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2025-12-31(Wed)

答案等のリンク

私が書きなぐった答案のページへのリンク集です。

●旧司法試験●
▼憲法
・ 昭和56年第1問(犯罪歴の開示)
・ 平成15年第2問(政党と結社の自由)
▼民事訴訟法
・ 昭和61年第2問(相手方の訴訟態度の変動と自白の撤回)
・ 平成7年第2問(訴訟手続への表見法理の適用の可否)
・ 平成10年第2問(既判力と基準時後の事由)
・ 平成20年第2問(補助参加人の控訴期間の起算点,参加的効力の制限)
・ 平成21年第1問(一部請求,職権による過失相殺,規範的要件における評価根拠事実)
・ 平成22年第1問(重複訴訟と確認の利益,消極的確認訴訟と給付訴訟)
▼刑法
・ 平成16年第1問(中止犯,不作為犯)
▼刑事訴訟法
・ 昭和43年第2問(供述拒否が「供述不能」にあたるか,公判廷供述よりも検面調書が詳細である場合)
・ 昭和51年第2問(証言拒絶の適用範囲,証言拒絶は「供述不能」にあたるか)
・ 昭和53年第2問(伝聞証拠の意義)
・ 昭和61年第2問(相反供述の認定,共犯者の自白)
・ 平成元年第2問(再伝聞)
・ 平成13年第2問(記憶喪失は「供述不能」にあたるか,手続的公正を欠く場合)
・ 平成21年第2問(自白法則,違法収集証拠排除法則)
・ 平成22年第2問(犯行メモの証拠能力)

●新司法試験●
▼刑事訴訟法
・ 平成26年
▼倒産法
・ 平成28年第1問
・ 平成28年第2問

●演習書●
▼事例研究行政法第3版
・ 第1部問題1(審査基準の設定公表義務違反,他事考慮)
・ 第1部問題2(処分性,違法性,訴訟形式)
・ 第1部問題3(申出に対する応答の取消訴訟,義務付け訴訟)
・ 第1部問題4(原告適格)
・ 第1部問題5(訴えの客観的利益,取消訴訟の本案)
・ 第1部問題6(訴訟類型,理由の提示,比例原則)
・ 第1部問題7(国賠-1条)
・ 第1部問題8(国賠-営造物)
・ 第2部問題1
・ 第2部問題2
・ 第2部問題3
・ 第2部問題4
・ 第2部問題5
・ 第2部問題6
・ 第2部問題7
・ 第2部問題8
・ 第2部問題9
・ 第2部問題10
・ 第2部問題11
・ 第2部問題12
・ 第2部問題13
・ 第2部問題14
・ 第2部問題15
・ 第2部問題16
・ 第2部問題17
▼事例で学ぶ民法演習
・ 問題3(法人)
・ 問題4(虚偽表示と第三者)
▼事例研究刑事法Ⅱ
・ 第3部問題4(令状の効力が及ぶ範囲,差押の範囲)
・ 第3部問題5(かすがい外し)
・ 第4部問題1(訴因変更の要否)
▼事例演習刑事訴訟法第2版
・ 設問25(手続的公正を欠く場合)
・ 設問26(再伝聞)
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2019-01-18(Fri)

【新司】倒産法平成28年第2問

前の記事で遊びたいとか書きましたけど,

よくよく考えたら,年始の1月1日から北海道に思いっきり旅行に行っていました。

今回は撮りではなく乗り中心でしたが,

3月末で廃止になる夕張支線や,

来年度で廃止が発表されたばかりの札沼線の北海道医療大学以北なんかも乗れましたので,

なかなか充実していました。

また暇があれば記事にします。



ところで,選択科目なんですが,他の科目と異なる点は,

試験時間が3時間

問題が2問

鬼のような小問の数

といったところ。

3つ目は,他の科目の問題まで見ていないので,あくまで倒産法での話なんですが。

しかし,いや,どうしたのって感じです。

なんで選択科目なんかあるんですかね。

ただでさえ基本7科目だけで手いっぱいなのに。

無理です。

≪問題≫
〔第2問〕(配点:50)
 次の事例について,以下の設問に答えなさい。
 【事 例】
 X社は,平成9年に摂理つされた建設資材の輸入・販売を業とする株式会社である。Aは,X社の代表取締役であり,同社に自己資金を貸し付け,これを運転資金に充てていた。Y社は,X社の発行済株式の70パーセントを有するいわゆる支配株主であり,同社に運転資金も融通していた。Bは,Y社の代表取締役であり,同社の発行済株式の全てを有している。Z社は,同じくBが代表取締役を務める建設会社であり,X社の得意先である。X社とZ社との取引は,Bの主導によって開始されたものであり,X社のZ社に対する平成25年3月末期の売上は,X社の総売上高の30パーセント余りを占めていた。
 X社は,平成25年末頃から始まった円安の影響を受けて業績不振に陥っていたところ,平成26年3月に入ると,Z社がBの放漫経営により破綻したため,同社に対する売掛金の回収ができなくなった。その結果,X社は,同月末日の資金繰りに窮することとなった。
 X社は,以上のような経緯から,破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあるとして,平成26年3月20日に再生手続開始の申立てをした。同日,X社について監督命令が発せられ,弁護士Kが監督委員に選任された。
 平成26年3月28日,X社について再生手続開始の決定がされた。

〔設 問〕
1.X社は,Z社に代わる新たな得意先を獲得する見込みの下で事業計画を作成し,この事業計画が実現可能であり,計画弁済の履行が可能であると見込まれたことから,平成26年7月7日,裁判所に対し,再生債権者の権利の変更に関する定めとして下記の条項のある再生計画案(以下「本件再生計画案」という。)を提出した。
     記

1 確定再生債権額
 元本並びに再生手続開始決定日の前日までの利息及び遅延損害金
     合計2億0121万7591円
 再生手続開始決定日以降の利息及び遅延損害金
     合計32万6055円及び額未定
 なお,未確定の再生債権及び不足額が確定していない別除権付債権はない。
2 権利変更の一般的基準
 ① 全ての確定再生債権につき,再生手続開始決定日以降の利息及び遅延損害金は,再生計画の認可の決定が確定した時(以下「認可決定確定時」という。)に全額の免除を受ける。
 ② 確定再生債権の元本並びに再生手続開始決定日の前日までの利息及び遅延損害金の合計額は,次の③及び④の確定再生債権を除き,10万円までの部分は免除を受けず,10万円を超える部分は認可決定確定時にその80パーセントの免除を受ける。
 ③ Aの確定再生債権のうち,元本並びに再生手続開始決定日の前日までの利息及び遅延損害金の合計額は,認可決定確定時にその全額の免除を受ける。
 ④ Y社の確定再生債権のうち,元本並びに再生手続開始決定日の前日までの利息及び遅延損害金の合計額は,10万円までの部分は免除を受けず,10万円を超える部分は認可決定確定時にその85パーセントの免除を受ける。
3 弁済方法
 権利変更後の金額のうち,10万円までの部分は,再生計画の認可の決定が確定した日から1か月を経過した日の属する月の末日までに支払い,その余の部分は,10回に均等分割して平成27年から平成36年まで毎年4月末日限り支払う。
4 個別条項
  (略)


 本件再生計画案の提出を受けた裁判所は,これを決議に付する旨の決定をすることができるか。本件再生計画案2①から④までの各条項について,民事再生法上の問題点を踏まえて,論じなさい。
 なお,各条項はいずれも民事再生法第174条第2項第4号には該当しないこと,Aは2③の免除に同意していること,Y社は2④の免除には同意していないことを前提とする。
2.本件再生計画案は,平成26年7月14日,決議に付する旨の決定がされ,同年9月3日に開催された債権者集会において可決された(以下,可決された本件再生計画案を「本件再生計画」という。)。同日,本件再生計画について認可決定がされ,同月29日に確定した。
 X社は,本件再生計画の認可決定が確定した後も,事業計画で見込んでいたZ社に代わる新たな得意先の獲得ができなかったことなどから,事業計画どおりには業績を上げることができなかった。そのため,X社は,平成27年4月末日までの本件再生計画に基づく弁済は何とか行ったものもの(総額520万4000円),平成28年1月末日原座い,同年4月末日の弁済の見込みは立たなかった。とりわけ,最も大口の債権を有するG銀行(確定再生債権額8000万円)に対する弁済資金の確保は困難であることが判明した。
 ⑴ 再生計画認可後の再生手続においてX社及びKが果たすべき役割について述べた上で,X社として採り得る方策を論じなさい。
 ⑵ G銀行は,本件再生計画に基づき,平成27年4月末日までに合計169万8000円の弁済を受けたものの,結局,平成28年4月末日に支払われるべき159万8000円の弁済は受けられなかった,この場合にG銀行として採り得る方策を論じなさい。


破産法はまだ何とかなりそうな気がするんですが,

民再法については問題となる条文を見つける段階,

つまり問題の所在がどこなのかを発見する段階から躓くことがあるので,

ちゃんと勉強しないといけないなあと思いながらも,

本番まであと4か月くらいしかありません。

間に合うのかなあ……。

≪答案≫
第1 設問1
 裁判所が再生計画案を決議に付する旨の決定をするためには,民再法169条1項各号に該当する事由がないことが必要である。このうち,同項3号は,同法174条2項各号の要件のいずれかに該当するものと認められるときを掲げているところ,同法174条2項1号は,再生計画が法律の規定に違反しているときを掲げている。したがって,本件再生計画案が,民再法の規定に違反する場合には,裁判所は本件再生計画案を決議に付する旨の決定をすることができない。
 本件再生計画案2の各条項は,いずれも権利変更を行うものであるから,その内容は再生債権者の間で平等であることが求められる(民再法155条1項本文)。
 そこで,各条項について検討すると,①は,全ての確定再生債権の,再生手続開始決定日以降の利息及び遅延損害金を一律に免除するというものであるから,全額を免除するものとしていない他の債権との間で区別を設けるものである。もっとも,利息部分は「再生手続開始後の利息の請求権」(同法84条2項1号),遅延損害金部分は「再生手続開始後の不履行による損害賠償……請求権」(同項2号)であるから,「第八十四条第二項に掲げる請求権について別段の定め」をするものであって,許される(同法155条1項ただし書)。
 ②は,10万円までの部分は免除を受けず,10万円を超える部分は80パーセントを免除するという形で,免除をする割合について区別を設けるものである。もっとも,再生債権の全体額が2億円を超えていることからすれば,その0.5パーセントにすぎない10万円の債権は「少額の再生債権」にあたるので,このような区別を設けることは許される(同法155条1項ただし書)。
 ③は,Aの確定再生債権のみを全額免除とし,全額免除を受けない他の債権との間で区別を設けるものである。もっとも,Aは③条項の免除に同意しているから,「不利益を受ける再生債権者の同意がある場合」にあたり,このような区別を設けることは許される(同法155条1項ただし書)。
 ④は,Y社の確定再生債権のうち,10万円を超える部分について85パーセントの免除を受けるという形で,その他の債権と免除率に区別を設けるものである。それでは,このような区別を設けることが「衡平を害しない場合」にあたるか。民再法155条1項ただし書が,平等原則の例外を設けたのは,事業の継続を前提とした再生手続においては,再生債権者間で形式的平等を貫徹するのは妥当ではなく,再生債権の性格に応じた柔軟な対応が必要であることから,一定の区別を設けることを許容した点にある。そうすると,「衡平を害しない場合」とは,区別を設ける再生債権の性質に照らし,当該区別を設ける必要性がある場合をいうと考える。これを本件についてみると,Y社がX社に対して有する債権は,X社の運転資金の融通として貸し付けられたものが含まれている。Y社がX社の支配株主であることからすると,上記運転資金の融通と併せてY社がX社の運営に大きく関与していたものと考えられ,X社の内部の者と類似する地位にあるということができる。ここで,Y社の代表取締役はBであり,BがY社の発行済株式の全てを有しているから,経営面においても利益帰属の面においてもBとY社とは一体のものとして捉えることができる。そして,Bは,自身が代表取締役を務めるZ社において,放漫経営を行ったことを原因として,Z社を経営破綻に陥らせている。Z社の経営破綻により,X社はZ社に対する売掛金を回収することができなくなり,再生手続に至っているが,X社とZ社との取引は,Bの主導によるものである。つまり,Bは,自己の主導のもと形成した取引関係を自己の放漫経営によって破綻させ,X社の再生手続開始に追い込んでいる。そのようなBと一体として評価されるY社についても,X社における再生手続上一定程度不利益に扱われることも甘受すべき地位にあるといえる。したがって,Y社の確定再生債権の性質に照らし,他の債権と免除率を区別する必要性がある。よって,「衡平を害しない場合」にあたるから,このような区別を設けることは許される。
第2 設問2
 1 小問⑴
 X社は,再生債務者として,業務遂行権及び財産管理処分権を有する(民再法38条1項)一方で,債権者に対し,公平誠実にこれらの権利を行使し,再生手続を追行する義務を負っている(同条2項)。したがって,再生債務者は,自らの責任において,再生計画を遂行しなければならない(同法186条1項)。Kは,監督委員として,X社が再生計画の遂行を適正に行うことについて善管注意義務を有しており(同法60条1項),X社の再生計画の遂行について監督を行うものとされている(同法186条2項)。
 X社は,G銀行に対する弁済資金の確保が困難であると考えているから,再生計画の変更を申し立てることが考えられる(同法187条1項)。同項の趣旨は,再生計画が一度決定された以上はそれに従って計画を遂行することが再生債権者の利益に資するところ,その後に生じた事由によってはむしろ計画による拘束から解放した方が再生債権者の利益の観点から妥当であることがあるため,例外的に再生計画の変更の機会を与えた点にある。「やむを得ない事由」とは,当初の再生計画の認可時にそのような事情が予想されていれば計画の内容が異なっていたであろうと認められるような客観的事由をいう。本件再生計画は,大口の取引先であったZ社に代わる新たな得意先の獲得が前提とされていたが,これはX社の経営の安定の観点からそのように取り決められていたものと考えられるから,新たな得意先の獲得ができないことは,X社の経営の安定化が実現できないことを意味する。したがって,当初の再生計画の認可時に新たな得意先が獲得できないことが予想されていれば,計画の内容が異なっていたであろうと認められる客観的事由であるといえ,「やむを得ない事由」があるということができる。そして,X社は平成28年4月末日の弁済の見込みが立たなかったのであるから,「変更する必要が生じたとき」にあたる。よって,X社は,変更の申立てをすることができる。この場合には,再生債権者に不利な影響を及ぼすものと考えられるから,改めて再生計画の可決を経ることが必要である(同条2項)。
 2 小問⑵
 G銀行としては,X社が再生計画の履行を怠ったとして,再生計画の取消しの申立てをすることが考えられる(民再法189条1項2号)。X社は,平成28年4月末日のG銀行に対する弁済を怠っているから,「再生債務者等が再生計画の履行を怠ったこと」に該当する。そして,再生債権の全体額が約2億円であるところ,G銀行の有する債権額は8000万円であるから,G銀行は「再生計画の定めによって認められた権利の全部……について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる権利を有する再生債権者」である。そして,G銀行は,平成28年4月末日に履行期限が到来した債権について履行を受けていない。したがって,G銀行は,再生計画の取消しの申立てをすることができる。
 そして,G銀行としては,再生債権者表の記載を債務名義とした強制執行を申し立てることもできる(同法180条2項,3項)。
以 上



2019-01-17(Thu)

【新司】倒産法平成28年第1問

あけましておめでとうございます!!!

もう1月も半分以上過ぎてしまいましたがね!!!

今年はついに司法試験を受験する年となりました。

1月からもう緊張してきますね。

早く受験を終えて遊びたいです。

夏には最長片道切符の旅なんかできたらいいなと考えています。

はい。

とりあえず今は勉強ですよね。

年が明けてから気づいたんですが,

選択科目の勉強をほとんどしていなかったことが判明しました。

これね,まずいですね。

とりあえず新司解くかあ,と思いまして,

新年1発目の答案は,倒産法になりました。

≪問題≫
〔第1問〕(配点:50)
 次の事例について,以下の設問に答えなさい。
 【事 例】
 A商事株式会社(以下「A社」という。)は,長年,食品製造機械メーカーであるB社及びC社から機会を仕入れ,得意先の食品製造会社であるD社やE社らに販売していた。
 A社は,市場の縮小傾向により,徐々に経営が苦しくなり,,ここ数年は赤字決算を繰り返していたが,平成28年3月末日の資金繰りに窮し,同月25日,取締役会において破産手続開始の申立てを行う旨決議し,支払を停止した。その後,A社は,同年4月1日,破産手続開始の申立てを行い,同月5日,破産手続開始の決定を受け,破産管財人Xが選任された。

〔設 問〕 以下の1及び2については,それぞれ独立したものとして解答しなさい。
1.A社は,平成27年12月10日,B社から機会αを代金1000万円で購入し,同日,その引渡しを受けたが,代金の支払期日は平成28年3月末日とされていた。A社は,この機会αの売却先を探していたところ,同月15日,D社との間で,機械αを1500万円で売却する売買契約(以下「本件売買契約」という。)を締結することができた。なお,機械αの引渡し及び代金の支払期日は,D社の買取り資金の調達の都合により,いずれも1か月後の同年4月15日とされ,所有権の移転時期も同日とされていた。
 A社の破産手続開始時において,本件売買契約に基づくA社及びD社の各債務は,双方とも履行されておらず,機械αはA社の自社倉庫内に保管されていた。破産管財人Xは,選任された直後,B社からは,機械αの代金1000万円を支払うか,それができないとすれば機会αを返還するよう求められ,D社からは,本件売買契約に従い機会αを引き渡すよう求められた。
 ⑴ B社は,機械αの代金1000万円を回収したいと考えている。この債権の回収につき,考えられる法的根拠及び権利行使の方法を論じなさい。なお,B社は,本件売買契約の存在を知らないこととする。
 ⑵ Xは,機械αの代金1500万円をD社から回収し,破産財団を増殖したいと考えている。Xがこの代金を回収する場合に,破産手続上必要とされる手続及び効果について,その制度の趣旨を踏まえて,論じなさい。
 ⑶ Xは,⑵の手続を経て,D社から機会αの代金1500万円を回収した。その後,この事実を知ったB社は,破産財団から優先的に機械αの代金相当額である1000万円の弁済を受けたいと考えた。B社は,破産財団から優先的に弁済を受けることができるか。予想されるXからの反論を踏まえて,論じなさい。
2.A社は,かねてからC社に運転資金の融通を求めていたところ,C社は,これに応じ,平成27年9月25日,A社に対し,弁済期を平成28年9月末日として,2500万円を貸し付けた(以下,この貸付に係る債権を「本件貸付債権」という。)。
 A社は,平成28年1月20日,C社から機械βを代金2000万円で購入し,同日,その引渡しを受けたが,代金の支払期日は同年3月末日とされていた。そこで,A社は,C社の要請に応え,この売買契約の締結と同時に,C社との間で,C社のA社に対する売買代金債権2000万円を担保するため,機械βにつき譲渡担保権を設定する内容の譲渡担保契約(以下「本件譲渡担保契約」という。)を締結した。本件譲渡担保契約には,A社が支払を停止したときは当然に期限の利益を喪失し,C社は譲渡担保権の実行として,自ら機械βを売却し,清算をするとの約定があった。
 A社の支払停止時,機械βはA社の自社倉庫内に保管されていたが,A社の支払停止を知ったC社は,本件譲渡担保契約に基づき,直ちにA社の同意を得て機械βを引き揚げた(なお,この引き揚げは適法なものとする。)。
 A社の破産手続開始後,得意先であったE社は,C社が機械βを引き揚げたとの情報を得,C社に対し,是非購入したいと申し入れた。そこで,C社は,E社に機械βを売却することとしたが,一旦商品として出荷された機械の価値は中古市場においては半減することが通常であるため,その売却価格は,A社の通常販売価格である3000万円の半額程度とされてもやむを得ないと考えていた。ところが,交渉の結果,E社への売却価格は,通常販売価格の8割に相当する2400万円となり,これによって,C社は,A社に対する売買代金債権2000万円を全額回収できた上,期待していなかった余剰金400万円が生じた。本件譲渡担保契約は,前記の約定のとおりいわゆる処分清算型とされており,C社はこの余剰金400万円をA社に変換する債務を負うこととなった。
 そこで,C社としては,A社のC社に対する余剰金返還債権400万円と本件貸付債権2500万円との相殺をしたいと考えている。C社の相殺は認められるか。破産法の条文の構造と予想されるXの反論を踏まえて,論じなさい。


相殺嫌い

こんなん分からなくないですか。

いいじゃんどんどん相殺させてあげれば。

みんな相殺の担保的機能に対する期待持ってるよ。

≪答案≫
第1 設問1
 1 小問⑴
 B社は,A社に対し,機械αの売買契約に基づく代金支払請求権として1000万円の債権を有している。この売買契約は,A社の破産手続開始前に締結されたものであるから,「破産債権」(破産法2条5項)である。そうすると,B社は,A社の破産手続によらなければ,上記債権を行使することができない(同法100条1項)。したがって,B社が上記債権の行使として1000万円の回収を図ろうとするのであれば,上記債権を届け出て(同法111条1項),債権調査及び確定を経て(同法115条以下),配当を受けることとなる(同法193条以下)。しかし,この方法では,上記債権の全額の満足を受けることは期待されない。
 ここで,上記債権は,機械αという動産の売買の対価として生じたものであるから,B社は機械αに対し,動産売買の先取特権(民法311条5号,321条)を有している。これは,「特別の先取特権」であるから,B社の動産売買の先取特権は,別除権として扱われる(破産法2条9項)。したがって,B社は,この別除権を破産手続によらずに行使することができる(同法65条1項)。
 別除権行使の方法は,破産管財人がその目的である財産の換価をする方法による(同法184条2項)。機械αは,A社の自社倉庫内に存在するから,執行裁判所の動産競売開始許可を得て,動産競売を行うこととなる(民執法190条1項3号,2項)。
 そして,機械αの動産競売による換価を受けてもなお上記債権の満足を受けることができない場合は,弁済を受けることができない部分についてのみ破産債権者として上記債権をもって破産手続に参加することができる(破産法108条1項本文)。
 2 小問⑵
 A社は,D社との間で,機械αを代金1500万円で売却する本件売買契約を締結しているが,双務契約の双方の債務が未履行の状態である。したがって,破産管財人であるXは,本件売買契約について,履行か解除かを選択することができるが(破産法53条1項),XはD社から代金1500万円を回収したいと考えているので,履行を選択することとなる。
 ここで,平常時にA社がD社に対して履行請求をしても,D社はA社に対し機械αの引渡請求権を有していることから,同時履行の抗弁権(民法533条)が存在し,A社は単に履行請求をするのみでは代金1500万円を回収することができない。そして,当時履行の抗弁権によるD社の保護は,A社の倒産の局面においても考慮される必要がある。そこで,同法53条の趣旨は,双務契約上の当事者間の対価関係が倒産という一方的事情によって崩され,相手方はその債務につき完全な履行を強制されるのに対し,その債権については割合的な満足しか受けられないのは当事者間の衡平を欠くため,相手方の地位を保障しようとした点にあると考える。
 このような制度趣旨から,まず手続としては,破産管財人が履行請求をするにあたっては,裁判所の許可が必要である(同法78条2項9号)。これは,破産管財人の履行請求により,当事者間の衡平が害されないかを,裁判所により判断させるためである。次に,効果としては,D社の機会αの引渡請求権の完全な履行まで確保されて,はじめて当事者間の衡平が保たれるといえるから,これが財団債権として扱われることとなる(同法148条1項7号)。
 3 小問⑶
 Xが機械αをD社に売却したことは「払渡し」にあたるため,この売却の前に機械αについて差押え等を行っていないB社は,小問⑴のように別除権を行使し,あるいは別除権者として物上代位権を行使することができない(民法304条1項ただし書)。そこで,別除権による優先的な債権の回収ができなくなったB社が,A社の破産財団からなお優先的に弁済を受けることができるか,すなわち,B社のA社に対する1000万円の債権を財団債権として扱うことができるかが問題となる。
 B社としては,上記債権が破産法148条1項4号に基づいて財団債権として扱われると主張する。B者側からは,上記債権は,本来B社がA社から優先的に回収し得た売買契約に基づく1000万円の代金支払請求権が,XがD社に機械αを売却したことにより行使し得なくなったのであるから,不法行為に基づく損害賠償請求権(民法709条)に転化し,「破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権」にあたるとの主張が考えられる。これによれば,上記債権は,A社の破産手続において財団債権として扱われるから,優先的に弁済を受けることができる。
 これに対して,Xからは,XがD社に機械αを売却したことは,不法行為を構成しないとの反論が考えられる。そこでこの点について検討すると,破産管財人は破産財団に属する動産を配当の原資とすべく換価する地位にあるから,D社への機会αの売却もXの破産管財人としての権限に基づくものである。そして,物上代位権を行使するためには,代金回収前に差押えが必要であることからすると(民法304条1項ただし書),法はもともと同一の動産に対して競合する場面を想定した上で,その優劣を定めているのであるから,XがD社に機械αを売却しても,それが直ちにB社の権利を侵害したものとは評価されない。したがって,Xが機械αをD社に売却した行為は,B社との関係で不法行為を構成しない。
 よって,B社は,A社の破産財団から優先的に弁済を受けることができない。
第2 設問2
 C社が相殺しようとしている債権のうち,A社のC社に対する剰余金返還債権は,譲渡担保権を実行して被担保債権を満足させてもなお剰余金が発生することを停止条件とする債権であると考えられる。本件では,A社の破産手続開始後にC社がE社に機械βを売却したことにより,C社のA社に対する2000万円の債権の満足を受けた上で剰余金400万円が生じているため,破産手続開始後に停止条件が成就した場合の相殺の可否が問題となる。
 まず,両債権が相殺適状にあるかについて検討すると,自働債権である本件貸付金債権は,破産手続開始決定により現在化するため(破産法103条3項),弁済期が到来している。一方で,受働債権である剰余金返還債権については,破産法67条2項後段が,条件付債務についても相殺を可能としているから,停止条件付債務について,破産手続開始後に停止条件が成就した場合でも相殺は可能であるとも考えられる。
 これに対して,Xは,同法71条1項1号は破産手続開始後の債務負担について相殺禁止としているところ,破産手続開始後に停止条件が成就した場合には,破産手続開始後の債務負担とも考えられるため,同号によって相殺が禁止されると反論する。
 そこで,破産手続開始後に受働債権の停止条件が成就した場合の相殺の可否について検討すると,法67条2項後段の趣旨は,停止条件付債務に対応する債権を受働債権とし,破産債権を自働債権とする相殺の担保的機能に対して有する期待を保護しようとする点にあり,相殺権の行使に何らの限定も加えていない。そして,破産手続においては,破産債権者による相殺権の行使時期について制限が設けられていない。したがって,破産債権者は,破産手続開始後に停止条件が成就したときであっても,相殺権の濫用にあたるなどの特段の事情のない限り,相殺することが可能である。
 これを本件についてみると,剰余金400万円の発生はCにとっては期待していなかったものであって,その分相殺の担保的機能に対する期待は減少しているとも考えられる。しかし,譲渡担保権に基づく清算が行われた場合に剰余金が生じたときにはこれを返還しなければならない関係にあることは予め当事者において理解されているところである。また,動産の売却代金は,不動産の場合と異なり,客観的な価格基準を設けることが困難である場合が多いことから,交渉力によっては高額での売却が可能となることも十分に想定し得るところである。したがって,剰余金400万円が発生し,停止条件が成就することも,当事者の期待には外れても,法の想定する域を出ないと考えられるから,これを受働債権として相殺をすることが相殺権の濫用にあたることはない。
 よって,C社は,剰余金返還債権と本件貸付金債権とを相殺することができる。
以 上



2018-12-31(Mon)

【旧司】民事訴訟法平成21年第1問

こうなったらヤケクソです。

もう1通書きます。

≪問題≫
 Xは,自転車に乗って道路を横断中,Yが運転する乗用車と接触して転倒し負傷したために,3000万円の損害を被ったと主張して,Yに対し,3000万円のうちの2000万円の損害賠償を求める訴えを提起した。この訴訟において,Yは,請求棄却を求め,事故の原因は急いでいたために赤信号を無視したXにあると主張した。裁判所は,事故はYの過失によって発生したものであり,Xの被った全損害の損害額は2500万円であるが,整備不良のためにブレーキがきかないまま自転車を運転し赤信号の道路に飛び出したXにも5割の過失があると認めた。
 裁判所は,どのような判決をすべきか。

職権による過失相殺です。

いつまでたってもよく分かりません。

あと外側説とかの話です。

≪答案≫
1 本件の訴訟物は,XのYに対する不法行為に基づく損害賠償請求権であるところ,裁判所は,Yの過失を認め,Xの被った全損害の損害額は2500万円であると考えている。そこでまず,裁判所が2500万円の請求認容判決をすることが考えられるので,これをすることができるか検討する。
 一個の債権の数量的な一部の請求(以下「一部請求」という。)は,民事訴訟において処分権主義(訴訟の開始,終了,訴訟物の設定を当事者の権能かつ責任とする建前をいう。)が妥当することから,認められる。この原則からすると,一部請求における訴訟物は,その数量的一部の範囲に限られるとも思えるが,何ら明示がなく訴訟物の範囲が限定されると,後に数量的な残部に係る請求(以下「残部請求」という。)がされた際に被告にとって不意打ちとなる可能性がある。そこで,一部請求における訴訟物は,それが一個の債権の数量的な一部であることが明示されている場合には,その一部に限定される。
 これを本件についてみると,Xは,3000万円のうちの2000万円であるとしてYに対して損害賠償を求める訴えを提起しているから,3000万円の損害賠償請求権という一個の債権の数量的な一部であることが明示されていると考えられる。したがって,この場合には,訴訟物は2000万円の部分に限られることとなる。
 そして,裁判所は,「当事者が申し立てていない事項」,すなわち訴訟物以外の事項について「判決することができない」から(民訴法246条),裁判所は,2000万円を限度としてしか認容判決をすることができない。したがって,本件において,裁判所は2500万円を認容する旨の判決をすることができない。そこで,裁判所としては,2500万円の心証であれば,2000万円の判決をすべきこととなる。
2 もっとも,本件で裁判所は,以上に加え,Xにも5割の過失があると認めており,過失相殺が問題となる。
 ⑴ア 本件では,Y側から事故の原因はXが赤信号を無視したことにある旨の主張がされているが,これにより過失相殺を行うべきことまでの主張はされていない。そこで,裁判所が当事者からの主張なしに過失相殺をすることができるか,弁論主義の適用との関係で問題となる。
  イ 弁論主義とは,裁判資料の収集及び提出を当事者の権能かつ責任とする建前をいい,特定の法律効果の発生や消滅が問題となる場合において,その判断に必要な事実上の主張がないときに,いずれの当事者の不利益に帰せしめるかの問題である。そうすると,過失相殺はそれによって損害賠償請求額の減額という法律効果の一部消滅を導く抗弁であるから,弁論主義の適用があり,裁判所が過失相殺の認定をするには当事者による過失相殺の主張が必要となるようにも思える。
 しかし,過失相殺は,損害賠償制度の趣旨である公平の原則と,債権関係の一般原則である信義則の表れであり,当事者の主張の有無によって過失相殺の適否が左右されるとすると,これらの原則に悖ることとなる。したがって,過失相殺は権利抗弁ではないと考えるべきであり,裁判所は当事者が過失相殺の主張をしていなくとも,これを適用することができる。(※1)(※2)
 もっとも,過失を基礎づける事実については当事者による主張・立証が必要である。過失相殺が抗弁として機能する以上は,その基礎となる事実については,弁論主義が妥当するからである。
  ウ これを本件についてみると,Yは,責任原因としての過失を争う趣旨において,Xの赤信号無視による道路進入を主張しているところ,裁判所の認定も,Xが赤信号で道路に飛び出したとするものである。そうすると,Xの行為が事故発生に寄与したことを主張する点では共通しており,これに関する事実が当事者の主張によって弁論に現れている以上,裁判所が事実を認定する際,弁論主義に反しない。そして,過失を基礎づける事実が主張・立証されている以上,過失相殺の主張なくして裁判所はこれを適用することができる。したがって,裁判所は,心証を得た通り,5割の過失相殺を行うことができる。
 ⑵ それでは,過失相殺はどの範囲で行われるべきか。前記のように訴訟物を一部請求の部分に限定したことからすれば,2000万円から5割を減額して1000万円を認容する判決をすべきようにも思われる。
 しかし,一部請求は,試験訴訟や相殺による減額を考慮した結果の少なくともこの範囲であれば認められるであろうという原告の期待のもとされるものであるから,裁判所が債権額をこれよりも大きいものと認定したときには,その全額から控除することが原告の意思に合致する。そして,減額の結果,残額が原告の訴求額よりも大きければ原告の請求を全部認容し,少なければその範囲で一部認容をすることとなる。
 本件では,裁判所はXの全損害の損害額を2500万円であると認定しているから,これから5割を減額し,1250万円の範囲でXはYに請求することが可能となる。そして,これはXの請求額である2000万円を下回るものであるから,裁判所は1250万円の限度でXの請求を認容する判決をすべきである。
以 上

(※1)最判昭和43年12月24日の調査官解説では,債務不履行に基づく損害賠償請求における職権での過失相殺を肯定する論拠として,「その趣旨とするところは,債務不履行における過失相殺が,損害賠償制度を指導する公平の原則と債権関係を支配する信義則の一顕現であり,社会生活を支配する協同精神が適用される場であることに鑑み,裁判所は,当事者の主張がなくても,職権で過失相殺をすることができるとしたのであろう」ということを挙げている。この理由付けが,債務不履行類型に着目したものではなく,損害賠償制度一般に着目したものであれば,不法行為に基づく損害賠償請求にも同様の理由づけが妥当するものと考えられる。
(※2)この考え方を推し進めると,過失相殺の判断は職権探知主義が妥当し,過失を基礎づける事実まで当事者による主張・立証が不要になるという考えにも至るような気がしますが,そうなると裁判所が損害賠償請求訴訟が提起されるたびに過失を基礎づける事実を探知することとなり不都合というか,やってらんないという話になりそうなので,あくまで過失の評価根拠事実の主張・立証は当事者に任せるぞ,くらいの利益衡量が働いているという認識でいます。間違っていたらすいません。教えてください。
(※3)藤田広美『解析民事訴訟[第2版]』413頁では,「設例の事案においては,Yは,責任原因としての過失を争う趣旨において,『Xの赤信号無視による道路進入』を主張したところ,裁判所の認定も,Xが『赤信号で道路に飛び出した』というところにあります。道路進入の原因が急いでいたこと(Yの主張)によるのか自転車の整備不良(裁判所の認定)によるものかという相違があるにすぎません。そうだとすると,Xの行為が事故発生に寄与したことを主張する点において共通しており,かかる事実が当事者の主張によって弁論に現れている以上,弁論主義違反の問題は生じません。」とされている。しかし,規範的要件における主要事実について,例えば三木浩一ほか『LEGAL QUEST 民事訴訟法第2版』では,「かつては要件事実と主要事実は明瞭に区別されず,過失それ自体が当然に主要事実であると扱われていた。しかし,そうすると,脇見運転や整備不良などの具体的な事実は,過失の存否を推認させる事実としての間接事実ということになり,仮に当事者双方が脇見運転の有無のみについて攻防を展開していたとしても,主張原則の対象は主要事実に限られるとの見解をとれば,裁判所は当事者が主張していない整備不良を認定してもよいことになって,当事者にとって不意打ちの危険が生じる。」とし,これによれば,本問では,「急いでいて赤信号を無視したこと」と「整備不良によって赤信号を無視したこと」とでは主要事実を異にするのではないかと考えられる。しかし,今はそんなことを考えていると年を越してしまうのである。



2018-12-30(Sun)

【旧司】民事訴訟法平成20年第2問

さて,世の中は大晦日です。

2018年も終わってしまいます。

こんな年の暮れはたいてい故郷で過ごすものです。

ローの同級生もほとんどの人たちが実家に帰ったようで,

自習室も研究室もしーんとしています。

という状況を把握しているということは,

私はまだローに残っているということです。

しーんとした研究室で民訴の答案を書きました。

何が好きで年の暮れに民訴の答案なんか書いてるんでしょうかね。

≪問題≫
 債権者Xの保証人Yに対する保証債務履行請求訴訟に,主債務者Zは,Yを補助するため参加した。
1 第一審でY敗訴の判決が言い渡され,その判決書の正本が平成20年7月3日にYに,同月5日にZに,それぞれ送達された。Yはこの判決に対して何もしなかったが,Zは同月18日に控訴状を第一審裁判所に提出した。この控訴は適法か。
2 Y敗訴の判決が確定した後,Yは,Zに対し,求償権請求の訴えを提起した。
  仮に,Yが,主債務の存在を疑わしめる重要な証拠であってZの知らないものを所持していたにもかかわらず,XY間の訴訟において,その証拠の提出を怠っていた事実が判明した場合,Zは,YZ間の訴訟において,主債務の存在を争うことができるか。

久々に旧司を解きました。

この年は補助参加まわりの論点を重点的に聞いてきています。

キモいですね。

参加的効力とかたぶん一生理解できないまま死んでいくんじゃないかと思います。

幸い今回はそこまで込み入った話は出てきません。

たぶん。。。

≪答案≫
第1 設問1
 1 本問におけるZのする控訴(民訴法281条1項。以下「本件控訴」という。)は適法か。Zは,XY間訴訟のYを被参加人とする補助参加人(同法42条)であるところ,補助参加人がそもそも控訴をすることができるかにつき,同法45条1項本文はこれをすることができる旨規定している。
 2⑴ それでは,本件控訴は,控訴の要件を満たすか。控訴は,「判決書……の送達を受けた日から二週間の不変期間内に提起しなければならない」とされているところ(同法285条),Yに判決正本が送達された日を基準とすると,控訴期間は平成20年7月17日までであって,同月18日にした本件控訴は不適法となるが,Zを基準とすれば未だ控訴期間内である。そこで,補助参加人の控訴期間の起算点がいつからであるかが問題となる。
  ⑵ この点について,同法45条1項本文の規定する補助参加人の独立性から,補助参加人が自己の名と費用で訴訟に参加する地位にあることに鑑み,補助参加人の控訴期間は,被参加人のそれとは別個に計算すべきであるとする見解がある。これによれば,補助参加人の控訴期間は,補助参加人の受送達日を基準として計算することとなる。たしかに,補助参加人にも被参加人とは別個の期日呼出状や判決書が送達されることから,補助参加人が被参加人への送達がいつあったかを必ずしも知ることはできないため,補助参加人の保護の観点からは妥当であるようにも思われる。
 しかし,同法45条1項ただし書及び同条2項は,補助参加人の従属性について規定している。すなわち,補助参加制度は,そもそも被参加者とその相手方との間における請求を前提として,補助参加人が非当事者として介入,干渉する訴訟形態にすぎない。したがって,補助参加人の地位は,あくまで,当事者たる被参加人に従属するものにすぎない。このような補助参加制度に照らせば,補助参加人の独立性は,基本的前提である従属性を害しない程度においてしか認められないと考える。そうすると,補助参加人は,被参加人のなし得ない行為はもはやできないのであるから,補助参加人の控訴期間は,被参加人の受送達日を基準として計算すべきである。
 このように考えたとしても,補助参加人は,自ら独立に判決の送達を受けている以上,速やかに裁判所に対して被参加人に対する送達時期を確認した上で,直ちに自ら控訴すべきであるといえるから,反対説の批判はあたらない。
  ⑶ これを本件についてみると,Zが控訴を提起したのは,Yの受送達日から二週間が経過した後であるから,Zの控訴は,控訴期間経過後のものである。
 3 したがって,本件控訴は不適法である。
第2 設問2
 1 XY間訴訟においてY敗訴の判決が確定した後に,Zは,YZ間訴訟において,主債務の存在を争うことができるか。
 まず,YZ間訴訟が前訴確定判決の既判力に抵触しないかにつき検討すると,前訴の訴訟物はXのYに対する保証契約に基づく保証債務履行請求権である。主債務と保証債務は別個の債務であって,主債務の存否は理由中の判断であるから,「主文に包含するもの」(民訴法114条1項)にあたらない。また,Zは前訴当事者ではなく(同法115条1項1号),その他の拡張事由(同項2号以下)にもあたらないため,前訴既判力は,YZ間訴訟には及ばない。
 2⑴ そうだとしても,Zは,XY間訴訟に補助参加していたのであるから,その「効力」(同法46条柱書)が及ばないか。「効力」の意義が問題となる。
  ⑵ 同条柱書の趣旨は,補助参加人が被参加人に協力して訴訟追行したにもかかわらず,被参加者が敗訴した場合にその責任を共同分担すべきとの衡平の原則を定めた点にある。そして,補助参加は,他人間の訴訟の理由中の判断により事実上影響を受ける者にも認められると考えることから,その「効力」も判決主文中のみならず,理由中の判断にも及ぶと考えるべきである。そこで,「効力」とは,被参加人が敗訴した場合に,判決理由中の判断を含めて,補助参加人が被参加人に対してその判決が不当であると主張することを禁ずる効力をいう。
  ⑶ これを本件についてみると,保証債務履行請求においては,その請求原因において,主債務が存在することが要求されるから,これが認容された場合には,判決理由中において主債務が存在することが示される。したがって,XY間訴訟の判決理由中にもZのXに対する主債務が存在することが示されているから,当該訴訟に補助参加していたZにもその効力が及び,Zは後訴において主債務のら存否を争うことができないのが原則である。
 3⑴ しかし,本件では,Yが,前訴において,重要な証拠(以下「本件証拠」という。)の提出を怠っていた事実が判明している。このような場合には,同法46条4号の適用により,「効力」がZに及ぶことを否定することができないか。
  ⑵ Yが所持していた証拠は,Zの知らないものであって,Zがこれを代わりに提出することはできないから,この証拠の提出は「補助参加人のすることができない訴訟行為」である。
 それでは,Yが本件証拠の提出を怠ったことが「過失」にあたるか。上記の「効力」が及ぶ趣旨に照らすと,被参加人の訴訟活動が稚拙な場合には,敗訴の責任を補助参加人に分担させるのは衡平の観点から妥当ではない。したがって,このような場合には,補助参加人に「効力」を及ぼすべきではなく,被参加人に「過失」があったというべきである。これを本件についてみると,Yは,主債務の存在が否定されれば,自己の保証債務の存在も否定されることになるから,主債務の存在を疑わしめる重要な証拠は,本来Yが積極的に提出すべきものである。それにもかかわらず,Yがその証拠の存在を知りながら,これを提出することを怠った場合には,「過失」があるというべきである。
  ⑶ したがって,Yが本件証拠を提出しなかったことは,民訴法46条4号に該当するから,Zに対して前訴の「効力」は及ばない。
 4 よって,Zは,YZ間の訴訟において,主債務の存在を争うことができる。
以 上




2018-12-30(Sun)

【事例研究行政法】第1部問題6

いやー年末ですねー。

もう2018年も終わりですねーー。

1年経つの早いですねーーー。

そういえば,先日期末試験が終わり,同時にロー生活が終了しました。

なんかあっという間でしたね。

このあいだ入学したばっかりだと思っていたんですがね。

なんか,ローでは全体的にだらだらしていた気がします。

もう少しいろいろ学ぶ姿勢をもって過ごせばよかったですね。

入学前よりも劣化したんじゃないかと思うくらいです。

その劣化の埋め合わせに行政法の答案を書きます。

今回ので事例研究行政の第1部は全部書いたことになります。

頑張った頑張った。

≪問題≫
 A社は,化工でん粉の製造販売等を目的とする株式会社である。A社は,2008年5月23日から2015年3月9日の間,甲農政事務所から事故米殻約236t(玄米重量)を購入した。事故米殻とは,WTO協定に基づく輸入米のうち輸入後の国内残留農薬基準の見直しによって基準値を超えることが判明した米殻等,および,倉庫に保管中に水濡れ等の被害を受けたりカビが生えたりした米殻をいう。本件で問題となった米殻は,メタミドホス等の農薬やアフラトキシンのようなカビ毒に汚染されたものではなく,一般のカビ,袋破れ等によって事故米殻とされたものであった。A社は,この事故米殻のうち,2008年5月23日から2012年8月10日に購入した約233t(以下「本件事故米殻」という)について,2008年5月25日から2012年8月20日の間に,加工用米殻(食用)と区分管理することなく米でん粉に加工し,当該米でん粉(以下「本件米でん粉」という)を食用と非食用の区別をせずに販売した。
 2013年8月下旬頃,大手食品会社であるC社が自己米殻を食用に販売している旨の内部告発を受けて,農林水産省が同社に立ち入り調査を実施し,その事実を確認して公表したことにより,事故米殻の食用としての不正流通が大きな社会問題となった。このような中で,農林水産省は,事故米殻の流通に関する全国一斉点検を実施することとし,同年9月8日,一斉点検の対象となる業者名を公表したが,その中にA社も含まれていた。これに対し,A社は,同日付けで,A社の取引先に対し,「弊社で製造しております食品向け製品の原料には,食品用の米のみを使用しております。カビ米,基準を超える農薬が検出された米等,非食用の事故米殻は使用しておりません。過去に購入した事故米殻およびその製品は個別に管理しており,その製品は食品産業以外のお客様に限定して販売しております」との内容を記載した文書を送付した。しかしながら,A社に対して甲県乙地方保健所が実施した調査の結果,A社も本件事故米殻を使用して本件米でん粉を製造していたことが判明した。そこでA社は,甲県乙地方保健所長に立会いの下に,「A社は,この事故米殻のうち,2008年5月23日から2012年8月10日に購入した約233tについて,2008年5月25日から2012年8月20日の間に,加工用米殻(食用)と区分管理することなく米でん粉に加工し,当該米でん粉を食用と非食用の区別をせずに販売した」との事実を確認した旨の確認書に記名押印し,保健所長に提出した。このときA社の代表は,保健所長に対して,「このたびは違反を犯して申し訳ありません。深く反省し,いかなる処分も甘んじて受けます」と伝えていた。
 甲県乙地方保健所長(同保健所長は,甲県事務委任規則により,食品衛生法54条の規定に基づく知事の権限に属する事務の委任を受けている)は,2013年9月17日付けで,A社に対し,「食品衛生法第6条に違反したので,同法第54条の規定により下記のとおり処置することを命じます」として,下記「違反の内容」について,下記「処置事項」を命じる処分をした(以下「本件処分」という)。なお,A社が違反事実を認めていたので,保健所長は,A社に改めて意見を聞くまでもないと判断し,処分に先立っての事前手続はとっていなかった。

「1 違反の内容」
 貴社は,カビの発生等による非食用の事故米殻を原料として米でん粉を製造し,食用と非食用の区別をせずに販売した。製造期間:2008年5月25日から2012年8月20日まで。
「2 処置事項」
⑴ 販売済みの上記1の米でん粉を回収すること。
 (販売先で非食用として使用されることが確実なものは除く。)
⑵ 回収方法及び回収品の処分方法についての計画書を提出すること。
⑶ 回収後,回収結果を速やかに報告すること。

 A社は,甲農政事務所から本件事故米殻を購入するに際して,食用には用いないとの約束をしており,本件事故米殻を使用して本件米でん粉を製造販売したことは,たしかにこの約束に違反する行為であった。しかしA社としては,農政事務所との約束違反が直ちに食品衛生法違反になるとは考えていなかった。というのは,A社の理解によれば,食品衛生法6条は,「人の健康を損なうおそれのあるもの」の販売を禁止しているが,A社が製造販売した本件米でん粉は安全性が確認されているものであるからである。そこで,A社は,本件処分の違法性を訴訟で争おうと考えて,2013年11月1日に,知り合いの弁護士Pが勤務している弁護士事務所を訪問した(その時の会話の一部については,【資料1】を参照せよ)。

〔設問〕
1.本件処分の違法性を争う訴訟として,誰を被告として,いかにる訴訟を提起すべきか。あなたが,A社の依頼を受けて本件を担当する弁護士Qであるとして答えよ。ただし,仮の救済については検討しなくても良い。訴訟要件などで問題となる点があれば,その点についても説明せよ。
2.設問1で検討した訴訟において,本件処分の違法性として,いかなる主張をすべきか。あなたが,弁護士Qであるとして答えよ。被告による反論も想定しつつ,できるだけ詳しく述べよ。

【資料】略

設問1は提起する訴訟類型についてですね。

訴訟要件について問題になるところは何もないような気がしますが。

解説にも問題ないって書いてありますし。

じゃあ聞くなよっていう感じですね。

こういうフェイントをかけてくる姿勢を見ても,

公法系の先生って性格悪いなと思いますね。(19日ぶり2回目)

設問2は,うん,まぁ,特に……。

≪答案≫
第1 設問1
 1 A社としては,本件処分の取消訴訟(行訴法3条2項)を提起する。
 2⑴ 本件処分は,「行政庁」たる甲県乙地方保健所長が,A社を「名あて人として」,本件米でん粉を回収する「義務を課」すものであるから,「不利益処分」にあたり(行手法2条4号本文),「処分」である。
  ⑵ 「法律上の利益を有する者」(行訴法9条1項)とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう。A社は本件処分の相手方であって,これにより本件米でん粉を販売する権利を侵害されるから,「法律上の利益を有する者」にあたり,原告適格を満たす。
  ⑶ 保健所長は,甲県に所属する行政庁であるから,甲県に被告適格がある(行訴法11条1項1号)。
  ⑷ 管轄に関しては,甲県の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所に属する(行訴法12条1項)。
  ⑸ 本件処分がされたのは2013年9月17日であり,A社が弁護士事務所を訪問したのは同年11月1日であるから,未だ「処分……があつたことを知つた日から六箇月を経過」していおらず,出訴期間内である(行訴法14条)。
  ⑹ また,本件処分に関して,審査請求を前置すべきとする規定はない。
 3 以上から,A社は,適法に本件処分の取消訴訟を提起することができる。
第2 設問2
 1 手続的瑕疵
  ⑴ 本件処分は,上記のように「不利益処分」であり,行手法13条1項1号に掲げる事由は存しないから,「弁明の機会の付与」が必要となる(同項2号)。しかし,本件処分にあたり,保健所長は,処分に先立つ事前手続きをとっていないから,「弁明の機会が付与」がされていない。したがって,本件処分は,行手法13条1項2号に違反する瑕疵がある。
 これに対して,甲県側からは,保健所長が弁明の機会の付与を行わなかったのは,A社が当初から違反事実を認めていたため,改めて弁明の機会を付与する必要がないと判断したためであると反論する。しかし,弁明手続は,行政庁が行うことを予定している不利益処分の内容等の提示を受けた上で(行手法30条),これに対する弁明を行わせるものである。そうすると,たとえ処分の相手方が違反事実を認めていても,処分の内容等を提示して,相手方に処分の内容等について吟味し争う機会を与えなければならない。したがって,A社が違反事実を従前認めていたことをもって弁明手続きを省略することは許されないから,本件処分には,行手法13条1項2号違反の瑕疵がある。
  ⑵ また,「不利益処分」を行うには,その「理由を示さなければならない」(行手法14条1項本文)。行手法14条1項本文が,不利益処分をする場合に同時にその理由を名あて人に示さなければならないとしているのは,名あて人に直接に義務を課し又はその権利を制限するという不利益処分の性質に鑑み,行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに,処分の理由を名あて人に知らせて不服の申立ての便宜を与える趣旨に出たものである。そして,同項本文に基づいて,どの程度の理由を提示すべきかは,上記のような同項本文の趣旨に照らし,当該処分の根拠法令の規定内容,当該処分に係る処分基準の存否及び内容並びに公表の有無,当該処分の性質及び内容,当該処分の原因となる事実関係の内容等を総合考慮してこれを決定すべきである。(※1)
 甲県側としては,「違反の内容」から,A社が本件事故米殻から本件米でん粉を製造したことに対する処分であることが分かるから,理由の提示として十分であると主張することが予想される。しかし,食品衛生法(以下「法」という。)6条は,「販売」する行為と,「販売の用に供するために,採取」する等の行為を別に禁止し,また禁止される食品等について各号に掲げている。そうすると,法54条に基づく「必要な措置をとることを命ずる」に際して同時に示されるべき理由としては,処分の根拠法条として法6条のうちどの文言を適用したかを明らかにしなければ,いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用したのかを知ることは困難であるのが通例であると考えられる。(※2)そこで,これを本件処分についてみると,「違反の内容」に示された事実からでは,処分の対象となる事実並びに対象となる食品等が何であり,それが法6条各号のいずれに該当するかが法6条の規定に沿って示されたとはいえず,A社において,いかなる理由に基づいていかなる食品当を対象として本件処分がなされたかを知ることはできないものといわざるを得ない。したがって,このような本件の事情の下においては,行手法14条1項本文の趣旨に照らし,同項本文の要求する理由提示としては十分でないといわなければならず,本件処分はこれに違反する瑕疵がある。
  ⑶ そして,行手法は,適正手続によってのみ処分を受けるという意味での手続的権利を保障するものであるから,これに違反する処分は,国民の権利侵害であって,当然に違法となる。
 2 実体的瑕疵
  ⑴ 法6条前段について
 法6条前段は,各号に掲げる食品等について「人の健康を損なうおそれ」があるものに限定して,その販売を禁止している。しかし,本件米でん粉は,その製造過程に照らしても,実際の現地調査に照らしても,安全性が確認されており,人の健康を損なうおそれがない。したがって,本件米でん粉を販売したことは,法6条前段に抵触せず,この点で本件処分は法6条前段の解釈適用を誤った違法がある。
  ⑵ 法6条後段について
   ア 法6条後段は,前段と同様の食品等について,販売目的で採取等をすることを禁止している。A社としては,本件事故米殻は,メタミドホス等の農薬やアフラトキシンのようなカビ毒に汚染されたものではなく,一般のカビ,袋破れ等によって事故米殻とされたものであるから,人の健康を損なうおそれのあるものではないとの主張をすることが考えられる。
 しかし,甲県としては,法が国民の健康の保護を図ることを目的としている見地からすると(法1条),法6条各号に掲げる「人の健康を損なうおそれ」があるか否かは厳格に解釈すべきであり,一般のカビであっても,それによって人の健康を損なうおそれが抽象的にでも存在することをもって,同要件を満たすと反論する。
   イ そこで,A社としては,本件処分は比例原則に反し違法であると主張する。本件米でん粉は,化工する際に汚れ等も取り除いて製品として安全なものを製造販売しているので,当該製品を回収する必要性は高くない。また,本件米でん粉による実害が明らかとなっていないにもかかわらず,販売済みの本件米でん粉を回収させるとすると,A社に多大な損害を被らせることとなる。したがって,本件処分は,その必要性に比してA社の受ける権利侵害の程度が過大であって違法である。
 これに対して,甲県としては,法6条後段の趣旨は,実害発生の危険が切迫していない段階での準備行為をも禁止することにあり,本件処分をする必要性を検討する余地はないと反論することが想定される。しかし,行政行為としての処分である以上,一般原則としての比例原則から適用が除外されることはないから,この反論は認められない。
   ウ 以上から,本件処分は,法6条前段の解釈適用を誤っている点及び法6条後段の適用に際して比例原則に違反している点で瑕疵がある。
以 上

(※1)最判平成23年6月7日の判示をほぼそのまま引用しただけなので,答案上は短縮して記載すべき。「行手法14条1項本文の趣旨は,行政庁の恣意的判断を抑制するとともに被処分者の不服申し立ての便宜を図ることにあるから,理由提示の程度は,当該処分の根拠法令の規定内容,当該処分に係る処分基準の存否及び内容並びに公表の有無,当該処分の性質及び内容,当該処分の原因となる事実関係の内容等を総合考慮してこれを決定すべき。」くらいか。これでも長い気がする。もっといい書き方があったら教えてください。
(※2)最判平成23年6月7日の判示に沿って書くと,一旦当該処分の根拠法令等から処分に際して提示すべき理由の程度に関する基準を立て,そのあとで本件処分はその基準を満たしているかという当てはめの仕方になると思われる。だから,いわゆる答案としての「あてはめ」の中にさらに具体的な法令における規範的なものとしての基準とさらにそれへのあてはめの2つが入り込む形になるのか。ただ,これをいちいち答案に書いていると長くなりすぎる気がする。



2018-12-14(Fri)

【暫定版】2019年3月JRグループ春のダイヤ改正まとめ

本日,JR各社から,2019年3月16日に実施される,

春の一斉ダイヤ改正の概要が発表されました。

この記事では,各社の改正概要をまとめます。

■新幹線■
●東北・北海道系統●
▼青函トンネル内最高速度引き上げ
・青函トンネル内の最高速度を現行の140km/hから160km/hへ引き上げ
・これにより,東京~新函館北斗間の到達時分が最速3時間58分,新青森~新函館北斗が最速57分に短縮

(参考:新青森~新函館北斗最速達列車)
【下り】
はやぶさ95号 仙台6:40→新青森9:04→新函館北斗10:01
はやぶさ5号 東京8:20→新青森11:21→新函館北斗12:18
はやぶさ11号 東京9:36→新青森12:37→新函館北斗13:34
はやぶさ25号 東京14:20→新青森17:31→新函館北斗18:28
はやぶさ37号 東京19:20→新青森22:32→新函館北斗23:29
【上り】
はやぶさ12号 新函館北斗7:38→新青森8:35→東京12:04
はやぶさ18号 新函館北斗10:53→新青森11:50→東京15:04
はやぶさ28号 新函館北斗13:39→新青森14:35→東京18:04
はやぶさ38号 新函館北斗17:25→新青森16:22→東京21:23
はやぶさ96号 新函館北斗19:41→新青森20:38→仙台23:01

▼一部「はやて」を「はやぶさ」へ変更
・「はやて119号」(東京7:16→盛岡10:11)にE5系を投入し「はやぶさ101号」(東京7:16→盛岡10:01)として運転
▼盛岡発着レールゴー・サービス終了
・盛岡発着の新幹線レールゴー・サービスは,取扱終了

●上越・北陸系統●
▼E7系投入
・下記列車にE7系を投入
・これに伴い,E7系運転列車はグランクラスを導入

(参考)
【下り】
とき309号 東京8:52→新潟11:11
とき315号 東京10:16→新潟12:24
とき327号 東京15:16→新潟17:04
たにがわ413号 東京19:12→越後湯沢20:42
とき347号 東京20:24→新潟22:36
【上り】
たにがわ402号 越後湯沢7:08→東京8:40
とき308号 新潟7:49→東京10:04
とき320号 新潟12:35→東京14:44
とき336号 新潟16:56→東京19:00
とき342号 新潟18:12→東京20:12

▼新潟駅乗換関係
・新幹線「とき」と接続するすべての特急「いなほ」が,同一ホームで乗換可能
▼臨時「かがやき」新設
・下記臨時「かがやき537号」を新設

(参考)
かがやき537号 上野18:04→長野19:24→富山20:09→金沢20:29

▼「はくたか571号」自由席拡大
・「はくたか571号」は,5号車を指定席から自由席に変更
・5号車を指定席で設定する日あり

●東海道・山陽・九州系統●
▼所要時間短縮
・日中の「のぞみ」70本が東京~新大阪で所要時間を3分短縮

(参考1:博多終着・博多始発)
【下り】
のぞみ19号 東京9:10→博多14:07
のぞみ23号 東京10:10→博多15:07
のぞみ27号 東京11:10→博多16:07
のぞみ31号 東京12:10→博多17:07
のぞみ35号 東京13:10→博多18:07
のぞみ39号 東京14:10→博多19:07
のぞみ43号 東京15:10→博多20:07
のぞみ47号 東京16:10→博多21:07
のぞみ53号 東京17:10→博多22:07
【上り】
のぞみ4号 博多6:36→東京11:33
のぞみ8号 博多7:36→東京12:33
のぞみ14号 博多8:36→東京13:33
のぞみ18号 博多9:36→東京14:33
のぞみ22号 博多10:36→東京15:33
のぞみ26号 博多11:36→東京16:33
のぞみ30号 博多12:36→東京17:33
のぞみ34号 博多13:36→東京18:33
のぞみ38号 博多14:36→東京19:33
のぞみ44号 博多15:36→東京20:33
のぞみ50号 博多16:36→東京21:33
のぞみ56号 博多17:36→東京22:33

(参考2:広島始発)
【上り】
のぞみ108号 広島6:03→東京10:03
のぞみ110号 広島6:22→東京10:23
のぞみ114号 広島7:03→東京11:03
のぞみ116号 広島7:24→東京11:23
のぞみ120号 広島8:06→東京12:03
のぞみ136号 広島16:06→東京20:03
のぞみ138号 広島17:06→東京21:03

(参考3:岡山終着・岡山始発)
【下り】
のぞみ131号 東京20:10→岡山23:28
【上り】
のぞみ122号 岡山8:59→東京12:23

(参考4:新大阪終着・新大阪始発)
【下り】
のぞみ217号 東京9:20→新大阪11:50
のぞみ219号 東京9:40→新大阪12:10
のぞみ223号 東京10:20→新大阪12:50
のぞみ323号 東京10:40→新大阪13:10
のぞみ331号 東京11:20→新大阪13:50
のぞみ335号 東京11:40→新大阪14:10
のぞみ343号 東京12:20→新大阪14:50
のぞみ347号 東京12:40→新大阪15:10
のぞみ355号 東京13:20→新大阪15:50
のぞみ359号 東京13:40→新大阪16:10
のぞみ367号 東京14:20→新大阪16:50
のぞみ371号 東京14:40→新大阪17:10
のぞみ379号 東京15:20→新大阪17:50
のぞみ235号 東京15:40→新大阪18:10
のぞみ239号 東京16:20→新大阪18:50
のぞみ241号 東京16:40→新大阪19:10
のぞみ245号 東京17:20→新大阪19:50
のぞみ247号 東京17:40→新大阪20:10
のぞみ259号 東京20:20→新大阪22:50
のぞみ425号 東京20:40→新大阪23:10
【上り】
のぞみ208号 新大阪7:06→東京9:33
のぞみ214号 新大阪8:06→東京10:33
のぞみ326号 新大阪10:33→東京13:03
のぞみ222号 新大阪10:53→東京13:23
のぞみ338号 新大阪11:33→東京14:03
のぞみ224号 新大阪11:53→東京14:23
のぞみ350号 新大阪12:33→東京15:03
のぞみ226号 新大阪12:53→東京15:23
のぞみ228号 新大阪13:33→東京16:03
のぞみ230号 新大阪13:53→東京16:23
のぞみ372号 新大阪14:33→東京17:03
のぞみ232号 新大阪14:53→東京17:23
のぞみ236号 新大阪15:33→東京18:03
のぞみ238号 新大阪15:53→東京18:23
のぞみ242号 新大阪16:33→東京19:03
のぞみ244号 新大阪16:53→東京19:23
のぞみ248号 新大阪17:53→東京20:23
のぞみ252号 新大阪18:53→東京21:23
のぞみ416号 新大阪19:33→東京22:03
のぞみ254号 新大阪19:53→東京22:23

▼臨時「のぞみ」新設
・下記臨時「のぞみ292号」を新設

(参考)
のぞみ292号 新大阪6:30→東京8:59

▼「みずほ」増発・停車駅変更
・下記「みずほ607号」・「みずほ608号」を増発
・「みずほ609号」は,川内に新規停車
・「みずほ611号」は,久留米に新規停車
・「みずほ602号」は,川内に新規停車
・「みずほ604号」は,久留米に新規停車

(参考1:増発分)
【下り】
みずほ607号 新大阪11:08→博多13:38→鹿児島中央14:58
【上り】
みずほ608号 鹿児島中央16:32→博多17:57→新大阪20:24

(参考2:停車駅変更分)
【下り】
みずほ609号 新大阪16:08→博多18:39→川内19:47→鹿児島中央19:59
みずほ611号 新大阪17:08→博多19:39→久留米19:54→鹿児島中央20:58
【上り】
みずほ602号 鹿児島中央8:00→川内8:13→博多9:24→新大阪11:48
みずほ604号 鹿児島中央9:00→久留米10:04→博多10:20→新大阪12:48



■在来線■
●JR北海道●
▼「はこだてライナー」時刻変更
・「はこだてライナー」の時刻変更により,本州~函館間の所要時間を4~5分短縮
・改正後時刻表は「2019年3月ダイヤ改正について」(2018年12月14日JR北海道発表)別紙1を参照
▼261系追加投入
・261系で運転する特急「スーパー北斗」を拡大
・これに伴い,時刻変更

(参考)
【下り】
スーパー北斗1号 函館6:02→長万部7:29→東室蘭8:24→札幌9:48
スーパー北斗15号 函館14:53→長万部16:25→東室蘭17:17→札幌18:41
【上り】
スーパー北斗10号 札幌10:44→東室蘭12:09→長万部13:02→函館14:27
スーパー北斗24号 札幌20:00→東室蘭21:20→長万部22:14→函館23:38

▼「スーパー北斗23号」停車駅変更
・特急「スーパー北斗23号」の現行南千歳停車を取りやめ千歳に停車
・千歳で手稲行き普通に接続

(参考)
スーパー北斗23号 函館19:54→千歳23:09→札幌23:40

▼「スーパーおおぞら」停車駅変更
・特急「スーパーおおぞら4号」のトマム停車を通年化
・特急「スーパーおおぞら1・7・8号」が追分と新夕張に停車

(参考)
【下り】
スーパーおおぞら1号 札幌6:57→追分7:40→新夕張7:59→釧路10:59
スーパーおおぞら7号 札幌14:16→追分15:01→新夕張15:26→釧路18:39
【上り】
スーパーおおぞら8号 釧路13:39→新夕張16:47→追分17:07→札幌17:56

▼函館本線
・新千歳空港7:34発手稲行きを小樽行きに変更
▼学園都市線
・あいの里公園~北海道医療大学間で12本延長運転
・夜間帯に石狩当別発1本,あいの里公園発2本で札幌行きを増発
▼石勝線
・追分~新夕張間で普通5本の運転取りやめ
・新夕張~夕張間を廃止(2019年3月31日が最終運転日)
▼宗谷本線
・旭川7:52発比布行きを名寄行きに変更
・旭川8:08発名寄行きを比布行きに変更
▼石北本線
・旭川13:19発上川行きの時刻を繰り下げ,特急「ライラック15号」に接続
・旭川15:37発北見行き特別快速「きたみ」の時間を繰り上げ,特急「カムイ17号」に接続
▼根室本線
・直別,尺別,初田牛を廃止

●JR東日本●
▼E353系追加投入
・特急「あずさ」,「かいじ」をE353系で統一
・これに伴い,「スーパーあずさ」の列車名は取りやめ
・停車駅の一部見直しを実施し,所要時間を新宿~松本間で6分短縮
▼「かいじ19号」始発駅変更
・特急「かいじ19号」の始発駅を新宿から東京に変更

(参考)
かいじ19号 東京19:15→甲府21:10→竜王21:15

▼特急「富士回遊」新設
・新宿~河口湖で特急「富士回遊」を新設
・E353系で毎日運転

(参考)
【下り】
富士回遊1号 新宿8:30→河口湖10:22
富士回遊3号 新宿9:30→河口湖11:22
【上り】
富士回遊2号 河口湖15:05→新宿16:58
富士回遊4号 河口湖17:38→新宿19:27

▼特急「はちおうじ」,「おうめ」新設
・東京~八王子で特急「はちおうじ」,東京~青梅で特急「おうめ」を新設
・これに伴い「中央ライナー」と「青梅ライナー」は廃止

(参考1:特急「はちおうじ」)
【下り】
はちおうじ1号 東京18:00→八王子18:54
はちおうじ3号 東京18:30→八王子19:27
はちおうじ5号 東京20:15→八王子21:07
はちおうじ7号 東京21:15→八王子22:07
はちおうじ9号 東京22:15→八王子23:06
はちおうじ11号 東京23:00→八王子23:48
【上り】
はちおうじ2号 八王子6:16→東京7:06
はちおうじ4号 八王子6:48→東京7:42

(参考2:特急「おうめ」)
【下り】
おうめ1号 東京22:30→青梅23:47
【上り】
おうめ2号 青梅6:16→東京7:31

▼中央線特急着席サービス
・特急「あずさ」,「かいじ」,「富士回遊」,「はちおうじ」,「おうめ」に新着席サービスを導入
・普通車のすべの座席で指定可能だが,指定を受けずに空席の利用も可能
・特急料金を改定
・えきねっとチケットレスサービス適用
▼「わかしお21号」運転時刻変更
・特急「わかしお21号」の勝浦停車時分を短縮し,安房鴨川までの到達時分を短縮

(参考)
わかしお21号 東京21:00→勝浦22:28→安房鴨川22:59

▼「つがる5号」時刻変更
・特急「つがる5号」の時刻を変更し,新青森にて新幹線に接続

(参考)
つがる5号 秋田15:52→新青森18:29→青森18:37

▼「しらゆき9号」時刻変更
・特急「しらゆき9号」の時刻を変更し,長岡にて新幹線に接続

(参考)
しらゆき9号 上越妙高20:24→長岡21:29→新潟22:23

▼横須賀線~総武線
・平日,大船7:27発君津行きを増発
・これに伴い,特急「成田エクスプレス9号」は大船始発から新宿始発に変更

(参考)
成田エクスプレス9号 新宿7:28→東京7:55→第2ビル8:58→成田空港9:01

・夕通勤時間帯に東京19:15発・21:18発・23:01発千葉行き3本を増発
・夕通勤時間帯に東京20:47発・22:15発津田沼行き2本を千葉まで延長
・これに伴い「ホームライナー千葉」は廃止
・平日,上総一ノ宮7:17発東京行きの運転区間を大船まで延長
・平日,千葉8:36発東京行きの運転区間を大船まで延長
▼京葉線~武蔵野線
・平日,東京19:32発西船橋行きを増発

(参考)
① 東京19:32→新木場19:42→新浦安19:52→西船橋20:01

・東京20:20発西船橋行きの運転区間を府中本町まで延長
・平日,新習志野19:12発蘇我行き,蘇我19:37発東京行き,蘇我0:27発新習志野行きの運転取りやめ
▼南武線
・平日,17~19時台に川崎発稲城長沼行き4本,18~19時台に登戸発川崎行き4本の快速を運転
▼山手線
・内回り品川行き最終(品川1:19着)を大崎行きに変更
▼中央線~青梅線
・平日,「青梅ライナー」の廃止に伴い,青梅行き,武蔵五日市・高麗川行きの通勤快速を新設

(参考)
【青梅方面】
① 東京18:23→新宿18:38→立川19:08→青梅19:46
② 東京21:22→新宿21:37→立川22:07→青梅22:39
【武蔵五日市・高麗川方面】
① 東京19:25→新宿19:40→立川20:09→武蔵五日市20:50/高麗川20:58

・夜間帯に東京~大月直通列車を増発

(参考)
【下り】
① 東京17:39→新宿17:54→高尾18:53→大月19:29
【上り】
① 大月19:43→高尾20:24→新宿21:21→東京21:35

・立川17:48発松本行き普通の始発駅を豊田17:52発に変更
・立川18:10発甲府行き普通の始発駅を豊田18:15発に変更
・立川21:45発甲府行き普通の始発駅を高尾22:04発に変更
・甲府8:33発立川行き普通の終着駅を高尾行きに変更
・大月~小淵沢間のデータイムの本数を削減
▼八高線
・データイムの運転間隔を変更
・高崎発の一部列車を児玉止まりに変更
・高麗川発の一部列車を小川町止まりに変更
▼両毛線
・高崎14:35発宇都宮行き普通の運転区間を小山までに短縮
・宇都宮17:14発高崎行き普通の運転区間を小山18:00発からに短縮
▼吾妻線
・高崎21:46発長野原草津口行き普通の運転区間を新前橋21:57発からに短縮
▼常磐線
・上野15:13発勝田行きを上野15:12発に変更し,データイムの発車時刻を統一
・上野15:32発水戸行きの運転区間を土浦までに短縮
・上野15:52発土浦行きの運転区間を勝田までに延長
・上野21:24発高萩行きの運転時刻が12分繰り下げ

(参考)
① 上野21:24→水戸23:40→高萩0:27

・水戸22:13発土浦行きの運転を取りやめ
・その他運転区間の変更あり
・広野~木戸間に(臨)「Jヴィレッジ駅」が開業(2019年4月頃)
▼水戸線
・車両をE531系で統一
・小山7:33発水戸行きの運転区間を勝田までに延長
・小山9:33発友部行きの運転区間を下館までに短縮
・小山18:05発友部行きの運転区間を勝田までに延長
・水戸9:35発小山行きの運転区間を下館10:32発からに短縮
・その他運転区間の変更あり
▼水郡線
・水戸17:24発常陸大宮行きの運転取りやめ
・常陸大宮19:24発水戸行きの運転取りやめ
・その他運転区間の変更あり
▼外房線
・千葉20:24発大原行きの運転区間を勝浦まで延長
▼成田線
・成田空港17:30発千葉行きの編成を6両から8両に増強
・千葉16:21発成田空港行きの編成を6両から8両に増強
▼奥羽本線
・青森~新青森・津軽新城を折り返し運転する列車をワンマン運転化
▼釜石線
・快速「はまゆり2号」の運転時刻を変更し,松倉に新規停車

(参考)
はまゆり2号 釜石7:43→松倉7:53→盛岡10:02

▼山田線
・快速「リアス」は区界を通過扱い
▼白新線
・新潟8:05発新発田行きの運転時刻を変更

(参考)
① 新潟8:05→豊栄8:25→新発田8:56

▼陸羽西線
・新庄19:34発余目行き,余目21:28発新庄行きを運転取りやめ
▼小海線
・佐久平8:07発中込行きを,佐久平8:06発に変更し,小海まで延長
▼篠ノ井線
・塩尻6:57発長野行き快速を新設
・これに伴い「おはようライナー」の運転取りやめ
・長野6:55発松本行き,松本20:05発長野行きを211系で運転
・松本20:05発長野行き快速が稲荷山に新規停車
▼大糸線
・(臨)「ヤナバスキー場前」を廃止

●JR東海●
▼東海道本線
・平日,金山始発の快速2本を岡崎始発に変更

(参考)
【下り】
①特快 岡崎17:45→安城17:51→刈谷17:57→米原
②特快 岡崎18:15→安城18:21→刈谷18:27→米原


●JR西日本●
▼「サンダーバード」関係
・下記の特急「サンダーバード」を増発

(参考)
【金沢方面】
サンダーバード43号 大阪19:12→福井21:06→金沢21:53
【大阪方面】
サンダーバード46号 金沢19:05→福井19:52→大阪21:49

・特急「サンダーバード13・17・33・14・20・34号」が敦賀に新規停車
・土曜日に,金沢9:20発大阪行き臨時特急「サンダーバード82号」を運転
・日曜日に,大阪16:12発金沢行き臨時特急「サンダーバード93号」を運転
▼東海道・山陽本線特急関係
・通勤時間帯に特急「らくラクはりま」を新設

(参考)
【下り】
らくラクはりま 大阪19:04→神戸19:31→西明石19:47→姫路20:08
【上り】
らくラクはりま 姫路6:21→西明石6:42→神戸6:58→大阪7:21

・特急「はまかぜ5号」と特急「スーパーはくと13号」が西明石と加古川に追加停車

(参考)
はまかぜ5号 大阪18:04→西明石18:47→加古川18:58→鳥取
スーパーはくと13号 京都19:35→西明石20:47→加古川20:57→鳥取

▼「能登かがり火」関係
・特急「能登かがり火6・8号」の運転時刻を下記のように変更
・特急「能登かがり火3・6号」の編成を3両に短縮

(参考)
能登かがり火6号 和倉温泉12:53→金沢14:05
能登かがり火8号 和倉温泉14:30→金沢15:43

▼「おはようエクスプレス」,「おやすみエクスプレス」運転区間拡大
・特急「おはようエクスプレス」,「おやすみエクスプレス」の運転区間を敦賀~福井間で拡大

(参照)
【金沢方面】
おはようエクスプレス 敦賀6:43→武生7:05→鯖江7:10→金沢8:09
【敦賀方面】
おやすみエクスプレス 金沢21:40→鯖江22:40→武生22:45→敦賀23:07

▼「くろしお」停車駅変更
・特急「くろしお5・9・11・24・28・30号」が日根野に新規停車

(参考)
【白浜方面】
くろしお5号 新大阪9:32→日根野10:15→新宮13:52
くろしお9号 新大阪11:15→日根野11:57→白浜13:38
くろしお11号 新大阪12:15→日根野12:57→新宮16:38
【新大阪方面】
くろしお24号 新宮12:50→日根野16:08→新大阪16:50
くろしお28号 白浜16:21→日根野18:08→新大阪18:50
くろしお30号 新宮15:06→日根野18:37→新大阪19:20

▼東海道・山陽本線新快速「Aシート」
・下記の新快速に有料座席サービス「Aシート」を導入
・リクライニングシート,テーブル付,前席にコンセント設置,無料Wi-Fiサービス利用可能
・車内で乗務員から乗車整理券を購入(事前の購入なし)
・500円

(参考)
【下り・平日】
① 野洲10:59→大阪12:00→姫路13:02
② 野洲20:59→大阪22:00→網干23:16
【上り・平日】
① 網干7:22→大阪8:48→野洲9:49
② 姫路18:10→大阪19:15→野洲20:16
【下り・土休日】
① 野洲11:59→大阪13:00→姫路14:02
② 野洲19:28→大阪20:30→姫路21:34
【上り・土休日】
① 姫路8:40→大阪9:45→野洲10:43
② 姫路16:10→大阪17:15→野洲18:16

▼おおさか東線全線開通
・新大阪~久宝寺間が開業し,既開業の久宝寺~放出と併せて全線開業
・新規開業区間では,「南吹田」,「JR淡路」,「城北公園通」,「JR野江」の4駅が開業
・新大阪~奈良間の直通快速を設定し,新大阪,放出,高井田中央,JR河内永和,久宝寺~奈良の各駅に停車
▼山陰本線
・京都~丹波口間に「梅小路京都西」が開業し,普通のみ停車
・京都7:35発胡麻行きの運転区間を福知山まで延長
・京都8:05発福知山行きの運転区間を胡麻までに短縮
・福知山6:23発京都行きを,福知山6:12発に変更し,運転区間を園部までに短縮
・園部7:25発京都行き普通,園部7:30発京都行き快速を増発
・一部快速「とっとりライナー」を鳥取~倉吉間で普通化

(参考)
【下り】
鳥取10:25→泊11:03→松崎11:09→倉吉11:14
【上り】
倉吉11:46→宝木12:18→鳥取12:38

・一部快速「アクアライナー」を江津~浜田間で普通化

(参考)
【下り】
江津10:59→敬川11:07→久代11:15→下府11:20→浜田11:27

・一部快速「通勤ライナー」を出雲市~米子間で普通化

(参考)
【上り】
出雲市7:08→来待7:30→玉造温泉7:36→乃木7:41→松江7:44

・出雲横田5:30発松江行き普通を宍道~松江間で快速化

(参考)
① 出雲横田5:30→宍道7:19→乃木7:33→松江7:36

・鳥取10:34発倉吉行き,倉吉11:56発鳥取行き,江津8:17発浜田行き,江津10:04発浜田行き,浜田11:53発江津行きの運転取りやめ
▼北陸本線
・金沢~米原間を521系で運転する列車をワンマン化
▼湖西線
・近江塩津~近江今津間を521系で運転する列車をワンマン化
▼万葉まほろば線~和歌山線
・227系を順次投入
▼学研都市線
・「東寝屋川」を「寝屋川公園」に改称
▼福知山線
・広野・相野・藍本・草野・古市・南矢代で列車ドアを半自動扱い化
▼山陽本線
・朝の快速「サンライナー」を各駅停車化

(参考)
① 福山6:33→東福山6:37→大門6:41→里庄6:52→西阿知7:10→岡山7:32
② 福山7:07→大門7:16→西阿知7:47→中庄7:58→庭瀬8:03→北長瀬8:08→岡山8:13

・岡山・福山方面~広島・岩国方面の直通運転を取りやめ,全て糸崎又は三原で乗換
・三原~岩国間の列車をすべて227系で運転
・西日本豪雨災害による徐行運転を解除
▼瀬戸大橋線
・岡山~琴平・観音寺間の直通運転を取りやめ,全て児島行き化
▼呉線
・三原~海田市間の列車をすべて227系で運転
・西日本豪雨災害による徐行運転を解除
▼可部線
・横川~あき亀山間の列車をすべて227系で運転

●JR四国●
▼松山地区~大阪地区の所要時間短縮
・特急「しおかぜ」から新幹線「のぞみ」への接続改善に伴い,松山~新大阪で7分,松山~東京で12分所要時間を短縮
▼「しおかぜ・いしづち21号」併結駅変更
・特急「しおかぜ・いしづち21号」の併結駅を宇多津から多度津に変更し,岡山から丸亀,多度津への到達時分を5分短縮

(参考)
しおかぜ21号 岡山17:35→宇多津18:08→丸亀18:12→多度津18:17→松山
いしづち21号 高松17:53→宇多津18:12→丸亀18:16→多度津18:22→松山

▼「南風19号」停車駅変更
・特急「南風19号」が宇多津に追加停車

(参考)
南風19号 岡山17:05→宇多津17:41→高知19:43

▼「南風・しまんと」運転区間変更
・特急「南風3号」は,運転区間を岡山~高知に短縮し,高知~中村は特急「あしずり3号」に接続
・特急「南風13号」は,運転区間を岡山~高知に短縮し,高知~宿毛は特急「あしずり9号」に接続
・特急「南風12号」は,運転区間を高知~岡山に短縮し,宿毛~高知は特急「あしずり4号」から接続
・特急「南風24号」は,運転区間を高知~岡山に短縮し,中村~高知は特急「あしずり10号」から接続
・特急「しまんと10号」は,運転区間を宿毛~高松に延長し,特急「あしずり12号」を吸収
▼特急「うずしお33号」停車駅変更
・特急「うずしお33号」はオレンジタウンに新規停車

(参考)
うずしお33号 高松22:24→オレンジタウン22:43→徳島23:34

▼「剣山6号」運転時刻変更
・特急「剣山6号」は,阿波池田で特急「南風8号」に接続する時刻に変更

(参考)
剣山6号 阿波池田10:27→穴吹11:01→徳島11:38

▼特急指定席拡大
・特急「うずしお22号」は,徳島~岡山で指定席を拡大
・特急「うずしお29号」は,岡山~徳島で指定席を拡大
・特急「いしづち103号」は,土休日に限り,高松~松山で指定席を拡大
・特急「宇和海3号」は,平日に限り,松山~宇和島で指定席を拡大
▼牟岐線
・徳島~阿南の9~19時台,阿南~海部の10~15時台に運転する普通を30分ヘッドのパターン化
・徳島~阿南の普通を8本増発

●JR九州●
▼「ソニック2号」運転時刻変更
・特急「ソニック2号」の運転時刻を下記のように変更
・これと同時に新幹線「のぞみ4号」の運転時刻変更により,小倉で接続可能

(参考)
ソニック2号 大分5:18→小倉6:46→博多7:49
※のぞみ4号の小倉発は6:53

▼筑肥線
・波多江~筑前前原間に「糸島高校前」が開業
▼香椎線
・香椎線は,全ての列車を,蓄電池電車「DENCHA」で運転
▼日豊本線
・平日に,佐伯16:00発臼杵行き普通を増発
・臼杵で亀川行き普通に接続
▼吉都線
・平日に,都城21:45発吉松行き普通を定期化
・都城20:14発吉松行き普通は,都城19:56発に変更


※各社の発表は以下のリンクからどうぞ
JRグループ
JR北海道
JR東日本(全体)
JR東日本(多摩版)
JR東日本(甲府版)
JR東日本(高崎版)
JR東日本(水戸版)
JR東日本(千葉版)
JR東日本(盛岡版)
JR東日本(新潟版)
JR東日本(長野版)
中央線特急新着席サービス
JR東海
JR西日本(全体)
JR西日本(北陸版)
JR西日本(京阪神版)
JR西日本(和歌山・南紀版)
JR西日本(北近畿版)
JR西日本(岡山版)
JR西日本(広島版)
JR西日本(山陰版)
JR西日本(九州版)
JR四国
JR九州
JR九州優等列車時刻表
JR貨物
2018-12-11(Tue)

【事例研究行政法】第1部問題3

さてさて,期末試験が目前です。

最近期末試験の話しかしていない気がしますが,

他にする話もないですしね。

カラオケ行きたいですね。

≪問題≫次の文章を読んで,資料を参照しながら,以下の設問に答えなさい。

 Aは,婚姻届出をしていない事実上の夫婦であるB(母)およびC(父)の子として,2008年9月29日に出生した。Cは,同年10月11日,甲市長Dに対し,戸籍法49条に基づき,Aに係る出生届(以下「本件出生届」という)を提出したが,非嫡出子という用語を差別用語と考えていたことから,届書中,嫡出子または非嫡出子の別を記載する欄(戸籍49条2項1号参照)を空欄のままとした。このため,Dは,Cに対し,この不備の補正を求めたが,Cはこれを拒否した。Dは,届出の記載が上記のままでも,届書のその余の記載事項から出生証明書の本人と届書の本人との同一性が確認されれば,その認定事項(例えば,父母との続柄を「嫡出でない子・女」と認める等)を記載した付せんを届書に貼付するという内部処理(いわゆる「付せん処理」)をして受理する方法を提案したものの,Cはこの提案も拒絶した。そこで,Dは,同日,本件出生届を受理しないこととした(以下「本件不受理処分」という)。
 Cは,本件不受理処分を不服として,Dに本件出生届の受理を命ずることを求める家事審判の申立てをしたが,E家庭裁判所は,本件不受理処分に違法はないとして,同申立てを却下する決定をした。Cはこれを不服として抗告したが,東京高等裁判所は,これを棄却する決定をし,これに対する特別抗告も最高裁判所の決定により棄却された。BおよびCは,その後も,現在に至るまで,Aに係る適法な出生届を提出していない。
 他方,Cは,Dに対し,Aにつき住民票の記載を求める申出(住民台帳14条2項)をしたが,2008年11月19日,Dは,本件出生届が受理されていないことを理由に,上記記載をしない旨の応答をした。
 住民票の記載は,転入の場合には,住民基本台帳法上の届出(同法22条)に基づいて行うこととされている(同法施行令11条)のに対し,出生の場合には,戸籍法上の届出(戸籍49条)が受理されたときに職権で行うこととされている(住民台帳法施行令12条2項1号)。本件では,戸籍法上の出生届は受理されていないが,例外的に住民票の記載をすべき場合に当たるとBおよびCは考えている。
 BおよびCは,その後も,Aの住民票の記載を行うように,甲市の担当者と交渉したが,進展が見られなかったため,2009年4月6日,弁護士Fに相談した。
 なお,住民票は,行政実務上,選挙人名簿への登録のほか,就学,転出証明,国民健康保険,年金,自動車運転免許証の取得等に係る事務処理の基礎とされている。これらのうち,選挙人名簿への登録以外の事務に関しては,Dは,住民基本台帳に記載されていない住民に対し,手続的に煩さな点はあるが,多くの場合,それに記録されている住民に対するのと同様の行政上のサービスを提供している。

〔設問〕
 弁護士Fの立場に立って,Aを原告とする行政訴訟によって,Aに係る住民票の記載を求めるには,どのような訴訟を提起し,どのような主張をすべきか,述べなさい。

【資料】省略

こう,どっちかの立場から立論してくださいみたいな出題の仕方,嫌いですね。

こっちの好きなように書かせろよって思います。

公法系の先生ってマジで正確の悪い奴らしかいないんじゃないかと思っています。

≪答案≫
1 まず,Aが提起すべき訴訟について検討すると,CがAにつき住民票の記載を求める申出(住基法14条2項。以下「本件申出」という。)をしたのに対し,Dは上記記載をしない旨の応答(以下「本件応答」という。)をしているので,本件応答を処分とみて取消訴訟(行訴法3条2項)を提起することが考えられる。本件応答が取消訴訟の対象となる「処分」にあたるか検討する前提として,本件申出の法的性格について判断する。
 出生があった場合,戸籍法上の届出(同法49条)に基づいて戸籍の記載が行われるが,住民票の記載は,戸籍法上の届出が受理されたときに職権で行うこととされている(住基法施行令12条2項1号)。このような仕組みからすると,戸籍法上の届出の記載事項に不備があるために届出が受理されない場合,戸籍と連動して,住民票の記載もされないこととなる。この場合,戸籍法上の届出が受理されず,戸籍の記載がされなくても,出生があったのは事実であるから,「住民に関する記録を正確かつ統一的に行う住民基本台帳の制度」(住基法1条)の趣旨からは,住民票の記載をすべきであるとも考えられる。そして,市町村長は,住民票に記載漏れ等があることを知ったときは,職権で,住民票の記載をしなければならないから(住基法14条2項),戸籍法上の届出が受理されていなくても,例外的に,住民票の記載をすべきであるようにも思われる。
 しかし,転入の場合には,住基法上の届出(同法22条)に基づいて住民票の記載を行うこととされている(同法施行令11条)のに対し,出生の場合には,上述のように考えたとしても,職権で住民票の記載をしなければならないとされているにとどまり,届出や申請に基づいて住民票の記載を行う仕組みは規定されていない。そして,住基法14条2項に基づく申出は「申し出る」という文言が用いられており,申出に対する行政庁の審査・応答義務が規定されていない。そうすると,住基法は,住民票の記載を専ら行政庁の判断にかからしめているから,住基法14条2項に基づく申出は,職権の発動を促すものにすぎず,「申請」に当たらない。
 本件でも,Cの申出は,Dの職権による住民票の記載を促すものにすぎず,「申請」にあたらない。そうすると,本件応答は,職権の発動をしない旨を事実上回答したものにすぎないから,取消訴訟の対象となる「処分」にあたらない。したがって,本件応答に対する取消訴訟を提起することはできない。
2⑴ そこで,Aは,住民票の記載を求める義務付け訴訟(行訴法3条6項1号,37条の2)を提起することが考えられる。
 ⑵ 住民票に特定の者の氏名を記載する行為は,市町村長が職権により一方的にその者が当該市町村の選挙人名簿に登録されるか否かを決定づけるものであるから(住基法8条,住基施行令12条2項1号),公権力の主体たる公共団体が行う行為のうち,その行為によって直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定するものであるから,「処分」にあたる。
 「一定の」とは,原告が義務付けを求める処分,裁決について,裁判所における裁判が可能な程度に特定されていることが必要である。Aは,住基法及び住基施行令に定める,市町村長が職権で住民票を記載すべき場合のうち,住基施行令12条2項1号にあたるものとして処分の義務付けを求めているから,裁判所における裁判が可能な程度に特定されているといえ,「一定の」処分である。(※1)
 前記のように,出生の場合における住民票の記載について申請する手続は法令上認められていないから,「次号に掲げる場合」にあたらない。
 そして,「法律上の利益を有する者」(行訴法37条の2第3項)とは,当該処分がされないことにより自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害されまたは必然的に侵害されるおそれのある者をいう。Aは,住民票の記載がされないことにより,行政上のサービスを受けるにあたり煩さな手続を経ることが要求され,迅速な行政サービスを受ける権利を必然的に侵害されるおそれがある地位にあるから,「法律上の利益を有する者」にあたる。(※2)
 それでは,「重大な損害を生ずるおそれ」(行訴法37条の2第1項)は認められるか。住民基本台帳に記載のない住民は,選挙人名簿への登録以外の各種行政サービスを,手続に煩さな点がありながら受けることができる。また,Aは乳児であって,選挙権を得るまで10年以上あるから,Aに選挙人名簿への登録がされないことについて現在の不利益はない。そうすると,「重大な損害の生ずるおそれ」はないとも思える。しかし,居住関係の証明を必要とし,住民票の提出を求められる手続は,甲市による行政サービス以外にも存在し,日常の社会生活の様々な場面における不利益の累積は,市民生活上看過することができない負担である。このような負担の程度からすると,Aの被る損害の回復は性質上困難である。したがって,住民票に記載されないこと自体をもって,「重大な損害の生ずるおそれ」があるということができる。
 また,Aが上記のような不利益を回避するための手段を定めた法令は特段存しないから,「損害を避けるため他に適当な方法がないとき」(行訴法37条の2第1項)にあたる。
 以上から,Aの提起する義務付け訴訟は,訴訟要件を満たす。
 ⑶ そして,本件では,戸籍法上の届出が受理されていなくても,Aが出生したことは事実であるから,「住民に関する記録を正確かつ統一的に行う住民基本台帳の制度」(住基法1条)の趣旨,この趣旨を貫徹するために市町村長に定期的な調査の責務と強力な調査権限が与えられていること(住基法34条,49条),そして,住民票に記載されないことによって前記のような重大な不利益がもたらされることからすると,「行政庁」DがAを住民票に記載する「処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ」る(行訴法37条の2第5項)。
 したがって,本案勝訴要件も満たす。
 ⑷ よって,Aとしては,住民票の記載を求める義務付け訴訟を提起した上で,上記のような主張を行う。
以 上

(※1)「一定の」についてのあてはめの仕方は分からない。櫻井=橋本『行政法[第4版]』349頁では,「たとえば,根拠法令上,同一の処分要件であることを前提に複数の処分の選択肢があると解釈されるような場合(一定の効果裁量が認められる場合),その選択肢の範囲内で何らかの処分の義務付けを求める義務付け訴訟は,特定性を満たし,適法と考えるべきであろう。」とされているので,義務付けの訴えに係る処分を根拠法令を基に指定していることがいえれば,特定性は満たされるのではないかと思われる。
(※2)予備校の参考答案などを見ると,「法律上の利益を有する者」の定義を出していないものがあるが,第三者でなく当事者の原告適格の場面でも定義は出した方がいいのではないかと思う。たぶん,その方があてはめが楽になる気がする。



2018-12-09(Sun)

【事例研究行政法】第1部問題2

昨日ブログを久しぶりに更新したかと思いきや,

2日連続の投稿となりました。

この不定期な更新は,完全に気分です。

「てきとーに更新」と呼ばれる所以です。

このブログタイトルをつけた9年前の私は,

先見の明がありました。

そもそも,このブログを読んでいる人がごく限られている時点で,

定期的な更新は求められていません。

日記です。

しかし,日記だとしたら,答案を書いてそれを掲載しているのは,

正直言って頭沸いてんじゃないかと思います。



今日は事例研究行政法の問題2です。

≪問題≫次の文章を読んで,資料を参照しながら,以下の設問に答えなさい。

日時 2016年3月10日
場所 Cの事務所

A(ホテル経営者):それでは,事情をお話しします。私は甲県乙市でホテルを建てようと考え,準備を始めておりました。
B(Aの申請手続等を代行している行政書士):ここからは,私が申し上げます。Aさんが建築を予定していたホテルは,その設備が風営法2条6項4号に規定された構造や設備を有していないので,風営法の規制を受けないホテルです。したがって,風営法やその委任を受けた甲県条例などの規制を受けません。また,ホテルの建築予定地は,他の法律の規制を受けないことを確認しました。
A:私どもとしては,風営法の規制を受けないように工夫して,ホテルの設計図を作成し,建築の準備を始めました。
B:ところが,乙市には,「乙市遊技場等及びラブホテル等の建築物の規制に関する条例」という条例が制定されているのです。
C(弁護士):乙市ラブホテル建築等規制条例ですね。
B:そうです。そこで,乙市に設計図や予定されている建築物の外観の資料等をもって担当者に会いに行きました。すると,乙市の担当者から,Aさんが建築を予定していたホテルは,風営法の規制は受けないが,乙市条例の2条1項2号におけるラブホテルに該当するから,条例上の手続をとるように言われました。そこで,私は,Aさんと相談して条例上必要な手続をとることにしました。条例3条2項によるとラブホテルの建築には乙市市長の同意が必要ということですので,私が同意申請書を作成し乙市に提出したところ,昨年12月21日,乙市市長は条例4条1号に違反するとして同意をしないとの通知をしてきたのです。
C:それでどのような対応をされましたか。
B:こちらとしては同意が得られないのは残念ですが,乙市市長の同意を得ないまま,今年の1月12日に甲県の建築主事に建築確認の申請書を提出しました。建築確認済証が出次第,建築工事にかかろうと考えているのですが,甲県は,乙市と協議して,同意をとるようにという指導を続けるだけで,未だに建築確認を出してくれません。建基法6条4項の期間を既に経過しています。これまでの私の経験からしても,これくらいの建築物ですと,遅くても1カ月以内に建築確認が出るのですが。
A:建築確認申請はしたのですが,条例には違反した状態が続いているので,それが気になっています。建築か始まってからも同意を経ずに建築をすれば,乙市は中止命令を出すかもしれませんし。中止命令を無視して建築を続ければ,刑事罰を受ける可能性もあるとのことで,不安に感じています。
B:過去,同様の事例で,乙市はほぼ確実に建築中止命令を出しているそうです。そのことは,乙市の担当者から聞いています。
C:ところで,甲県はなぜ留保しているのでしょうか。
A:乙市では私たちのラブホテル出店に反対運動が起きているので,甲県は,指導を続け,その間に乙市との話がついて,反対運動が収束するのを望んでいるのだと思います。しかし,私は違法な点がない出店計画を変更するつもりはありません。る当初から,甲県に対しては,出店計画を一切変更するつもりはないし,乙市条例が「建築基準関係規定」に該当しない以上,迅速に建築確認を行って確認済証を交付するようにはっきりと言っております。
C:乙市条例6条の中止命令は出ていますか。
B:今のところは,出ていません。
A:既に着工が遅れ,借入金の利息も増えています。また,乙市も甲県も全く態度を変えないので,裁判を起こすことを考えております。
C:わかりました。それでは,これまでの点を踏まえて,訴訟の可否を検討してみましょう。

〔設問〕
1.Aは,Cとの相談の結果,乙市市長の不同意に対して取消訴訟で争うこととした。乙市市長の不同意は取消訴訟の対象としての処分性が認められるか検討しなさい。
2.Aは,甲県に対して抗告訴訟で争うとすれば,どのような訴訟で争うのが適切か検討しなさい。また,甲県の対応の行政法上の評価も検討しなさい。なお,仮の救済については検討する必要はない。

なお,本問の解答にあたっては,以下のことを前提として考えなさい。
①乙市条例は風営法や旅館業法などの国法と抵触していないものとする。
②乙市と甲県行政手続条例は本問の解答に必要な限りでは行手法と同一の内容であるものとする。

【資料】省略

※事例研究行政法[第2版]第1部問題4と共通


僕には,最判昭和60年7月16日の位置付けが分かりませんし,

いろいろな文献を読んでみましたが,

やっぱりよく分かりませんし,

知人に聞いたりもしましたが,

果たして分かりませんでした。

きっと一生理解し得ないんだろうと思います。

残念だなあと思いました。

≪答案≫
第1 設問1
 1 乙市市長の不同意(以下「本件不同意」という。)は,取消訴訟の対象としての処分性が認められるか。
 2⑴ 「処分」(行訴法3条2項)とは,公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。
  ⑵ 本件不同意は,乙市市長が,Aが建築しようとしているホテル(以下「本件ホテル」という。)が乙市遊技場等及びラブホテル等の建築等の規制に関する条例(以下「本件条例」という。)4条1号に該当するものと判断し,これを理由として不同意とするものであり(本件条例3条3項),乙市市長の一方的に決定したものであるから,公権力の主体たる公共団体が行う行為である。
  ⑶ 本件条例は,市長が不同意を申請者に通知し(同3条3項),通知された申請者が建築を強行すると中止命令等が発され(同6条),中止命令等に違反すると刑事罰が科せられる(同11条)ことになっている。そうすると,乙市市長がする中止命令によって,同意を得ていない建築主は建築をやめなければならない法的義務を負うことになるのであるから,その前段階にある不同意は将来の中止命令の前に行われる中間的な性格の行為であるとも考えられる。このように考えた場合には,市長の不同意は,単に事前に建築計画の見直しを求めるものにすぎないのであるから,法的効果はみられない行政指導の一種であるということになる。
 しかし,Aが本件不同意にもかかわらず建築を続けた場合には,乙市の条例運用の実態からしてもAは将来中止命令を受ける地位に立たされる状態にある。不同意によってこのような地位に立たされること自体が法的効果であるといえ,その意味において本件不同意には法的効果があるということができる。また,中止命令を受けて訴訟を起こすためだけに建築工事にかかるのは,不自然であり,無駄な時間と費用がかかる対応であって,国民の権利救済の観点から合理的な解決方法とはいえない。そこで,本件不同意によって将来中止命令を受ける地位に立たされて,紛争の成熟性が認められた現段階において取消訴訟を提起することを認めるべきである。したがって,本件不同意は,直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものである。
 3 以上から,本件不同意には,取消訴訟の対象としての処分性が認められる。
第2 設問2
 1⑴ まず,甲県の対応の行政法上の評価について検討すると,甲県は建築確認申請を行ったAに対して乙市の同意をとるよう行政指導を続け,これに対しAが迅速に建築確認を行うよう申し向けているにもかかわらず,2か月にわたって申請を保留している。そこで,甲県が上記保留をし続けていることが違法とならないか。
  ⑵ 建基法6条4項は,建築主事が申請書を受理した場合には,その日から35日以内に建築確認をすることを定めている。しかし,普通地方公共団体は住民の福祉の増進に努めるものとされていることから(地方自治法2条14項)(※1),建築確認申請に係る建築物が良好な居住環境を損なうことになるものと考えて,当該地域の生活環境の維持,向上を図るために,建築計画の確認処分を留保し,行政指導を行っても,直ちに違法となるものではない。
 もっとも,建築主において建築主事に対し,確認処分を留保したままでの行政指導にはもはや協力できないとの意思を真摯かつ明確に表明し,当該確認申請に対し直ちに応答すべきこと求めているものと認められるときには,行政指導に対する建築主の不協力が社会通念上正義の観念に反するものといえるような特段の事情がない限り,当該行政指導を理由に建築主に対し確認処分の留保の措置を受任せしめることは許されない。したがって,それ以後の行政指導を理由とする確認処分の留保は違法である。(※2)
  ⑶ これを本件についてみると,甲県は,Aに対し,乙市の同意をとるよう申し向け行政指導を続け,建築確認を留保している。これに対して,Aは,乙市条例が「建築基準関係規定」に該当しない以上,迅速に建築確認を行って確認済証を交付するようはっきりと言っていることから,確認処分を留保したままでの行政指導にはもはや協力できないとの意思を真摯かつ明確に表明し,当該確認申請に対し直ちに応答すべきことを求めているということができる。そして,Aが上記行政指導に不協力であることに社会通念上正義の観念に反するものといえるような特段の事情はない。したがって,Aが,上記意思を表明した時点以降の確認処分の留保は違法である。
 2 そして,Aとしては,甲県の建築主事から本件ホテルの建築計画に係る建築確認済証の交付を受けることを求めているから,甲県の建築主事が建築確認をすることの義務付け訴訟(行訴法3条6項2号,37条の3)を提起することが考えられる。
 建築確認は「処分」(行訴法37条の3第1項1号)であるところ,Aは,甲県に対して建築確認申請書をもって建築確認申請をしているが(建築基準法6条1項),これに対して甲県は何らの処分をしていないから「当該法令に基づく申請……に対し相当の期間内に何らの処分……がされない」場合にあたり(行訴法37条の3第1項1号),Aは「法令に基づく申請……をした者」である(同条2項)。
 そして,Aが上記訴訟を提起するためには,建築確認を行わないことについて不作為の違法確認訴訟(行訴法3条5項,37条)を提起する必要があるが,上記のようにAは「処分……についての申請をした者」(行訴法37条)である。「相当の期間内」(行訴法3条5項)か否かは,通常当該申請を処理するのに必要とされる期間を経過しているか,また,それを経過することについてそれを正当とするような事情があるかによって判断されるところ,本件では,建基法6条4項の規定に照らしても通常処理するのに必要とされる期間は経過しており,行政指導を行っていること以外に処分が行わないことに理由がないことから,経過することについてそれを正当とする事情はない。したがって,上記不作為の違法確認訴訟は適法に提起することができる(行訴法37条の3第3項1号)。
 また,Aの申請した本件ホテルの建築計画は,法令上問題がないものであるから,「行政庁がその処分……をすべきであることがその処分……の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ」る(行訴法37条の3第5項)。
 以上から,上記義務付け訴訟は,上記不作為の違法確認訴訟と併合提起することで,適法に提起することができる(行訴法37条の3第4項)。
以 上

(※1)最判昭和60年7月16日では,普通地方公共団体が建築確認を留保して行政指導を行いうる根拠について,「普通地方公共団体は、地方公共の秩序を維持し、住民の安全、健康及び福祉を保持すること並びに公害の防止その他の環境の整備保全に関する事項を処理することをその責務のひとつとしているのであり(地方自治法二条三項一号、七号)」としているが,おそらくこの判決後に地方自治法が改正されたのか,判決に掲げられている地方自治法上の条文が消えている。そこで,これに相当するような条文を挙げるとしたら同法2条14項になろうか。
(※2)事例研究行政法第3版34頁は「行手法33条と同一内容の甲県行政手続条例は,『申請者が当該行政指導に従う意思がない旨を表明したにもかかわらず当該行政指導を継続すること等により当該申請者の権利の行使を妨げるようなことをしてはならない』と規定しているはずであり,また,判例も同様に考えている」ことから「本事例のAは,捨て背に行政指導には従わない意思を明言している」ため「行政指導を継続し,留保を続けることは違法ではないかと考えられる」としている。しかし,行手法33条は「申請の取下げ又は内容の変更を求める行政指導にあっては」という前文があるのであって,甲県がAに対して乙市の同意をとってくるよう指導していることが「申請の取下げ又は内容の変更」に当たらない限りは,この条文の適用はできないのではないか,という疑問に直面している。この場合には,結局,最判昭和60年7月16日をそのまま引用することになるのか。ただし,この点について,探究ジュリスト3号76頁参照。


2018-12-08(Sat)

【事例研究行政法】第1部問題1

久しぶりに答案を書きました。

たぶん,予備の論文前以来だと思います。

いや,その後にローの期末があったので,そのときに書いたかもしれません。

いずれにせよ4か月ぶりくらいです。

4か月も答案を書いていないと,答案の書き方を忘れてしまうものです。

困ったものですね。

そうこうしているうちに,またもローの期末が近づいてきました。

しかも,また公法系の試験があります。

もういいでしょって感じです。

ですが,おとなしく行政法のお勉強をします。

≪問題≫次の文章を読んで,資料を参照しながら,以下の設問に答えなさい。

 大学受験予備校「甲ゼミナール」を全国展開している学校法人Aは,新たに「甲ゼミナール乙校」を,各種学校(学校教育134条)として開設しようと考えた。Aは,設置認可の申請をするにあたり,B県の担当部署に対し,各種学校規程以外に,審査の基準となるものはないかと問い合わせたが,特にそのようなものはないとの返答であったので,各種学校規程に従って準備をととのえ,B県知事に対し,設置認可の申請をした。しかし,B県知事は,この申請を拒否する処分(以下「本件処分」という)をし,その理由として,「本件申請を認容すれば,過当競争によって地元中小予備校の経営不振に伴う教育水準の低下がもたらされることは避け難く,さらに,地元中小予備校が休・廃校に追い込まれるようなことになれば,生徒の選択の幅を狭めることにもなるため,予備校の適正配置の観点から,本件申請を拒否すべきと判断した」旨を付記した。これに対し,Aは,本件処分の取消訴訟を提起した。

〔設問〕
1.Aは,予備校設置認可の審査において「地元予備校間での過当競争を防ぐための適正配置」が考慮されることについて,申請の段階で何も知らされなかったことが不満である。もし,そのようなことが考慮されるとあらかじめ知っていれば,申請の段階で,店員を削減するなどの対策をとって,不認可処分を避けることができたのではないかと考えている。Aは本件処分の取消事由として,どのような主張をすることが考えられるか。また,その主張が認められてAが勝訴した場合,B県知事はどのような措置をとる義務を負うか。
2.設問1の場合と異なり,Aは,予備校設置認可の審査において,「地元予備校間での過当競争を防ぐための適正配置」は考慮すべきではないと考えている。Aは本件処分の取消事由として,どのような主張をすることが考えられるか。【資料】を参照し,学校と各種学校とで法的位置づけがどのように異なるかに注意して,論じなさい。また,Aの主張が認められてAが勝訴した場合,B県知事はどのような措置をとる義務を負うか。

【資料】省略


今の今になって,事例研究の1問目とは・・・。

いかに行政法を勉強していないかが分かります。

なんで予備論文行政法でAをとれたのか不思議です。

≪答案≫
第1 設問1
 1 Aは本件処分の取消事由として,B県知事の審査基準の設定公表義務違反を主張する。
 2⑴ Aが学校教育法(以下「法」という。)に規定する各種学校として「甲ゼミナール乙校」を開設することは「私立の各種学校の設置」にあたる。したがって,これをするにあたっては,B県知事の認可が必要である(法134条2項,4条1項)。ここで,B県知事のする認可は法に基づいてする処分であり,これを求めるAの行為は「申請」(行手法2条3号)にあたるから,これに対してB県知事がした本件処分は「申請に対する処分」(行手法2章,2条4号ただし書ロ)にあたる。そうすると,B県知事は,当該認可に係るできる限り具体的な審査基準を定め,かつ,行政上特別の支障がない限り,それを公にしておく義務を負う(行手法5条)。
 B県知事は,「地元予備校間での過当競争を防ぐための適正配置」という,法および各種学校規程に明示されていない基準で認可の許否を判断したにもかかわらず,そのような基準をあらかじめ定めていなかったか,または,定めていたとしても公にしていない。そして,この基準を公にしておくことに「行政上特別の支障がある」(行手法5条3項)とも考えられない。したがって,B県知事が上記基準を公にしていなかったことは,行手法5条に違反し,違法である。
  ⑵ Aの主張は,手続的瑕疵をいうものであるが,これが取消事由となりうるか。この点,行手法は,同法に規定された手続を履践せずになされた処分の効力について規定していないため,この場合の効力をどのように考えるかが問題となる。
 Aとしては,行手法が審査基準の設定及び公表を明確に行政庁の行為義務として定めている趣旨は,適正手続によってのみ処分を受けるという意味での手続的権利を国民に保障する点にあるから,手続違反は当然に国民の権利侵害として処分の取消事由になると主張することが考えられる。この主張によれば,本件では,B県知事が行手法に規定する審査基準の設定及び公表義務を怠っているから,国民の手続的権利の保障の観点から,当然に取消事由となる。
 これに対して,B県知事としては,手続的瑕疵は結果に影響を及ぼす可能性がある場合にのみ処分の違法をもたらし,取消事由となる旨主張することが考えられる。しかし,本件で審査基準が設定公表されていれば,Aとしては,過当競争による教育水準の低下をもたらさないための方策を具体的に申請書に記載することができたはずであり,不認可という結果が左右されていた可能性がある。したがって,B県知事の主張によっても,B県知事が審査基準の設定公表を怠っていたことは,本件処分の取消事由となる。
 3 本件処分が取り消された場合には,取消判決の拘束力(行訴法33条)により,B県知事は,判決の趣旨に従って,審査基準を設定公表し,必要があればAから追加書類の提出等を受けて,改めて申請を審査しなければならない。その結果,B県知事は,Aの申請が「地元予備校間での過当競争を防ぐための適正配置」の基準を満たすと考える場合には認可の処分をすることとなり,他方で上記基準を満たさないと考える場合には再度不認可の処分をすることとなる。
第2 設問2
 1 Aは本件処分の取消事由として,B県知事が予備校設置認可に審査において「地元予備校間での過当競争を防ぐための適正配置」を考慮したことが,B県知事に認められた裁量権を逸脱濫用する旨を主張する。
 2⑴ そこで,前提として,各種学校の設置認可についてB県知事の裁量が認められるかについて検討すると,法は各種学校の設置認可を都道府県知事の権限としており(法134条2項,4条1項),当該設置認可の要件について委任する旨の規定がなく(法134条3項),各種学校規程においても各種学校の設置認可の要件を定めるものとは明示されていない。そうすると,法令上,各種学校の設置認可について要件が定められていないから,これについては認可権者である都道府県知事の裁量に委ねる趣旨であると考えられる。
  ⑵ もっとも,裁量権の行使は,それが認められた趣旨を超えて認められるものではないから,裁量権を逸脱濫用したものと評価される場合には,これに基づく処分は違法であり,処分の取消事由となる。
 法は,各種学校(法134条以下)を学校(法1条以下)と制度上区別しており,学校は,国,地方公共団体および学校法人のみが設置できるとしている(法2条)のに対し,各種学校にはそのような制限がないこと,学校は公の性質を有するとされている(法6条1項)のに対し,各種学校にはそのような位置付けは与えられていないことからすると,学校における教育は国が相当程度その運営に関与することが法律上予定されているのに対し,各種学校における教育は職業選択の自由(憲法22条1項)の行使として原則として自由であると考えられる。そうすると,各種学校の設置認可の要件としては,各種学校規程に定められた基準を満たすことをもって足り,それ以外の事情を考慮して認可を拒否することは許されない。
 これを本件についてみると,各種学校の配置について規定するのは,各種学校規程9条1項のみであるが,同項は繁華街の近くや不衛生な場所など,教育上不適切な場所に各種学校を設置することを禁ずるものであって,他の同種校との過当競争を防ぐ趣旨を含むものではない。そうすると,B県知事が,予備校の設置認可にあたって,「地元予備校間の過当競争を防ぐための適正配置」を考慮することは許されない。したがって,本件処分は,考慮すべきでないことを考慮してされたものであるから,裁量判断の過程に誤りがあり,裁量権の行使に逸脱濫用がある。よって,B県知事が上記事項を考慮に入れたことは,本件処分の違法を基礎づけるものであり,取消事由となる。
 3 本件処分が取り消された場合には,取消判決の拘束力により,B県知事は,判決の趣旨に従って,上記事項を考慮要素から外し,改めて申請を審査する義務を負う。その結果,各種学校規程の定める要件を満たしていると判断されれば認可処分をする義務を負い,他方要件を満たしていないと判断されれば不認可処分をする義務を負う。
以 上



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