について,電子承諾通知を用いる場合と用いない場合との区別を取りやめることとなり,条文上から電子承諾通知の文言が削除されました。そのため,令和2年改正後は,定義規定として「電子承諾通知」の意義を明らかにする必要がなくなったため,約款(募集)2条4項は削除されました。したがって,dは,内容的に誤りではありませんが,令和2年改正後は出題されないものと思われます。

◆◇◆令和2年改正前条文◆◇◆
(用語の定義)
第二条 この約款で「募集型企画旅行」とは,当社が,旅行者の募集のためにあらかじめ,旅行の目的地及び日程,旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊のサービスの内容並びに旅行者が当社に支払うべき旅行代金の額を定めた旅行に関する計画を作成し,これにより実施する旅行をいいます。
2 この約款で「国内旅行」とは,本邦内のみの旅行をいい,「海外旅行」とは,国内旅行以外の旅行をいいます。
3 この部で「通信契約」とは,当社が,当社又は当社の募集型企画旅行を当社を代理して販売する会社が提携するクレジットカード会社(以下「提携会社」といいます。)のカード会員との間で電話,郵便,ファクシミリその他の通信手段による申込みを受けて締結する募集型企画旅行契約であって,当社が旅行者に対して有する募集型企画旅行契約に基づく旅行代金等に係る債権又は債務を,当該債権又は債務が履行されるべき日以降に別に定める提携会社のカード会員規約に従って決済することについて,旅行者があらかじめ承諾し,かつ当該募集型企画旅行契約の旅行代金等を第十二条第二項,第十六条第一項後段,第十九条第二項に定める方法により支払うことを内容とする募集型企画旅行契約をいいます。
4 この部で「電子承諾通知」とは,契約の申込みに対する承諾の通知であって,情報通信の技術を利用する方法のうち当社又は当社の募集型企画旅行を当社を代理して販売する会社が使用する電子計算機,ファクシミリ装置,テレックス又は電話機(以下「電子計算機等」といいます。)と旅行者が使用する電子計算機等とを接続する電気通信回線を通じて送信する方法により行うものをいいます。
5 この約款で「カード利用日」とは,旅行者又は当社が募集型企画旅行契約に基づく旅行代金等の支払又は払戻債務を履行すべき日をいいます。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
◆◇◆令和2年改正後条文◆◇◆
(用語の定義)
第二条 この約款で「募集型企画旅行」とは,当社が,旅行者の募集のためにあらかじめ,旅行の目的地及び日程,旅行者が提供を受けることができる運送又は宿泊のサービスの内容並びに旅行者が当社に支払うべき旅行代金の額を定めた旅行に関する計画を作成し,これにより実施する旅行をいいます。
2 この約款で「国内旅行」とは,本邦内のみの旅行をいい,「海外旅行」とは,国内旅行以外の旅行をいいます。
3 この部で「通信契約」とは,当社が,当社又は当社の募集型企画旅行を当社を代理して販売する会社が提携するクレジットカード会社(以下「提携会社」といいます。)のカード会員との間で電話,郵便,ファクシミリその他の通信手段による申込みを受けて締結する募集型企画旅行契約であって,当社が旅行者に対して有する募集型企画旅行契約に基づく旅行代金等に係る債権又は債務を,当該債権又は債務が履行されるべき日以降に別に定める提携会社のカード会員規約に従って決済することについて,旅行者があらかじめ承諾し,かつ当該募集型企画旅行契約の旅行代金等を第十二条第二項,第十六条第一項後段,第十九条第二項に定める方法により支払うことを内容とする募集型企画旅行契約をいいます。
4 この約款で「カード利用日」とは,旅行者又は当社が募集型企画旅行契約に基づく旅行代金等の支払又は払戻債務を履行すべき日をいいます。


問2.募集型企画旅行契約に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
 a.旅行の参加に際し,特別な配慮を必要とする旅行者が,契約の申込時にその旨を申し出た場合,旅行業者は可能な範囲内でこれに応じ,旅行者のために講じた特別な措置に要する費用を負担しなければならない。
 b.旅行業者は,契約において,旅行者が旅行業者の定める旅行日程に従って,旅行サービスの提供を受けることができるように,手配し,旅程を管理することを引き受けるが,海外旅行についてのみ,その手配の全部又は一部を手配代行者に代行させることができる。
 c.通信契約で,旅行業者が電子承諾通知を発する場合,契約は旅行業者が当該通知を発した時に成立する。
 d.旅行業者が,契約の予約を受け付けた場合において,旅行者が旅行業者の定めた期間内に申込金を提出しない場合又は会員番号等を通知しない場合は,旅行業者は,予約がなかったものとして取り扱う。


正解:d(配点:4) ※令和2年改正によりcは削除されました
解説:aについて,約款(募集)5条5項は,旅行者に対する特別な措置に要する費用は,旅行者が負担することとしています。したがって,aは,この費用負担を旅行業者がするとしている点で誤りです。

(契約の申込み)
第五条 略
2,3 略
4 募集型企画旅行の参加に際し,特別な配慮を必要とする旅行者は,契約の申込時に申し出てください。このとき,当社は可能な範囲内でこれに応じます
5 前項の申出に基づき,当社が旅行者のために講じた特別な措置に要する費用は,旅行者の負担とします


bについて,約款(募集)4条は,旅行業者が手配代行者を利用できる場合について国内旅行か海外旅行かで区別していません。したがって,bは,海外旅行についてのみとしている点で誤りです。

(旅行契約の内容)
第三条 当社は,募集型企画旅行契約において,旅行者が当社の定める旅行日程に従って,運送・宿泊機関等の提供する運送,宿泊その他の旅行に関するサービス(以下「旅行サービス」といいます。)の提供を受けることができるように,手配し,旅程を管理することを引き受けます。
(手配代行者)
第四条 当社は,募集型企画旅行契約の履行に当たって,手配の全部又は一部を本邦内又は本邦外の他の旅行業者,手配を業として行う者その他の補助者に代行させることがあります


cについて,令和2年改正前の約款(募集)8条2項は,通信契約の場合には,旅行業者が承諾通知を発した時点で契約が成立するのが原則(発信主義)であり,電子承諾通知を用いる場合には,旅行者に承諾通知が到達したときに契約が成立するとの例外を置いていました。しかし,令和2年改正後の約款(募集)8条2項は,電子承諾通知の例外を削除し,通信契約の規律を一本化するとともに,契約の成立時期を承諾通知が旅行者に到達したときに変更しました(到達主義)。したがって,cは,試験実施当時の約款(募集)でも誤りでしたが,令和2年改正後も誤りとなります。なお,法改正の詳細については,こちらをご覧ください。

◆◇◆令和2年改正前条文◆◇◆
(契約の成立時期)
第八条 略
2 通信契約は,前項の規定にかかわらず,当社が契約の締結を承諾する旨の通知を発した時に成立するものとします。ただし,当該契約において電子承諾通知を発する場合は,当該通知が旅行者に到達した時に成立するものとします。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
◆◇◆令和2年改正後条文◆◇◆
(契約の成立時期)
第八条 略
2 通信契約は,前項の規定にかかわらず,当社が契約の締結を承諾する旨の通知が旅行者に到達した時に成立するものとします。


dは,約款(募集)6条3項の通りですから,正しいです。

(電話等による予約)
第六条 当社は,電話,郵便,ファクシミリ,インターネットその他の通信手段による募集型企画旅行契約の予約を受け付けます。この場合,予約の時点では契約は成立しておらず,旅行者は,当社が予約の承諾の旨を通知した後,当社が定める期間内に,前条第一項又は第二項の定めるところにより,当社に申込書と申込金を提出又は会員番号等を通知しなければなりません。
2 略
3 旅行者が第一項の期間内に申込金を提出しない場合又は会員番号等を通知しない場合は,当社は,予約がなかったものとして取り扱います


問3.募集型企画旅行契約における契約書面及び確定書面に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
 a.旅行業者は,契約の成立後速やかに,旅行者に,旅行日程,旅行サービスの内容,旅行代金その他の旅行条件及び旅行業者の責任に関する事項を記載した書面を交付しなければならない。
 b.旅行業者は,あらかじめ旅行者の承諾を得て,契約書面又は確定書面の交付に代えて,情報通信の技術を利用する方法により記載事項を提供したときは,旅行者の使用に係る通信機器に記載事項を記録するためのファイルが備えられていない場合を除き,旅行者の使用する通信機器に備えられたファイルに記載事項が記録されたことを確認しなければならない。
 c.旅行業者が契約により手配し旅程を管理する義務を負う旅行サービスの範囲は,契約書面に記載するところによるが,確定書面を交付した場合は,確定書面に記載するところに特定される。
 d.確定書面は,旅行開始日の前日から起算してさかのぼって7日目に当たる日以降に契約の申込みがなされた場合,旅行開始日の前日までの旅行業者が契約書面に定める日までに交付しなければならない。


正解:d(配点:4)
解説:aは,約款(募集)9条1項の通りですから,正しいです。

(契約書面の交付)
第九条 当社は,前条の定める契約の成立後速やかに,旅行者に,旅行日程,旅行サービスの内容,旅行代金その他の旅行条件及び当社の責任に関する事項を記載した書面(以下「契約書面」といいます。)を交付します
2 略


bは,約款(募集)11条1項,2項の通りですから,正しいです。

(情報通信の技術を利用する方法)
第十一条 当社は,あらかじめ旅行者の承諾を得て,募集型企画旅行契約を締結しようとするときに旅行者に交付する旅行日程,旅行サービスの内容,旅行代金その他の旅行条件及び当社の責任に関する事項を記載した書面,契約書面又は確定書面の交付に代えて,情報通信の技術を利用する方法により当該書面に記載すべき事項(以下この条において「記載事項」といいます。)を提供したときは,旅行者の使用する通信機器に備えられたファイルに記載事項が記録されたことを確認します
2 前項の場合において,旅行者の使用に係る通信機器に記載事項を記録するためのファイルが備えられていないときは,当社の使用する通信機器に備えられたファイル(専ら当該旅行者の用に供するものに限ります。)に記載事項を記録し,旅行者が記載事項を閲覧したことを確認します。


cは,約款(募集)9条2項,10条3項の通りですから,正しいです。

(契約書面の交付)
第九条 略
2 当社が募集型企画旅行契約により手配し旅程を管理する義務を負う旅行サービスの範囲は,前項の契約書面に記載するところによります
(確定書面)
第十条 略
2 略
3 第一項の確定書面を交付した場合には,前条第二項の規定により当社が手配し旅程を管理する義務を負う旅行サービスの範囲は,当該確定書面に記載するところに特定されます


dについて,約款(募集)10条1項かっこ書きは,旅行開始日の前日から起算してさかのぼって7日目に当たる日以降に契約の申し込みがなされた場合は,旅行開始日までに確定書面を交付するものとしています。したがって,dは,これを旅行会日の前日までに交付するとしている点で誤りです。

(確定書面)
第十条 前条第一項の契約書面において,確定された旅行日程,運送若しくは宿泊機関の名称を記載できない場合には,当該契約書面において利用予定の宿泊機関及び表示上重要な運送機関の名称を限定して列挙した上で,当該契約書面交付後,旅行開始日の前日(旅行開始日の前日から起算してさかのぼって七日目に当たる日以降に募集型企画旅行契約の申込みがなされた場合にあっては,旅行開始日)までの当該契約書面に定める日までに,これらの確定状況を記載した書面(以下「確定書面」といいます。)を交付します。
2,3 略


問4.募集型企画旅行契約における契約の変更に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
 a.利用する運送機関について適用を受ける運賃・料金の減額がなされたときは,旅行者の不利にならないよう,旅行業者はいかなる場合でも,その減少額だけ旅行代金を減額しなければならない。
 b.旅行業者の関与し得ない事由が生じた場合で,旅行の安全かつ円滑な実施を図るためやむを得ないときは,旅行業者は,旅行者にあらかじめ速やかに当該事由が旅行業者の関与し得ないものである理由及び当該事由との因果関係を説明し,旅行者の承諾を得た上でなければ契約内容を変更することができない。
 c.旅行者が,旅行業者の承諾を得て,契約上の地位を第三者に譲り渡した場合,契約上の地位を譲り受けた第三者が残りの旅行代金を支払う義務を負う。
 d.運送機関の過剰予約受付により座席の不足が発生したため,旅行の安全かつ円滑な実施のためやむを得ず契約内容を変更したことで,旅行の実施に要する費用が増加した場合,旅行業者は,その増額される金額の範囲内で旅行代金の額を増加することができる。


正解:c(配点:4)
解説:aについて,約款(募集)14条1項は,「通常サ雨堤される程度を大幅に超えて……減額される場合に」は,旅行代金の減額をすることができる旨を規定しています。したがって,aは,いかなる場合でも減額しなければならないとしている点で誤りです。

(旅行代金の額の変更)
第十四条 募集型企画旅行を実施するに当たり利用する運送機関について適用を受ける運賃・料金(以下この条において「適用運賃・料金」といいます。)が,著しい経済情勢の変化等により,募集型企画旅行の募集の際に明示した時点において有効なものとして公示されている適用運賃・料金に比べて,通常想定される程度を大幅に超えて増額又は減額される場合においては,当社は,その増額又は減額される金額の範囲内で旅行代金の額を増加し,又は減少することができます。
2~5 略


bについて,約款(募集)13条は,契約内容の変更にあたり,旅行者の承諾を要求していません。したがって,bは,誤りです。

(契約内容の変更)
第十三条 当社は,天災地変,戦乱,暴動,運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止,官公署の命令,当初の運行計画によらない運送サービスの提供その他の当社の関与し得ない事由が生じた場合において,旅行の安全かつ円滑な実施を図るためやむを得ないときは,旅行者にあらかじめ速やかに当該事由が関与し得ないものである理由及び当該事由との因果関係を説明して,旅行日程,旅行サービスの内容その他の募集型企画旅行契約の内容(以下「契約内容」といいます。)を変更することがあります。ただし,緊急の場合において,やむを得ないときは,変更後に説明します。


cについて,約款(募集)15条3項は,旅行者の交替があった場合は,旅行契約上の地位を譲り受けた第三者は,契約に関する一切の権利義務を承継する旨を規定しています。旅行代金の支払義務は,ここにいう第三者が承継する「義務」に含まれます。したがって,cは,正しいです。

(旅行者の交替)
第十五条 略
2 略
3 第一項の契約上の地位の譲渡は,当社の承諾があった時に効力を生ずるものとし,以後,旅行契約上の地位を譲り受けた第三者は,旅行者の当該募集型企画旅行契約に関する一切の権利及び義務を承継するものとします


dについて,約款(募集)14条4項かっこ書きは,運送・宿泊機関が旅行サービスを提供しているのに設備の不足によって費用が増加する場合には,契約内容の変更にあたり旅行代金の額を変更することができない旨を規定しています。したがって,dは,誤りです。

(旅行代金の額の変更)
第十四条 略
2,3 略
4 当社は,前条の規定に基づく契約内容の変更により旅行の実施に要する費用(当該契約内容の変更のためにその提供を受けなかった旅行サービスに対して取消料,違約料その他既に支払い,又はこれから支払わなければならない費用を含みます。)の減少又は増加が生じる場合(費用の増加が,運送・宿泊機関等が当該旅行サービスの提供を行っているにもかかわらず,運送・宿泊機関等の座席,部屋その他の諸設備の不足が発生したことによる場合を除きます。)には,当該契約内容の変更の際にその範囲内において旅行代金の額を変更することがあります。
5 略


問5.募集型企画旅行契約における旅行開始前の旅行業者による契約の解除に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(いずれも旅行者に理由を説明し,取消料の支払いを要する期間内の解除とする。)
 a.通信契約を締結した旅行者の有するクレジットカードが無効になり,旅行代金を決済できなくなったため旅行業者が契約を解除した場合,旅行業者は,当該旅行者に取消料を請求することはできない。
 b.旅行業者は,旅行者が契約書面に記載する期日までに旅行代金を支払わないときは,当該期日において旅行者が契約を解除したものとし,この場合,旅行者は,旅行業者に対し,取消料に相当する額の違約料を支払わなければならない。
 c.1泊2日の国内旅行において,旅行者の数が最少催行人員に達しなかった場合,旅行業者は,旅行開始日の前日から起算してさかのぼって13日目に当たる日より前に旅行を中止する旨を旅行者に通知しなかったときは,当該旅行を中止することはできない。
 d.旅行業者は,旅行者が団体旅行の円滑な実施を妨げるおそれがあると認められるときは,契約を解除することができる。


正解:b(配点:4)
解説:aについて,約款(募集)17条1項は,旅行代金が決済できない場合の旅行業者による解除にあたり,取消料の請求をすることができる旨の規定を置いていません。したがって,aは,正しいです。

(当社の解除権等-旅行開始前の解除)
第十七条 当社は,次に掲げる場合において,旅行者に理由を説明して,旅行開始前に募集型企画旅行契約を解除することがあります。
 一~七 略
 八 通信契約を締結した場合であって,旅行者の有するクレジットカードが無効になる等,旅行者が旅行代金等に係る債務の一部又は全部を提携会社のカード会員規約に従って決済できなくなったとき。
 九 略
2,3 略


bについて,約款(募集)17条2項は,旅行代金を支払わないことを理由とする旅行業者によるみなし解除は,代金支払期日の翌日を基準日としています。したがって,bは,これを代金支払期日の当日としている点で誤りです。

(当社の解除権等-旅行開始前の解除)
第十七条 略
2 旅行者が第十二条第一項の契約書面に記載する期日までに旅行代金を支払わないときは,当該期日の翌日において旅行者が募集型企画旅行契約を解除したものとします。この場合において,旅行者は,当社に対し,前条第一項に定める取消料に相当する額の違約料を支払わなければなりません。
3 略


cは,約款(募集)17条3項の通りですから,正しいです。

(当社の解除権等-旅行開始前の解除)
第十七条 当社は,次に掲げる場合において,旅行者に理由を説明して,旅行開始前に募集型企画旅行契約を解除することがあります。
 一~四 略
 五 旅行者の数が契約書面に記載した最少催行人員に達しなかったとき。
 六~九 略
2 略
3 当社は,第一項第五号に掲げる事由により募集型企画旅行契約を解除しようとするときは,旅行開始日の前日から起算してさかのぼって,国内旅行にあっては十三日目(日帰り旅行については,三日目)に当たる日より前に,海外旅行にあっては二十三日目(別表第一に規定するピーク時に旅行を開始するものについては三十三日目)に当たる日より前に,旅行を中止する旨を旅行者に通知します


dは,約款(募集)17条1項3号の通りですから,正しいです。

(当社の解除権等-旅行開始前の解除)
第十七条 当社は,次に掲げる場合において,旅行者に理由を説明して,旅行開始前に募集型企画旅行契約を解除することがあります。
 一,二 略
 三 旅行者が他の旅行者に迷惑を及ぼし,又は団体旅行の円滑な実施を妨げるおそれがあると認められるとき
 四~九 略
2,3 略


問6.募集型企画旅行契約における旅行代金の払戻しに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(いずれも通信契約でない場合とし,旅行代金は全額収受済とする。)
 a.旅行開始日の前日に,旅行者の都合により契約が解除された場合,旅行業者は,旅行者に対し,解除の翌日から起算して7日以内に,旅行代金から取消料を差し引いた金額を払い戻さなければならない。
 b.旅行開始後に,契約内容の変更により旅行の実施に要する費用の減少が生じ,旅行業者が旅行代金を減額した場合は,旅行業者は,契約書面に記載した旅行終了日の翌日から起算して30日以内に,当該減額分を旅行者に払い戻さなければならない。
 c.旅行業者の責に帰すべき事由により旅行の実施が不可能になったため,旅行者が旅行開始前に契約を解除し旅行代金の払戻しを受けた場合であっても,旅行業者に対する旅行者の損害賠償請求権を行使することは妨げられない。
 d.旅行開始後において,旅行者が契約書面に記載された旅行サービスを受領することができなくなり,旅行者が当該契約の一部を解除したときは,旅行業者の責任の有無にかかわらず,旅行業者は,旅行代金のうち当該受領することができなくなった旅行サービスの部分に係る金額のすべてを払い戻さなければならない。


正解:d(配点:4)
解説:aについて,旅行者の都合による契約の解除は,約款(募集)16条1項に基づいてすることができるため,約款(募集)19条1項にいう「前三条の規定により……解除された場合」にあたります。そして,この解除が旅行開始前にされた場合には,解除の翌日から7日以内に払戻しを行うことは,同項の定めるとおりです。したがって,aは,正しいです。

(旅行者の解除権)
第十六条 旅行者は,いつでも別表第一に定める取消料を当社に支払って募集型企画旅行契約を解除することができます。通信契約を解除する場合にあっては,当社は,提携会社のカードにより所定の伝票への旅行者の署名なくして取消料の支払いを受けます。
2~4 略
(旅行代金の払戻し)
第十九条 当社は,第十四条第三項から第五項までの規定により旅行代金が減額された場合又は前三条の規定により募集型企画旅行契約が解除された場合において,旅行者に対し払い戻すべき金額が生じたときは,旅行開始前の解除による払戻しにあっては解除の翌日から起算して七日以内に,減額又は旅行開始後の解除による払戻しにあっては契約書面に記載した旅行終了日の翌日から起算して三十日以内に旅行者に対し当該金額を払い戻します
2,3 略


bについて,契約内容の変更による旅行代金の減額は,約款(募集)14条4項に基づいてすることができるため,約款(募集)19条1項の「第十四条第三項から第五項までの規定により旅行代金が減額された場合」にあたります。そして,代金減額がされた場合には,旅行終了日の翌日から30日以内に払戻しを行うことは,同項の定めるとおりです。したがって,bは,正しいです。

(旅行代金の額の変更)
第十四条 略
2,3 略
4 当社は,前条の規定に基づく契約内容の変更により旅行の実施に要する費用(当該契約内容の変更のためにその提供を受けなかった旅行サービスに対して取消料,違約料その他既に支払い,又はこれから支払わなければならない費用を含みます。)の減少又は増加が生じる場合(費用の増加が,運送・宿泊機関等が当該旅行サービスの提供を行っているにもかかわらず,運送・宿泊機関等の座席,部屋その他の諸設備の不足が発生したことによる場合を除きます。)には,当該契約内容の変更の際にその範囲内において旅行代金の額を変更することがあります。
5 略
(旅行代金の払戻し)
第十九条 当社は,第十四条第三項から第五項までの規定により旅行代金が減額された場合又は前三条の規定により募集型企画旅行契約が解除された場合において,旅行者に対し払い戻すべき金額が生じたときは,旅行開始前の解除による払戻しにあっては解除の翌日から起算して七日以内に,減額又は旅行開始後の解除による払戻しにあっては契約書面に記載した旅行終了日の翌日から起算して三十日以内に旅行者に対し当該金額を払い戻します
2,3 略


cは,約款(募集)19条3項の通りですから,正しいです。

(旅行代金の払戻し)
第十九条 略
2 略
3 前二項の規定は第二十七条又は第三十条第一項に規定するところにより旅行者又は当社が損害賠償請求権を行使することを妨げるものではありません


dについて,約款(募集)16条4項は,旅行業者の責に帰すべき事由によらない場合は,受領することができなくなった旅行サービスに係る金額から取消料,違約料,費用を差し引いたものを払い戻す旨を規定しています。したがって,dは,旅行業者の帰責事由の有無によって区別をしていない点で誤りです。

(旅行者の解除権)
第十六条 略
2 略
3 旅行者は,旅行開始後において,当該旅行者の責に帰すべき事由によらず契約書面に記載した旅行サービスを受領することができなくなったとき又は当社がその旨を告げたときは,第一項の規定にかかわらず,取消料を支払うことなく,旅行サービスの当該受領することができなくなった部分の契約を解除することができます。
4 前項の場合において,当社は,旅行代金のうち旅行サービスの当該受領することができなくなった部分に係る金額を旅行者に払い戻します。ただし,前項の場合が当社の責に帰すべき事由によらない場合においては,当該金額から,当該旅行サービスに対して取消料,違約料その他の既に支払い,又はこれから支払わなければならない費用に係る金額を差し引いたものを旅行者に払い戻します


問7.募集型企画旅行契約における旅程管理に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
 a.旅行業者は,旅行サービスの内容を変更せざるを得ないときは,変更後の旅行サービスが当初の旅行サービスと同様のものとなるよう努め,契約内容の変更を最小限にとどめるよう努力しなければならない。
 b.旅行業者は,すべての旅行に添乗員その他の者を同行させ,旅程管理業務その他当該旅行に付随して旅行業者が必要と認める業務の全部又は一部を行わせなければならない。
 c.旅行業者は,旅行中の旅行者が,疾病,傷害等により保護を要する状態にあると認めたときは,必要な措置を講ずることがあり,この場合において,これが旅行業者の責に帰すべき事由によるものでないときは,当該措置に要した費用は旅行者の負担となる。
 d.旅行者は,旅行開始後旅行終了までの間において,団体で行動するときは,旅行を安全かつ円滑に実施するための旅行業者の指示に従わなければならない。


正解:b(配点:4)
解説:aは,約款(募集)23条2号の通りですから,正しいです。

(旅程管理)
第二十三条 当社は,旅行者の安全かつ円滑な旅行の実施を確保することに努力し,旅行者に対し次に掲げる業務を行います。ただし,当社が旅行者とこれと異なる特約を結んだ場合には,この限りではありません。
 一 略
 二 前号の措置を講じたにもかかわらず,契約内容を変更せざるを得ないときは,代替サービスの手配を行うこと。この際,旅行日程を変更するときは,変更後の旅行日程が当初の旅行日程の趣旨にかなうものとなるよう努めること,また,旅行サービスの内容を変更するときは,変更後の旅行サービスが当初の旅行サービスと同様のものとなるよう努めること等,契約内容の変更を最小限にとどめるよう努力すること


bについて,約款(募集)25条1項は,「旅行の内容により」添乗員に業務を行わせることがある旨を規定しており,必ず添乗員を付さなければならないものとはしていません。したがって,bは,誤りです。

(添乗員等の業務)
第二十五条 当社は,旅行の内容により添乗員その他の者を同行させて第二十三条各号に掲げる業務その他当該募集型企画旅行に付随して当社が必要と認める業務の全部又は一部を行わせることがあります
2 略


cは,約款(募集)26条の通りですから,正しいです。

(保護措置)
第二十六条 当社は,旅行中の旅行者が,疾病,傷害等により保護を要する状態にあると認めたときは,必要な措置を講ずることがあります。この場合において,これが当社の責に帰すべき事由によるものでないときは,当該措置に要した費用は旅行者の負担とし,旅行者は当該費用を当社が指定する期日までに当社の指定する方法で支払わなければなりません。


dは,約款(募集)24条の通りですから,正しいです。

(当社の指示)
第二十四条 旅行者は,旅行開始後旅行終了までの間において,団体で行動するときは,旅行を安全かつ円滑に実施するための当社の指示に従わなければなりません


問8.募集型企画旅行契約における責任に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
 a.旅行業者の過失により,旅行者の手荷物について生じた損害については,損害発生の翌日から起算して,国内旅行にあっては,14日以内に旅行業者に対して通知があったときに限り,旅行業者はその損害を賠償する責に任じる。
 b.旅行業者は,旅行者が運送・宿泊機関等のサービス提供の中止により損害を被ったときは,旅行業者の故意又は過失による場合を除き,その損害を賠償する責任を負わない。
 c.旅行者は,契約を締結するに際しては,旅行業者から提供された情報を活用し,旅行者の権利義務その他の契約の内容について理解するよう努めなければならない。
 d.旅行業者は,旅行者が旅行参加中に手配代行者の過失(重大な過失がある場合を除く。)により身体に損害を被ったときは,その損害発生の翌日から起算して2年以内に旅行業者に対して通知があったときに限り,その損害を賠償する責に任じる。


正解:d(配点:4)
解説:aは,約款(募集)27条3項の通りですから,正しいです。

(当社の責任)
第二十七条 略
2 略
3 当社は,手荷物について生じた第一項の損害については,同項の規定にかかわらず,損害発生の翌日から起算して,国内旅行にあっては十四日以内に,海外旅行にあっては二十一日以内に当社に対して通知があったときに限り,旅行者一名につき十五万円を限度(当社に故意又は重大な過失がある場合を除きます。)として賠償します。


bは,約款(募集)27条2項の通りですから,正しいです。

(当社の責任)
第二十七条 当社は,募集型企画旅行契約の履行に当たって,当社又は当社が第四条の規定に基づいて手配を代行させた者(以下「手配代行者」といいます。)が故意又は過失により旅行者に損害を与えたときは,その損害を賠償する責に任じます。ただし,損害発生の翌日から起算して二年以内に当社に対して通知があったときに限ります。
2 旅行者が天災地変,戦乱,暴動,運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止,官公署の命令その他の当社又は当社の手配代行者の関与し得ない事由により損害を被ったときは,当社は,前項の場合を除き,その損害を賠償する責任を負うものではありません。
3 略


cは,約款(募集)30条2項の通りですから,正しいです。

(旅行者の責任)
第三十条 略
2 旅行者は,募集型企画旅行契約を締結するに際しては,当社から提供された情報を活用し,旅行者の権利義務その他の募集型企画旅行契約の内容について理解するよう努めなければなりません
3 略


dについて,約款(募集)27条1項は,旅行業者が旅行者に対して損害を与えたときの損害賠償責任について,重過失の場合を特に区別することなく規律しています。したがって,dは,重大な過失を除いている点で誤りです。

(当社の責任)
第二十七条 当社は,募集型企画旅行契約の履行に当たって,当社又は当社が第四条の規定に基づいて手配を代行させた者(以下「手配代行者」といいます。)が故意又は過失により旅行者に損害を与えたときは,その損害を賠償する責に任じます。ただし,損害発生の翌日から起算して二年以内に当社に対して通知があったときに限ります。
2,3 略


問9.特別補償に関する次の記述から,正しいものだけをすべて選んでいるものはどれか。
 (ア)旅行業者は,旅行者が企画旅行参加中にその生命,身体に被った一定の損害については,当該旅行業者の責任が生ずるか否かを問わず,特別補償規程に定める額の補償金及び見舞金を支払う。
 (イ)旅行業者の企画旅行参加中の旅行者を対象として,別途の旅行代金を収受して当該旅行業者が実施する募集型企画旅行については,主たる旅行契約の内容の一部として取り扱う。
 (ウ)旅行業者が損害賠償責任を負うときは,その責任に基づいて支払うべき損害賠償金の額の限度において,旅行業者が支払うべき補償金は,当該損害賠償金とみなされる。

a.(ア)(イ)  b.(ア)(ウ)  c.(イ)(ウ)  d.(ア)(イ)(ウ)


正解:d(配点:4)
解説:(ア)は,約款(募集)28条1項の通りですから,正しいです。

(特別補償)
第二十八条 当社は,前条第一項の規定に基づく当社の責任が生ずるか否かを問わず,別紙特別補償規程で定めるところにより,旅行者が募集型企画旅行参加中にその生命,身体又は手荷物の上に被った一定の損害について,あらかじめ定める額の補償金及び見舞金を支払います
2~4 略


(イ)は,約款(募集)28条4項の通りですから,正しいです。

(特別補償)
第二十八条 略
2,3 略
4 当社の募集型企画旅行参加中の旅行者を対象として,別途の旅行代金を収受して当社が実施する募集型企画旅行については,主たる募集型企画旅行契約の内容の一部として取り扱います


(ウ)は,約款(募集)28条2項の通りですから,正しいです。

(特別補償)
第二十八条 略
2 前項の損害について当社が前条第一項の規定に基づく責任を負うときは,その責任に基づいて支払うべき損害賠償金の額の限度において,当社が支払うべき前項の補償金は,当該損害賠償金とみなします
3,4 略


以上から,(ア)ないし(ウ)のいずれも正しいですから,正解はdです。

問10.特別補償規程における「サービスの提供を受けることを開始した時」に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。(添乗員,旅行業者の使用人又は代理人による受付が行われない場合とする。)
 a.最初の運送・宿泊機関等が鉄道であるときは,改札の終了時又は改札のないときは当該列車乗車時
 b.最初の運送・宿泊機関等が車両であるときは,当該車両の出発時
 c.最初の運送・宿泊機関等が航空機であるときは,乗客のみが入場できる飛行場構内における手荷物の検査等の完了時
 d.最初の運送・宿泊機関等が美術館であるときは,当該施設の利用手続終了時


正解:b(配点:4)
解説:特別補償規程における「サービスの提供を受けることを開始した時」は,約款(補償)2条3項に定めがあります。これによれば,aは同項2号ハ,cは同号イ,dは同号ヘの通りですから,正しいです。一方で,bについて,同号ニは「乗車時」としていますから,bは,これを出発時としている点で誤りです。

(用語の定義)
第二条 略
2 略
3 前項の「サービスの提供を受けることを開始した時」とは,次の各号のいずれかの時をいいます。
 一 添乗員,当社の使用人又は代理人が受付を行う場合は,その受付完了時
 二 前号の受付が行われない場合において,最初の運送・宿泊機関等が,
  イ 航空機であるときは,乗客のみが入場できる飛行場構内における手荷物の検査等の完了時
  ロ 船舶であるときは,乗船手続の完了時
  ハ 鉄道であるときは,改札の終了時又は改札のないときは当該列車乗車時
  ニ 車両であるときは,乗車時
  ホ 宿泊機関であるときは,当該施設への入場時
  ヘ 宿泊機関以外の施設であるときは,当該施設の利用手続終了時とします。
4 略


問11.旅程保証に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
 a.旅行業者は,変更補償金を支払うべき契約内容の重要な変更が生じた場合は,旅行代金に別表第2の「変更補償金の支払いが必要となる変更」の項目別に記載する率を乗じた額以上の変更補償金を旅行者に支払う。
 b.旅行業者は,旅行業者の責任が生ずるか否かを問わず,変更補償金を支払うべき契約内容の重要な変更が生じた場合は,旅行終了日の翌日から起算して30日以内に変更補償金を支払う。
 c.確定書面が交付された場合には,契約書面の記載内容と確定書面の記載内容との間又は確定書面の記載内容と実際に提供された旅行サービスの内容との間に変更が生じたときは,それぞれの変更につき1件として取り扱う。
 d.旅行業者が支払うべき変更補償金の額は,旅行者1名に対して1企画旅行につき旅行代金に15%以上の旅行業者が定める率を乗じた額をもって限度とする。


正解:b(配点:4)
解説:aは,約款(募集)29条1項柱書の通りですから,正しいです。

(旅程保証)
第二十九条 当社は,別表第二上欄に掲げる契約内容の重要な変更(次の各号に掲げる変更(運送・宿泊機関等が当該旅行サービスの提供を行っているにもかかわらず,運送・宿泊機関等の座席,部屋その他の諸設備の不足が発生したことによるものを除きます。)を除きます。)が生じた場合は,旅行代金に同表下欄に記載する率を乗じた額以上の変更補償金を旅行終了日の翌日から起算して三十日以内に支払います。ただし,当該変更について当社に第二十七条第一項の規定に基づく責任が発生することが明らかである場合には,この限りではありません。
 一,二 略
2,3 略


bについて,約款(募集)29条1項柱書ただし書は,旅行業者の責任が生ずる場合には,旅行業者は変更補償金を支払わない旨を規定しています。したがって,bは,旅行業者の責任が生ずるか否かで区別をしていない点で誤りです。なお,約款(募集)28条に基づく特別補償は,旅行者の責任が生ずるか否かに関わらず行われます(特別補償と旅程保証とで取扱いに差異がある理由については,下記(※1)参照。)。

(旅程保証)
第二十九条 当社は,別表第二上欄に掲げる契約内容の重要な変更(次の各号に掲げる変更(運送・宿泊機関等が当該旅行サービスの提供を行っているにもかかわらず,運送・宿泊機関等の座席,部屋その他の諸設備の不足が発生したことによるものを除きます。)を除きます。)が生じた場合は,旅行代金に同表下欄に記載する率を乗じた額以上の変更補償金を旅行終了日の翌日から起算して三十日以内に支払います。ただし,当該変更について当社に第二十七条第一項の規定に基づく責任が発生することが明らかである場合には,この限りではありません
 一,二 略
2,3 略


cは,約款(募集)別表第2注2の通りですから,正しいです。

別表第二 変更補償金

dは,約款(募集)29条2項前段の通りですから,正しいです。

(旅程保証)
第二十九条 略
2 当社が支払うべき変更補償金の額は,旅行者一名に対して一募集型企画旅行につき旅行代金に十五%以上の当社が定める率を乗じた額をもって限度とします。また,旅行者一名に対して一募集型企画旅行につき支払うべき変更補償金の額が千円未満であるときは,当社は,変更補償金を支払いません。
3 略


(※1)「変更補償金は……旅行業者にその変更につき債務不履行による損害賠償責任のある疑いのあるときでも,とりあえず支払われる(本条[注:約款(募集)29条]第1項ただし書き)。」「しかし,その後になって,実はその変更は旅行業者の債務不履行に基づくものであることが明らかになったときには,旅行業者は変更補償金の額にかかわらず,旅行者に生じている損害について賠償の責任を負うことになる。その際には,旅行者は,旅行業者から損害賠償としての支払を受けることから,すでに支払を受けた変更補償金は不当利得となるので,旅行業者に返還しなければならない(本条第3項前段)。この場合,実務的には,旅行業者が損害賠償債務を負っていることから,変更補償金返還債務との間で相殺処理して,残額の損害賠償金(変更補償金の金額からいって,通常,損害賠償金の方が高くなるであろう)を旅行業者が旅行者に支払うことになる(本条第3項後段)。」「特別補償責任に基づく補償金の場合には,旅行業者が損害賠償債務を同時に負うときには,その額の限度で補償金は損害賠償金とみなすという規定で調整を図っているが(第28条第2項),変更補償金については,このような調整をせずに,完全に損害賠償金とは別個の扱いとしている。特別補償責任に基づく補償金の支払事由は,企画旅行参加中の事故により旅行者に実際に生じた「損害」の填補を目的としている(第28条第1項)。これに対し,変更補償金の支払事由は,「契約内容の変更」であって,必ずしも「損害」の発生を要件にはしておらず,その変更内容によっては(アップグレードの場合等)旅行者には精神的損害等も生じていない場合もあり得ることから,「損害」の填補を目的とする金員という性格をもたすことができないためである。」三浦雅生『標準旅行業約款解説』(自由国民社,2018年)180頁


プロフィール

||中央特快||高尾||

Author:||中央特快||高尾||
お疲れ様です。

最新記事
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
訪問者数
カレンダー
03 | 2021/04 | 05
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード