2026-12-31(Thu)

【高校入試】入試問題・解説目次

中3生の皆様,お世話になっております。例の解説書ですが,完成が入試直前になってしまいそうですので,解説を書き次第,暫定的にこちらのブログに投稿していきます。投稿した記事は,このページから飛べるように,下にリンクを貼っていきます。お手数おかけしますが,当分の間,こちらでご確認ください。全体が完成したら,紙媒体で皆様に配布しようと思います。

∞∞∞高校入試問題・解説目次∞∞∞
(最終更新日時:H30.1.30 2:37 都立共通高平成22年度第3問追加)

≪国公立≫
【東京都(共通)】
 ◎英語(平28~平9の第1問はリスニング問題のため省略)
  ・平成23年度
   =第2問第3問第4問
  ・平成22年度
   =第2問第3問第4問
  ・平成21年度
   =第2問第3問第4問
  ・平成20年度
   =第2問第3問第4問
  ・平成19年度
   =第2問第3問第4問
  ・平成18年度
   =第2問第3問第4問

【東京都(グループ)】
◎英語
 〇都立立川高校
  ・平成20年度
   =第1問第2問第3問

以 上
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2018-02-09(Fri)

2018年2月2~4日 撮影記録

久しぶりに趣味記事です。

ここ最近(というより数年)は,司法試験を解いてみたみたいな,

by far the most つまらない記事ばかり書いていましたが,

やっと,このブログの本来の使い方に戻りました。

そう長く続かないことは分かっています。

春休みの逃避です。


さて,世の中は葬式鉄で溢れかえるシーズンになりました。

今年も春のJR全国ダイヤ改正が迫ってきています。

2018年の改正日は3月17日(土)だそうです。

各社の改正内容について,ほとんど目を通していないので,

どこで一体何が起こるのか,全然わかっていないんですが,

唯一知っていることは,

E353系の導入に伴い,スーパーあずさ運用からE351系が撤退することです。

だてに中央線沿線民やっていないですからね。


E351系は,私が幼稚園児くらいの時に買ってもらった本,

小学館からよく出ている乗り物シリーズのやつ,あれの表紙を飾っていたので,

特急列車といえばこれ,という安い固定観念が出来上がっていました。

なので,引退するのであれば,一応は記録に残しておきたかったわけですね。

多分今までまともに撮ったことないと思うので……

ただし,時間の関係上,沿線に出ることはできないので,基本駅撮りです。

この車両に対する思い入れが微塵にも感じられない対処です。

いや,原付で沿線に出ることも考えていたんですが,

こないだの大雪の時に雪塊に乗り上げてぶっ壊れました。

もしかしたらE351系よりも先に廃車になるのではと危惧しています。

激動であり,無常であります。


駅撮り一発目は,阿佐ヶ谷駅です。

この日は,12時すぎまで用事があったので,わりかし近所で19Mだけ狙うことになりました。

長らく撮り鉄をやっていないと,どのような弊害が生じるかというと,

構図とか露出とか切り位置とか,そういうのが目も当てられないほど甘々になる,

というのは当然生じてくるんですが,それよりも,

練習電を考慮に入れ忘れる

という大ドジをやらかすようになってきます。

そんな中迎えた初戦ですが,

ブランクのある人間が一発で決めれるはずがなく,

かなり引き気味になってしまいました。

あれですね,阿佐ヶ谷の場合は,もう少し奥に飛ばさないと,

左側に黄色い柵が入り込んでしまうんですね。

なんか,建物にもブルーシートかかってるし。

もちろん,それは撮る前からわかっていることではありますが,

奥は奥でピントを外す失態。

お話になりません。

アーメン


ということで,次の日に気を取り直して,相模湖で5Mを。

しかしまぁほんとなんていうか,行く場所の時間帯を考えろっていう感じですね。

どこにも日が当たらない。
DSC_3590_convert_20180208223425.jpg
そしてピン甘。

あれですね,E351系の振り子がよく見れたということでね,

まぁ来た意味はあったんじゃないかと。


ちなみにこの日は土曜日なので,ホリデー快速の運転日。

189系についても引退が迫っています。

まともな写真が撮れるわけもなく。
DSC_3601_convert_20180208223438.jpg

そして,技量の問題を抱えたまま,明くる日は東山梨。

14Mからになります。
DSC_3603_convert_20180208223453.jpg
だーかーらー

ちゃんと,順光になる時間を調べる癖をつけたいです。

っていうかその前に,通過3分前に現場へ到着するような予定の組み方をしないように心がけたいです。

しかも,あの特殊なヘッドマークのせいで,タイミング的にぐちゃぐちゃになってるし。

少し間を取って15Mは,同じく東山梨。
DSC_3612_convert_20180208223507.jpg
やっとまだまともなのが撮れた気がします。

側面に陽がいってないですが,

大菩薩嶺とのコントラストを考えれば,むしろ良かったんじゃないかと,

勝手に正当化しています。

自分が満足できればいいんです。


私の春休みは,時間があるようで,意外と全然ないことが判明したので,

もう撮影にかけている時間はないかもしれませんが,

何かの拍子で沿線に出たりするかもしれないです。

引退までにもう少し記録することができればと思います。

頑張ります。
2018-02-04(Sun)

【旧司】刑事訴訟法平成元年度第2問

普通に勉強ばかりやっていると運動不足になるので,

先日,筋トレをしに近所の体育館に行ったわけですが,

めちゃくちゃ筋肉痛になり,勉強に支障をきたしています。

筋トレも程よさと継続が求められます。

さて,今日の問題です。

≪問題≫
 甲が乙と共謀のうえ,スーパー・マーケットから現金を強取したとの甲に対する強盗被告事件の公判において,次のものを証拠とすることができるか。
⑴ 店員丙の公判廷における供述中,傍線①②の部分
 (検察官)「被告人と乙の2人が店内に入って来てどうしましたか。」
 (丙)「いきなり被告人が①『騒ぐと殺すぞ』と言ってレジにいた私に刃物を突きつけました。」
 (検察官)「それで金を取られたのですね。」
 (丙)「はい。乙がレジスター内の現金をわしづかみにして逃げました。」
 (検察官)「いくら取られたのですか。」
 (丙)「後に警察官から②『被告人は14万円ばかり取ったと言っている』と聞きました。」
⑵ 犯行に先立ち甲乙両名が決めた犯行計画を書き留めた乙のメモ


一応,スタ100には「再伝聞」というタイトルで収録されていましたが,

再伝聞以外にもいろいろくっついてきています。

面倒です。

≪答案≫
第1.設問⑴
 1.傍線①について
  ⑴ 丙が供述した,被告人の傍線①部分の発言(以下「本件発言①」という。)が,「公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とする」場合にあたる場合であれば,伝聞証拠として原則証拠能力を有しないこととなる(320条1項)。そこで,本件発言①は伝聞証拠にあたるか,伝聞証拠の意義が問題となる。
  ⑵ 320条1項の趣旨は,供述証拠は人の知覚,記憶,表現,叙述という過程を経ており,その各過程で誤りを生ずるおそれが高いにもかかわらず,反対尋問,偽証罪による制裁,裁判所による観察という真実性の担保が欠けているから,その証拠能力を否定する点にある。そこで,伝聞証拠とは,(ⅰ)公判廷外の供述を内容とする証拠で,(ⅱ)要証事実との関係で原供述の内容の真実性が問題となるものをいう。
  ⑶ これを本件についてみると,(ⅰ)本件発言①は,甲が強盗事件の現場において丙に対して発したものであるから,公判廷外の供述を内容とする証拠である。
 (ⅱ)本件の公訴事実は,甲の丙に対する強盗罪(刑法236条1項)である。ここで,検察官は,本件発言①の立証趣旨を「被告人の発言の存在」自体としていると考えられる。この場合,「騒ぐと殺すぞ」と甲が発言することによって,丙としては抵抗すれば自己の生命身体に危害が加えられることをおそれ,反抗が抑圧されるものと考えられる。そうすると,強盗罪の構成要件である「脅迫」があったことが立証でき,甲の行為に強盗罪を成立させるのに役立てることができる。したがって,「被告人の発言の存在」自体が要証事実となる。このとき,「騒ぐと殺すぞ」という発言の真実性を問わずとも,そのような発言があったこと自体をもって上記の推論を可能とするから,要証事実との関係で供述の内容の真実性が問題とならない。
 したがって,本件発言①は,伝聞証拠にあたらない。
  ⑷ よって,本件発言①は,「公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とする」場合ではないから,320条1項が適用されず,証拠能力が認められる。
 2.傍線②について
  ⑴ア.丙が供述した,警察官の傍線②部分の発言(以下「本件発言②」という。)も,「公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とする」場合にあたるか。
 (ⅰ)本件発言②は,警察官が丙の事情聴取などの際に発したものと考えられ,公判廷外の供述を内容とする証拠である。
 (ⅱ)上記のように,本件の公訴事実は,甲の丙に対する強盗罪である。ここで,検察官は,本件発言②の立証趣旨を「警察官の発言の存在」自体とすることも考えられる。この場合には,内容の真実性が問われないから,伝聞証拠にあたらない。しかし,本件発言②は,警察官が,甲は「14万円ばかり取った」と言ったことを伝えたことから,本件でのスーパー・マーケットにおける強盗事件による被害額などと照らし合わせて,甲が14万円をスーパー・マーケットから強取したことを認定し,もって甲の行為が「強取」という強盗罪の構成要件に該当することを立証するという推論過程を経てこと役立つものである。したがって,ここでの要証事実は,「甲が14万円を強取したこと」である。そして,上記推論は,警察官の発言内容が真実でなければ成立しないから,要証事実との関係で供述内容の真実性が問題となる。
 したがって,本件発言②は,伝聞証拠にあたり,原則として証拠能力をが認められない。
   イ.そうだとしても,本件発言②について伝聞例外(321条以下)が適用され,例外的に証拠能力が認められないか。
    (ア) まず,甲側が,検察官による本件発言②の証拠調べ請求について「同意し」,「その書面が作成され……たときの情況を考慮し相当と認めるとき」は,本件発言②を証拠とすることができる(326条1項)。
    (イ) 本件発言は,「被告人以外の者」である丙の「公判期日における供述」であり,「被告人以外の者」である警察官の「供述をその内容とするもの」であるので,324条2項により準用される321条1項3号の要件を充たせば,証拠能力が認められる。
   ⑵ア.ところが,本件発言②中には,甲の供述(以下「本件供述」という。)が含まれている。そこで,本件供述も伝聞証拠に当たらないか。
 (ⅰ)本件供述は,甲が警察官から取調べを受けている際などに発した者と考えられるから,公判廷外の供述を内容とする証拠である。
 (ⅱ)上記のように,甲の行為が「強取」にあたるとの推論過程を導くためには,甲が「14万円ばかり取った」とした供述の内容が真実でなければ成立しない。そこで,本件供述は,要証事実との関係で供述の内容の真実性が問題となる。
 したがって,本件供述は,伝聞証拠にあたり,原則として証拠能力を有しない。
   イ(ア) そこで,伝聞例外について検討するに,本件供述は,伝聞証拠たる本件発言②に含まれる供述であるため,再伝聞証拠である。しかし,再伝聞証拠について証拠能力を認める規定は存在しないため,再伝聞証拠にも証拠能力が認められるかが問題となる。
    (イ) この点,本件供述は,「被告人以外の者」である警察官の「供述」ではあるが,本件発言②は「公判期日における供述」ではないから,324条1項の直接適用により,証拠能力が認められることはない。
 しかし,再伝聞証拠において,1つ目の伝聞証拠について321条以下の伝聞例外の要件を充たす場合には,当該証拠は,「公判期日における供述に代えて書面を証拠と」する場合(320条1項)にあたるため,「公判期日における供述」と同程度の証拠能力を有するものと考えられる。そこで,このような場合には,2つ目の伝聞証拠について324条を類推適用し,再伝聞証拠の信用性の状況的保障と必要性が認められれば,伝聞例外の適用と同様に,例外的に証拠能力が認められる。
    (ウ) これを本件についてみると,本件発言②が,上記のように伝聞例外の適用により証拠能力が認められる可能性がある。そうすると,本件発言②については「公判期日における供述」と同様に取り扱うことができる。そこで,本件供述についても324条1項を類推適用し,322条1項の規定が準用され,この要件を充たすときには,証拠能力が認められる。
 そして,「14万円ばかり取った」という事実の告白は,「不利益な事実の承認」にあたる。そこで,322条1項の要件を充たすから,324条1項により,証拠能力が認められる。
  ⑶ 以上から,本件発言②及び本件供述に証拠能力が認められる場合には,裁判所は,これを証拠として採用することができる。
第2.設問⑵
 乙のメモ(以下「本件メモ」という。)は,「公判期日における供述に代えて書面を証拠と」する場合にあたるか。
 本件では,強盗罪のうち,本件発言①から甲については「脅迫」部分を,本件発言②から乙については「強取」部分を,それぞれ認定できるが,それぞれ単独では強盗罪の構成要件を充足しないため,甲乙間の共謀を立証して,強盗罪の共同正犯として立件するものと考えられる。そこで,検察官としては,本件メモを,甲乙間の共謀の存在を推認するために証拠として提出するものと考えられる。
 ここで,作成者乙の当時の心理状態を立証するとすれば,内容の真実性が問題となるものの,知覚,記憶の過程が欠けるため,非伝聞証拠となる。しかし,乙の心理状態を立証しても,そこから甲との共謀を推認することはできないから,関連性を欠き,証拠能力は認められない。
 そこで,メモの存在と合理的な推認を担保しうる他の事実をもって,甲との共謀を立証することが考えられる。すなわち,本件メモの存在と,本件メモを共謀形成の道具として用いたという事実が認定できる場合には,そこから共謀を推認しても,不確かな推認ではない。この場合,320条の上記趣旨が妥当しないから,伝聞証拠にあたらない。したがって,「公判期日における供述に変えて書面を証拠と」する場合にあたらず,証拠能力が認められる。
 よって,裁判所は,本件メモを証拠とすることができる。
以 上


2018-02-03(Sat)

【事例演習刑事訴訟法】第26問「伝聞法則⑷」

少し間が空きました。

証拠法に飽きて,民訴に逃げていました。

反省しています。

≪問題≫
⑴ 被告人XのVに対する殺人被告事件の公判において,被告人Xは犯人性を否認したので,検察官は,犯行の目撃者である甲が行方不明のため,乙の手帳について,立証趣旨を「甲との会話の状況」としてその取調べを請求した。乙の手帳は,乙自身が記載したものであり,「甲から,『XがVを包丁で刺し殺すのを目撃した。どうすべきか』との相談を受けた。甲とXとは親友のようで悩んでいるようだ。知合いの弁護士に相談するようにアドバイスを予定」と記載されていた。なお,乙は,その後,交通事故で死亡した。Xの弁護人は乙の手帳の取調べにつき不同意の意見を述べたので,検察官は,当該証拠調べ請求を撤回したうえ,乙の死亡事実を証明して,321条1項3号を根拠に,上記の立証趣旨のまま上記手帳の取調べを請求した。裁判所は,これを採用することができるか。
⑵ また,甲がXからV殺害の告白を聞いた事実が記載された甲の検察官面前調書の場合は,どうか。


再伝聞っていうらしいです。

伝聞を2回挟んでいるそうです。

324条とかを類推適用するらしいです。

伝聞例外も2回検討しないといけないようです。(ここまで全部伝聞)

答案もかなり長くなるようです。(これは他人事)

