2016-07-20(Wed)

【旧司】刑法平成16年第1問

TSUTAYAのレンタルが今月いっぱい半額になる券を手に入れたおかげで,

とりあえずみだりにCDを借りまくっている管理人です。

天気がずっと不安定で,おかげさまで勉強に対するモチベーションも不安定ですが,

なんと今日で中大ロー入試まで1か月前になってしまいましたため,

やる気が出ないとか,そんなこと言ってられなくなりました。

焦燥感が絶えません。

今日は旧司刑法平成16年度第1問です。

旧司刑法が連続しますが,管理人は刑事系科目が大の苦手なので,

答案を書くのもやはり刑事系が多くなってしまいます。悪しからず。

≪問題≫
 甲は,交際していたAから,突然,甲の友人である乙と同居している旨告げられて別れ話を持ち出され,裏切られたと感じて激高し,Aに対して殺意を抱くに至った。そこで,甲は,自宅マンションに帰るAを追尾し,A方玄関内において,Aに襲いかかり,あらかじめ用意していた出刃包丁でAの腹部を1回突き刺した。しかし,甲は,Aの出血を見て驚がくするとともに,大変なことをしてしまったと悔悟して,タオルで止血しながら,携帯電話で119番通報をしようとしたが,つながらなかった。刺されたAの悲鳴を聞いて奥の部屋から玄関の様子をうかがっていた乙は,日ごろからAを疎ましく思っていたため,Aが死んでしまった方がよいと考え,玄関に出てきて,気が動転している甲に対し,119番通報をしていないのに,「俺が119番通報をしてやったから,後のことは任せろ。お前は逃げた方がいい。」と強く申し向けた。甲は,乙の言葉を信じ,乙に対し,「くれぐれも,よろしく頼む。」と言って,その場から逃げた。乙は,Aをその場に放置したまま,外に出て行った。Aは,そのまま放置されれば失血死する状況にあったが,その後しばらくして,隣室に居住するBに発見されて救助されたため,命を取り留めた。
 甲及び乙の罪責を論ぜよ(特別法違反の点は除く。)。