先に言っておくと,最後の方は力尽きて,適当な論証になっています(はじめの方が特段力を入れているわけでもない。)。

≪答案≫
第1.設問⑴について
 1⑴ア.検察官が取調べを請求した乙の手帳(以下「本件手帳」という。)は,乙が専ら自己の記憶喚起のために作成されたものであると考えられるが,これが「公判期日における供述に代えて書面を証拠と」する場合であれば,伝聞証拠として原則証拠能力を有しないこととなる(320条1項)。そこで,本件手帳は伝聞証拠にあたるか,伝聞証拠の意義が問題となる。
   イ.320条1項の趣旨は,供述証拠は人の知覚,記憶,表現,叙述という過程を経ており,その各過程で誤りを生ずるおそれが高いにもかかわらず,反対尋問,偽証罪による制裁,裁判所による観察という真実性の担保が欠けているから,その証拠能力を否定する点にある。そこで,伝聞証拠とは,①公判廷外の供述を内容とする証拠で,②要証事実との関係で原供述の内容の真実性が問題となるものをいう。
   ウ.これを本件についてみると,①本件手帳は,乙が公判期日外で甲からの相談内容を記載したものであるから,乙の公判廷外の供述を内容とする証拠である。
 また,②本件の公訴事実は,XのVに対する殺人罪(刑法199条)である。そして,Xは犯人性を否認していることから,公判廷での争点は,Xの犯人性である。ここで,検察官の主張する立証趣旨は,「甲との会話の状況」であるが,本件では甲がXの犯行を目撃したかどうかが問題となっているのであって,甲乙間の会話の存在自体を立証しても無意味である。そこで,本件手帳は,XがVを殺害したことの立証に用いてこそ意味があり,すなわち,甲が,XがVを殺すところを見た旨を乙に相談したことによって,Xが殺人罪の実行行為を行ったことを推認し,もってXの犯人性を立証するものである。したがって,要証事実は,「XがVを殺害した状況」である。そして,上記推認は,本件手帳の記載内容が真実でなければ成立しないから,要証事実との関係で供述内容の真実性が問題となる。
 よって,本件手帳は,伝聞証拠にあたり,原則として証拠能力を有さない。
  ⑵ そうだとしても,本件手帳について伝聞例外(321条以下)が適用され,例外的に証拠能力が認められないか。
   ア.まず,X側が,検察官による本件手帳の取調べ請求について,不同意の意見を述べているので,326条1項の「同意」がなく,同項の適用はない。
   イ.検察官は,321条1項3号を根拠に本件手帳の取調べ請求をしている。そこで,同号の適用について検討する。
    (ア) 本件手帳は,「被告人以外の者」(321条1項柱書)である乙が自身で作成したものであるから,「前二号に掲げる書面以外の書面」にあたる。
    (イ) 乙は,本件手帳作成後,交通事故により「死亡……しているため……公判期日において供述することができ」ない(以下「供述不能要件」という。)。
    (ウ) 「その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができない」とは,必ずしも他の適法な証拠では同一の立証目的を達し得ない場合に限定されないが,犯罪事実の証明にために実質的に必要と認められなければならない(※1)。Xが犯人性を否認している状況の下では,目撃者である甲の証言がXの犯人性を立証する唯一の証拠となり得る。しかし,甲は行方不明となっており,甲から直接証言を得ることは困難であるから,甲の証言が残された本件手帳は,犯罪事実の証明のために実質的に必要であるということができる。したがって,本件手帳は,「その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができない」といえる。
    (エ) 「その供述が特に信用すべき情況の下にされたものである」かどうか(以下「特信情況」という。)は,証拠能力の要件であるから,供述のなされた際の事情,供述の動機,態様等を総合考慮して判断する。本件手帳には,甲から相談を受けた旨及びこれに対してアドバイスをする旨のメモが記載されている。これらの記載からは,乙としては,甲から相談を受けた際に,自らが甲に対してとるべき行動を手帳に控えておく意図で,本件手帳を作成したものと考えられる。そうすると,本件手帳は,外部に公開されることが予定されておらず,他人には知られないという意図で記載されたものと考えられ,乙があえて虚偽のメモを残すような働きかけはなかったということができる。したがって,本件手帳は,特信情況の要件を充たす。(※2)
    (オ) そして,本件手帳に乙の「署名若しくは押印」(321条1項柱書)があることが必要である。
    (カ) これらの要件を充たしていれば,本件手帳は,321条1項3号により,例外的に証拠能力が認められる。
 2⑴ ところが,本件手帳中の記載には,甲の供述(以下「本件供述」という。)が別に含まれている。そこで,本件供述も伝聞証拠にあたらないか。
 ①本件供述は,甲が乙に対して私的に相談した際の発言内容であって,公判廷外の供述を内容とする証拠である。また,②上記要証事実との関係では,「XがVを包丁で刺し殺すのを目撃した」のが真実でなければ推論が成立しないから,要証事実との関係で供述の真実性が問題となる。
 したがって,本件供述は伝聞証拠であり,原則として証拠能力が認められない。
  ⑵ア.そこで,伝聞例外について検討するに,本件供述は,伝聞証拠たる本件手帳に含まれる供述であるため,再伝聞証拠である。しかし,再伝聞証拠について証拠能力を認める規定は存在しないため,再伝聞証拠にも証拠能力が認められるかが問題となる。
   イ.この点,本件供述は,「被告人以外の者」である甲の「供述」ではあるが,本件手帳は「公判期日における供述」ではないから,324条2項の直接適用により,証拠能力が認められることはない。
 しかし,再伝聞証拠において,1つ目の伝聞証拠について321条以下の伝聞例外の要件を充たす場合には,当該証拠は,「公判期日における供述に代えて書面を証拠と」する場合(320条1項)にあたるため,「公判期日における供述」と同程度の証拠能力を有するものと考えられる。そこで,このような場合には,2つ目の伝聞証拠について324条を類推適用し,再伝聞証拠に信用性の状況的保障と必要性が認められれば,伝聞例外の適用と同様に,例外的に証拠能力が認められる。
   ウ.これを本件についてみると,本件手帳は,上記のように321条1項3号により証拠能力が認められる可能性がある。そうすると,本件手帳については「公判期日における供述」と同様に取り扱うことができる。そこで,本件供述についても324条2項を類推適用し,321条1項3号の規定が準用され,この要件を充たすときには,証拠能力が認められる。
    (ア) そこで,本件供述につき,同号の要件を検討するに,本件供述は「前二号に掲げる書面以外の書面」である。
    (イ) 供述不能要件については,これらの事由が,例外的に伝聞証拠を用いる必要性を基礎づけるものであるから,死亡以外の場合には,一時的な供述不能では足りず,その状態が相当程度継続して存続していることが必要である。甲は,行方不明になっているが,これが相当程度継続している場合には,「所在不明」にあたる。
    (ウ) 上記のように甲の目撃証言が,Xの犯人性を立証するための唯一の証拠となり得るから,本件供述は,犯罪事実の証明のために実質的に必要であるということができる。したがって,本件供述は,「その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができない」といえる。
    (エ) 本件供述は,甲がXの親友であり,悩んでいたことから,弁護士の知人をもつ乙に対して相談した際にされたものである。そうすると,甲としては乙に対して真意を伝えて,Xに対する援助方法を考えたいねらいであったと考えられるから,この場合にも,甲が虚偽の供述をするような働きかけはなかったということができる。したがって,本件供述は,特信情況の要件も充たす。
    (オ) そして,本件供述にも,甲の「署名若しくは押印」が必要である。
    (カ) これらの要件を充たしていれば,本件供述は,324条2項の類推適用により,例外的に証拠能力が認められる。
 3.以上から,本件手帳及び本件供述にそれぞれ証拠能力が認められる場合には,裁判所は,これを証拠として採用することができる。
第2.設問⑵について
 1⑴ 検察官が取調べを請求した甲の検察官面前調書(以下「本件調書」という。)は,伝聞証拠にあたるか。
 ①本件調書は,検察官が甲を取り調べる段階で作成したものと考えられるから,公判廷外の供述を内容とする証拠である。また,②設問⑴と同様に,本件の公訴事実は,XのVに対する殺人罪であり,公判廷での争点は,Xの犯人性である。そして,検察官の主張する「甲との会話の状況」という立証趣旨では無意味である。本件調書は,XがVを殺害したことの立証に用いてこそ意味があり,すなわち,甲が,XがVを殺すところを見た旨を検察官に対して供述し,Xが殺人罪の実行行為を行ったことを推認し,もってXの犯人性を立証するものである。したがって,要証事実は,「XがVを殺害した状況」である。そして,上記推認は,本件調書の記載内容が真実でなければ成立しないから,要証事実との関係で供述内容の真実性が問題となる。
 したがって,本件調書は,伝聞証拠にあたり,原則として証拠能力が認められない。
  ⑵ア.そして,X側は,検察官による本件手帳の取調べ請求について,不同意の意見を述べているので,326条1項の「同意」がなく,同項の適用はない。
   イ(ア) 本件調書は,検察官が甲を取り調べる段階で作成したものと考えられるから,「検察官の面前における供述を録取した書面」(321条1項2号)にあたる。そこで,同号該当性を検討する。
    (イ) 上記のように,甲は行方不明となっているが,これが相当程度継続している場合には,「所在不明」(同号前段)にあたる。
    (ウ) そして,本件調書に甲の「署名若しくは押印」が必要である。
    (エ) これらの要件を充たしていれば,本件調書は321条1項2号前段により,証拠能力が認められる。
 2⑴ ところが,本件調書中の記載には,Xの告白(以下「本件告白」という。)が別に含まれている。そこで,本件告白も伝聞証拠にあたらないか。
 ①本件告白は,Xが甲に対して私的にした発言内容であって,公判廷外の供述を内容とする証拠である。また,②上記要証事実との関係では,Xの発言が真実でなければ推論が成立しないから,要証事実との関係で供述の真実性が問題となる。
 したがって,本件告白は,伝聞証拠にあたり,原則として証拠能力が認められない。
  ⑵ 本件告白は,伝聞証拠である本件調書中に含まれているものであるから,再伝聞証拠にあたる。
 上記のように,本件調書が321条1項2号前段により証拠能力が認められる場合には,本件調書は「公判期日における供述」と同程度の証拠能力を有することとなる。そして,本件告白は,「被告人」であるX「の供述」であるから,324条1項を類推適用し,322条1項の規定が準用され,この要件を充たすときには,証拠能力が認められる。
   ア.そこで,本件告白につき,同項の要件を検討するに,本件告白は「被告人の供述」である。
   イ.本件告白は,Xが自己の犯罪事実を認める陳述であるから,Xに「不利益な事実の承認」である。
   ウ.そして,本件告白についても,Xの「署名若しくは押印」が必要である。
   エ.これらの要件を充たしていれば,本件告白は,324条1項により,例外的に証拠能力が認められる。
 3.以上から,本件調書及び本件告白にそれぞれ証拠能力が認められる場合には,裁判所は,これを証拠として採用することができる。
以 上


(※1)東京高判昭和29年7月24日

(※2)絶対的特信情況のあてはめ方は全く分かりません。相場観としては,(ⅰ)最決平成12年10月31日(日本からの捜査共助の要請に基づいて,米国に在住する者が,黙秘権の告知を受け,同国の捜査官及び日本の検察官の質問に対して任意に供述し,公証人の面前において,偽証罪の制裁の下で,供述内容が真実であることの言明と署名を付して作成された供述書について,特に信用すべき情況の下にされた供述に当たるとした事例。)や,(ⅱ)最決平成15年11月26日(大韓民国の裁判所に起訴された共犯者が,自らの意思で任意に供述できるよう手続的保障がされている同国の法令にのっとり,同国の裁判官,検察官及び弁護人が在廷する公開の法廷において,質問に対し陳述を拒否することができる旨を告げられた上でした供述を記載した公判調書は,特に信用すべき情況の下につれた供述を録取した書面に当たるとして事例。)などからすると,その書面が作成されたときの手続面を重視しているようにみえます。他方で,(ⅲ)東京地決平成3年1月16日(捜査機関に対して匿名で犯罪事実を密告する投書は,作成者がその文面について責任を負わず反対尋問などにより追及する機会もないから,作成者の知覚等に誤謬が介在したり,あるいは被告人を罪に陥れるなどの意図に基づいて虚言を交える可能性は,他の供述調書と比べて格段に高いというべきところ,本件投書は,その作成目的に疑問があり,また記載内容と客観的事実が一部符合していてもそれは被告人が本件に関与しているとの記載部分の信用性を何ら裏付けるものではないから,特に信用すべき情況の下で作成されたものとはいえないとした事例。)は,(ⅰ)及び(ⅱ)と同様に手続面の保障の程度を前提としつつ,作成目的という主観的事情も考慮に入れているように読めます。そこで,供述のなされた際の事情,供述の動機,態様などを中心にあてはめていけばいいのかと思います。今回の問題では具体的事情が落ちいていませんが,手帳に書かれたメモの場合には,一般的には,外部非公開性を推していけば,手帳に真実ではないことをわざわざ書き残すというインセンティブは働かないようにも考えられるので,その場合には,供述目的の正当性が肯定される方向になるかと思います。
2018-01-31(Wed)

【旧司】刑事訴訟法平成13年度第2問

長らく続いた検面調書シリーズもこれでひと段落です。

≪問題≫
 傷害事件の公判において,次の各場合に,犯行を目撃した旨のAの検察官面前調書を証拠とすることができるか。
1 Aは公判期日に証人として出頭し,「はっきりと覚えていない。」旨を繰り返すだけで,その外は何も述べなかった。
2 Aに対し,証人として召喚状を発したが,Aは外国に行っており,帰国は1年後の見込みであることが判明した。


今までやってきた検面調書の問題のまとめっていう感じです。

≪答案≫
第1.設問1
 1⑴ Aの検察官面前調書(以下「本件調書」という。)を証拠とすることができるか。本件調書は,Aの取調べ段階で作成されたものと考えられるので,「公判期日における供述に代えて書面を証拠と」する場合であれば,伝聞証拠として原則証拠能力を有しないこととなる(320条1項)。そこで,本件調書は伝聞証拠にあたるか,伝聞証拠の意義が問題となる。
  ⑵ 320条1項の趣旨は,供述証拠は人の知覚,記録,表現,叙述という過程を経ており,その各過程で誤りを生ずるおそれが高いにもかかわらず,反対尋問,偽証罪による制裁,裁判所による観察という真実性の担保が欠けているから,その証拠能力を否定する点にある。そこで,伝聞証拠とは,①公判廷外の供述を内容とする証拠で,②要証事実との関係で原供述の内容の真実性が問題となるものをいう。
  ⑶ これを本件についてみると,①本件調書は,Aの取調べ段階で検察官が録取したものであると考えられるから,公判廷外の供述を内容とする証拠である。また,②本件調書は,Aの犯行目撃情報を立証趣旨とする場合には,それにより犯行を行ったことが推認され,上記趣旨通りに要証事実が設定される。その場合には,要証事実との関係で内容の真実性が問題となる。したがって,本件調書は,伝聞証拠にあたり,原則として証拠能力を欠く。
 2.そうだとしても,本件調書について伝聞例外(321条以下)が適用され,例外的に証拠能力が肯定されないか。
  ⑴ まず,被告人側が,検察官による本件調書の証拠調べ請求について「同意し」,「その書面が作成され……たときの情況を考慮し相当と認めるとき」は,本件調書を証拠とすることができる(326条1項)。
  ⑵ア.本件調書は,取調べ段階でAが検察官に対してした供述を記録したものであるから,「検察官の面前における供述を録取した書面」(321条1項2号)にあたる。そこで,同号該当性を検討する。
   イ.検察官としては,Aが公判期日で「はっきり覚えていない。」との,記憶喪失の供述を繰り返していることから,より明確な供述が得られている本件調書を証拠調べ請求するものと考えられるが,これをもって供述不能(同号前段)ということができるか。同号前段には,供述不能事由について列挙されているが,記憶喪失はこれに含まれていないため,同号前段列挙事由が制限列挙か否かが問題となる。
 同号前段は,証拠として採用する必要が高い場合を列挙したものであるから,これらの事由に匹敵するような時事用であれば,供述不能の要件を充たす。ただし,これらの事由は,例外的に伝聞証拠を用いる必要性を基礎づけるものであるから,死亡以外の場合には,一時的な供述不能では足りず,その状態が相当程度継続して存続していることが必要である。記憶があいまいで供述することができない場合には,記憶喚起を試み,これが奏功しないことなどをもって,相当程度継続しているか否かを判断すべきである。
 本件でも,検察官はAの記憶を喚起するために,誘導尋問を行うなどして,それでもAの記憶が回復しなかった場合には,供述不能であるということができる。
   ウ.そして,本件調書にAの「署名若しくは押印」(321条1項柱書)があることが必要である。
   エ.これらの要件を充たしていれば,本件調書は321条1項2号前段により,例外的に証拠能力が認められる。
  ⑶ 以上のいずれかにあた場合には,裁判所は本件調書を証拠とすることができる。
第2.設問2
 1.設問1と同様に,本件調書は伝聞証拠であるので,伝聞例外の適用について検討する。
 2⑴ 設問1と同様に,被告人側の「同意」がある場合には,証拠能力が認められる。
  ⑵ア.それでは,321条1項2号には該当するか。上記のように,本件調書は「公判期日における供述に代えて書面を証拠」とする場合にあたる。
   イ.Aは,召喚状を発した当時,外国に行っており,1年は帰国しないことが分かっている。このことをもって「国外にいるため……公判期日において供述することができないとき」にあたるか検討するに,上記のように,同号前段は,例外的に伝聞証拠を用いる必要性を基礎づけるものであるから,相当程度継続して国外にいることが必要である。そして,可能な手段を尽くしても公判期日に証人を出頭させることができないことなどをもって,相当程度継続しているか否かを判断すべきである。
 本件でも,可能な手段を尽くしてもAを公判期日に出頭させることができないような場合には,「国外にいるため……公判期日において供述することができないとき」にあたる。
   ウ.そして,本件調書にAの「署名若しくは押印」(321条1項柱書)があることが必要である。
   エ.これらの要件を充たしていれば,本件調書は321条1項2号前段により,証拠能力が認められるように思われる。
 3.しかし,本件では,Aに対する反対尋問が行われていない。このような場合でも,本件調書の証拠能力を認めてもよいか。
  刑訴法は,その全体を通して手続的正義,具体的には手続的公正を要求していると考えられるところ,公判の場面においては,相手方当事者の論拠と証拠に抗弁する公正な機会が与えられることが求められる。このような機会が奪われるような場合など,手続的正義の観点から公正さを欠くと認められるときは,これを事実認定の証拠とすることが許容されず,証拠能力が否定される。そして,手続的正義の観点から公正さを欠くか否かの判断は,証人の国外渡航の理由及び時期,証人尋問請求の時期,証人尋問決定の時期などの諸事情を総合的に考慮して行う。(※1)
  本件でも,Aの国外渡航の理由などに照らして,手続的正義の観点から公正さを欠くと認められるときには,本件調書を事実認定の証拠とすることは許容されず,証拠能力が否定される。
 4.以上から,本件調書に伝聞例外の適用があり,手続的正義の観点から公正さを欠くと認められない場合には,証拠能力を有するため,裁判所は本件調書を証拠とすることができる。
以 上


(※1)総合考慮の判断要素については,最判平成7年6月20日の調査官解説を,一般的な国外渡航にも汎用できるように勝手に改変したものですが,これでいいのかどうかは分かりません。
2018-01-31(Wed)

【旧司】刑事訴訟法昭和61年度第2問

今日も今日とて証拠法。

もはやコメントはありません。

≪問題≫
 甲乙両名は,共謀の上丙を殺害したとして起訴された。甲に対する証拠として,乙の「甲に頼まれて丙を射殺した。」という検察官面前調書がある。しかし,乙は,公判廷ではあいまいな供述をするのみであった。一方,甲は,終始,乙に依頼したことを否認している。
 この場合において甲の有罪を認定する上での問題点を論ぜよ。


問題点を論ぜよって何だよ。

≪答案≫
1.甲は,丙に対する殺人罪の共謀共同正犯として起訴されている。ここで,乙が実行共同正犯であるとみれるから,甲の有罪を認定するためには,乙との共謀の事実の存在を立証する必要がある。共謀の事実は,共謀共同正犯の認定にあたり「罪となるべき事実」(335条1項)であるから,これを認定するためには,適法な証拠調べを経た証拠能力のある証拠によらなければならない(317条)。
2⑴ア.そこで,乙の「甲に頼まれて丙を射殺した。」という検察官面前調書(以下「本件調書」という。)を,甲乙間の共謀の事実の認定に際して証拠に供することはできないか。本件調書が「公判期日における供述に代えて書面を証拠と」する場合であれば,伝聞証拠として原則証拠能力を有さないこととなる(320条1項)。そこで,本件調書は伝聞証拠にあたるか,伝聞証拠の意義が問題となる。
  イ.320条1項の趣旨は,供述証拠は人の知覚,記憶,表現,叙述という過程を経ており,その各過程で誤りを生ずるおそれが高いにもかかわらず,反対尋問,偽証罪による制裁,裁判所による観察という真実性の担保が欠けることから,その証拠能力を否定する点にある。そこで,伝聞証拠とは,①公判廷外の供述を内容とする証拠で,②要証事実との関係で原供述の内容の真実性が問題となるものをいう。
  ウ.これを本件についてみると,①本件調書は,検察官が乙の取調べ段階で作成したものと考えられるから,公判廷外での供述を内容とするものである。
 また,②本件の公訴事実は,甲の丙に対する殺人罪の共謀共同正犯である。そして,甲は,終始,乙に依頼したことを否認しているから,公判廷での争点は,甲の殺人罪の共謀共同正犯としての構成要件該当性である。そして,検察官は,本件調書を,「共謀の事実の存在」を立証趣旨として提出することが考えられる。本件調書中の「甲に頼まれて」という部分が立証できれば,甲乙間で意思連絡があったことが認定できる。そして,その意思連絡に基づいて「丙を射殺した」ということであれば,丙の殺害について共謀があったことが推認できるから,上記立証趣旨が要証事実となる。そして,上記推認は,乙の供述の内容が真実でなければ成立しないものであるから,要証事実との関係で供述内容の真実性が問題となるものである。
 したがって,本件調書は,伝聞証拠にあたり,原則として証拠能力を有しない。
 ⑵ そうだとしても,本件調書について伝聞例外(321条以下)が適用され,例外的に証拠能力が肯定されないか。
  ア.まず,甲側が,検察官による本件調書の証拠調べ請求について「同意し」,「その書面が作成され……たときの情況を考慮し相当と認めるとき」は,本件調書を証拠とすることができる(326条1項)。しかし,甲は,終始,乙に依頼したことを否認していることからすると,甲が上記同意をすることは考えにくい。
  イ(ア) そこで,上記同意がない場合であっても,本件調書は,取調べ段階で乙が検察官に対し供述した内容を記録したものであるから,「検察官の面前における供述を録取した書面」(321条1項2号)にあたる。そこで,同号該当性を検討する。
   (イ) 検察官としては,乙が公判廷であいまいな供述しかしないことから,より明確な供述が得られている本件調書を証拠調べ請求するものと考えられるが,このことをもって「公判期日において前の供述と……実質的に異なつた供述をしたとき」(同号後段本文)にあたるか。
 同号後段本文が,同項1号書面の場合と異なり,「実質的に異なつた」としている趣旨は,一方当事者である検察官の面前における供述は,公平中立な裁判官の面前での供述に比して信用性が劣るため,より高度な信用性を要求した点にある。そうすると,「実質的に異なつた供述」とは,要証事実との関係でその認定につき異なった結論を導く可能性のある供述をいう。
 これを本件についてみると,乙があいまいな供述しかしていない場合には,それ自体から甲乙間の共謀の事実を認定することは困難であり,他の証拠によって認定されない限り,甲乙間の共謀の事実は立証されない。そうすると,甲の殺人罪の共謀共同正犯としての構成要件該当性が欠けるため,甲の有罪を認定できなくなる。しかし,本件調書中の「甲に頼まれて」という部分が立証できれば,甲の殺人罪の共謀共同正犯としての構成要件を充足するから,甲の有罪を認定することができることとなる。したがって,本件調書は,その内容が,要証事実との関係でその認定につき異なった結論を導く可能性がある供述であるから,「公判期日において前の供述と……実質的に異なつた供述をしたとき」にあたる。
   (ウ) また,同号後段本文に該当する場合には,「公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存する」こと(以下「特信情況」という。)が必要である(同号後段但書)。このとき,特信情況は,前の供述と比較し相対的に認められるか否かで判断する。そして,この判断にあたり,供述内容の信用性を考慮すると証明力を評価しなければならず,証拠評価に混乱を生ずるおそれがあるから,当該供述のなされた際の外部的付随事情を基準として判断する。ただし,外部的付随事情を推知させる資料として,供述内容を考慮することはできる。
 本件調書についても,特信情況が認められる必要がある。
   (エ) また,本件調書に,乙の「署名若しくは押印」があることが必要である(321条1項柱書)。
   (オ) 以上の要件を充たしていれば,本件調書は,321条1項2号後段により,例外的に証拠能力が認められる。
3.以上のように,本件調書の証拠能力がみとられるとしても,本件調書の内容は,共犯者である乙自身の犯罪を認める旨の陳述であり,自白にあたる。そこで,共犯者の自白のみで他の共犯者の有罪を認定することは許されるか,共犯者の自白が「本人の自白」(憲法38条3項)にあたり,補強法則(同項,刑訴法319条2項)の適用があるかが問題となる。
 たしかに,共犯者の自白が第三者の自白と異なり,引っ張り込みの危険性があることに鑑みれば,共犯者の自白は「本人の自白」に含まれ,これのみで有罪とすることは補強法則に反し,許されないようにも思える。しかし,自白とは,被告人本人が自分の犯罪事実を認める供述のことであるから,共犯者の自白は,一体不可分とはいえ,本人にとっては第三者の供述に過ぎない。また,補強法則は自由心証主義の制限であるから,この規定を拡張して解釈するのは妥当ではない。したがって,共犯者の自白は,「本人の自白」には含まれない。
 本件でも,乙の供述は,甲との関係では「本人の自白」ではないから,補強法則の適用はない。
4.よって,本件調書の証拠能力が認められる場合には,裁判所はそれのみをもって,甲の有罪の認定に用いることができる。
以 上
 


2018-01-30(Tue)

【高校入試】東京都英語平成22年度第3問

問題:東京都英語平成22年第3問
難易度:Bランク
解答時間の目安:11分

≪問題≫
3 次の対話の文章を読んで,あとの各問に答えよ。
  (*印の付いている単語には,本文のあとに〔注〕がある。)

  Mr. Matsuo is an English teacher at a junior high school. Ms. Baker is an American teacher who teaches English with him. They
have just started their English class.

Mr. Matsuo: Hi, everyone. Today, we are going to read a story about language. But before that, Ms. Baker will ask you some questions about Japanese words.
Ms. Baker: I usually teach you English. But today, I want you to teach me Japanese.
Ryohei: ⑴That sounds interesting.
Ms. Baker: OK. I'll ask you the first question, Ryohei. What does "shibashiba" mean? For example, "shibashiba tsukau."
Ryohei: "Shibashiba?" I think it means "often."
Mr. Matsuo: Good job.
Ms. Baker: ⑵Thank you, Ryohei.
Mr. Matsuo: Ryohei, can you say "shibashiba tsukau" in other words in Japanese?
Ryohei: Well.... "tamani tsukau."
Mr. Matsuo: Does everyone agree?
Maki: Mr. Matsuo, I think "shibashiba tsukau" means "yoku tsukau."
Mr. Matsuo: That's right, Maki.
Ryohei: Oh, really? ⑶I didn't know that.
Mr. Matsuo: Some students don't know the real *meaning of "shibashiba."
Ryohei: I've had the wrong *image of "shibashiba." So I've understood the English word "often" in a wrong way, too.
Ms. Baker: Ryohei, remember "often" means "many times."
Ryohei: I understand, Ms. Baker.
Ms. Baker: OK. Let's go to the next question, everyone. What does "omomuroni" mean?
Aiko: I often hear it, but I don't know.
Mr. Matsuo: For example, if I say, "omomuroni tachiagaru," how do I stand up? Can you *guess, Aiko?
Aiko: Maybe you stand up "quickly." Am I right?
Mr. Matsuo: Well, Aiko. ⑷Watch me.

  He sits down on a chair. Then he stands up very slowly and says, "omomuroni tachiagaru."

Aiko: Does it mean "slowly?"
Mr. Matsuo: That's right.
Ryohei: I thought I would be able to answer question about my own language. ⑸But I was wrong.
Aiko: I think there are a lot of things I don't know about Japanese.
Mr. Matsuo: It's really important for us to study our own language.
Ms. Baker: And you can learn new things about your own language when you study a foreign language, too.
Maki: ⑹Sounds exciting. I will study English harder.
Ryohei: I'll study both Japanese and English hard! I want to teach Japanese to foreign people in the future.
Mr. Matsuo: Great! All right, everyone. Open your textbook to page twenty-four. The *title is "Do We Really Know Our Own Language?".

〔注〕meaning 意味  image イメージ  guess 推測する  title 題

〔問1〕⑴That sounds interesting.の内容を,次のように書き表すとすれば,【     】の中に,下のどれを入れるのがよいか。

  I am interested in 【     】.
 ア teaching Ms. Baker Japanese.
 イ reading a story about language
 ウ studying English with Ms. Baker
 エ asking Ms. Baker some questions

〔問2〕⑵Thank you, Ryohei.とあるが,このようにMs. Bakerが言った理由を最もよく表しているのは,次のうちではどれか。

 ア Ryohei answered "tamani tsukau."
 イ Mr. Matsuo said "Good job" to Ryohei.
 ウ Ryohei told Ms. Baker how to say "shibashiba" in English.
 エ Ms. Baker learned how to say "shibashiba tsukau" in other words in Japanese.

〔問3〕⑶I didn't know that.の内容を,次のように書き表すとすれば,【     】の中に,下のどれを入れるのがよいか。

  I didn't know 【     】.
 ア "often" meant "tamani."
 イ "shibashiba" meant "yoku."
 ウ "often" meant "shibashiba."
 エ "shibashiba" meant "tamani."

〔問4〕⑷Watch me.とあるが,このときMr. Matsuoが言いたかったことを,次のように書き表すとすれば,【     】の中に,下のどれを入れるのがよいか。

  If you watch me, you will learn the meaning of 【     】.
 ア "omomuroni."
 イ "shibashiba."
 ウ "quickly."
 エ "slowly."

〔問5〕⑸But I was wrong.の内容を,次のように語句を補って書き表すとすれば,【     】の中に,どのような1語を入れるのがよいか。

  I thought I knew 【     】 well, but I was wrong.

〔問6〕⑹Sounds exciting.の内容を,次のように書き表すとすれば,【     】の中に,どのような1語を入れるのがよいか。

  Learning something 【     】 about Japanese by studying a foreign language sounds exciting.

〔問7〕次の文章は,Ryoheiが授業の終わりに書いた感想文である。【 (A) 】及び【 (B) 】の中にそれぞれ入る語の組み合わせとして正しいものは,下のうちではどれか。

  Today Ms. Baker asked us some questions about Japanese 【 (A) 】 we read a story about language. I thought I would be able to answer the questions. But I was not. So I started to think it was really important to study our own language.
  Now I'm interested in language, and I'll study both English and Japanese very hard. I want to teach 【 (B) 】 to foreign people in the future.


 ア (A) after  (B) English
 イ (A) after  (B) Japanese
 ウ (A) before  (B) English
 エ (A) before  (B) Japanese


≪解説≫
1.全訳
 Matsuo氏は,中学校の英語の先生です。Baker氏は,彼と一緒に英語を教えているアメリカ人の先生です。ちょうど彼らの英語の授業が始まりました。

Matsuo先生:やあ,みんな。今日は,言葉に関する話を読んでみよう。だけどその前に,Baker先生が君たちに日本語の言葉について,いくつか質問をするみたいだ。
Baker先生:私はいつもあなたたちに英語を教えているでしょ。だけど今日は,私はあなたたちに日本語を教えてほしいの。
Ryohei:⑴おもしろそうじゃん。
Baker先生:よし。じゃあRyohei,最初の質問をするわね。「しばしば」ってどういう意味。たとえば「しばしば使う」とか。
Ryohei:「しばしば」か。"often"のことじゃないですか。
Matsuo先生:よかろう。
Baker先生:⑵Ryohei,ありがとう。
Matsuo先生:じゃあRyohei,「しばしば使う」っていうのを,別の日本語で言えるかしら。
Ryohei:えーっと,「たまに使う」とかですか。
Matsuo先生:みんなもそれでいいかい。
Maki:Matsuo先生,私は「しばしば使う」というのは「よく使う」という意味だと思います。
Matsuo先生:Maki,その通りだ。
Ryohei:まじで。⑶知らなかったわ。
Matsuo先生:「しばしば」の本当の意味を知らない生徒もたまにいるんだよ。
Ryohei:「しばしば」について間違ったイメージを持っていました。だから,英語の"often"も違う意味で理解していました。
Baker先生:Ryohei,"often"というのは"many times"という意味だってことを覚えておいてね。
Ryohei:分かりました,Baker先生。
Baker先生:よし。じゃあみんな,次の質問にいくわよ。「おもむろに」ってどういう意味かしら。
Aiko:私それよく聞きますけど,どういう意味かは知らないです。
Matsuo先生:たとえば,もし「おもむろに立ち上がる」って言ったら,どういう立ち上がり方をするかな。Aiko,推測できるかい。
Aiko:たぶん「素早く」立ち上がる。そういうことではないですか。
Matsuo先生:そしたらAiko。私を見ていて。

 彼は椅子に座った。そして,彼はゆっくりと立ち上がって「おもむろに立ち上がる」と言った。

Aiko:「ゆっくり」っていうことですか。
Matsuo先生:そうだね。
Ryohei:僕は自分の言葉についての質問だったら答えられるもんだと思っていました。⑸だけど,それは違いました。
Aiko:日本語について私が知らないことってたくさんあるみたいですね。
Matsuo先生:自分たちの言葉を勉強することは本当に大事なことなんだよ。
Baker先生:外国語を勉強しているときにだって自分たちの言葉について新しいことを学ぶこともできるのよ。
Maki:おもしろい。英語もっとちゃんと勉強しようっと。
Ryohei:日本語も英語も両方ちゃんと勉強するよ。将来外国人に日本語を教えてみたいな。
Matsuo先生:それはいいね。よしじゃあみんな。教科書の24ページを開いてくれ。お題は「私たちは本当に自分たちの言葉のことを知っているか」だ。

〔問7〕
 今日,Baker先生は,私たちが言葉についての話を読む【 (A) 】に,日本語についていくつか質問をしてきました。僕は,それにこたえられるだろうと思っていました。しかしそうはいきませんでした。だから,僕は自分たちの言葉を勉強することは本当に大事なんだなと思い始めました。
 今,僕は言葉に興味があって,英語と日本語の両方をかなり一生懸命勉強しています。私は将来外国人に【 (B) 】を教えたいです。

2.各問解答・解説
〔問1〕(配点:4) 正答:ア
 Thatという指示代名詞が何を指しているか,その内容について問われている。下線部⑴の直前で,Baker先生がI usually teach you English. But today, I want you to teach me Japanese.と言っている。つまり,普段は先生から生徒に英語を教える(先生→生徒)関係にあるが,今回は生徒が先生に日本語を教える(生徒→先生)という,逆向きの関係を作り出している。それを受けて,Ryoheiは,それはおもしろそうだと言っている。したがって,Thatの内容は,生徒がBaker先生に日本語を教えるということである。よって,正答はアである。

〔問2〕(配点:4) 正答:ウ
 Baker先生が,Ryoheiに対してお礼を言っている場面である。お礼を言うと言うことは,その前にBaker先生がRyoheiから何かしてもらっているはずである。そこでRyoheiが直前で何をしているかを見ると,"Shibashiba?" I think it means "often."と言っている部分がある。これは,その前で,Baker先生がRyoheiに対して,What does "shibashiba" mean?と尋ねたことに対する応答である。つまり,「しばしば」の意味について聞かれたのに対して,Ryoheiが英語ではoftenのことであると答えたことについて,Baker先生はお礼を言っているのである。したがって,正答はウである。

〔問3〕(配点:4) 正答:イ
 指示代名詞thatの指す内容について問われている。直前部分で,MakiがI think "shibashiba tsukau" means "yoku tsukau."と発言し,それに対してMatsuo先生がThat's right, Maki.といったことを受けて下線部⑶がきている。そうすると,Ryoheiとしては,「しばしば使う」が「よく使う」を意味するということを知らなかったということになる。このことは,Ryoheiが,「しばしば」の意味について「たまに」と誤答していることからも推測される。したがって,正答はイである。

〔問4〕(配点:4) 正答:ア
 下線部⑷の周辺では,「おもむろに」とはどういう意味であるかについて話がされている。つまり,Baker先生が「おもむろに」の意味について問いかけ,Matsuo先生が例として「おもむろに立ち上がる」ということを提示している。これに対して,AikoがMaybe you stand up "quickly."と回答したことを受けて,Matsuo先生は椅子からゆっくり立ち上がる動作をして,これが「おもむろに立ち上がる」の意味だということを示している。そうすると,Matsuo先生は,実際に「おもむろに立ち上がる」動作をすることによって「おもむろに」の意味を伝えようとしていたものであると考えられる。したがって,正答はアである。

〔問5〕(配点:4) 正答:Japanese
 「私は【     】について知っていると思っていたが,それは間違っていた。」という文章の空欄に適する語を書く問題である。そこで,Ryoheiが何について知っていると思っていたかについて考えると,直前部分にI thought I would be able to answer question about my own language.とある。つまり,Baker先生が生徒に対して日本語の意味を聞いていくということをしており,Ryoheiとしてはmy own languageのことであれば何でも答えられると考えていたのである。そこで,my own languageを知っていたということになる。これを1語で表すとすると,Ryoheiは日本人であると考えられるから,正答はJapaneseとなる。

〔問6〕(配点:4) 正答:new
 問題文を検討すると,「外国語を勉強することで日本語について【     】を学ぶことができるというのは面白い。」とある。そこで,日本語のどういうことを学ぶことができるのかというと,直前の部分でBaker先生がAnd you can learn new things about your own language when you study a foreign language, too.と言っている。つまり,外国語を勉強すると,自分の言葉について新しいことを学べるということである。ここで自分の言葉というのは,日本語に置き換えられるから,日本語について新しいことを学ぶことができるという文章であることが分かる。したがって,正答はnewである。

〔問7〕(配点:4) 正答:エ
 まず(A)について,選択肢をみると,beforeとafterしかないので,Baker先生が日本語について質問をしたことと,言葉についての話を読んだことの順序について聞いている。そうすると,最初にMatsuo先生がToday, we are going to read a story about language. But before that, Ms. Baker will ask you some questions about Japanese words.と言っているから,Baker先生の質問→言葉についての話を読むという順序になっていることが分かる。したがって,(A)にはbeforeが入る。
 次に(B)について,選択肢をみると,EnglishとJapaneseがある。そこで,Ryoheiが将来外国人に教えたいと考えているのはどちらであるかについて考えると,下線部⑹の後でI want to teach Japanese to foreign people in the future.と言っている。したがって,(B)にはJapaneseが入る。
 よって,(A)before,(B)Japaneseの組み合わせのエが正答である。

以 上


2018-01-30(Tue)

【旧司】刑事訴訟法昭和51年度第2問

飽きました。

短答のお勉強もしなきゃいけないのに。

証拠法ばっかりやってる場合じゃないのに。。。

≪問題≫
 薬剤師甲は,顧客である乙の被告事件について証人として尋問を受けたが,乙の秘密に関する事項であることを理由に証言を拒んだ。
1 この証言拒絶は許されるか。
2 甲が捜査段階で検察官に対して任意に供述していたとすれば,その供述調書を証拠とすることができるか。


証言拒絶が正面から問われることなんかあるんですね。

薬剤師って列挙事由に入ってないですよね。

そんなもの聞いてくんなよって感じですね。

後半は普通の伝聞ですかね。

問題のバランスが意味不明です。

≪答案≫
第1.設問1について
 1.薬剤師甲の証言拒絶は許されるか。この点,149条本文は,一定の者に,「他人の秘密に関するものについては,証言を拒むことかできる」としている。しかし,明文上,薬剤師は含まれていない。そこで,同条に列挙されていない職業に就く者であっても,同条を根拠として証言拒絶できないか問題となる。
 2.国民の証言義務は,裁判を適正に行う上で協力しなければならない重大な義務であり,裁判所は何人でも証人としてこれを尋問できるのが原則である(143条)。そうすると,証言拒絶権は,このような重大な義務を免除するものであるから,極めて例外的な権利である。したがって,149条本文に列挙されている職業は,制限列挙であると考えるべきであり,秘密保護の実質的必要性のみをもって他の職業に適用を拡大すべきではない。
 3.これを本件についてみると,薬剤師は149条本文に列挙されている職業にあたらないから,同条の適用はない。したがって,甲は,証言拒絶することができない。
第2.設問2について
 1⑴ 検察官が作成した供述調書(以下「本件供述調書」という。)は,捜査段階で作成されているが,これが「公判期日における供述に代えて書面を証拠と」する場合であれば,伝聞証拠として原則証拠能力を有さないこととなる(320条1項)。そこで,本件供述調書は伝聞証拠にあたるか,伝聞証拠の意義が問題となる。
  ⑵ 320条1項の趣旨は,供述証拠は人の知覚,記憶,表現,叙述という過程を経ており,その各過程で誤りを生ずるおそれが高いにもかかわらず,反対尋問,偽証罪による制裁,裁判所による観察という真実性の担保が欠けることから,その証拠能力を否定する点にある。そこで,伝聞証拠とは,①公判廷外の供述を内容とする証拠で,②要証事実との関係で原供述の内容の真実性が問題となるものをいう。
  ⑶ これを本件についてみると,①本件供述調書は,捜査段階において甲が供述したものを記録したものであるから,公判廷外の供述を内容とする証拠である。そこで,②本件供述調書の内容の真実性が,要証事実との関係で問題となる場合には,本件供述調書は伝聞証拠にあたる。
 2.そうだとしても,本件供述調書について伝聞例外(321条以下)が適用され,例外的に証拠能力が肯定されないか。
  ⑴ まず,乙側が,検察官による本件供述証拠の証拠調べ請求について「同意し」,「その書面が作成され……たときの情況を考慮し相当と認めるとき」は,本件供述調書を証拠とすることができる(326条1項)。
  ⑵ア.上記の同意がない場合であっても,本件供述調書は,捜査段階で甲が検察官に対し供述した内容を記録したものであるから,「検察官の面前における供述を録取した書面」(321条1項2号)にあたる。そこで,同号該当性を検討する。
   イ.同号前段は,供述者が供述不能であることを要件とし,これに該当する事由を列挙している。しかし,これらの事由の中には,本件のように証人が証言を拒絶している場合が含まれていない。そこで,証言拒絶の場合にも,供述不能の要件を充たすかが問題となる。
 同号前段は,証拠として採用する必要が高い場合を列挙したものであるから,これらの事由に匹敵するような事情であれば,供述不能の要件を充たす。ただし,これらの事由は,例外的に伝聞証拠に用いる必要性を基礎づけるものであるから,死亡以外の場合には,一時的な供述不能では足りず,その状態が相当程度継続して存続していることが必要である。
 本件のように,証言拒絶権を有しない者が証言拒絶をしているような場合には,単なる供述拒否の場合と同視しうる。この場合には,公判廷において供述を得られない点及び被告人に反対尋問の機会を与えない点では,証人が死亡や行方不明となった場合等と異なるところがないから,同号前段列挙事由に匹敵する事情であるということができる。したがって,相当程度継続して商人が証言を拒絶した場合には,供述不能の要件を充たす。相当程度継続しているといえるか否かについては,事案の内容,証人の重要性,審理計画に与える影響,証言拒絶の理由及び態度等を総合考慮して判断すべきである。(※1)
 本件でも,証人が相当程度継続して証言を拒絶している場合には,供述不能の要件を充たす。
   ウ.そして,本件供述調書に証人の「署名若しくは押印」(321条1項柱書)があることが必要である。
   エ.これらの要件を充たしていれば,本件供述調書は321条1項2号前段により,例外的に証拠能力が認められる。
  ⑶ 以上のいずれかにあたる場合には,裁判所は,本件供述調書を証拠とすることができる。(※2)
以 上


(※1)この部分の論証は,完全に供述拒否の場合に寄せてしまいました。果たして,それでいいのかどうかは分かりませんが,証言拒絶権に基づくのであればともかく,そうでないのであれば,供述拒否と変わらないと思いますけれども。

(※2)参照した答案では,321条1項2号後段該当性まで検討していましたが,長くなりそうだったので省略してしまいました。証言拒絶している以上,公判廷に「供述」が出ていないので,「前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき」にあたらないのではないかと思います。
2018-01-29(Mon)

【高校入試】東京都英語平成18年度第4問

問題:東京都英語平成18年度第4問
難易度:Bランク
解答時間の目安:15分

≪問題≫
4 次の文章を読んで,あとの各問に答えよ。
  (*印の付いている単語・語句には、本文のあとに〔注〕がある。)

  Jennifer was ten years old. She had a brother Bill. He was sixteen. He was a *leader of children’s activities in the *community. He sometimes asked Jennifer to join them, but she *wasn’t ready to do things with children she didn’t know.
  One winter, when Jennifer was thirteen, some people of the community took a group of children to the mountains for *skiing. Bill joined them. He had to take Jennifer with him because their parents were going to go out of town. She didn’t want to go, but she had to go with him.
  She tried skiing for the first time. She fell in the snow many times. It was very difficult for her. Her legs got very tired. But at the end of the third day, she and other children were enjoying skiing very much. They were happy and laughed a lot. Jennifer *became good friends with other children.
  Four years later, when Jennifer was seventeen, Bill thought it was her *turn to *take care of younger children in the community. He wanted her to help him with the children’s activities. But she didn’t think she was ready to do so.
  Then, in summer, Bill asked Jennifer to take some children to the mountains with him to *hike. Jennifer didn’t think it would be difficult, so she said yes. Jennifer and Bill took twelve children to the mountains with some other people from the community. On the first day they stayed in a village near the mountains. The next morning they started to hike. They had a plan to go to a lake in the mountains and to get back to the village before night.
  After walking for about an hour, a little girl in the group said, “I *don’t want to walk any more.” Jennifer had to *encourage her. Then a boy fell down and cried for a while. She held his hand and waited for a while before he stopped crying. Then another girl said, “I don’t like that boy. He said a very bad thing to me.” She had to listen to her for about ten minutes. And then another boy said, “I’m hungry. I want to eat my lunch here.” Jennifer said, “We will have lunch when we got to the lake. I think having lunch there will be better than having it here.” Those four children were a little younger than the other children in the group. Jennifer wanted to be kind to them, but it was hard to do so because they *made so much trouble.
  While they were walking, Jennifer asked the four children about their schools, friends, and families. They began to talk with Jennifer. She listened to them and asked more questions. They sometimes laughed. She felt a little happier for the first time on that day.
  The group got to the lake at one in the afternoon. All of the children were happy, *especially those four children. They had lunch by the lake. While they were having lunch, Jennifer told Bill about the four children. “At first they were making too much trouble. I wanted to take them back to the village. But then I began to talk to them, and they stopped making trouble. I think they began to like me.”
  While they were walking back to the village, Jennifer enjoyed walking and talking with the four children. They looked happy. They didn’t make trouble any more. Jennifer and the four children laughed a lot. They became good friends.
  It was five o’clock when the group got back to the village. The four children were very tired. But all of them were happy. Jennifer was happy, too. She was ready to become a children’s leader at last. That was the thing she knew about *herself then. She thought, “I hope today’s hiking has made those four children a little stronger.”
〔注〕leader リーダー  community 地域社会  be ready to ~ ~する心の準備ができている  skiing スキー  become good friends with ~ ~と仲の良い友達になる  turn 順番  take care of ~ ~の世話をする  hike ハイキングに行く  not ~ any more もう~でない  encourage 励ます  make trouble めんどうを起こす  especially 特に  herself 彼女自身

〔問1〕But she didn’t think she was ready to do so.の内容を,次のように書き表すとすれば,【     】の中に,下のどれを入れるのがよいか。
    But Jennifer 【     】.
   ア was ready to take care of younger children
   イ wasn’t ready to go to a lake in the mountains
   ウ was ready to stay in a village near the mountains
   エ wasn’t ready to help Bill with the children’s activities

〔問2〕次のア~エの文を,本文の内容の流れにそって並べ,順に記号で書け。
   ア Jennifer became good friends with other children when she tried skiing for the first time.
   イ When Jennifer was ten, she wasn’t ready to do things with children she didn’t know.
   ウ Jennifer and the four children became good friends while they were walking back to the village.
   エ Bill asked Jennifer to take some children to the mountains with him to hike.

〔問3〕次の(1)~(3)の文を,本文の内容と合うように完成するには,【     】の中に,それぞれ下のどれを入れるのがよいか。
   (1) Jennifer had to go with her brother Bill for skiing because 【     】.
    ア she fell in the snow many times
    イ their parents were going to go out of town
    ウ her legs got very tired
    エ skiing was very difficult for her

   (2) Jennifer had to encourage a little girl in the group when 【     】.
    ア the girl didn’t want to walk any more
    イ the girl fell down and cried for a while
    ウ a boy said a very bad thing to the girl
    エ the girl wanted to have lunch before getting to the lake

   (3) Jennifer felt a little happier for the first time on that day when 【     】.
    ア the four children were making too much trouble
    イ she wanted to take the four children back to the village before lunch
    ウ the four children began to talk with her and sometimes laughed
    エ the group got to the lake and had lunch there

〔問4〕次の質問に英語で答えよ。
   (1) What was hard for Jennifer when the four children made so much trouble?
   (2) What did Jennifer know about herself when she got back to the village?


≪解説≫
1.全訳
 Jenniferは10歳であった。彼女には兄のBillがいる。彼は16歳だった。彼はその地域の子供らの活動のリーダーをしていた。彼はよくJenniferにそれに入らないかと尋ねていたが,彼女は知らない子供らと一緒に何かをすることの心の準備ができていなかった。
 ある冬,Jenniferが13歳のとき,地域のある人たちがスキーをしに子どもらを山へ連れて行った。Billもそれに加わっていた。両親が町の外へ出かけることになっていたため,彼は一緒にJenniferを連れていかなければならなかった。彼女は行きたくなかったが,行かなければしょうがなかった。
 彼女はスキーをするのは初めてだった。何回も雪の上で転げた。彼女にとっては難しいことだった。脚が大変疲れた。しかし3日目の終わりになると,彼女と他の子どもらはスキーをとても楽しんでいた。彼らは嬉しくなってよく笑っていた。Jenniferは他の子どもらと仲良くなった。
 4年後,Jenniferが17歳のとき,Billは,次に地域で小さい子供らの世話を見るのは彼女の番だと考えた。彼は彼女に子どもらの活動を手伝ってほしかった。しかし彼女はそうする心の準備ができていないと思った。
 そして,夏に,BillはJenniferに一緒にハイキングをしに山へ数名の子どもらを連れていくよう頼んだ。Jenniferは難しいことではないと考えていたので,分かったと言った。JenniferとBillは地域の違う人たちと一緒に山へ子どもらを12人連れていった。1日目は山の近くの村に宿泊した。次の日の朝からハイキングを始めた。彼らは山の湖まで行き,夜までに村に戻ってくる予定であった。
 1時間ほど歩くと,1人の少女が「もう歩きたくない。」と言った。Jenniferは励ましてやらねばならなかった。すると1人の少年が転んで,しばらく泣いていた。彼女は手を持って,泣きやむまでしばらく待っていた。するともう1人の少女が「私あの男の子嫌い。だって私にすっごい嫌なこと言ってくるんだもん。」と言った。彼女は10分間にわたって彼女のことを聞いていなければならなかった。そしてもう1人の少年が「お腹すいた。ここで昼飯食べたい。」と言いだした。Jenniferは「昼ごはんは湖に着いたら食べるの。そこで食べる方がここで食べるよりもいいじゃない。」と言った。その4人はグループの中でも他の子どもらよりも年下だった。Jenniferは彼らに優しく接しようと思ったが,彼らがトラブルばかり起こすので,そうし難かった。
 彼らが歩いている間,Jenniferはその4人子どもらに,学校のことや友達,家族のことについて尋ねた。彼らはJenniferと話すようになった。彼女は彼らの話を聞いて,また質問をした。彼らは時々笑った。彼女はその日の最初よりも少し嬉しく思った。
 一行は午後1時に湖に着いた。子どもら皆,特に4人は嬉しく思っていた。湖の畔で昼飯を食べた。昼飯を食べてい間,JenniferはBillに4人の子供について話をした。「最初,彼らは多すぎるくらいトラブルばっか起こしていたわ。村へ連れて帰ってやりたかった。だけど,そのときに私が彼らに話しかけると,トラブルを起こさなくなったの。思うに,私のこと好きになり始めたんじゃないかしら。」
 村へ戻る間,Jenniferは歩きながら4人の子供らと話をするのを楽しんだ。彼らは嬉しそうに見えた。彼らはもうトラブルを起こさなかった。Jenniferと4人の子どもらはたくさん笑った。彼女らは仲良くなった。
 一行が村へ戻ったのは5時だった。4人の子どもらはとても疲れていた。しかし皆嬉しそうだった。Jenniferもまた嬉しかった。最終的に彼女は子どもらのリーダーになる心の準備がついていた。そのとき彼女自身に分かったことだった。彼女は「私は,今日のハイキングで4人の子どもたちは少しだけ強くなったと願っている。」と思った。

2.各問解答・解説
〔問1〕(配点:4) 解答:エ
 要旨となっている文を解釈することで,内容についての理解を見る問題である。to do soとあるので,この部分は直前のto不定詞句との重複を避けるために代わって置かれているものである。逆接の接続詞butから始まっているので,下線部の直前の文と相反する内容が空欄には入ることとなる。直前では,BillはJenniferに子どもらの世話をさせようとしていることが書かれている。
ア しかしJenniferは子どもらの世話をする心の準備ができていた。
→誤り。直前の文と相反しない。むしろ順接の内容となっている。
イ しかしJenniferは山の湖へ行く心の準備ができていなかった。
→誤り。Jenniferが湖へ子どもらを連れていくことになったのは,次の段落からの話である。
ウ しかしJenniferは山の近くの村に宿泊する心の準備ができていた。
→誤り。Jenniferが山の近くの村に滞在したのは,イと同様次の段落からの話である。
エ しかしJenniferはBillの子どもらの活動を手伝う心の準備ができていなかった。
→正しい。to do soは直前のto help him with the children’s activitiesを指している。

〔問2〕(配点:4) 解答:イ→ア→エ→ウ
各肢を並べ替えることによって,内容の流れをつかむとともに,その要旨を捉えることができるかを見る問題である。本文をしっかり読んだうえで,各肢との適合部分を本文中から探し出す。
ア Jenniferは初めてスキーに挑戦したとき,他の子どもらと仲良くなった。
→本文該当箇所は3段落目全体。She tried skiing for the first time. …… Jennifer became good friends with other children.
イ Jenniferが10歳のとき,知らない子どもらと一緒に何かをする心の準備ができていなかった。
→本文該当箇所は1段落目全体。Jennifer was ten years old. …… she *wasn’t ready to do things with children she didn’t know.
ウ Jenniferと4人の子どもら村へ戻る間に仲良くなった。
→本文該当箇所は9段落目全体。While they were walking back to the village, …… They became good friends.
エ BillはJenniferにハイキングをしに一緒に山へ子どもらを連れていくよう頼んだ。
→本文該当箇所は5段落目1行目。Bill asked Jennifer to take some children to the mountains with him to hike.

〔問3〕
 空欄に適切な文を挿入することで,内容の理解を見る問題である。問題文の空欄以外の部分に記載されている英文を頼りに,同趣旨または一致する該当箇所を本文から探し,適切な肢を選べばよい。
(1) (配点:4) 解答:イ
  「……のため,JenniferはBillとスキーへ行かなければならなかった。」とあるので,本文2段落目2行目 ……, but she had to go with him.と一致する。Jenniferが嫌々ながらスキーへ行く羽目になった原因を表している肢を選ぶ。
 ア 雪の上で何度も転んだため
 →誤り。これはスキーへ行ってからの事実の摘示であり,スキーへ行くことになった原因ではない。
 イ 両親が町の外へ出かけることになっていたため
 →正しい。直前にbecause their parents were going to go out of town.との記載がある。
 ウ 脚がとても疲れたため
 →誤り。これもアと同様スキーに行ってからの話である。
 エ 彼女にはスキーはとても難しかったため
 →誤り。これもアと同様スキーに行ってから,彼女が気付いた話である。
 
(2) (配点:4) 解答:ア
  「……とき,Jenniferは少女を励まさなければならなかった。」とあるので,本文6段落目1行目 Jennifer had to encourage her.と一致する。なぜJenniferが少女を励ますことになったのかを表している肢を選ぶ。
 ア 少女はもう歩きなくなかったというとき
 →正しい。直前にa little girl in the group said, “I don’t want to walk any more.”とある。
 イ 少女が転んでしばらく泣いていたとき
 →誤り。本文6段落目2行目にはThen a boy fell down and cried for a while.とあるので,主語が違う。
 ウ 少年が少女に嫌なことを言ってきたとき
 →誤り。本文6段落目2行目にはThen another girl said, “I don’t like that boy. He said a very bad thing to me.”とあるので,Jenniferが励ますことになった少女とは別の少女である。
 エ 少女が湖に着く前に昼飯を食べたいというとき
 →誤り。本文6段落目3行目にはAnd then another boy said, “I’m hungry. I want to eat my lunch here.”とあるので,主語が違う。

(3) (配点:4) 解答:ウ
  「……とき,Jenniferはその日の始めの頃よりは少し嬉しく感じた。」とあるので,本文7段落目最終文She felt a little happier for the first time on that day.と一致する。Jenniferが嬉しく思った原因を周辺から探し,適切な肢を選ぶ。
 ア 4人の子どもらが多すぎるほどのトラブルを起こしていたとき
 →誤り。本文の流れとしては,「4人の子どもらがトラブルを起こしまくる。」→「Jenniferが子どもらと話をする。」→「子どもらが時々笑うようになる。」→「Jenniferは少し嬉しくなった。」となっているので,子どもらがトラブルを起こしていたことはむしろJenniferが嬉しくなった原因とは真逆の事実である。
 イ 昼飯前に村へ子どもらを連れて帰りたかったというとき
 →誤り。本文6段落目最終文にJennifer wanted to be kind to them, …… とあるが,Jenniferがこのように思ったのは,子どもらがトラブルを起こしまくっていたためであるから,アと同様真逆の事実である。
 ウ 4人の子どもらが彼女と話し始め時々笑ったとき
 →正しい。本文7段落目にある。
 エ 一行が湖に着き,そこで昼飯を食べたとき
 →誤り。これは本文8段落目にある事実であるが,Jenniferが嬉しく思った後の話であるから,直接の原因とはなっていない。

〔問4〕
(1) (配点:4) 模範解答:It was hard to be kind to the four children.

  4人の子どもらが多すぎるほどのトラブルを起こしたとき,何がJenniferにとってつらかったか。
 →この場面は本文6段落目に書いてある。最終文に ……, but it was hard to do so ……とあるが,to do soの内容は直前のto be kind to themである。仮主語は用いなくてもよいが,用いた方がすっきりする。
(2) (配点:4) 模範解答:She knew (that) she was ready to become a children’s leader at last.
  Jenniferが村に着いたとき,彼女自身のことについて何を知ったか。
 →この場面は本文10段落目に書いてある。2行目にThat was the thing she knew about herself then.とあるが,Thatの内容は直前のShe was ready to become a children’s leader at last.を指しているので,これらをまとめて1文に直せばよい。

以 上


2018-01-29(Mon)

【旧司】刑事訴訟法昭和43年度第2問

ひたすら証拠法ですが,古江本に続き,またも検面調書です。

予備校本などでは,ものによっては検面調書はCランク論点とされていたりしますが,

旧司では結構出ているみたいです。

旧司で出ていたなら新司でも出るんじゃないですか。

それとももう検面調書は流行りじゃなくなっていたり。

知らないですけど。

≪問題≫
 次の場合に,その者の検察官面前調書を証拠とすることができるか。
⑴ 証人が公判廷で供述を拒否したとき
⑵ 証人の公判廷での供述よりも,検察官面前調書中の供述が詳細であるとき


さすが,昭和時代の旧司というだけあって,5秒で読み終わる短さ。

何の具体的事情も落ちていない旧司の象徴のような問題です。

もう伝聞証拠にあたることを前提として話をしてしまっていいんですかね。

何から何まで書けばいいのか,相場観が全然わからないです。

≪答案≫
第1.設問⑴について
 1.証人の検察官面前調書(以下「本件調書」という。)は,公判期日外における取調べ等により作成されるため公判廷外の供述を内容とする証拠であり,要証事実との関係でその内容の真実性が問題となるため,「公判期日外における供述に代えて書面を証拠と」する場合にあたり,原則として証拠能力が否定される(320条1項)。
 2.それでは,本件調書について伝聞例外(321条以下)が適用され,例外的に証拠能力が認められないか。
  ⑴ まず,被告人が本件調書を「証拠とすることに同意した」場合には,「書面が作成され……たときの情況を考慮し相当と認めるときに限り」,本件調書を証拠とすることができる(326条1項)。
  ⑵ア.上記同意がない場合には,本件調書は「検察官の面前における供述を録取した書面」(321条1項2号)にあたるので,同号該当性を検討する。
   イ.同号前段は,供述者が供述不能である場合を要件とし,これに該当する事由を列挙している。しかし,これらの事由の中には,本件のように証人が公判廷で供述を拒否している場合が含まれていない。そこで,供述拒否の場合にも,供述不能の要件を充たすかが問題となる。
 同号前段は,証拠として採用する必要が高い場合を列挙したものであるから,これらの事由に匹敵するような事情であれば,供述不能の要件を充たす。ただし,これらの事由は,例外的に伝聞証拠を用いる必要性を基礎づけるものであるから,死亡以外の場合には,一時的な供述不能では足りず,その状態が相当程度継続して存続していることが必要である。
 証人が供述を拒否した場合には,公判廷において供述を得られない点及び被告人に反対尋問の機会を与えない点では,証人が死亡や行方不明となった場合等と異なるところがないから,同号前段列挙事由に匹敵する事情であるということができる。したがって,相当程度継続して証人が供述を拒否した場合には,供述不能の要件を充たす。相当程度継続しているといえるか否かについては,事案の内容,証人の重要性,審理計画に与える影響,証言拒絶の理由及び態度等を総合考慮して判断すべきである。(※1)
 本件でも,証人が一定程度継続して供述を拒否している場合には,供述不能の要件を充たす。
   ウ.そして,本件調書に証人の「署名若しくは押印」(321条1項柱書)があることが必要である。
   エ.以上の要件を充たしていれば,本件調書は321条1項2号前段により,例外的に証拠能力が認められる。
 3.以上のいずれかにあたる場合には,裁判所は,本件調書を証拠とすることができる。
第2.設問⑵について
 1.本件調書は,設問⑴と同様に伝聞証拠にあたる。
 2⑴ そこで,伝聞例外について検討すると,設問⑴と同様に326条1項の要件を充たす場合には,証拠能力が認められる。
  ⑵ それでは,321条1項2号の適用についてはどうか。
   ア.設問⑴と同様に,本件調書は「検察官の面前における供述を録取した書面」である。
   イ.検察官は,証人の公判廷における供述よりも詳細であるという理由で,本件調書の証拠調べ請求をしてきたものであると考えられるが,このことをもって「公判期日において前の供述と……実質的に異なつた供述をしたとき」(同号後段本文)にあたるか。
 同号後段本文が,同項1号書面の場合とは異なり,「実質的に異なつた」としている趣旨は,一方当事者である検察官の面前における供述は,公平中立な裁判官の面前での供述に比して信用性が劣るため,より高度な信用性を要求した点にある。そうすると,「実質的に異なつた供述」とは,要証事実との関係でその認定につき異なった結論を導く可能性のある供述をいう。
 これを本件についてみると,要証事実が争点となっていて厳密な認定が求められている場合には,その点を詳細に述べている供述により認定の可否が左右されるため,異なった結論を導く可能性があるといえ,「実質的に異なつた供述」にあたる。他方で,要証事実の認定がある程度概括的でもよい場合には,前の供述が詳細に述べられているからといって,認定に際して結論を左右しないから,「実質的に異なつた供述」にあたらない。
   ウ.同号後段本文に該当する場合には,「公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存する」こと(以下「特信情況」という。)が必要である(同号後段但書)。このとき,特信情況は,前の供述と比較し相対的に認められるか否かで判断する。そして,この判断にあたり,供述内容の信用性を考慮すると証明力を評価しなければならず,証拠評価に混乱を生じるおそれがあるから,当該供述のなされた際の外部的付随事情を基準として判断する。ただし,外部的付随事情を推知させる資料として,供述内容を考慮することはできる。
 本件調書についても特信情況が認められる必要がある。
   エ.また,本件調書についても,証人の「署名若しくは押印」があることが必要である。
   オ.以上の要件を充たしていれば,本件調書は321条1項2号後段により,例外的に証拠能力が認められる。
 3.以上のいずれかにあたる場合には,裁判所は,本件調書を証拠とすることができる。
以 上  


(※1)参照した答案によれば,「当該期日では証言を得ることが困難だが,期日を改めれば証言を得られる見込みがあるような場合に,常に供述不能事由に当たらないとすると,迅速な裁判の要請を害し妥当でない。そこで,証言拒絶が相当程度継続しているといえない場合であっても,事案の内容,証人の重要性,審理計画に与える影響,証言拒絶の理由及び態度等を総合考慮して,供述不能といえるかを判断すべき」としていましたが,この書き方ですと,証言拒絶の場合には一定程度継続していなくとも供述不能の要件を充たす場合があると捉えられてしまいます。総合考慮するという規範のようなものは,東京高判平成22年5月27日が示したもの使っているのだと思われますが,この判例では「同号前段の供述不能の要件は,証人尋問が不可能又は困難なため例外的に伝聞証拠を用いる必要性を基礎付けるものであるから,一時的な供述不能では足りず,その状態が相当程度継続して存続しなければならないと解される。証人が証言を拒絶した場合についてみると,その証言拒絶の決意が固く,期日を改めたり,尋問場所や方法を配慮したりしても,翻意して証言する見通しが少ないときに,供述不能の要件を満たすといえる。もちろん,期日を改め,期間を置けば証言が得られる見込みがあるとしても,他方で迅速な裁判の要請も考慮する必要があり,事案の内容,証人の重要性,審理計画に与える影響,証言拒絶の理由及び態度等を総合考慮して,供述不能といえるかを判断するべきである。」と判示されており,相当期間継続していることは必要であるとの前提に立っていると考えられます。したがって,総合考慮の部分は,あくまでどれくらいの継続をもって相当期間の継続といえるかを判断するための基準としているものであると考えた方が適切なような気がします。このような考えを反映させると,上のような答案になるのかなと思います。
プロフィール

||中央特快||高尾||

Author:||中央特快||高尾||
お疲れ様です。

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