あーあ,また刺しちゃった……って感じですね。

なんか,人刺そうと思ったらとりあえず出刃包丁か日本刀でやったれみたいな風潮なんなんですかね。

そんなに人を殺すのに適しているんですかね……

無題300_convert_20160720214018

あっ,だいぶ切れ味よさそうですね。

ってか「出刃包丁」が検索履歴に残るのなかなかヤバいな……

≪答案≫
第1.甲の罪責について
 1.甲が,Aの自宅マンションに立ち入った行為は,住居権者であるAの意思に反するものであるから,上記行為につき住居侵入罪(130条前段)が成立する。
 2(1)甲が,出刃包丁でAの腹部を突き刺した行為につき殺人罪(199条)が成立しないか。
 出刃包丁は,先端が鋭く,かつ,刃渡りもカッターナイフ等に比べれば長いため,これを臓器の集中する腹部に突き刺せば,生命侵害の危険性は非常に高い。したがって,上記行為は,殺人罪の「実行に着手」した(43条本文)といえる。
 もっとも,本問においては,Aは命を取り留めているから,甲の上記行為については殺人未遂罪(203条)が成立する。
  (2)ところで,甲は上記行為の直後,Aの出血を見て驚がくし,悔悟して,タオルで止血しながら,携帯電話で119番通報をしようとしている。これらの点から,甲はAの死亡結果を回避するための努力をしたとして,中止犯(43条ただし書)が成立しないか。
   ア、甲は中止行為を「自己の意思により」行ったといえるか。
 中止犯が系の必要的減免を受けるのは,第一次的には,自らの意思に基づいて中止行為を行うという行為者の真摯な人格態度が責任を減少させるとともに,第二次的には,犯罪行為に踏み込んだ者に後戻りの動機を与え,犯罪を防止しようとする刑事政策的配慮が働くからである。したがって,「自己の意思により」行為をしたといえるかどうかは,行為者の主観において,外部的障害の影響を受けずに行為をしたか否かで決すべきである。そして,中止行為が外部的事実の表象を契機としつつも,犯人がその表象により必ず中止行為に出るとは限らない場合に,あえて中止行為に出たときは,任意の意思によるものといえる。
 これを本問についてみると,甲はAの出血を見て驚がくしただけではなく,大変なことをしてしまったと悔悟しており,この感情が相俟って中止行為に出ている。そうすると,殺人を試みた犯人が,被害者の出血を見ても悔悟の情を抱くとは限らず,通常はこれを放置するものと考えられるところ,甲はあえて止血や119番通報をしようとしている。
 したがって,甲は「自己の意思により」当該行為に出たといえる。
   イ、そうであっても,甲は「犯罪を中止した」といえるか。
 上記の中止犯の必要的減免の根拠からすれば,中止行為をしたといえるためには,犯人の真摯な努力が必要である。そして,実行未遂の場合にあっては,犯人の実行行為は終わっているのであるから,結果発生阻止のための積極的な努力が必要であると考える。
 これを本問についてみると,たしかに甲は,タオルで止血をし,携帯電話で119番通報を試みるなど,結果発生阻止のための努力はしているともいえる。しかし,タオルでの止血は,応急的な措置にすぎず,一刻も早く適切な治療を受けなければ,生命侵害の危険性は依然高いままである。そのような中で,119番通報は,実際にはつながっておらず,上記状況を打開できる段階に至っていない。それにもかかわらず,甲は気が動転していたとはいえ,安易に乙の言葉を信じ,かつ,自己保身の目的で逃走している。そうすると,甲は結果発生阻止のための積極的な努力をしたとはいえない。
   ウ、したがって,甲に中止犯は成立しない。
 3.よって,甲のこれらの行為につき,住居侵入罪及び殺人未遂罪が成立し,両罪は,社会通念上手段と目的との関係にあるから,牽連犯(54条1項後段)となる。
第2.乙の罪責について
 1.乙が,甲を偽り,その場から逃げさせたうえ,Aを放置した行為について,殺人未遂罪が成立しないか。放置という不作為が,殺人罪の実行行為となるかが問題となる。
 2(1)実行行為とは,法益侵害の現実的危険性を有する行為をいい,不作為であっても,かような危険性を有する場合があるため,不作為による実行行為も観念することができる。
 しかし,これを無制限に認めると,処罰範囲が不当に広くなりすぎるため,当該不作為に出た者に①作為義務が存在し,②その者に作為が可能かつ容易であったといえる場合に限って,実行行為性を認めるべきである。
  (2)これを本問についてみると,①乙は,A方玄関内において,甲に逃走するよう仕向けているところ,玄関内では,通常他人から発見されにくい場所であるから,ここから甲を脱出させたことによって,乙はAに対して排他的支配を及ぼすに至っている。また,乙がAとの同居人であることからすれば,乙には,Aを救護すべき義務があったといえる。そして,②Aを救護するには,乙が改めて救急車の手配を試みるなどすればよかったのであり,乙にとってAの救護は可能かつ容易であったといえる。
 したがって,乙がAを放置することは,卒人材の実行行為にあたる。
 3.よって,乙の上記行為に殺人未遂罪が成立する。
以上

ここで「可能」と「容易」の順番は気を付けないといけないようです。すなわち,「可能」でなければ「容易」であったかどうかという話にならないため「容易かつ可能」とすると,論理的におかしいとのことです。試験でやらかすと減点対象らしいです(以上,某元司法試験委員談)。なお,某スタンダードは「容易」かつ「可能」としていました。

なにやら,シンプルな問題でした。

主な論点は,中止犯と不真正不作為犯だけという感じですかね。

自主ゼミの中では,乙が甲に偽った行為に,犯人隠避罪が成立するのではという意見もありました。

これについては,正直よくわかりません。

ただ,大阪高判昭59・7・27からすると,少し厳しいような気もします。

まぁ,評価次第なんでしょうね。

この年は第2問の方がエグかったようなので,第1問で時間調整って感じですかね。

いつもより気楽に刑法の問題を解けたような気がします。

次は別の科目やります。

以上
スポンサーサイト
2016-07-15(Fri)

【旧司】刑法平成14年度第1問

何もやる気がでない管理人です。

今日は旧司刑法平成14年度第2問です。

≪問題≫
 甲は,Aに電話で罵倒されたため憤激し,A方に赴けば必ずけんかになるだろうと思いながら,この機会にAを痛めつけようと考え,こん棒を用意するとともに,友人の乙に,こん棒を持っていることは隠し,これからA方に話し合いに行くが,けんかになったら加勢してほしいと依頼した。乙は,気が進まなかったが,けんかの加勢くらいはしてやろうと考えてこれを承諾し,一緒にA方に行った。甲は,Aを呼んでも出てこないので裏口に回り,乙は,玄関先で待っていたところ,出てきたAが乙を甲と取り違え,いきなり乙に鉄棒で殴り掛かってきた。そこで,乙は,Aの攻撃を防ぐため,玄関先にあったコンクリート片をAに向かって投げたところ,コンクリート片はAの顔に当たり,顔面擦過傷を負わせ,さらに,Aの背後にいたBの頭にも当たり,頭部打撲傷を負わせた。なお,コンクリート片を投げたとき,乙はBがいることを認識していなかった。
 甲及び乙の罪責を論ぜよ(ただし,特別法違反の点は除く。)。


あーって感じです。こんなような判例あったようなみたいなような。

コンクリート片を投げるなんて怪力だなぁ……

≪答案≫
第1.乙の罪責(Aとの関係)
 1.乙がコンクリート片を投げ,これをAの顔面に当て,もってAに顔面擦過傷を負わせた行為について,傷害罪(204条)が成立しないか。
 2.本条にいう「傷害」とは,人の生理的機能を障害する行為をいう。乙は,Aに向けて本件コンクリート片を投げており,これによってAは顔面擦過傷を負っており,生理的機能を障害しているから,乙の上記行為は,「傷害」にあたり,傷害罪の構成要件を充たす。
 また,コンクリート片のような通常硬く角ばった物を人に接触させれば,これによって外部的障害を負わせることになるから,乙には傷害の故意があるといえる。
 3.もっとも,乙はAの攻撃を防ぐために上記行為に出ているから,乙の上記行為は,正当防衛(36条1項)にあたるとして,違法性が阻却されないか。
  (1)本条にいう「急迫」とは,法益の侵害が現に存在し,または間近に押し迫っていることをいう。本条が正当防衛について侵害の急迫性を要件としているのは,予期された侵害を避けるべき義務を課す趣旨ではない。したがって,当然またはほとんど確実に侵害が予期されたとしても,そのことから直ちに侵害の急迫性が失われるものではない。
 これを本問についてみると,乙は,A方に向かう前に,甲から「けんかになったら加勢してほしい」と依頼を受けていることから,Aとけんかになるかもしれないことを認識しており,Aからの侵害行為も予期していたと考えられる。しかし,乙は,あくまで甲A間のけんかに加勢つもりでいただけであって,積極的にAに対して加害行為を行う意思等はなかったのであるから,未だ侵害の急迫性は失われないと考える。
  (2)本条にいう「不正」とは,違法を意味する。Aが乙に対して鉄棒で殴りかかった行為は,少なくとも暴行罪(208条)にいう人の身体に対する不法な有形力の行使といえるから,違法な行為であって,「不正」の侵害といえる。
  (3)乙は,上記行為によって,Aの上記侵害行為から守ろうとしているのは,自己の身体であって,「自己…の権利」にあたる。
  (4)そして,正当防衛を肯定するにあたって,主観的正当化要素としての防衛の意思が必要である。乙は,あくまで話合いが前提でA方に赴いているところ,Aは玄関から出てきて,いきなり鉄棒で殴りかかってきているため,乙の想定していた状況と合致せず,乙の身体の安全が侵害される緊急状況下にある。乙は,当該侵害を認識しながら,もっぱらAの攻撃を防ぐため,本件コンクリート片をAに向かって投げており,上記侵害行為を避けようとする単純な心理状態で行ったものと認められる。
  (5)また,Aの上記侵害行為は,鉄棒を伴うものであるから,これに対してコンクリート片を投げたというのは,相当性を欠くものではなく,「やむを得ずにした行為」といえる。
  (6)したがって,乙の上記行為には正当防衛が成立する。
 4.よって,乙の上記行為は,違法性が阻却されるから,傷害罪が成立しない。
第2.乙の罪責(Bとの関係)
 1.乙がコンクリート片を投げ,これをBの頭部に接触させ,もってBに頭部打撲傷を負わせた行為について,傷害罪が成立しないか。
 2(1)乙の上記行為により,Bに頭部打撲傷の生理的機能に対する障害を負わせているから,上記行為は「傷害」にあたり,傷害罪の客観的構成要件は充たす。しかし,乙は上記行為をした当時,Bがいることを認識していなかったのであるから,構成要件的故意が欠けるのではないか。
  (2)構成要件的故意とは,客観的構成要件該当事実の認識・認容をいう。そうすると,同一構成要件要素に関する事実を認識・認容していれば,具体的事実につき認識が欠けても,客観的構成要件要素の認識・認容に欠けるところはなく,構成要件的故意は認められる。そして,このように故意を抽象的にとらえる以上,その個数は問わない。
  (3)これを本問についてみると,乙はもともとAに対して傷害の故意を有していた以上,それは,Aとの関係のみならず,Bとの関係においても認められることとなる。したがって,乙にはBに対する傷害の構成要件的故意が認められる。
 3(1)それでは,乙の上記行為について違法性が阻却されないか。
  (2)Bは,乙に対して,何ら侵害行為を行っていないから,正当防衛が成立することはない。
  (3)しかし,乙は,前述のように,Aからの上記侵害行為を避けるために上記行為に出ているから,「現在の危難を避けるため」にしたものといえる。そして,鉄棒を構えたAが目前まで迫っていたことからすれば,これを避けるためには,本件コンクリート片を投げるしか方法がなく,かかる行動に出たことが条理上肯定できるから,「やむを得ずにした行為」といえる。また,防衛の意思は避難の意思を含むと考えられるから,Aとの関係で防衛の意思を有する乙は,Bとの関係でも避難の意思を有する。したがって,乙の上記行為には,緊急避難(37条1項)が成立する。
 4.よって,乙の上記行為は,違法性が阻却されるから,傷害罪が成立しない。
第3.甲の罪責
 1.乙が,Aに対し,顔面擦過傷を負わせた行為について,甲に傷害罪の共同正犯(204条,60条)が成立しないか。
  (1)甲は,自ら実行行為を行っていないが,それでも上記罪責を負うか。
 60条が一部実行全部責任を定めたのは,複数の者が,相互に対手の行為を利用・補充しあって,実行行為に出ることを根拠とするものであるから,共同者は必ずしも実行行為を分担する必要はない。そこで,複数の者の共同意思のもとに実行行為が行われれば,共同正犯は成立すると考える。
 これを本問についてみると,甲は,Aを痛めつけようと考えたうえ,乙にけんかの加勢を依頼し,乙もこれを承諾しているから,Aに傷害を加える点につき共同意志がある。そして,乙はこれを受けてAに傷害を負わせている。したがって,同罪の構成要件に該当する。
  (2)しかし,乙は前述のように,正当防衛による違法性阻却を受ける。そこで,甲はも正当防衛による違法性阻却を受けないか。
 正当防衛における主観的要素は,各行為者固有の要素であるから,主観的成立要件は個別的に判断されるべきであると考える。
 これを本問についてみると,甲は,「A方に赴けば必ずけんかになる」との認識のもと,「この機会にAを痛めつけよう」と考えていることからすれば,法益の侵害を,単に予期しながら避けなかったというにとどまらず,その機会を利用して積極的に相手に対して加害行為をする意思で侵害に臨んでいる。そうすると,甲については,「急迫」な「侵害」があったとはいえない。
 したがって,甲の上記行為について正当防衛は成立しない。
  (3)よって,甲の上記行為に,傷害罪の共同正犯が成立する。
 2.乙が,Bに対して,頭部打撲傷を負わせた行為について,甲に傷害罪の共同正犯が成立するかにつき,上記と同様に考えれば,甲の上記行為は,同罪の構成要件に該当し,緊急避難も成立しないから,同罪の共同正犯が成立する。
以上

乙対Aだは構成要件レベルでは特に問題はないので,もっと短縮した方がよかったと思います。


非常に疲れました。

4頁最終行までいってしまいました。

所々余計なことを書きすぎた感が否めません。

こんなこと書いてたらとても60分じゃ終わりませんね。

もってメリハリをつけれるようになりたいです。

頑張ります。

以上

プロフィール

||中央特快||高尾||

Author:||中央特快||高尾||
お疲れ様です。

最新記事
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード